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最新トレンドから考える競争力のある入居者設備とは(2019年版)

公開日: 2022.10.28

最終更新日: 2023.03.20

公開日:2019.03.28

投資用不動産は、購入して終わりというものではありません。安定した賃貸経営につなげるためには、設備を整えて競争力を高め、入居者に選ばれる環境作りを行うことが重要です。

そこで今回は、物件探しの際に入居者がどのような設備を求めているのかについて、入居者トレンドの最新ランキングを参考にしながら考えていきましょう。

この記事のポイント
  • 単身者・ファミリー向けともにインターネット無料の需要が2017年に続き1位
  • 単身者層は賃貸住宅に求めるレベルが高くなり、ライフスタイルに応じた設備が人気に
  • ファミリー層は利便性の高いものや暮らしやすさを重視

インターネット無料が根強い人気

全国賃貸住宅新聞に掲載された「2018年版入居者に人気の設備ランキング」における「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」のTOP10を見てみましょう。

単身者向けでは4年連続、ファミリー向けでは3年連続の1位に輝いた設備が「インターネット無料」です。導入手続きの手間を省けるだけでなく、入居してすぐにネットが使える環境にあることが人気の理由です。また、ファミリー層にとっては、自宅にいる間は家族一人一人にかかる携帯電話・スマートフォン等のデータ通信費用を抑えられることが理由と考えられます。

「エントランスのオートロック」は昨年から順位を1つ落としたものの単身者・ファミリー両方で3位にランクイン。同じく6位にランクしている「ホームセキュリティ」の人気と合わせると、入居者の防犯意識が高いことが分かります。特に単身者の女性や幼い子供のいるファミリー層のセキュリティ対策として防犯設備に対する需要が高くなっています。

また、最近はオートロックシステムとして非接触型キー、カギ穴が2つある2ロック玄関ドアやメモリーキーといった不審者の侵入を防ぐ取り組みが強化された物件が増えています。今回TOP10にはランクインしていませんが、TVモニター付きインターホンを導入すれば、顔を合わせずに訪問者を確認できるほか、自動録画機能が付いていればよりセキュリティを高めることができます。

単身者・ファミリー両方で注目なのが「宅配ボックス」です。日中家を不在にすることの多い社会人を中心に、不在時でも荷物を受け取ることのできる宅配ボックスは、配達の日時を気にすることなく、荷物の受け取りができるため人気です。最近は、単身者だけでなく共働き世帯が増えてきていることから、宅配ボックスに対するニーズは高くなってきています。

単身向け物件で必要とされている設備とは

単身者向け物件の設備ランキングの「浴室換気乾燥機」「システムキッチン」などを見ると、入居者のライフスタイルが変化し、賃貸住宅に求めるレベルも高くなってきていることが分かります。



「スッキリ片付く収納が欲しい」「安心して住めるお部屋がいい」など、忙しい暮らしの中でも自分らしく生活をしたいというニーズは高まっています。最近は暮らしやすさを考慮し、生活動線や使い勝手に工夫をした間取りや設備も出てきています。
例えば、ニーズの高い収納を大型のウォークイン式にするなどです。ウォークイン式にすることで大きな荷物や季節品もまとめて収納できるため、スッキリ片付くでしょう。


また、室内物干しが設置されていると花粉の時期や雨の日でも安心して洗濯物を干せるだけでなく、女性が住んでいるということを外から知られずに済むため、防犯につなげることもできます。


防犯性という面では、「オートロック」「ホームセキュリティ」の他にも「防犯カメラ」がTOP10入り。単身者からのニーズは高くなっており、最近では防犯に特化した物件も出てきています。

防犯には、「不審者を近づかせない」「不審者を入らせない」「万が一の事態でもしっかりガードする」という3つのポイントが求められています。
例えば、不審者を近づかせないためには、建物に非常警報器や、防犯カメラの設置と言ったことが挙げられます。また、侵入を防ぐために、住居の玄関はメモリーキーやダブルロックといったカギに変える、サッシをシャッター雨戸付きにする、合わせガラスといったことが挙げられます。

詳しくは、「賃貸住宅のセキュリティを考える―防犯対策のポイントとは?」をご覧ください。

入居者ニーズの高い設備を整えることで、周囲の物件と差別化が図れ、入居者の確保につなげることができます。また、設備の導入により付加価値がつけられるため、家賃アップしてもある程度需要が期待できるでしょう。
しかし、設置したことで必ずしも家賃を高く設定できるわけではありません。周辺環境や入居者のターゲットによって求められる設備は異なってくるので、物件に合わせた設備を選ぶことが重要です。コスト面を考慮しながら入居者の要望を賃貸住宅に盛り込んでいくことが、安定経営には必要不可欠と言えるでしょう。

ファミリー向け物件で必要とされている設備とは

ファミリー向け物件の設備ランキングの「追いだき機能」を見ると、利便性の高いものや暮らしやすさを入居者が求めていることが分かります。追い炊き機能で、時間を気にすることなくお風呂に入れます。

また、特にファミリーの場合は、子供が生まれることによる家族構成の変化や子供の成長に合わせて部屋の使い方が変化します。
そこで便利なのが「可変間取り」です。可動式の建具を動かすことで、家族のカタチに合わせて住まいの間取りをアレンジすることが可能です。

ふたり暮らし、子供が生まれて目が離せない幼児期、元気いっぱいの成長期、時とともに家族のカタチが変化すると、住み心地も変化します。「引っ越し」ではなく「アレンジ」することで、住み続けながら今の家族のカタチに合わせた住み心地に住まいを変えることができます。
「壁=動かすことができないもの」から「壁=自由に移動できるもの」になることによって、「自由な空間を満喫したい」「気兼ねしないで自分らしい生活をしたい」といった入居者のニーズに幅広く応えることができるでしょう。


また、家事動線に配慮した間取りにすることで、快適性は向上します。
例えば、洗面やトイレの無駄な段差をなくしてフラットにしておけば、床段差を気にせずに過ごすことができます。また、ウォークインのクローゼットだけでなく、ウォークスルーのクローゼットを設置すれば、各方向からクローゼットにアクセスできるため、洗い終わった洗濯物の片付けなどもスムーズに行うことが可能です。家事効率もグッと上がるでしょう。

家族が集まるLDKも、キッチンの配置を工夫することで機能性は向上します。
「アイランドキッチン」は、キッチンの左右からアクセスできるため、キッチンを中心に回遊動線ができ、家事効率が良くなります。さらに、キッチンとリビングダイニングを中心とした間取りにすることによって、リビングで遊ぶ子どもの様子を確認できたり、家族と会話を楽しみながら家事ができたりするため、家事に育児に忙しい暮らしの利便性も高めることができます。

「子供の誕生で家族構成が変わったから引越しする」「子供が成長したから引越しする」のではなく、これらの変化があった場合でも長く居住できる設備が求められていると言えるでしょう。

まとめ

入居者を確保し、安定した賃貸経営を行うためには、他の賃貸物件との差別化を図り、魅力ある住まいを提供していくことが求められています。

差別化を図るためには、入居者が何を求めているのかをしっかりと把握して、他の物件との競争力をアップさせることが重要です。入居者の需要に応えることで安定経営を実現していきましょう。



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