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押さえておきたい賃貸管理で行いたい事と今後行うべき事

最終更新日: 2023.10.06

公開日:2022.07.26

はじめて建物賃貸経営をする方の中には、立派な建物を建てても上手く経営できない方が少なくありません。

その原因はさまざまですが、大きな要因の一つとして「賃貸管理が不十分」ということがあります。

そこで今回は、賃貸管理の基本やポイントについて詳しくお伝えします。

1.安定経営に欠かせない賃貸管理業務

建物賃貸経営にとって建物はいわば「商品」です。

一般企業でも理屈は同じですが、商品が立派なら売れる、売れ続けるものでしょうか?基本的に答えはNOです。
中には売れるものもありますが、大抵は初期の頃は新商品として売れたとしても、いずれ売れなくなります。


たとえば、宣伝を工夫しなければ消費者にその商品の魅力が伝わりません。
当初は評価して頂いていたとしても時間の経過とともに見栄えや機能が周囲と比較して劣ってくれば選ばれなくなってきます。

また、クレームや要望を無視すれば、商品の良し悪しに関係なくいずれ消費者にも愛想を尽かされるかもしれません。
つまり、どんなに商品が立派でも、宣伝方法や消費者対応など他の部分がダメでは売れなくなります。

逆に、親身に顧客対応ができていれば、なかなか売れなかった商品でも公正な目で見ていただけるようになることで商品の良さに気付いていただけて売れることもあるというのが経営や営業の基本です。そしてこれは、建物賃貸経営でも変わりはありません。


建物賃貸事業の場合、賃貸建物という商品を作った後の大切な仕事を総じて「賃貸経営」といい、その中心となるのが「仲介業務」「賃貸管理業務」です。
まずは基本的な賃貸管理業務について、具体的にどのような業務があるのか、怠るとどうなるのか、などを知っておきましょう。

1-1.契約管理

契約管理とは、文字通り入居者との賃貸借契約や手続きに関する管理です。入居時の契約は元より、更新時や解約時にも滞りがないよう手続きをする必要があります。
合わせて、重要事項の説明やカギの受け渡しなども必要です。

中には、〇ヶ月前までにしなければならない手続き(たとえば更新の手続きにおける意思確認なら1?3ヶ月前)などもありますから、手続き上のスケジュール管理も大切になります。


これを怠ったりミスがあったりすると、入居者との大きなトラブルにつながる恐れがあります。
双方で合意・締結した契約内容が適正に運用されなければ、一定の損害賠償や信用問題になりかねませんから、細心の注意を払いましょう。

1-2.建物(修繕)管理

建物管理とは、いわば建物そのものの美観や機能の持続に関する管理です。

どこか壊れた部分や調子の悪い部分、劣化が目立つような部分があれば、できるだけ速やかに修繕する必要があります。
また、そういったことを実行するためには、定期的に建物点検を実施することも大切です。


これを怠ると、見栄えが悪いだけでも新しい入居者が入りにくくなり、不調が続けば既存の入居者の不満が高まって解約されかねません。

また、壊れた状態を放置したことで何らかの事故が起これば、巨額の施設賠償を求められる可能性さえあります。
軽微な修繕をせずに放置したばかりに大きな毀損につながり突発的な大規模修繕が必要になり、思わぬ出費になることもありますから、十分に注意しましょう。

1-3.家賃管理

家賃管理とは、いわゆる集金業務です。賃貸借契約で定めた毎月の家賃を滞りなく回収できるように管理します。
実にシンプルな管理業務ですが、事業において集金はもっとも重要な仕事の一つであり、もっともトラブルになりやすい業務の一つでもあります。


家賃管理においては、特に家賃の滞納発生が起きた初月の初動対応が重要なポイントになります。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の2020年度下期「日管協短観」によると、最近の滞納率は以下のような結果です。

出典:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会2020年度下期「日管協短観」



2020年はコロナが始まった年ですが、月初全体の滞納率として2020年下期は全国平均で5%、関西圏に限っては8%程度、滞納が起こっています。
滞納はたんに家賃が入らないだけでなく、新規の入居者を入れることもできないので空室より問題です。


これが続くと経営上の死活問題になりかねないだけでなく、本来良質な入居者を失うことになるかもしれないことも認識しておきましょう。

コロナ禍を経て改めて再認識すべきこととして、入居者に悪意や落ち度がなくても、勤め先の事情などで突然に今まで問題なく支払えていた家賃が一時的に支払えなくなる可能性もあります。

