東京で土地活用をするなら?おすすめの理由や方法、エリア
公開日: 2024.05.08
最終更新日: 2024.11.01
土地活用とは利用していない土地を、何らかの方法で有効活用して利益を得ることを指します。東京のような需要が高い地域では、マンション・アパート経営から商業施設やビジネスビル、ホテルや駐車場経営に至るまで、多彩な方法が選択肢として考えられるでしょう。
この記事では東京で土地活用をする場合のおすすめの方法やエリアなどについて解説します。土地の特徴、周辺環境、そしてそこで暮らす人々のニーズを深く理解することが、最適な土地活用戦略を立案する上で不可欠です。ぜひ参考にしてください。
>>関連記事:土地活用の全体的な流れ|相談申し込みから物件完成後の動きまで
目次
>>関連記事:「【2024年版】土地活用の方法19選|運用を行うメリットや実際の進め方」
1.土地活用の観点から見る東京都の特徴
日本の首都・東京の土地には、国内の他地域とは異なるいくつかの特徴があります。
ここでは、土地活用の観点から見る東京都ならではの特徴を説明していきます。
1-1.地価が高い
東京都は地価が高いことで知られ、日本で地価が高い市区町村のうち、上位10位は東京都内に点在しています。
「公示地価 市町村ランキング 2023年[令和5年]」によると、中央区をはじめ、千代田区や渋谷区、港区などの市区町村では、公示地価が平方メートルあたり400万円を超える高額な価格となりました。
これらの地域は日本経済の中心地としての役割を果たし、高い人口密度を持つことが、地価の高騰の大きな要因となっています。
また、地価が高い地域の土地は、金融機関からの融資を受ける際にも有利に作用し、土地自体に担保価値があると見なされます。
しかし、地価の高さが収益性を高める可能性を示唆する一方で、固定資産税の増加や相続税や収益力の高さに起因する相続時の争族懸念とという側面も考慮しなくてはなりません。
高地価地域では、固定資産税と同様に相続税も相応に高額になるため、運営コストの増大が予想されます。
そのため、投資や土地活用を検討する際には、高いコストを補うためにも、賃貸などで確実に収益を上げられる計画を立てることが重要です。
順位 |
都道府県・市区町村 |
公示地価の平均 |
1位 |
東京都 中央区 |
806万1125円/㎡ |
2位 |
東京都 千代田区 |
592万5933円/m2 |
3位 |
東京都 渋谷区 |
466万5135円/m2 |
4位 |
東京都 港区 |
411万5421円/m2 |
5位 |
東京都 新宿区 |
341万4551円/m2 |
6位 |
東京都 豊島区 |
160万2272円/m2 |
7位 |
東京都 台東区 |
156万2277円/m2 |
8位 |
東京都 文京区 |
133万7294円/m2 |
9位 |
東京都 目黒区 |
132万6760円/m2 |
10位 |
東京都 品川区 |
130万0474円/m2 |
11位 |
東京都 武蔵野市 |
110万0645円/m2 |
12位 |
東京都 中野区 |
94万4056円/m2 |
13位 |
大阪府 大阪市 |
85万5714円/m2 |
14位 |
東京都 北区 |
76万0036円/m2 |
15位 |
東京都 世田谷区 |
74万7349円/m2 |
【出典】「公示地価 市町村ランキング 2023年[令和5年]」(土地価格相場が分かる土地代データ)
1-2.賃貸の需要が高め
東京には進学や就職などの機会を求めて全国から多くの人が移り住んできます。
現在の住まいから通学・通勤するという選択肢があるにもかかわらず、移り住むことを選択する背景には、東京という土地の人気の高さが大きく関係しています。
その人気の理由には、交通の利便性や医療・福祉サービスの充実、多様な娯楽施設の存在が挙げられます。
このように、多くの人・企業が集まる東京では、土地や物件に対する需要が常に高く保たれています。
アパートやマンションの経営、またはオフィススペースとしての貸し出しにおいても、借り手を見つけるのは比較的容易です。
特に、駅近くや商業施設、企業オフィス、大学などがあるエリアでは、人々が集まりやすく賃貸の需要が高く、土地活用の機会を広げています。
1-3.多くの人が集まっている
東京都は、約1410万5000人(2024年2月現在)を擁し、日本で最も人口が多い地域です。
この巨大な人口は、東京が日本の政治、経済、文化の中心地であることを物語っています。
また、関東地方からの通勤や通学で集まる人々も多く、この集積は東京の魅力をさらに高めています。
競合する建物は多いものの、その集客力の高さは東京ならではの特徴です。
