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【令和6年度(2024年)税制改正要望から読み解く】今から読み解く税制改正とは!?

最終更新日: 2024.01.11

国土交通省より、令和6年度(2024年)の税制改正要望が発表されました。これは年末に公表される政府の税制改正大綱の予測資料となります。今のうちから税制改正要望を紐解くことで、税制改正への準備もできます。

令和6年度(2024年)の税制改正に備えて、相続・資産承継関連/保有税関連/所得税関連/建替・環境に関することを抜粋してお伝えします。

>>令和6年度(2024年)税制改正の発表後のコラムに関してはこちら『令和6年度(2024年)の税制改正大網が発表! 税金はどう変わる?』

 

目次

1. 税制改正って何?

1-1.なぜ税制改正を予測できる?

2. 新設される税制は?

2-1.現下の住宅取得環境の悪化等を踏まえた住宅取得促進策に関わる所要の措置

2-2.上場株式等の相続税に関わる物納要件等の見直し

3. 延長・拡充される税制は?

3-1.<拡充・延長>既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームに係る固定資産税の特例措置の延長、既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充・延長

3-2.<拡充>NISAの利便性向上等

3-3.<拡充>生命保険料控除制度の拡充

3-4.<拡充>死亡保険金の相続税の非課税限度額の引き上げ

4. 今回の税制改正要望を通した分析について

5. 今後の増税スケジュールは?

6. 税制は毎年のように変更が起きる!早い把握と対処が重要

1.税制改正って何?


税制改正とは、文字通り「税金制度を改正すること」です。


経済や社会は刻一刻と変化しているため、毎年、先々も見据えた上で、現在の制度のままで良いのか?検討され、変更したほうが良いと判断された場合は改正されます。

 

少し視点を変えると、税制改正とは「現在の日本がどのような状態であり(どのような課題を抱えており)、どのような未来に向かって進もうとしているのか」を示すものです。

国が見据える未来に進むため、自然とその道にはさまざまな優遇や支援が用意される可能性が高いといえます。逆にそれ以外の道の優遇や支援は、自然と縮小されがちです。

 

このため、税制改正は特に企業や大家さんにとって「基本的な行動指針を左右する大事なもの」といえます。

少しでも多くの優遇や支援を得るためにも、しっかり税制改正の内容を理解しておきましょう。

 

1-1.なぜ税制改正を予測できる?


税制改正は、何もないところから適当に行われているわけではありません。

税制改正は具体的には、おおよそ以下のようなスケジュールで行われています。

 

8月頃 各業界団体や税理士会、各省庁などが「税制改正要望」を国(財務省)に提出
10~11月頃 税制改正要望を元に、国(政府税制調査会)が内容を議論
12月中頃 議論の結果を「税制改正大網」として発表
  税制改正大網を元に、財務省・総務省が改正法案を作成
翌1~2月頃 改正法案を国に提出、国によって審議
翌3月頃  国によって承認、定められた日から施行

 

このように、税制改正の出発点は「税制改正要望」になります。

 

どの程度の内容が最終的に政府の税制改正大網に反映されるかは未知数です。
ただ、少なくとも税制改正要望を読み解くことで、直近の税制改正の内容や方向性を予測することはできます。

 

情報の価値は「速報性」と「正確性」、そして「希少性」です。内容が決まってからでは、出遅れになったり、スムーズな動きができなかったりしかねません。少しでも早くから正確性の高い情報を得て、準備を始められるか?は投資にもビジネスにも大切です。

 

では、今回の税制改正要望の内容を見ていきましょう。

 

2.新設される税制は?