そういった場合は、公共交通機関の路線を変えるなど、現在と同等の生活利便性を維持しつつ家賃の抑制につながる物件への転居をお手伝いするというのも解決方法の一つです。

そういった手段を選択するためには、多種多様な紹介可能物件を保有していることが必要となります。


なお、家賃回収能力は管理会社によっても大きな差があります。初期対応が遅れたり、対応方法を誤ったりすると、結果として滞納が積み重なり、余計に家賃回収が困難になりかねません。

他の入居者や今後の入居者にも悪影響がでることもありますから、こういうトラブルの時こそ慎重に対応しましょう。


余談ですが、コロナの影響で「家賃の減額や猶予交渉」が発生していたようです。
一般財団法人住宅改良開発公社の令和2年「賃貸住宅市場の動向と将来予測調査」によると、およそ4%程度、発生しているのが実情でした。

出典:一般財団法人住宅改良開発公社令和2年「賃貸住宅市場の動向と将来予測調査」



どのように対応するかは事業者次第ですが、どのように対応するにしても先々を見据えて総合的に判断することが求められます。

1-4.入居者管理

入居者管理とは、簡単にいえば入居者からの要望やクレームへの対応です。

「エアコンなどの設備が壊れた」、「隣の騒音がうるさい」、「カギを無くしてしまった...」入居者は生活上の様々な問題を事業者や、場合によってはオーナーに連絡・相談してきます。
逆に事業者側が、たとえば防犯や防災のため、ゴミ出しや設備の使い方などについて、入居者に連絡することもあります。

また退去の際には、現地立ち合い確認・原状回復費用負担の交渉など、様々な手続きに関しても行います。こういった入居者とのやり取り全般が、入居者管理になります。


これを怠ったり悪い対応をしてしまったりすると、当然に入居者の不満に繋がりやすいため、注意が必要です。中でも事業者にとっては大変ですが、「夜間や休日の対応」ができるか否かや初動スピードなどは、入居者の満足度を大きく左右します。

入居者の満足度は、入居期間の長期化や家賃設定など、様々な点で賃貸経営の安定につながりますので、重要な管理業務であると心得えるとともに、要望やクレームの中には、外部の専門家・専門業者を必要とする部分も少なくありませんから、そういった方々との関係性にも気を配りましょう。

1-5.敷地・共用部管理

敷地・共用部管理とは、先ほどの建物管理に近い内容です。こちらは建物そのものではなく、原則、入居者から徴収する共益費を原資として、敷地や共用部の清掃や設備の点検・補修などをします。
建物管理と比べて、こちらはより日常的にしなければならない管理業務です。


これを怠ると、建物管理と同じく入居者の不満や施設賠償に繋がることがあります。
建物管理と比べて、より早く入居者の不満などに繋がりやすい点にも注意が必要です。良くも悪くも、より入居者にとって身近になる部分ですから、優先的に注意を払いましょう。

1-6.空室管理

空室管理とは、平たくいえば「空室の維持管理」です。

空室発生後、次の入居者が決まるまでの状態保存(設備の使用や空気の入れ替えなど)も大切な管理業務になるということです。


空室は、使わないことで設備の劣化や景観の悪化、異臭なども生み出すことがあります。
そうなれば、次の入居者から敬遠されてしまいかねませんので、空室の管理にも注意を払いましょう。

また、当然に空室のままでは何の利益も得られず経営上の問題になりかねませんので、改めて様々な調査や分析・工夫などをして入居者を探すことも必要となるでしょう。

最近では入居者を探すだけでなく、たとえば倉庫代わりにしたり、民泊として貸し出したりするなど、新たな角度での活用方法を実施することもあるようです。

2.入居者満足度を高めるための賃貸管理

賃貸管理とは、いわば「良質な現状を保ち続ける」ことが基本ではあるものの、それだけでは不十分です。
合わせて、「入居者の満足度を高めるための創意工夫」も続けていく必要があり、これも大切な賃貸管理の一つの側面になります。


これを怠ると、いつしか入居者は現状に満足できなくなり、不満に繋がり、より良い環境を求めて引っ越ししたくなりがちです。

逆にいえば、入居者に今以上の満足を提供し続けることが安定経営に繋がります。賃貸事業も入居者という借り手・顧客がいて初めて成り立つ事業です。
入居者の満足度を高め続けることは、そのまま他の物件との差別化にも繋がりますから、この視点においても存分に努力していきましょう。


