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2020年の路線価発表!インバウンド需要反映も、実勢価格との乖離を懸念

最終更新日: 2022.11.09

2020年の路線価を見てみると、2019年までと同様に、都市再開発や円安、東京オリンピックなどを背景としたインバウンド需要により、観光地を中心として上昇傾向が見られる結果となりました。

一方で、1月1日時点の地価を7月1日に発表するという性質上、新型コロナウイルス感染症の拡大による地価への影響が考慮されておらず、実勢価格との乖離が指摘されています。 こうしたことから、国税庁は状況次第で路線価を修正することも発表しており、今後の動向を注視する必要があるでしょう。

本記事では、2020年の路線価について、2019年までの推移も見ながら具体的な傾向を考察していくと共に、今後の予測についても触れていきます。

2020年までの路線価の推移と2020年の最新路線価を解説

2020年7月1日に2020年の路線価が発表されました。

その内容を見てみると、2019年までの傾向と同様、インバウンド需要と都市部の再開発が地価の上昇をけん引しており、沖縄県や北海道など観光地における上昇と、東京都や大阪府など都市部における上昇が見られる結果となっています。

路線価とは

路線価とは、相続税や贈与税等の課税の際に利用される、土地の価値に関する指標のことです。毎年7月1日に国税庁が発表しています。国土交通省が3月に発表する公示地価や、各都道府県が9月に発表する基準地価等と同様に、地価の動向等を知るのに役立つと共に、実際の取引の際に、価格の指標としても用いられます。

ただし、路線価は、1月1日時点の地価を参考にすることから、実勢価格との乖離による納税者間の不公平をなくすため、実勢価格のおおむね8割程度に設定することとされています。

とはいえ、2020今年は新型コロナウイルスの影響により経済が大幅に変動している中での発表だったこともあり、実勢価格と路線価との乖離が大きい可能性が高いです。なお、冒頭でもお伝えしたとおり、国税庁は今後の動向次第では、発表した路線価を修正することも検討しており、具体的には10月をめどに路線価を補正する率割合を定めるなどの検討を進めるとされています。

路線価については、2019年の記事でも解説しています。

全国的な路線価の推移

2020年の路線価を見てみると、全国32万地点にある標準宅地の平均は前年比で1.6%増となっています。これは、昨年までの動向と同じく、外国人観光客の増加によるインバウンド需要や都市部の再開発が上昇をけん引していると想定されます。

地域別路線価の推移

都道府県別の対前年変動率を見てみると、最も上昇が大きかったのは沖縄県で対前年比は10.5%増でした。次いで、東京都(5.0%増)や福岡県(4.8%増)、宮城県(4.8%増)、さらに北海道が対前年比で3.7%増となっています。

なお、2019年における対前年比(2018年比)を見ると、沖縄は8.3%増となっており、東京都(4.9%増)、福岡県(3.6%増)宮城県(4.4%増)、北海道(2.3%増)と、いずれも高く、昨年からの傾向が続いているものと見られます。

都道府県別の対前年変動率
順位 都道府県 2020年対前年比(%) 2019年対前年比(%) 順位 都道府県 2020年対前年比(%) 2019年対前年比(%)
1位 沖縄県 10.5 8.3 25位 宮崎県 -0.1 -0.1
2位 東京都 5.0 4.9 26位 鹿児島県 -0.2 -0.3
3位 宮城県 4.8 4.4 27位 茨城県 -0.2 -0.4
4位 福岡県 4.8 3.6 28位 富山県 -0.3 -0.2
5位 北海道 3.7 2.3 29位 奈良県 -0.3 -0.3
6位 京都府 3.1 3.1 30位 香川県 -0.3 -0.3
7位 広島県 2.6 2.0 31位 徳島県 -0.3 -0.4
8位 大阪府 2.5 1.9 32位 鳥取県 -0.3 -0.4
9位 愛知県 1.9 2.2 33位 栃木県 -0.3 -0.4
10位 石川県 1.6 0.7 34位 青森県 -0.3 -0.4
11位 熊本県 1.4 1.2 35位 岩手県 -0.3 -0.5
12位 埼玉県 1.2 1.0 36位 群馬県 -0.4 -0.4
13位 千葉県 1.2 1.0 37位 静岡県 -0.4 -0.6
14位 佐賀県 1.2 0.7 38位 高知県 -0.5 -0.5
15位 神奈川県 1.1 0.9 39位 新潟県 -0.5 -0.8
16位 長崎県 0.9 0.7 40位 島根県 -0.5 -0.8
17位 福島県 0.7 1.2 41位 山梨県 -0.5 -1.1
18位 岡山県 0.7 0.2 42位 岐阜県 -0.6 -0.7
19位 大分県 0.6 0.6 43位 三重県 -0.8 -1.1
20位 山口県 0.2 -0.1 44位 愛媛県 -0.9 -1.2
21位 山形県 0.1 -0.3 45位 秋田県 -1.1 -1.2
22位 長野県 -0.1 -0.3 46位 和歌山県 -1.1 -1.3
23位 滋賀県 -0.1 -0.2 47位 福井県 -1.1 -1.4
24位 兵庫県 -0.1 0.0

