賃貸住宅のセキュリティを考えるー防犯対策のポイントとは?
公開日: 2022.10.28
最終更新日: 2023.03.24
公開日:2018.09.26
アパートやマンション内で空き巣などの侵入強盗被害が発生すると、入居者が不安になり、退去者の増加につながる可能性があります。そのような事態に陥らないよう、未然に防止を図ることが重要です。
本コラムでは、賃貸住宅の防犯対策について解説していきます。
この記事のポイント
- 侵入にかかる時間5分を防ぐことが大切
- 防犯対策のポイントは、ドア廻り・窓廻り+エントランスなど共用部
- 防犯対策を行うことで他の賃貸住宅との差別化につなげることができる
発生してからでは遅い!今から考える防犯対策
犯人が侵入を諦める目安は「5分」といわれています。侵入に5分かかると約7割が、10分以上かかると大半が、侵入を諦めています。防犯対策によって「5分」の抵抗時間を作り出すことが重要です。
侵入強盗のうち、最も多い手口が空き巣です。空き巣被害が発生した際、入居者は不安感から退去することがあります。現在経営している賃貸建物の防犯対策は十分なのかどうか、改めて防犯設備を見直してみましょう。
集合住宅の防犯対策のポイント
マンション等の集合住宅で起きた侵入強盗・窃盗事件のうち、侵入経路で多いのは、玄関と窓です。3階以下の部屋は「窓」、4階以上の部屋は「玄関」からの侵入が多くなる傾向があります。また、侵入には、玄関や窓の無施錠と、窓のガラス破りをするケースが大半を占めます。
「オートロックマンションなら安心」「4階以上なら窓を開けておいても大丈夫だろう」というのは油断に他ならず、相応の対策をする必要があります。
集合住宅の防犯対策のポイントは、以下の2つです。
集合住宅の防犯対策ポイント
- 入経路である玄関の鍵廻り、窓廻りの防犯対策
- エントランスなど共用部の照明、防犯カメラ設置
まず、侵入経路である玄関や窓廻りの防犯対策を徹底しましょう。エントランスや廊下等の照明を明るくしたり、防犯カメラを数箇所設置したりして、狙われにくい建物にすることが大切です。
公益財団法人全国防犯協会連合会と一般財団法人ベターリビングでは、防犯性の高い賃貸集合住宅の基準を設定し、「防犯優良賃貸」の認定・登録事業を行なっています。この基準を参考に、まずあなたの賃貸建物の防犯対策についてチェックしてみましょう。
防犯対策に有効な設備
防犯対策に有効な設備をご紹介します。先ほどの防犯チェックリストを参考に、チェックの入らなかった項目への防犯対策を検討してみると良いでしょう。
入居者の安全を守るため、敷地内・住居内ともに適切な防犯設備を設置して、賃貸建物の防犯性を向上させましょう。
① 敷地内の推奨防犯設備
敷地内の防犯設備を設置する上で重要なポイントは、「狙いにくい建物」だと空き巣に思わせることです。防犯カメラや警報機などをわかりやすい位置に設置し、敷地入口から玄関まで人の行動を認識できる程度の明るさを確保しましょう。
防犯カメラ
防犯カメラは防犯設備の基本です。すでに設置している方も多いでしょう。経費を抑えたい場合はダミーカメラもありますが、可能ならばレコーダー機能のある防犯カメラを導入しましょう。万が一の際に、レコーダーに残された画像が犯人検挙の手がかりになります。
非常警報機
非常警報機を設置し、緊急事態の際に音や光で周囲に伝えることができます。また、複数連動型の非常警報機を導入すると、非常時に複数の警報機を鳴らすことができるので、防犯効果がより大きくなります。
盗難防止バー
自転車やバイクの盗難も増加しています。駐輪場に盗難防止バーを設置することで、自転車やバイクをチェーンなどで固定できるようにします。
オートロック
建物内部への侵入を防ぐのがオートロックの役割です。防犯性が高いだけでなく、入居者が簡単に通ることができる点も利点です。
また、オートロックの最新防犯システムのひとつに、「顔認証入館システム」があります。事前に登録した入居者様の顔画像データと、エントランス入口にあるカメラに映った画像を認証・照合して、マンションへの入口ドアを自動解錠するシステムです。
② 住居内の推奨防犯設備
住居内の防犯設備の役割は、犯人が侵入を諦める「5分」を作り出すことです。侵入経路であるドア・窓廻りの防犯設備を一度見直してみましょう。
防犯錠玄関ドア(CP錠)
警視庁に防犯性が高いと認められた「防犯建物部品の錠」は、CP錠と呼ばれ、CPマークが付いています。CPシリンダー錠・CPサムターン錠をドアに設置することで、侵入を試みられた際に5分以上耐える防犯性能試験をクリアしています。
CP錠の最新設備には、高いピッキング防止機能を持つ「メモリーキー」というセキュリティ錠があります。メモリーキーはシリンダー交換不要のため、入退去の際には鍵のみを交換すればよく、オーナー側の経費負担も軽減されます。
防犯合わせ複層ガラス(CPサッシ)
窓からの侵入を防ぐためには、3枚の合わせ複層ガラスと中央にフィルムを使用したCPサッシがおすすめです。ガラスの破壊に5分以上かかるように作られています。また、シャッター雨戸や面格子の併用により、防犯性をさらに高めることも可能です。
ホームセキュリティ
入口のオートロックや防犯カメラだけでは不十分な場合は、各住居にホームセキュリティを導入することも検討しましょう。ドアや窓から侵入があったときに、各部屋にある警報機が鳴り、警備会社へ自動で連絡できます。
まとめ
侵入強盗被害を防ぐためには、防犯に配慮した外構計画で狙われにくくすることと、侵入経路となるドア廻り・窓廻りを中心に侵入にかかる5分を作り出すことがポイントです。今回ご紹介したチェックリストを活用して、所有の賃貸住宅のセキュリティを見直してみてはいかがでしょうか。
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