以下、代表的な入居者の満足度を高めるための賃貸管理方法についてお伝えします。

2-1.建物定期点検・計画修繕の実施による美観・機能の向上

これは、基本的な建物管理などを上回る工夫です。定期点検や計画修繕によって現状を維持するに留まらず、その時により良くする方向性で改良します。

具体的には、塗装やデザインの変更による見栄えなどの向上が代表例です。
照明をより良いものに変更したり、敷地に樹木を植えたりするなどもよく見かけます。


一般的な商品でも同じですが、たとえ中身がほとんど変わらなくても、見た目が変われば人が受ける印象は大きく変わってくるのが基本です。

印象が変われば新鮮味を感じられ、飽きにくくなります。また中身についても、実際にはわずかな違いでも、大きく違いを感じることもありがちです。
そしてささいな違いでも、改良を繰り返すことで、いずれ大きな違いへとなっていきます。
建物定期点検や計画修繕の折には、ほんの少しでも何らかの向上を入居者に感じてもらえるよう努めましょう。


2-2.24時間管理や入居者生活支援

これは簡単にいえば、入居者管理の対応時間の延長や、今はない入居者のための設備・制度などの導入のことです。

たとえば現在は10時から17時までの対応なら、20時までにするだけでも入居者の満足度は向上します。今までは平日しか対応していなかったなら、休日も対応することで大きく入居者に満足してもらえるはずです。

事業者側の対応にも限度はあるものですが、365日24時間対応を目指して、管理体制を強化していきましょう。


また、世の中には新しく便利な設備がどんどん登場しています。

たとえば今までは宅配ボックスがなかったなら、それを設置すれば入居者の満足度は向上するはずです。設備だけでなく、たとえば今までは管理人が外部から時折来ていただけなら、管理人がその建物に住むようにすれば入居者の利便性が増し、やはり満足度も高くなります。



自分の物件を良くしていくということは、「他の物件(競合)」と比べて付加価値があるということにつながります。
ただし、どんなにより良くできても、それでも他の物件より劣っていれば(そう入居者に判断されれば)、選んでいただくことはできません。


入居者の満足度を高めるための賃貸管理に終わりはなく、どこまで賃貸管理を高められるかで、他の物件との競争に勝てるかどうかも決まってきます。

コストと効果の検討・検証も十分にしつつ、常に入居者の満足度を高められるよう努めていきましょう。

3.賃貸管理の今後

2020年の初頭から日本でも新型コロナがまん延し、人々の生活や仕事に大きな影響をもたらしました。
また東日本大震災以降、日本では毎年のように大規模な自然災害が発生している一方、以前と比べて凶悪な犯罪などもよく見聞きするようになってきたのが実情です。


こういった背景もあり、一般財団法人住宅改良開発公社の令和2年「賃貸住宅市場の動向と将来予測調査」によると、最近の引っ越しを希望する方は転居先に、以下のような特徴を求めています。

出典:一般財団法人住宅改良開発公社令和2年「賃貸住宅市場の動向と将来予測調査」


災害対策や防犯対策、住宅性能や維持管理などが強く求められている結果です。

そしてこういった傾向を受けて、最近では建物の設備向上などを図る一方で、「ワンストップの相談窓口や一定のネットワーク」を構築する動きが少しずつ出てきています。
つまり、突き詰めれば「賃貸物件を貸すだけでは足りなくなってきた」ということかもしれません。


基本的な賃貸管理だけでも、もはや一個人の事業者では管理しきれない時代です。
賃貸管理の向上やワンストップの相談窓口なども考えれば、尚更といえます。できれば建物賃貸経営をする時には、頼れるパートナー事業者を味方につけ、一緒になって取り組んでいくよう努めましょう。

4.まとめ

建物を建てるのは賃貸経営のスタートに過ぎません。

賃貸事業の安定経営には、数多くの賃貸管理項目の実行による入居者満足の獲得が重要であり、それを実現するためには賃貸経営の実績とノウハウをもつ専門家・専門業者とのつながりがとても大切となってきます。

できれば建物を建てる前に、または建物を建てる前の調査の前に、信頼できるパートナーを探しておくことをお勧めします。






執筆者プロフィール
【山本FPオフィス 代表 山本昌義】

マイアドバイザーR
商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て、2008年8月8日に開業。
現在は日本初の「婚活FP」として、恋愛・婚活・結婚・離婚×お金をメインテーマに活動中。婚活中の方や新婚夫婦、または独身を貫きたい方など、比較的若い方向けのご相談や執筆、講演を行っています。趣味は漫画(約6,000冊所有)。


【保有資格】
・CFPR(婚活FP)

監修者プロフィール
【株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘】

マイアドバイザーR。Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、

主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFPRとして活動している。

NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。


【保有資格】

・CFP・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)

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