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知っておきたい『日本の空き家問題』の現状とは?!

最終更新日: 2023.01.27

最終更新日:2022年3月14日

ニュースなどでよく聞く空き家問題、平成30年住宅・土地統計調査の結果によると空き家の件数は2018年には846万戸となり、この20年で1.5倍増えています。

さらに、空き家率をみると13.6%になり、件数とともに空き家率も年々増加傾向にあります。空き家が増えるとどのような問題が生じるのでしょうか。

住宅ストックの空き家の現状と賃貸住宅における空き家の現状をそれぞれみていきます。

また、賃貸経営を考えるうえで知っておきたい、低い空室率を維持するためのポイント についても解説していきます。

空き家問題について


人口減少している日本で、住宅ストック件数が6,240万戸あります。対して、総世帯数が5,400万世帯となっていますので、住宅の量が多いということがわかります。グラフで読み取れるように、総住宅総数と総世帯数の差が年々大きくなっています。


表面的には、この差が空き家の数という風に見えますが、賃貸事業における空き家の実態を検証するため、その中身を見ていきましょう。


空き家の内訳は、賃貸用の住宅が50.9%、二次的住宅4.5%、売却用の住宅3.5%、その他の住宅41.1%となっています。

「二次住宅」とは、週末や長期休暇のときにたまに使われる別荘などの住宅のことを指し、「売却用の住宅」は文字通り売却する目的の住宅、「その他の住宅」放置された住宅、長期不在で住んでいない住宅や解体予定の住宅なども含みます。

内訳のうち、その他の住宅が20年で1.9倍となっていることが空き家問題の原因のひとつと考えられます。

その他の住宅の空き家の多くは下記の状況が原因となっています。

    • 高齢者が施設に入居して誰も住まない状態になってしまっている
    • 相続で取得した家を放置している
    • 相続登記を怠ったため、所有者不明建物が増えている

それでは、空き家が増えることでどのような問題が生じるのでしょう。想定される問題を詳しく解説します。

    • 倒壊や崩壊
      古い建物を放置しておくと、倒壊や崩壊、屋根や外壁の落下、火災発生の恐れなどが予想される。
    • 放火による火災

      年間に起きている建物火災は、約2万件でそのうち放火による火災が1,149件、放火の疑いが578件と合わせると1,700件を超えます。空き家が放火される事例もあり、放火などの犯罪を誘発する可能性もある。

    • ごみの不法投棄・衛生の悪化・悪臭の発生

      管理していない空き家ですと、ごみが放置されるだけでなく不法投棄の場所にもなりやすく、衛生的に悪い場所になる。

    • 治安の悪化

      誰もいない建物では、不法侵入され犯罪のたまり場になる危険性がある。

    • 風景・風観の悪化
      古く手入れがなされていない家は、建物自体の老朽化により外観が悪化することや庭などの植木などの手入れがないため風景も悪化する。

空き家問題への国の対策について

このような空き家問題の対策として国はさまざまな施策を打ち出しています。その中のいくつかをご紹介します。

空家等対策特別措置法

2014年(平成26年)に空家等の推進に関する特別措置法が制定され、2015年に施行されました。


手入れがされていない、崩壊しそうな、周辺地域の住民の生活環境に影響を及ぼすような空き家を「特定空き家」とし、行政がその家の所有者に管理の改善の助言・指導・勧告(固定資産税等の住宅用地特例の除外)・命令(50万円以下の過料)・代執行等できるようになりました。

相続登記の義務化

家を相続したときに、相続登記を行います。今までは登記の義務がないため空き家の所有者不明ということが多くみられました。所有者が不明の空き家は、管理されずに「特定空き家」となる可能性があります。
所有者不明の空き家をなくすために、相続登記申請の義務化が2024年(令和6年)4月1日から施行されます。


これにより、相続した空き家をきちんと管理する義務も生じてきます。管理し続けるのか、賃貸用に活用するのか、売却するのかを相続する時点でしっかり検討することが大切になります。

除却支援・再生支援

空き家住宅等が居住環境を阻害し、もしくは地域活性化を阻害している区域において、居住環境の整備改善及び地域の活性化に資するために、除却のための支援や、空き家再生のための支援金を出している自治体も多く、それに伴い空き家に関する相談窓口等を自治体と民間企業が連携支援する事業もモデルの取組を支援し、その後全国展開を図る事業が行われています。



例えば、実家を相続後に、売却をする場合には空き家発生を抑制するための特別措置として、耐震リフォームをして売却するか、解体して売却する場合には譲渡所得から3,000万円の特別控除があります。

賃貸住宅における空き家の理由

賃貸住宅における空き家はどうなっているのでしょうか。上述にて空き家の約50%は賃貸住宅という表がありましたが、その理由は主に下記です。

      • 老朽化などにより競争力を失った結果
        老朽化などで競争力を失っている物件は少なくありません。自治体の助成金なども検討しつつ、建て替えやリフォームを考えてみましょう。
      • 売却もしくは建て替えのために空き家にしている
        このようにわざと空き家にしている物件の場合も空家の数に含まれているので、実態の把握には注意が必要です。
      • 賃貸する気がなく放置している
        手を加える資金がない、自身が高齢だから、後継ぎがいないからという理由で放置している所有者は多数いるようです。


