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リスク回避のために!国の方針を読み解けば税制改正を先読みできる!?

最終更新日: 2023.03.17

公開日:2022.01.14

前回は「賃貸経営のリスクとその対策」のうち、近年、多発化&激甚化している「自然災害」のリスク対応について見ていきました。



参考リンク

>>災害リスクに備えて押さえておくべき対策のポイント


自分でコントロールできず、発生する時期も予測できない自然災害に関しては、完璧な対応(予防や防止)はできません。ただ、受けるダメージを減らすことは可能で、そのためにも個々人が保有される物件の状況を定期的に把握し、被害軽減に対処していくことが大切です。

さて、今回は「税制」へのリスク対応について、考えていきましょう。 毎年12月中旬になると、来年度の税制改正が大きなニュースとなります。前回の「自然災害へのリスク対応」と違い、人為的な事柄のため、ある程度の未来予測が成り立つのがこの「税制へのリスク対応」となります。

ただ、自然災害と同様、自分自身でコントロールできないリスクであることに変わりはありません。つまり、受け入れること(=回避はできない)を前提に、どのように対応(保有・移転・損失制御)していくのか?というお話になります。

そもそも税とは?

会社員が給与を支払われる際には、社会保険料とともに「所得税」や「住民税」が天引きされます。また、フリーランスの方が一定の報酬を得る際にも「所得税」が天引きされます。

日々の生活の中で最も身近な税金といえば、「消費税」でしょう。商品の購入やサービス料金に含まれています。その他、自動車を利用する方なら自動車税やガソリン税、晩酌をする方なら酒税、相続時にかかる相続税などさまざまな税金があります。

そもそも、私たちはなぜ税金を負担しなければならないのでしょうか?

憲法第30条で税金を納めることを国民の義務と定められているので、当たり前すぎて、考えたことない・・・という方が多いと思います。実際、税金は法律に定めるルールに従って計算したり、金額が決められていて、納めることになっています。

私たちは資本主義の社会に生きており、個々人が営利活動を行い、その利益分(=稼ぎ)で生活しています。ただ、私たちが生活するうえで営利活動ではお金が回らない(≒分配されない)分野もあります。例えば、ごみの回収などの衛生活動、警察など治安維持、消防署などの防災活動、道路や公園などの公共施設の維持整備、また、生活するうえで必要最低限の教育を受ける(義務教育)費用など・・・

つまり、これら公共サービスは民意にとって必要なものですが基本的に利益を生まない活動なので、黙っていては誰もやらない活動になってしまいます。

これでは社会が回らず、困りますね。

そこで、税金という形で、一定の条件のもと、これら公共サービスにお金を使うために、利益を享受している受益者から必要な費用を集めるわけです。ですから、社会を回すための必要経費だと言えます。

この必要経費である税金の仕組みをよく知ることで、賢く生活ができることにもなります。


出典:国税庁ホームページ

国の収支は?

実際、今の国の財政も厳しい状況です。

2021年度予算の一般会計歳入106.6兆円は、主に税収と公債金(借金)で構成されており、税収だけでは歳出全体の約2/3しか賄えていません。つまり、収入内で支出を賄うという「プライマリーバランス」を維持できていない状況ですし、主要な税収も消費税や所得税、法人税など偏っています。


出典:財務省ホームページ




歳出は今後の高齢化などによる社会保障費の拡大で一貫して伸び続けていますが、税収はバブル経済が崩壊した1990年度を境に伸び悩み、その差は開く一方です。その差は借金である公債の発行で穴埋めされています。2019年からの新型コロナウイルス感染症への対応のため、歳出が一層拡大している状況です。

歳入を見ると、借金である公債金は、税収などの収入の増加に対して、約8倍と大幅に増加していますから、高齢化や人口減少が明確化した2005年頃からの公的医療保険や介護保険、年金など社会保険関連の改正は、国家財政上でも今後の歳出増加を抑えるような方策となっています。

2021年の大河ドラマ「青天を衝け!」で明治初等、近代国家樹立の過程が描かれましたが、明治期に最初に体系化された税は、地価に対する税金、現在で言うところの固定資産税でした。ドラマの中で地租改正が一部描写されましたが、土地や建物は生活の要なので、評価方法なども優遇されています。そもそも相続税は、実は存在しなかったのです。先に答えを言ってしまうと、日露戦争時の戦費調達のための時限的な措置のはずでしたし、戦前は家督相続だったので、例外的な扱いでした。

今とは大違いですが、ここで学べることは、時代や状況により、税の取り扱いも変わってくるということです。

税負担の発想と不動産

では、どのように税の負担を決めるのでしょうか?
キーワードは、「受益者」による「担税力の公平」です。担税力とは、読んで字の如く、税を担う力です。この担税力を公平の観点で受け持つと言うことです。

例えば、儲け(=所得)から税負担をする「所得税」を例に取りましょう。
1,000万円稼ぐ人と300万円稼ぐ人では、どちらの方が担税力が高いでしょうか?


それは、稼ぎの多い1,000万円稼ぐ人ですね。

ですから、所得税ではたくさん稼ぐ人(=所得が多い人)程、税率が上がるように「超過累進税率」という仕組みになっています。

また、同じ1,000万円稼ぐ人でも、独身の人と家族が5人(配偶者+子ども3人)の人とでは、どちらの人の方が担税力が高いでしょう?


