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2018年家賃動向と賃貸住宅の今後の需要予測とは?

公開日: 2022.10.28

最終更新日: 2023.03.24

公開日:2019.05.31

アパート経営には安定した家賃収入が期待できるという魅力がありますが、一方で空室リスクや家賃下落リスクなどを伴うため、人気の間取りや家賃動向などを把握してリスクの影響を少なくしておくことが重要です。

そこで今回は、建設会社からの賃貸建物の提案内容が適正か気になっている方やアパート経営を検討中の方、建て替えを検討していてどうすべきか悩んでいる方に向けて、昨年、2018年家賃動向や間取りの需要について解説します。

この記事のポイント
  • 全国の家賃平均は微増傾向にある
  • 間取り別では、単身者タイプ(1R~1DK)で家賃が上昇

主要都市の平均賃料の推移

全国賃貸管理ビジネス協会が定期的に実施している「全国家賃動向」によると、2016年12月の全国の総平均賃料は54,157円、2017年同月は54,461円、2018年同月は54,598円と微増傾向にあります。東京・愛知・大阪の主要都市の3年間の契約ベース家賃をピックアップすると以下の結果となります。

東京都の賃料推移

2016年:70,934円
2017年:71,001円
2018年:71,288円

東京の3年間の家賃推移は、全国平均と同様に微増傾向となっています。東京では、好調なインバウンド*の影響や2020年の東京五輪開催に備えた再開発などで地価が上昇していることが家賃の微増傾向に影響していると考えられます。


大阪府の賃料推移

2016年:58,551円
2017年:58,770円
2018年:58,893円

大阪の3年間の家賃推移も微増傾向となっています。大阪も好調なインバウンド*の影響や2025年に予定されている万博開催、また大阪駅を中心とした再開発などで地価の上昇が家賃の微増傾向に影響していると考えられます。


愛知県の賃料推移

2016年:54,723円
2017年:54,567円
2018年:53,880円

愛知県では、2027年に予定されているリニア新幹線開業に向けた名古屋駅周辺の再開発が実施されており、一部地域では家賃が上昇。しかし、中心部では家賃が微増傾向となるも、郊外の地域では中心部への人口流出などにより需要が低下していると考えられます。



家賃は景気の影響を受けにくいとは言われますが、地価や需要の変化などの影響で家賃が変動します。安定したアパート経営につなげるには、アパートを建てる際や建て替える際に、土地の市場や入居者ニーズに合った建物かどうかを見極めることが重要です。


間取り別の賃料の変化

家賃の変動に影響を与える要素として考えられるのが間取りです。どの間取りの需要が高いか事前に確認しておきましょう。2018年日管協短観の3つの地域(首都圏・関西圏・その他)において成約賃料*の動向は以下のとおりです。

賃貸住宅の需要予測

総務省統計局が公表した住宅・土地統計調査の貸家住戸の推移では、2010年1,777万戸の貸家だったのが2014年1,851.9万戸と、5年間で74.9万戸増加していることが分かります。しかし、国土交通省が公表した住宅着工統計の新設貸家着工戸数の推移では、2010年から2014年までの新設貸家着工戸数は以下のような結果になっています。

    • 2010年:298,014戸
    • 2011年:285,832戸
    • 2012年:318,521戸
    • 2013年:356,263戸
    • 2014年:362,191戸

5年間の合計が1,620,821戸に対して、実際に5年間で増加したのは74.9万戸と、5年間で約87.2万戸、1年間あたり約17万戸が老朽化や旧耐震基準の建物であることを理由に滅失していると考えられます。



直近の総務省が公表した国勢調査から貸家は全世帯数のうち約3割を推移。また、国立社会保障・人口問題研究所で発表された2035年までの世帯数予測によると、総世帯数は4,956万世帯になるとされており、うち3割の約1,800万世帯が貸家世帯と考えられ、人口が減少していく中でも貸家世帯数は横ばいとなっています。そのうち、1人住まい世帯の増加も見込まれることから、今後賃貸住宅世帯は増加するものと予測され、老朽化や旧耐震基準を理由とする賃貸住宅の滅失を考慮すると、今後も賃貸住宅の安定した供給が必要となっています。



建て替えの場合、新耐震基準の賃貸住宅になるため、耐震性能も高く、今の時代の入居者ニーズに合わせた建物、間取りとすることができ、その分賃料も引き上げることが可能です。少子化の影響によって人口が減少傾向にあるため、空室リスクや家賃下落リスクといった影響が出ないか気になっている方も多いと思いますが、世帯数は年々増えているため、内訳に変化はあるものの賃貸需要は高い水準を維持していると言えるでしょう。

まとめ

アパート経営によって家賃収入が見込める一方で、建てる際に受けた融資への返済もしなければならず、まずは「長期的に安定した家賃収入」の確保が必要不可欠です。

東京や大阪などの主要エリアでは、好調なインバウンド*や再開発などの影響で家賃相場が増加傾向にある一方、愛知などでは中心部への人口流出で家賃相場が減少傾向になるなど、地域差が目立つようになっています。

同じ東京や大阪でも、どの市区町村でアパート経営を始めるかによって家賃相場は大きく異なるため、アパート経営を始める際は入居者が求めるニーズ(間取り、賃料)を参考に、土地のマーケットに合わせて事業計画を検討していくことが重要と言えるでしょう。

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