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不動産投資の法人化から手続き終了後までの手順|法人化する基準は?

最終更新日: 2023.06.01

公開日:2022年10月17

当初は個人事業主として不動産投資を行っていた方も、不動産所得が増加したことをきっかけに法人化するケースがあります。

事業規模、所得が大きくなると法人化した方が節税効果が期待できるためです。
しかしながら法人化するタイミングやリスク、手続きや注意点がわからずに不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、不動産投資における法人化のタイミングやポイント、法人化するための手順を解説していきます。

目次

1. 不動産投資を法人化するまでの手順

Step1.法人の種類を決める
Step2.会社概要を決定する
Step3.印鑑を用意する
Step4.定款を作成する
Step5.登記書類を作成する

Step6.法務局で設立登記を行う

Step7.法人の開業届を提出する

Step8.個人事業の廃業手続きを行う

2. 法人化した後の手続き

1.税務署と都道府県税事務所に書類を提出する
2.年金事務所に書類を提出する
3.労働基準監督署とハローワークに書類を提出する

3. 不動産投資の事業を法人化するかどうかの基準

1.現在の課税所得が900万円以上の場合

2.今後の賃貸事業を拡大したい場合

3.経費計上したい費用の範囲を広げたい場合

4. 不動産投資の法人化はメリットになるタイミングが重要

1.不動産投資を法人化するまでの手順

アパート経営やマンション経営で法人化するということは、


個人ではなく法人(プライベートカンパニー)として資産管理や不動産投資をしていくことを指します。
投資家であるオーナーは法人から役員報酬を得ることになります。

以下に不動産投資で法人化するまでの手順を紹介するので、現在不動産経営を行っている方や、これから副業として賃貸不動産で収入を得たいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

Step.1法人の種類を決める

最初に設立する法人の種類を決めます。法人化する場合は株式会社が一般的ではありますが、ほかにも「合同会社」「合資会社」「合名会社」など複数の種類があります。

それぞれの会社の種類には、設立するまでの手続きや費用、税制、要件などに違いがあります。具体的には下記表をご覧ください。

Step2.会社概要を決定する

法人の種類を決めたら、次に設立する会社の概要を定めます。

下記が概要の内容です。

・商号
・本店の所在地
・資本金の額
・発起人(出資者)
・各発起人の出資額
・目的


但し、設立する会社の種類によってはさらに決めておくべき概要があります。

例えば、株式会社を設立する場合は取締役を1人以上置くなどの規定があることを覚えておくと良いでしょう。

Step3.印鑑を用意する

法人の設立に必要な印鑑を用意します。

・代表印
・銀行印
・社印


代表印は契約書の押印や会社設立の際に登記申請書に捺印する際などに使います。


代表印を作成する際の注意点はサイズです。
1辺の長さが1cmを超え、3cm以内の正方形に収まる印鑑を使用すると定められているため、間違わないようにしましょう。


銀行印は銀行口座の開設に必要です。社印は主に領収書や請求書の押印に使用され角印とも言います。

代表者印と銀行員、社印が3点セットになって販売されていることも多いため、3点セットの購入をおすすめします。

Step4.定款を作成する

定款とは法人を運営していくうえでの基本的ルールを定めたもので、会社法に則って作成し法人を設立するにあたって必要な内容を定義します。

内容はStep2で決めた内容と一部重複する部分もありますが、会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名と住所、出資の財産と金額などを記載します。

