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3つの健康維持の大切さ ~人生100年時代を賢く生きる方法~

最終更新日: 2022.11.01

景気や経済の動きも変化が激しくなり、方向性も定まらず、新型コロナ禍になってから今まで以上に「先行きが見えない」と言われるようになった昨今、目標設定を他人任せにせず、自分が向かうべき目的・目標を自分自身で決めることが大切です。

今回はライフプランFPRとして、活動されている「株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘 氏」「人生100年時代を賢く生きる?ライフプランの3大要素と4つの視点」について解説いただきます。

はじめに...

先行きが見えない社会と言われ、久しくなりました。
日本が成長過程にあった右肩上がりの時代では、終身雇用が当たり前で、国や会社が生きる目標を用意してくれましたが、現在は人口が減り、高齢者が増加。成長率が右肩下がりの時代となり、今までの通りの生き方では、豊かに幸せにイ(生・活・熱)きられなくなりました。

事実、景気や経済の動きも変化が激しくなり、方向性も定まらず、新型コロナ禍になってから今まで以上に「先行きが見えない」と言われるようになりました。

このような時代では、目標設定を他人任せにせず、自分が向かうべき目的・目標を自分自身で決めることが大切です。

そのために必要なツールが、私たちFPがプロとして提供している「ライフプラン(人生設計)」です。

「ライフプラン(人生設計)」は"転ばぬ先の杖"として、重大な決断をする際には特に大切なツールになります。

作成するにあたり、大きな要素が3つあります。「心の健康」「体の健康」「お金の健康」です。

ライフプランを作成するうえでのポイント?「心の健康」

自分自身が何をしたいのか? そのために積極的な気持ちを持てるか? ということです。

後からお伝えする「体の健康」「お金の健康」については、人それぞれ、生まれてきた諸条件によりスタート地点が違いますが、この「心の健康」だけは同じだと言えます。

厚生労働省:みんなのメンタルヘルス総合サイト「精神疾患のデータ・精神疾患による患者数」を確認すると、精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、平成26年(2014年)は392万人、平成29年(2017年)では400万人を超えています。多いものから、うつ病、統合失調症、不安障害、認知症などとなっています。

特に 近年においてはうつ病が著しい増加がみられ、平成14年(2002年)は74万人だったものが平成29年(2017年)には128万人弱と80%近く増加しています。このことからも、心の健康を害している方が非常に増えていることがわかります。

みなさんもそうでしょうが、私もさまざまなストレスを感じなから日々生活をしています。ストレスとうまく付き合う術(スベ)を持ち、日々を過ごすことが大切です。




■精神疾患の患者数(医療機関に受診する患者の疾病別内訳)

※厚生労働省:みんなのメンタルヘルス総合サイト「精神疾患のデータ・精神疾患による患者数」より

ライフプランを作成するうえでのポイント?「体の健康」

自分自身がしたいことをする=行動するために必要な要素ですが、目標を実現させるためには一定の時間が必要不可欠。

人生100年時代と言われていますので、その時間をどれくらい持っているか?まずは確認することが大切です。

ここでは、厚生労働省が発表した「令和2年簡易生命表の概況」から、平均余命を見て、どれくらいの持ち時間を持っているのか?確認しましょう。


ちなみに、平均余命とはある年齢の人が「その後何年生きられるか?」という期待値のことで、0歳時点の平均余命を平均寿命と言います。統計によると、男性の平均寿命は81.64歳、女の平均寿命は87.74歳で、それぞれ前年と比較して0.22歳、0.30歳伸びています。


また、平均寿命の男女差は6.11年で前年より0.08歳拡大しています。男女とも全年齢で前年を上回っており、新型コロナ禍の影響か? 昨年に比べ全年齢で伸び率が増加しました。

人生は予想以上に長いので、有意義に利用したいですね。

■平均寿命

現在の年齢

男性(年)

女性(年)

令和2年

前年比 令和2年 前年比
0歳

81.64

0.22 87.74 0.30
20歳 61.97 0.20 68.04 0.27
30歳 52.25

0.22

58.20 0.29
40歳 42.57

0.23

48.40 0.29
50歳 33.12 0.24 38.78 0.29
60歳 24.21 0.23 29.46 0.30
65歳 20.05 0.23 24.91 0.29
70歳 16.18 0.22 20.49 0.28
75歳 12.63 0.22 16.25 0.28
80歳 9.42 0.24 12.28 0.27
85歳 6.67 0.21 8.76 0.25
90歳 4.59 0.18 5.92 0.21

※厚生労働省「簡易生命表:平均余命(令和2年)」を基に執筆者作成

ライフプランを作成するうえでのポイント?「お金の健康」



現代社会において、何か行動する際に持っていないと制約を受けてしまうのが、お金の健康です。


厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」から、年次別の所得の状況を見てみると、2018(平成30)年の1世帯当たり平均所得金額は「全世帯」が 552万3千円、「高齢者世帯」が 312万6千円、「高齢者世帯以外の世帯」が 659万3千円、「児童のいる世帯」が 745万9千円となっています。