地域別で見てみると、例えば、群馬県は対前年比が0.4%減ですが、その一方で群馬県の草津温泉は対前年比が10.2%増と、観光需要が追い風となっていることが分かります。

2020年の路線価のポイントは前年に引き続きインバウンド

先述の通り、2020年の路線価のポイントは、前年に続き「インバウンド」と「都市の再開発」となっており、その傾向は数字によく表れています。

インバウンド消失の影響強い観光地

インバウンド狙いだった観光地については、新型コロナウイルスにより外国人観光客が全く来なくなった地域も多く、経済的な打撃は非常に大きいものと推測されますが、この影響は2020年の路線価に反映されていません。

例えば、東京都の浅草は外国人観光客によるインバウンド需要により近年地価が大きく上昇しており、2020年の雷門通りの路線価は403万円/と対前年比で33.9%増となっています。

また、北海道の「道道ニセコ高原比羅夫線通り」は72万円/と対前年比50%増、沖縄県の国際通りでは145万円/と対前年比40.8%増とやはり観光地を中心に大幅な上昇が見られます。

しかし、これらの地域では新型コロナウイルスの影響により観光客は激減しており、沖縄県では「令和2年5月入域観光客統計概況」(2020年6月24日発表)を見ると、2020年5月の観光客数は対前年同月比94.7%減となるなど、事態は深刻化しています。

路線価は相続税や贈与税の算出の際に用いられるもので、例えば、先述した地域の不動産を贈与したり相続したりするようなケースでは、実勢価格ではなく路線価に基づいて算出される為、実勢価格との乖離に注意する必要があるでしょう。

今後の路線価推移

2020年発表の路線価は2019年までと同様、好調なインバウンド需要や都市部の再開発を背景に全国の平均でプラス成長となりましたが、2020年に入ると新型コロナウイルスが世界的に広まったこともあり、地価や路線価への影響も出てくることが予想されます。

例えば、ライブハウスや飲食店が入居するテナント等においては、入居者が家賃を払えないなどの理由から退去が進むことが考えられ、そうした商業施設の多いエリアでは地価や路線価が下降する可能性があります。

一方、居住用施設については、新型コロナウイルスの影響も限定的との見方もあります。これは、たとえ新型コロナウイルスによる感染症が拡大したからといっても、住む場所は必要であり、すぐに退去するとは考えにくいからです。とはいえ、感染症の拡大が長引くと、その影響により失職した人が家賃を支払えなくなるといった事態も考えられるでしょう。

新型コロナウイルスで地価や路線価の常識が変わる可能性もある

新型コロナウイルスによって、地価や路線価の常識が変わる可能性もあります。例えば、感染症の拡大を防ぐために推奨されているリモートワークを導入する企業が増えれば、通勤のために地価の高い場所に住む必要もなくなります。これによって「駅徒歩7分以内」などといった、駅近であることの価値が薄れていくかもしれません。

逆に、郊外に土地を持っている人にとっては朗報となる可能性もあるなど、土地活用を考えている方は、今後の地価の動きをしっかり見ていくことが大切だといえるでしょう。

2020年の路線価は、2019年までと同様にインバウンド需要や都市部の再開発を反映した内容で、沖縄県が最高の伸び率の他、東京都や北海道、福岡県などで大幅な上昇が見られました。

しかし、路線価は1月1日時点の地価を算定したものであり、新型コロナウイルス感染症の拡大以降における不動産の実勢価格とは乖離があると考えられます。

路線価は、相続税や贈与税の計算の基準ともなるものであり、地価にも影響を及ぼすため、今後の動向をよく見ていく必要があります。

監修者プロフィール
中村裕介(宅地建物取引士、保育士)

商社、保育園、福祉施設での勤務を経た後、現在は不動産記事を中心としたライター業と、店舗・住宅を提供する不動産経営者としても活動中。

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