税制改正とは大きく、何らかの新たな税制が作られるか、または既存の制度が延長・拡充・縮小される形で行われます。

いずれの改正も大切ですが、どちらかといえば新たな税制、つまり「今までになかった、新たな課題や目標のための制度」のほうが重要です。これはいわば「国策の注力や方向転換」を表すものですから、より市場や国民生活などに与える影響も大きなものになりやすいといえます。

 

税制改正要望は多くの関係先から提出されるため、その中身は非常に広範囲かつ多岐に渡っていますが、不動産に関係がある内容で抜粋すると以下のものが挙げられます。

 

2-1.現下の住宅取得環境の悪化等を踏まえた住宅取得促進策に関わる所要の措置


これは簡単にいえば、昨今の物価高騰の影響が不動産にも表れているため、何らかの措置を取って欲しいという内容です。
資料によると、住宅価格はコロナ前に比べて戸建てが約12%、マンションは約31%も急激に上昇しており、住宅ローン利用者の約6割が利用している固定金利も上昇しています。

 

このため、2050年のカーボンニュートラルの実現、昨年閣議決定された子育て世帯への住宅支援等を図る観点も含めて、必要な措置を要望する内容です。

 

具体的な措置の内容には触れられていませんが、不動産業者や大家さん(これから大家さんになる方も含めて)には大きな追い風となりうる要望といえるでしょう。

 

2-2.上場株式等の相続税に関わる物納要件等の見直し


これは相続時の物納において、物納に充てられる財産のうち「上場株式等」についてのみ、利用しやすいように特例を作って欲しいという内容です。

資料によると、上場株式等による物納は相応の要件があるため利用が限られており、また評価の仕方にも問題があるように捉えられています。

>>金融庁のまとめた令和6年度税制改正要望について(https://www.fsa.go.jp/news/r5/sonota/01.pdf

このため、上場株式等を物納しやすいような特例と評価制度の見直しを要望する内容です。

 

物納に充てることができる財産の第一順位には、上場株式等のほか、一定の証券や船舶、そして不動産が含まれています。
要望に沿って上場株式等が物納しやすくなれば、おのずと(相続時の)不動産への影響も出てくるでしょう。

 

一つの見方としては、不動産の物納を回避できる可能性が高まることで、活用の選択肢が広がる(ひいてはニーズ・利用価値が高まって不動産価格の上昇が起きる)可能性があります。

 

どう転ぶかは未知数ですが、賃貸経営は相続対策で行うことも多いので、おのずと不動産を扱う大家さんには影響する可能性が高い見直しです。

 

 

3.延長・拡充される税制は?


次は、延長・拡充される税制について見ていきます。
中でも拡充される税制とは、それだけ国が重要視しているともいえる部分です。
みなさんにも直接的に影響があるものも少なくありませんから、しっかり見ておきましょう。

 

3-1.<拡充・延長>既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームに係る固定資産税の特例措置の延長、既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充・延長

 

前半の制度は簡単にいえば、既存住宅に対する「耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化」のためのリフォームをした場合、工事翌年度の固定資産税を軽減(1/21/3を軽減)するものです。

 

この制度は令和6331日が期限でしたが、これを2年、令和8331日まで延長してほしいという要望になっています。

 

また後半の制度は、前半の制度に「三世代同居」のための工事も対象として、工事費用相当額の10%を所得税から特別控除する制度です。

 

この制度は令和51231日が期限でしたが、これを2年、令和71231日まで延長されます。

 

これはリフォームすべきか悩んでいた大家さんには朗報です。当然、この制度が有効なうちにリフォームしたほうが得ですから、検討や資金準備をしてはいかがでしょうか。

 

3-2.<拡充>NISAの利便性向上等


2024
1月から新しいNISA(既存のNISAを大幅に拡充させた制度)が開始されますが、このNISAの手続きについて更なるデジタル化を要望しています。

 

具体的には、「金融機関変更時の手続き」と「口座開設10年後の所在確認」において、現状は書面・郵送にて行われていますが、これをデジタル化して欲しいというNISA利用者、利用額の増加を狙っての要望となります。

 

今や確定申告をはじめ、世の中の多くの部分でウェブ取引やペーパーレス化が起こっています。ウェブ取引やペーパーレスに慣れた方にとっては、郵送や紙媒体への作業というだけで不慣れであり、面倒に感じてしまうでしょう。その作業を無くすというのは、利用予定の方には大きなメリットになるはずです。

 

3-3.<拡充>生命保険料控除制度の拡充


現状、生命保険に加入したら支払う生命保険料は、「一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除」のいずれかの対象となり、最大で12万円(各4万円)の所得控除を受けられます。

 

これを、扶養する子供がいる場合は最大16万円、扶養する子供がいない場合でも最大14万円の所得控除にして欲しいという要望です。

 

