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令和2年の税制改正、土地活用関連で知っておくべき内容は?

最終更新日: 2023.03.17

公開日:2020.02.13

土地活用では、事業として収益を得るとともに、いかに節税するかも大切なポイントの1つです。そのため、毎年の税制改正を知っておくことは大切なことです。令和2年(2020年)には、30万円未満の減価償却資産に関する特例をはじめとした、各種住宅税制に関する特例の延長や、相続・空き家問題に関する対策がなされます。また、平成30年(2018年)に民法改正によって施行される「配偶者居住権」なども知っておく必要があるでしょう。本記事では令和2年の税制改正や税に関する変更点から、土地オーナーやアパート・マンションのオーナーに関連する内容を解説します。

この記事のポイント
  • 30万円未満の減価償却資産に関する特例や各種住宅税制に関する特例が延長される
  • 相続により所有者がわからない土地に関する問題や空き家問題など社会問題化している分野への対策が盛り込まれる
  • 令和2年4月1日から相続に配偶者居住権が適用される

30万円未満の減価償却資産に関する特例延長

まずは賃貸オーナーの方に関係が深い30万円未満の減価償却資産に関する特例の延長について見ていきましょう。

30万円未満の減価償却資産に関する特例とは?

30万円未満の減価償却資産に関する特例とは、30万円未満の減価償却資産について、一定の条件を満たすことで一括して経費算入できる特例のことです。

例えば、20万円のパソコンを購入した場合、通常は4年間かけて減価償却していきますが、本特例の適用を受けることで購入した年に全額経費として計上できます。

賃貸オーナーの場合、部屋にエアコンやカーテンをつける場合などで本特例の適用が考えられるでしょう。

特例の適用を受けるための要件は以下の通りです。

  • 青色申告を行っていること
  • 購入した資産の額が30万円未満であること
  • 少額の減価償却資産の合計額が300万円以下であること

なお、本特例の適用を受けるかどうかは各々の判断で決めることができます。

毎年少しずつ減価償却して経費としてもよいですし、本特例の適用を受けて購入した年に一括して経費とすることもできます。

このように、経費をコントロールできるのが本特例のメリットだといえるでしょう。


特例の利用期間が延長

現行の法令では令和2年3月31日までの間に取得した資産が対象となりますが、税制改正により期間が2年間延長され、令和4年3月末までに取得した資産が対象となりました。

その他土地や住宅税制に関する特例延長

今回延長となった減価償却資産に関する特例のように、期限の定めのある法令を時限立法(時限法)[g1] と呼びますが、土地や住宅税制に関する特例には同じように期限が定められている法令がさまざまあります。

今回の税制改正では、その他以下の特例の期限が延長されます。

  • マイホームの買い換えに関する特例が2年間延長
  • 新築住宅に係る固定資産税の減額措置が2年間延長
  • 住宅用家屋の登録免許税や不動産取得税、印紙税の軽減措置がそれぞれ2年間延長

国は、経済の底上げになりやすい不動産の取引に対して積極的に税制で支援を行っており、多くの特例の期限が延長されています。

所有者不明の土地でも使用者に対して固定資産税を課税

次に、相続した不動産を持っている方や、これから相続する予定のある方に知っておいていただきたい、所有者不明の土地でも使用者に対して固定資産税を課税される税制の適用について見ていきましょう。

固定資産税の課税基準

固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に対して課される税金です。土地の所有者は原則として登記簿に記載されている所有者に基づいて判断されます。


一方、不動産を相続した際、被相続人から相続人へ所有権移転登記することを相続登記と呼びますが、この相続登記は義務ではありません。このことにより、全国で登記上の所有者不明の土地が多くみられるようになっていることが社会問題となっています。


これまで、地方税法では震災などで所有者不明となった土地を実際に使った人を所有者とみなして課税する規定はありましたが、あくまでも原則は登記人であるかどうかで課税の有無が判断されます。

所有者不明でも使用者が固定資産税を負担

こうした問題を受けて、令和2年4月1日より「相続時に土地の相続人が誰であるかを市町村に申告すること」が義務付けられるようになります。

さらに、2021年度以降は所有者が不明の場合でも、実際に使用されている土地については、使用者に固定資産税が課されるようになる予定です。

空き家や未利用の土地売却に特別控除を創設

次は空き家や空き地など未使用の不動産をお持ちの方が一定の要件を満たすと利用できる「空き家や未利用の土地売却における特別控除」についてです。

令和2年4月1日より期間限定で、空き家や未利用の土地売却の際に特別控除の適用を受けられるようになります。詳しく見ていきましょう。

低未利用地における特別控除

低未利用地とは、相続により発生した空き家など、使われていない土地のことを指します。

少子高齢化や人口減少問題により、相続人が実家を相続しても利用しないといった理由から、空き家が全国で増えていることが社会問題となっています。


本特例は、こうした空き家問題に対する政策の1つで、適用を受けることができれば、土地を売却した際に100万円の特別控除を受けることができるようになります。

土地や建物を売却したときの譲渡所得は所有期間5年超(売却した年の1月1日時点)の場合、税率が20.315%となっているため、納税額から最大で20万円程度(控除額100万円×20.315%)を減らすことができます。