定款の作成は難易度が高いため、司法書士に作成を依頼するのが一般的です。

Step5.登記書類を作成する

登記書類とは法人設立にあたって提出する書類の総称です。

・資本金の払込証明書
・就任承諾書
・役員全員の印鑑証明書
・印鑑届出書
・登記申請書


上記のように種類が多く複雑なので、定款と同様に司法書士に委託しても良いでしょう。

Step6.法務局で設立登記を行う

提出書類が準備できたら法務局で必要書類(登記書類)を提出して手続きを行います。

手続きの方法はオンラインとオフラインの2つの方法がありますが、初めての場合は書類等を窓口で対面で確認や相談しながら手続きを進められるオフラインがおすすめです。

また、登記費用が発生するので事前に金額を確認しておきましょう。

Step7.法人の開業届を提出する

司法書士による設立登記が完了後、税務署で開業届を提出します。
開業届が受理されると法人化が完了します。
開業の手続きで必要となる書類は下記の通りです。


・登記簿謄本
・定款の写し
・株主名簿の写し
・会社設立時の貸借対照表
・出資者の氏名、出資金額の証明書類


開業届と併せて提出する書類は決められているため確認しておくことをおすすめします。

Step8.個人事業の廃業手続きを行う

これまで行っていた賃貸経営等の事業を法人に引き継ぐため、所轄税務署と管轄の都道府県税事務所に廃業届を提出します。

廃業した年の事業所得の確定申告も行う必要がある点に注意しましょう。

2.法人化した後の手続き

ここまで不動産投資で法人化する方法、手順を説明してきました。法人化した後も必要な手続きがあるため、それぞれ説明していきます。

      • 1. 税務署と都道府県税事務所に書類を提出する

        法人税を支払うための手続きを行います。税務署には法人設立届出書と源泉所得税関係の届出書、消費税関係の届出書の提出が必須です。
        また、必要に応じて青色申告の承認申請書や減価償却資産の償却方法の届出書などを提出します。

        それぞれの書類の詳細については国税庁のWebサイトに記載されているため、確認しておくと良いでしょう。

        【参考】「No.5100?新設法人の届出書類」(国税庁)

      • 2. 年金事務所に書類を提出する

        法人化すると社会保険の加入が必要となるため、健康保険と介護保険、厚生年金保険に加入する手続きを行います。
        従業員が自分一人だけでも役員報酬として給料を受け取るためには社会保険への加入は必須になるため忘れずに手続きしておきましょう。
      • 3. 労働基準監督署とハローワークに書類を提出する

        従業員を1人以上雇用する場合は労働保険に加入する必要があるため、労働基準監督署とハローワークに届け出が必要です。

        なお、ここでいう労働保険とは、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険とを総称したものです。
        労働基準監督署には労働保険成立届と概算保険料申告書を提出します。

        ハローワークには雇用保険適用事業所設置届と雇用保険被保険者資格取得届を提出することで労働保険に加入できます

3.不動産投資の事業を法人化するかどうかの基準

不動産投資で法人化するには節税対策や事業拡大、経費計上の金額などのタイミングがあります。

所得税と法人税の比較からどのタイミングが目安となるのか説明していきます。

    • 1.現在の課税所得が900万円以上の場合

      所有する物件により高い収益を得られ、課税所得が900万円を超える場合、法人が納める法人税より個人事業主が納める所得税の税率が高くなります
      法人化したほうが先に述べた法人税や法人住民税、住民税や相続税などの税金を抑えやすくなるケースが多いため、法人化するメリットがあるといえます。

      自身の不動産投資における所得金額によって目安にしておくことをおすすめします。

      【所得税率と法人税率の比較】

      所得税の区分

      所得税の税率

      法人税の区分

      ※資本金1億円以下

      法人税の税率

      1,000円 から 1,949,000円まで

      5%

      800万円まで

      15%

      1,950,000円 から 3,299,000円まで

      10%

      3,300,000円 から 6,949,000円まで

      20%

      800万円超

      23.20%

      6,950,000円 から 8,999,000円まで

      23%

      9,000,000円 から 17,999,000円まで

      33%

      18,000,000円 から 39,999,000円まで

      40%

      40,000,000円 以上

      45%

      【出典】「No.2260 所得税の税率」(国税庁)
      【出典】「No.5759 法人税の税率」(国税庁)


    • 2.今後の賃貸事業を拡大したい場合

      法人化することで銀行から融資を受けやすくなる可能性があります。
      一般的に個人事業主よりも法人のほうが信用力が高いため、法人化することで金融機関の融資審査が有利に働くケースが多いためです。

      また、法人名義で融資を受ける場合は、保証人を自分に設定できるメリットがあります。

      一方、個人事業主では法人名義ではなく個人名義の手続きになるため、連帯保証人が必要があり、保証人となってくれる方を探さなければなりません。

    • 3.経費計上したい費用の範囲を広げたい場合

      個人の場合、経費として認められるのは「収益を生むために必要な支出」のみとされています。

      役員報酬や給与の支払い、金融機関の取扱手数料などの経費は法人化することで経費計上できる項目が増えるため、経費計上したい項目を広げたい場合はメリットとなります。

4.不動産投資の法人化はメリットになるタイミングが重要

不動産投資における法人化は、課税所得が900万円を超えるケースなどで節税効果が期待できるほか、今後の事業拡大や経費計上の項目増加、資金調達にもメリットがあることを説明してきました。

一方で法人化するための手続きは複雑なので、プロである不動産投資会社や不動産管理会社などの業者や法人化に精通している司法書士、税金関係は税理士などの専門家に相談しながら検討し、進めることをおすすめします。

無料で相談できる業者もあるため、法人化のメリットやデメリットを理解し、ランニングコストなどの必要経費、出口戦略なども考慮しながら判断するのが良いでしょう。

監修者プロフィール
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者

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