これは生命保険に加入中の方から加入を検討している方まで、全員に節税額が増えるのですから、幅広く嬉しいメリットといえます。

 

3-4.<拡充>死亡保険金の相続税の非課税限度額の引き上げ


現状、加入している生命保険から支払われる死亡保険金は、「法定相続人数×500万円」まで、相続税の計算において非課税として取り扱われます。

 

これを現状に加えて、「(配偶者+未成年の被扶養法定相続人数)×500万円」まで非課税として欲しいという要望です。
たとえば、父親の法定相続人が母親と未成年の子供2人の場合、現状なら1500万円までが非課税となりますが、これが3000万円まで非課税となります。すでに子供が成人している場合でも、母親分の500万円が加算されるため、2000万円まで非課税となる要望です。

 

これから新規に死亡保険に加入する方、すでに非課税限度額を超えて加入していた方には朗報といえます。
大家さんなど、財産が多い方ほど高額な死亡保険が必要になりがちです。今まで非課税限度額を気にして加入していた方は、健康に問題がなければ追加加入を検討しても良いかもしれません。相続税対策としての生命保険が使いやすくなるでしょう。

 

4.今回の税制改正要望を通した分析について


今回の税制改正要望を見ると、総じて「現下の住宅取得環境の悪化等を踏まえた住宅取得促進策に関わる所要の措置」がポイントのように思えます。

住宅市場の強い悪化を訴え、具体的な対応策が思いつかないものの、とにかく何とかしてほしいという内容です。

既存制度の拡充でも足りないほどの、国土交通省や関係先の強い危機感が感じられます。

 

これは大家さんの立ち位置からすれば、非常に嬉しい追い風です。
具体的な内容は未知数ですが、何らかの強い追い風となる改正がされる可能性が高いと思われます。税制改正大網で内容を確認したら、早く動けるように準備しておくと良いでしょう。

 

そもそも現在の日本は総じて増税傾向です。
現状把握と将来予測を元にした、金融商品の活用や賃貸住宅経営などの自助努力が何より大切といえます。
相続対策などでは長い時間が必要になることも多いですから、途中で見直しが必要になるかもしれません。

幸いにも税制改正要望を読み解くと、国は住宅取得を引き続き応援する様子です。住宅取得や賃貸経営を始める時期としては良いといえますから、ぜひ今のうちに検討を進めましょう。

 

5.今後の増税スケジュールは?


そもそも税金とは、すべての産業や個人の生活に深く絡んでいます。
それだけに改正の対象も極めて広範囲であり、かつ改正の時期もバラバラなので、自身に関係のある部分だけでも覚えておくことは非常に困難です。
改めて、多くの方に関係しそうな改正だけでも、その時期についてざっくり整理しておきましょう。

2022年4月1日から

退職金の非課税枠を縮小

2024年1月1日から

生前贈与の非課税枠を縮小

2024年度から 後期高齢者医療保険の保険料上限を引き上げ
2024年度以降の適切な時期 法人税増税
2025年以降(一部のみ) 所得税増税
2025年以降 国民年金の保険料納付期間延長
2025年3月31日まで 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度廃止
2026年3月31日まで 教育資金の一括贈与の非課税制度廃止
2037年から20年程度 復興特別所得税期間延長
検討中 介護保険の自己負担増

 

 

 

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6.税制は毎年のように変更が起きる!早い把握と対処が重要


昨今の経済不況や物価高も影響して、日常生活や老後資金準備などが厳しいと感じる方が少なくありません。

そういう方は当然に、余裕がある方はある方で相続税が問題になりがちですから、今は誰もが一層の自助努力が必要な時代です。

税制改正要望を読み解く限り、まさに今はその努力を始めるべき時期といえます。

 

まずは現状把握のために「ライフプラン診断・資産診断」を活用し、そのうえで今回の税制改正要望を分析し、効果的な対策を打っていきましょう。

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■監修者プロフィール

株式会社優益FPオフィス 代表取締役
佐藤 益弘

マイアドバイザー®
Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFP®として活動している。
NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。
【保有資格】CFP®/FP技能士(1級)/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)

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