安心な老後生活のための資金準備の秘訣
公開日: 2022.10.28
最終更新日: 2023.03.17
公開日:2018.01.17
老後の生活にはどのくらいお金が必要なのだろうかと漠然とした不安を抱えている方は少なくありません。
今回はさまざまなデータをもとに、具体的な老後の生活をイメージしたうえで、老後生活をより豊かなものにするための資産形成について紹介していきたいと思います。

この記事のポイント
- 8割以上の方は、老後に対して何かしらの不安を感じている
- 老後の生活費(2人以上世帯)として月に約25万円が必要
- 年金の受給だけでは月数万程度の不足が発生するので、老後資金を増やす工夫が必要
老後の準備はできている?
生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査」(令和元年9月)によると、自分の老後生活に「不安感あり」と回答した方の割合は84.4%にものぼっており、多くの方が老後についての不安をもっていることがわかります。その具体的な内容についての回答(複数回答)を見てみると、「公的年金だけでは不十分」(82.8%)をはじめとして「退職金や企業年金だけでは不十分」、「自助努力による準備が不足する」等々、お金に関する不安を挙げる方が目立ちます。
老後の生活にはどれくらいお金がかかるの?
具体的な対策を講じるためにはまず、平均的に、どのくらい老後にお金を使うものなのか、考えてみましょう。
2018年高齢者総世帯(平均世帯人員2.33人,世帯主の平均年齢59.3歳)の消費支出は,1世帯当たり1か月平均246,399円となっています。更に、夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦(無職)に限定した場合、年金といった社会保障給付などで収入が222,834円。それに対し、消費支出は235,615円となり、実収入を12,781円オーバーしてしまうということが明らかになりました。内容は以下のようになっています。
また、生命保険文化センターの調べによると、基礎年金と厚生年金の合計としては、男性で約200万円、女性で約120万円の給付の人が大半です。夫婦ともにサラリーマンで共働き世帯だった場合、月額26万円程度の年金を受給できると計算ができます。しかし、この金額から税金や社会保険料が差し引かれることになりますので、先ほど紹介した世帯主が65歳以上の2人以上世帯の月の消費支出の金額と照らし合わせてみると、平均的に一世帯あたり4~5万円程度不足することが考えられます。
この数字を、みなさんはどう感じられるでしょうか。こんなに使わない、もっと使っているなど、様々な感想があると思いますが、全国の高齢夫婦無職世帯の平均額をひとつの目安として、自分の場合は老後の生活費としてどのくらい必要なのか参考になるのではないでしょうか。
老後資金はどうやって増やしていけばいいの?
年金だけでは月に数万円不足してしまうという課題に対して、具体的にどのような対策を講じればよいのでしょうか。様々な方法を挙げてみたいと思います。
- 1.定年退職後も働く
定年退職した後も健康なうちは働くことで、資産の目減りを防ぐことができます。かならずしも退職前の様にフルタイムで働く必要はありません。先述の老後の生活費のシュミレーション結果をもとに、どれくらいの期間どれくらいの収入を得たらよいかを考えてみるとよいでしょう。
- 2.公的年金の繰り下げ支給を選択する
原則として公的年金は65歳から受給できますが、受給開始を最大5年遅らせることができます。これを年金の繰下げ支給といいます。例えば老齢基礎年金を一ヶ月繰り下げる毎に支給年額が0.7%ほど増加します。退職後もしばらくは働くことを選択する場合は、年金の繰下げ支給を検討してみるのもよいでしょう。
私的年金をつくる準備をする
3.定年退職後も、資産から定期的に収入を得られるような仕組みづくりを考えておくのも対策のひとつです。個人年金等の積み立て、所有不動産の有効活用等々、様々な方法が考えられます。とはいえ、慌てて取り組むのは、失敗のもと。専門家に相談しながら時間をかけて準備していくことをおすすめします。
- 4.低リスクの中長期投資をする
利益を生む投資が資産を増やす有効な手段ですが、高収益の投資方法はリスクも高くなります。しかし国債や、定期預金のような投資ではなかなか資産を増やすまでには至りません。そこで、安心して資産を増やす為には、低リスクの不動産投資の方がおすすめです。とりわけ、土地を所有していた場合、不動産投資としてアパート経営を行えば、定期的に収入を得られるため、長期的な計画を立てやすいというメリットもあります。
まとめ
老後についての漠然とした不安を具体的な課題へ変えることはできたでしょうか。
具体的な課題に対しては一人で抱え込まずに専門家のサポートなども活用しながら対策を考えるためのきっかけにしてみてください。
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