もちろん、家族が5人(配偶者+子ども3人)の人の方が家計の支出などが大きくなるので、独身の人の方が担税力が高くなります。ですから、所得税では個々人の状況により差し引ける「所得控除」という仕組みになっています。

最後に、同じ1,000万円稼ぐ人でも、会社員として1年で稼ぐ人と、高校卒業から42年間勤め上げ退職金として貰う人では、どちらの人の方が担税力が高いでしょう?


答えは、会社員として1年で稼ぐ人ですね。

ですから、所得税では、まず状況により儲け方(=所得)を10種類に分けて計算する仕組みになっています。

もちろん、社会情勢などに合わせて、減税(=特例)も多くあります。

詳細はこちら:国税庁ホームページ

2022年度税制改正と概要

毎年12月に、経済状況などを踏まえて、翌年以降の税制改正についての審議・検討内容が与党より公表されます。

2021年12月10日に国土交通省より「令和4年度国土交通省税制改正概要」が公表され、次年度2022年度の不動産関連の税制改正の内容が判明しました。

もちろん、最終的には国会の議論を経て、成立することとなりますが、個人的には税制改正概要と実際に施行される内容には大きな変更はないものと考えています。

令和4年度予算=歳出の基本方針

令和4年度予算では下記の3点を柱に、令和3年度補正予算と合わせて切れ目なく取り組みを進め、施策効果の早期発現を図ることとしています。

    • 依然として続く新型コロナウイルス感染症拡大による交通・観光需要の減少などに伴い、関係事業者は未曾有の危機に直面している。また、気候変動の影響により豪雨や大雪などの自然災害も年々激甚化・頻発化している
    • 一方で、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたグリーン投資の加速、デジタル技術の積極的な活用、新たなライフスタイルを見据えた分散型の国づくりなどの新たな時代の課題にも適切に対応しなければならない
    • こうした現下の状況の中、ポストコロナの新しい資本主義を起動させることが急務


不動産に関係ある部分を抜粋すると・・・
「国民の安全・安心の確保」という観点では、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を計画的に進め、防災・減災が主流となる安全・安心な社会を構築する。

「社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」という観点では、住宅・建築物の省エネ対策や木材利用の促進、自動車の電動化等の促進等のグリーン化施策、国土交通分野のデジタルトランスフォーメーション、インフラシステム海外展開などを積極的に進める。
「豊かで活力ある地方創りと分散型の国づくり」という観点では、共生社会実現に向けたバリアフリー社会の形成、二拠点居住やワーケーションなど住生活環境の充実、条件不利地域の振興、スマートシティ・次世代モビリティやコンパクトでゆとりとにぎわいのあるまちづくり、孤独・孤立対策の推進等を進めることになりそうです。

令和4年度予算の取り組み(不動産関連 抜粋)



「国民の安全・安心の確保」の観点
  • 防災・減災が主流となる安全・安心な社会の構築など


「社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」の観点

  • 住宅・建築物の省エネ対策や木材利用の促進
  • 自動車の電動化等の促進等のグリーン化施策
  • 国土交通分野のデジタルトランスフォーメーション
  • インフラシステム海外展開など


「豊かで活力ある地方創りと分散型の国づくり」の観点

  • 共生社会実現に向けたバリアフリー社会の形成
  • 二拠点居住やワーケーションなど住生活環境の充実
  • スマートシティ・次世代モビリティやコンパクトでゆとりとにぎわいのあるまちづくり
  • 条件不利地域の振興、孤独・孤立対策の推進など



そのうえで、歳入の改正(=税制改正)は・・・

  • 経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大
  • 豊かな暮らしの現実と地域の活性化
  • 災害に強く安全で安心な社会の実現


という3つの軸で設定をされています。



不動産に関係ある部分を抜粋すると・・・

    • 住宅ローン控除の改正
    • 固定資産税・負担調整措置
    • カーボンニュートラル対応=省エネ住宅への対応  ?長期優良住宅・低炭素住宅

  • 所有者不明土地法交付に伴う対応 ?再開発関係
  • 災害や高齢化への対応 ?耐震・バリアフリー
  • その他特例の延長

になります。

税制改正の時間的な流れを知り、先読みしよう!

税制改正のニュースが年末に出てから、愕然とされる方も多いですが、国の予算作成の流れを理解し、把握しておけば、慌てふためくことはありません。

その理由ですが、実は、国の予算作成(=税制改正)には、以下のように大きな流れ(=スケジュール)があります。

「骨太の経済方針(6月)→ 概算要求(8月)→ 税制改正大綱・予算案(12月)」

実際に経済評論家の先生がマスコミを通じてコメントしたり、私のような実務家がコンサルティングの際に参考にしたりしていますが、これらの情報は国土交通省などのホームページで公開されています。

つまり、みなさんも少し制度の仕組みや専門用語などを勉強すれば、先読み可能!なわけです。

このように国の方針を読み解くことができれば、税制を先読みすることができるようになり、リスク回避・リスク対策ができるようになります。
例えば、平成27年におこなわれた相続税の大改正の時のように愕然とする前に行動することができるわけです。


まず何からすればわからないという方もいらっしゃると思いますが、土地活用のプロである専門家と定期的にお付き合いしたり、本ホームページを見ていただければ、情報収集は可能です。

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監修者プロフィール

株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘(マイアドバイザーR

Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFPRとして活動している。
NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。


【保有資格】
・CFPR・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)

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