児童のいる世帯では10年前(平成21年:2009年)と比べ、8%伸びていますが、全世帯と高齢者世帯はそれぞれ0.5%と1.6%とほとんど収入が伸びていないのがわかります。


全世帯としては、単身者世帯が増えていることや、高齢者世帯ではメイン収入である年金(額)が増えづらくなっていることが、ほとんど伸びていないことの原因かもしれません。


いずれにしろ、伸びはわずかですから、無意識的にも厳しいと感じられている方が非常に多いはずです。

■各種世帯の1世帯あたり平均所得金額の年次推移

※厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」

では、どうすれば良いでしょうか?

実は、「お金の健康増進法」は極めてシンプルです。

1. 収入を増やすか?

2. 支出を減らすか?

3. (保有)資産を運用して家計収支(収入?支出)を増やすことです。

ただ、ダイエットと同じで「言うは易し、行うは難し」です。

最近は簡単には収入が増えず、物価も安定して節約もしづらいので、生活が厳しいと言われています。みなさんはどうでしょうか?


特に高齢期においては、1番目の「心の健康」はどうしても判断能力が落ちてしまいます。また、2番目の「体の健康」も若いときほど五体満足に体を動かしづらくなり、自ら動いて労働収入を得ることは難しくなります。


そうすると必然的に、それまでに蓄積したり、先代から引き継いだ(保有)資産があれば、それらの資産を活用して、不労所得を得る≒働いてもらうという選択肢が持てます。

そもそも、未来のことなぞ、誰にもわかりません・・・

では、資産運用のためにライフプランは不要なのでしょうか?

企業は定期的に収益を予測します。ある事業を行うにあたり、どのようにヒトやモノやおカネを使い、儲けようか?・・・計画を立て、行動しているはずです。集団で効率的に行動する=儲けるために、共通した考え方や評価するモノサシが必要なので、計画を立てるとも言えます。


個々人のライフプランも一緒です。不確定な条件やある仮定に基づいて、自分自身で良し悪しの判断ができるモノサシを作り、生活設計を立て、投資や生活していくことになります。つまり、必要不可欠な存在です。

さまざまな目=4つの視点を持つ!?

ライフプランを活用するためには、"鳥"の目、"虫"の目、"魚"の目などというさまざまな目、複数の視点を持つこと、そして、優良な情報を入手することが大切です。


"鳥"の目とは、高い所から全体像を把握できる目です。
投資の視点では、マクロ経済=世間から見た経済状況を把握することから見えてくることだと解釈できます。


"虫"の目とは、詳細な部分を把握できる目です。
投資の視点では、ミクロ経済=自分自身のライフプランというモノサシを作ることから見えてくることだと解釈できます。


"魚"の目とは、世の中や時代の流れを把握できる目です。
投資の視点では、国など行政や世の中の人たちの動き=トレンド(時流)から見えてくることだと解釈できます。



最近、もう1つ新しい目・・・"コウモリ"の目です。


ご紹介した"鳥" "虫" "魚"という目は、私たち人間と同じ光学的な目で、光に影響されて見える目になります。ですから、元々、私たちも能力的に持っているモノなので、意識したり一工夫したりすれば、使うことができます。
ただ、この"コウモリ"の目は、光学的な目ではありません。"コウモリ"の目は、科学的にレーダーなどに応用されるように超音波を使い見る目のようです。


現在は、第4次産業革命の真っ只中にいると言われており、AI(人工知能)など新しい技術革新により、世の中が大きく変革している最中です。

この"コウモリ"の目はAIなど今までになかったモノに例えられると思います。全く新しい目なので得られるか?わかりませんが、意識することが大切です。

このようにさまざまな目、複数の視点を持ち、優良な情報を入手できれば、優秀な資産運用ができると確信しています。

では、優良な情報は、どこから、誰から入手できるのでしょうか?

一般論ですが、例えば、運用している分野のリーディングカンパニーなど情報やノウハウが集まりやすく、お客さま目線を持っている企業さんとお付き合いすることです。


意外に思われるかもしれませんが、リーディングカンパニーは2番手3番手の企業と違い、無理をする必要がありません。当たり前のことを当たり前に行えば良いので、必然的にお客さま目線を持った企業になります。


お友達や恋人を選ぶことと同じように、最初から上手に選べる人はいないでしょう。まずは勉強のつもりで、少しずつお付き合いしてみましょう。

監修者プロフィール
株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘

Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、

主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFPRとして活動している。

NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。


【保有資格】

・CFP・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)
・日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー(令和3年10月認定)

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