      続いて、賃貸経営における空き家率・空室率についてみていきます。

さまざまな空室率算出方法

賃貸経営をする場合には、どうしても気になるのが空き家率・空室率ではないでしょうか。

ニュース等で取り上げている空室率には、さまざまな算出方法があります。データを出している機関が異なり、データの見方に注意する必要があります。2つの算出方法をみてみましょう。

住宅・土地統計調査による空き家率

一般的に目にするのは、総務省が算出している空き家率。前項でもグラフで紹介してありますが、住んでいない空き家を総住宅数で割って計算している方法です。

例えば、1棟6部屋あるアパートが10棟あります。そのうち、3棟で2部屋ずつ空室がある場合


 空室6部屋÷全体の部屋数60部屋=10%

このように計算します。

日本銀行の金融レポートでも取り上げられたタス株式会社が公表している空室率

トヨタ自動車グループ企業のタス株式会社が公表しているタス空き家インデックス(空き家率TVI)は、募集している部屋数に対して募集している建物の総戸数で割って計算している方法です。

例えば、上記と同じ条件で1棟6部屋あるアパートが10棟あります。そのうち、3棟で2部屋ずつ空室がある場合


空室がある棟の全体と空室で計算します。

空室6部屋÷空室がある棟の部屋数18部屋=33.3ポイント
となります。


同じ状況なのに、10%と33.3ポイントと数字が異なります。

前者は全体をみているのに対し、後者は部分的な数字になっています。後者の方が空室率の数字が高いため、賃貸経営をするときには前者と比べて不安を与えてしまう数字になっています。

数字を提示されたときに、どのような算出方法で算出されたものなのか注意しましょう。
冷静に客観的に判断することが大切です。

低空家率を維持するためのポイント

日本の人口は、2008年をピークに減少し、世帯数も2023年以降に減少に転じると推測されています。このことから、このままいけば住宅が余ってしまうことが予想されます。

その一方で、国の施策による外国人労働者の増加やコロナ化における生活スタイルの変化、賃貸派増加など、立地によっては賃貸の需要が増える要因もあります。そのような中で賃貸物件を所有する方は低い空室率を維持していきたいと思うのは当然です。
では、低空室率を維持するためにはどのような点に注意したらいいのでしょう。以下の4つの点に気を付けて競争力を高めるよう心掛けましょう。

      • マーケティングを間違えない
        所有地周辺の市場調査から、どのようなニーズがあるかを分析したうえで、ターゲットとする客層、仕様、家賃設定などを計画しましょう。
      • 効果的な広告・宣伝を行う
        すぐに出来ることは、より多くの入居希望者に対して、広告・宣伝を行うことです。不動産業者に広告ビラをお願いするだけでなく、認知度の高いポータルサイトなどに掲載するなども検討しましょう。
      • 入居者の初期費用を減らす
        入居者にとって、初期費用の負担が軽ければ入居のハードルも下がります。入居者は、引っ越し費用もかかるので出来るだけ初期費用を抑えたいと考えるでしょう。
      • リノベーション・リフォームをする
        築古であっても、美観と機能が十分であれば、入居希望者の目には魅力的に映ります。外観の塗り替えや間取りを大きく変更しリノベーションする。外観を変えるだけでもイメージが変わり、入居候補の物件になります。また、数十年前の間取りを今の生活形態に合わせてリノベーションや水回りのリフォームを行うことも入居者にとって魅力的になります。
      • 建て替えを検討する
        築古の場合、躯体部分などが老朽化してしまっている場合には、建て替えも必要となります。また、リノベーションやリフォーム費用が高額になった場合は、投資効果や資産継承などを考慮し、建て替えと比較検討することも忘れないようにしましょう。


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住宅環境の方向性

国土交通省の「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方」によると2025年度以降の新築建築物は高水準の省エネルギー性能の適合を義務付ける方向です。良質な住宅ストックの形成と目標には書かれています。そのため、このような省エネや脱炭素、耐震性のある住宅を国が推奨していることを把握して、それに対応していくことも必要となってくるでしょう。

まとめ

空き家問題についてさまざまなニュースが流れています。確かに空き家が増えていること、空き家が問題になっていることは事実です。しかし、建物賃貸事業が土地所有者や資産家にとって有効な手段の一つであることも事実です。

土地活用を検討する際には、空き家の定義を理解すると共に、想定されるリスクに対してどのように対処するのか、対策を検討することも忘れないようにしましょう。

また、不動産を相続する予定のある方は、空き家等特別措置法や相続登記の義務化により国が空き家対策を積極的に進めていることを理解し、相続した後に、空き家を売却したらどうなるのかそのまま管理したらどうなるのか利用できる制度はあるのかなど相続する前から確認しておきましょう。

以上のことをしっかりと実施することは簡単ではありません。
それぞれの専門家(税理士・建築士・建築業者・不動産業者など)に相談して、具体的な数字を出して、空き家をどうするのか判断することが大切でしょう。

監修者プロフィール
【優益FPオフィス アシスタント/大幸建設 監査役 杉雅紀子】

マイアドバイザー®。短期大学卒業後、大手生命保険会社入社。約8年勤務し、結婚後退社。
平成16年から建設会社の経理・住宅ローン担当しつつ、FPとして活動。地域の子育て支援団体の代表を務め、ひとり親支援にも積極的に取り組んでいる。

【保有資格】
・AFP・FP技能士(2級)・住宅ローンアドバイザー

監修者プロフィール
株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘

マイアドバイザー®。Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、

主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFP®として活動している。

NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。


【保有資格】

・CFP・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)

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