本特例の適用要件

本特例の適用を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 売却額が建物を含めて500万円以下
  • 売却した年の1月1日時点の所有期間が5年超
  • 低未利用地であることについて市区町村の長による確認がなされたこと
  • 令和2年7月1日から令和4年12月31日までの間に低未利用地を売却したこと

住宅ローン控除と譲渡所得の特例に関する重複適用不可に

住み替えなど、売却と購入を同時期に行うことを考えている方に関連性の深い改正もあります。

これまで一定の条件下であれば認められていた、住宅ローン控除と譲渡所得の特例に関する重複適用について、税制改正以降は認められなくなります。


賃貸併用住宅の場合など、賃貸オーナーも住宅ローン控除の適用を受けられるケースがあるため確認しておくとよいでしょう。

住宅ローン控除とマイホームを売却したときの特例

住宅ローン控除とは、ある一定の条件を満たす住宅を住宅ローンを利用して購入する際、当初13年間は住宅ローンの年末残高の1%分を所得税・住民税から控除できるという制度です。


また、マイホームを売却したときの特例とは、自己居住用として購入した一定の要件を満たす住宅を売却する際、譲渡所得から「3,000万円特別控除」の適用を受けられる制度です。

これまでの重複適用要件

これまで、住宅ローン控除の適用を受けた年とその翌年・翌々年の計3年間はマイホームを売却したときの特例と重複適用できないという決まりがありました。


裏を返せば、住宅ローン控除を受けてから3年目以降であればマイホームを売却したときの特例と重複適用できていました。

しかし、令和2年4月1日以降、3年以上間を空けても重複適用できなくなります。

令和2年4月1日以降の特例利用に注意

令和2年4月1日以降、住宅ローン控除とマイホームを売却したときの特例は重複適用できなくなります。

住宅ローン控除とマイホームを売却したときの特例はいずれも非常に節税効果の高い特例です。


将来的に重複適用する可能性があるのであれば、購入時からどちらの適用を受けるのが得になるのか、慎重に検討したうえで決めることが重要となります。

配偶者居住権の取扱い

最後に、相続で亡くなった方の配偶者に所有権がなくとも配偶者居住権を認めるという法改正をご紹介しましょう。

平成30年の民法改正により、配偶者居住権が創設されることになりました。

これは税制改正ではありませんが、相続税の計算などに関わることなので内容を知っておくとよいでしょう。

配偶者居住権とは

配偶者居住権とは自宅を所有する夫が死亡したときに、配偶者が引き続き自宅に住むことのできる権利のことです。

一般的な家庭の相続においては、相続財産は不動産に関する割合が大きいことが多く、遺産分割の結果、配偶者の生活が不安定になる場合がありました。


例えば、相続財産が5,000万円で、内訳は不動産が3,000万円、現金が2,000万円となるケースでは、配偶者が不動産を相続したうえで、公平に分けようとすると現金を子どもたちに相続する計算になります。

これでは、配偶者のその後の生活が苦しくなります。


一方で、不動産を子どもが相続した場合、所有権を持たない母親が追い出されるといった可能性も考えられます。

こうしたことから、配偶者の相続後の生活を安定させる目的で配偶者居住権が創設されました。

配偶者居住権の創設で相続がどう変わる?

配偶者居住権の創設により、たとえ子どもに所有権が移った場合でも所有権と居住権を分け、配偶者に居住権を認めることが可能となります。

これにより、例えば先ほどのケースで、不動産のうち1,000万円を居住権、2,000万円を所有権とし、配偶者に居住権1,000万円と現金1,500万円、子どもに所有権2,000万円と現金500万円などと分けることが可能になるのです。

配偶者居住権の譲渡所得の取扱い

不動産に配偶者居住権等が設定されている場合、その不動産を売却するときの取得費の計算方法も明確化されています。


取得費=建物の取得費-配偶者居住権の取得費


例えば、譲渡所得の計算において建物の取得費が3,000万円、その内配偶者居住権の取得費が1,000万円だった場合、譲渡所得を計算する際の取得費は3,000万円-1,000万円=2,000万円となります。



まとめ

令和2年の税制改正では、空き家や配偶者居住権に関する取り決めなど、社会的問題に対する税制改正がいくつか見られます。
該当する改正がある方は本記事を参考にしていただき、今回の改正では当てはまらない方でも、引き続き税制改正の推移を追うように心がけましょう。


また、本記事の内容は財務省や国税庁の文書を元に作成していますが、実際に利用する際には税理士や税務署の職員に確認するようにしてください。

監修者プロフィール
中村昌弘(宅地建物取引士)

私立大学卒業後、不動産ディベロッパー勤務を経験し 不動産の用地仕入れや、分譲マンションの販売・仲介などを手掛ける。

居住用不動産や投資用不動産などの不動産全般のノウハウに加え、 自身でマンション売却経験もあるため、

実体験を元にした執筆が強み。 現在は独立し、不動産関係の記事で幅広く活動中。

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