東京の人口密集は、賃貸市場や不動産開発における需要の高さをもたらし、アパートやマンション、オフィスビルの経営においても、空室期間を長引かせることなく借り手を見つけることが可能です。
特に、交通の便が良い場所や商業施設、教育機関が近くにあるエリアでは、物件の空室率が非常に低く、安定した収益を見込めます。
2.東京でおすすめの土地活用の方法
土地活用にはさまざまな方法があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。
ここでは、東京でおすすめの土地活用の方法について解説します。
なお、以下ページの記事では、土地所有者が知っておくべき活用方法を幅広く提供しています。土地活用の方法について詳しく知りたい方は、以下ページもご参照ください。
>>関連記事:土地活用の方法19選|運用を行うメリットや実際の進め方
2-1.マンション・アパート経営
マンションやアパート経営は、土地所有者がその土地に住宅を建設し、これを賃貸することにより家賃収入を得るというビジネスモデルです。
東京では、狭小アパートからタワーマンションと呼ばれる大型高層マンションまで、さまざまな種類の住宅が賃貸市場に供給されています。
特に23区内や立川市、武蔵野市、府中市、調布市などのアクセスが良いエリアでは、通勤・通学の利便性から高い賃貸需要があります。
他の市区町村も含め、東京全域に賃貸経営の機会はあり、地域の特性を理解しマンション・アパート経営をすることが重要です。
>>関連記事:アパート経営完全ガイド|建築プラン立てから完成後の業務まで
>>関連記事:土地活用の選択肢でマンション経営を選ぶメリットとデメリットは?
2-2.商業施設・店舗経営
商業施設や店舗経営は、人々の集まる場所にレストランやショッピングセンターなどを設けることで、賃貸収入を得る土地活用方法です。
このモデルは、23区内の繁華街だけでなく、23区外においても、地域住民の生活利便性を高める施設として需要が見込まれます。
人の往来が多い地点を選定することが成功の鍵であり、適切な場所に開発された商業施設は、地域社会における重要な役割を果たすと同時に、安定した収益源となり得ます。
>>関連記事:土地活用で商業施設を選ぶメリットは?向いている土地の特徴
2-3.ビジネスビル経営
ビジネスビル経営は、所有土地にビルを建設し、そのスペースを企業に賃貸することで収益を上げるモデルです。
特に東京のような経済中心地では、ビジネスの拠点としての需要が非常に高く、賃料を高く設定することが可能です。
また、ビル建設には広い土地が必要となります。
ビジネスビルは、立地や建物の質によって企業からの引き合いが変わるため、企業需要のある適切な場所でなければ安定した経営の維持は厳しいです。ただし、企業は一度契約すれば長期的な入居が見越せますので、安定した投資収益を目指すことができるのがビジネスビル経営のメリットでしょう。
>>関連記事:土地活用でビルを経営するメリットは?経営に向いている土地の特徴
2-4.ホテル
ホテル経営は、東京や首都圏において特に需要が高まっている土地活用の方法です。
インバウンド需要の復活や国内外からのイベント参加者をターゲットにしたビジネスが再び活発になっています。
ホテルを建設・運営することで、観光客やビジネス客、ライブやコンサートなど特定イベントの参加者を含む幅広い顧客層を取り込むことが可能です。
成功するためには、立地やサービスの質、客室の快適性など、顧客のニーズに応える高いレベルの提供が求められます。
2-5.駐車場の経営
駐車場経営は、土地を駐車スペースに変えることで利用料から収益を得る低リスクな土地活用方法です。
初期投資が比較的少なくて済み、東京都内では特に需要が高く、利用料も他の地方都市と比べて高価格で設定できる傾向にあります。
これは、東京の地価の高さと利用可能な駐車スペースが限られていることが背景にあるためです。
経営形態は主に月極め駐車場と時間貸しのコインパーキングに分かれ、立地や対象とする顧客層によって選択を行います。このビジネスモデルは、継続的な収入源として安定した運用が見込まれます。
ただし、相続税に関しては賃貸建物に比べて不利な立場にあるという点は注意が必要です。駐車場は、固定資産税や都市計画税、相続税の軽減措置が期待できません。保有した先の税金のことも考慮する必要があります。
>>関連記事:土地活用で駐車場経営をする方法|月極・コインパーキングの特徴は?
3.土地活用を成功に導くためには目的が大事
土地活用を考える際には、ただ方法を選ぶだけではなく、所有する土地の特性や周辺環境を深く理解することが不可欠です。
土地の広さ、地域の特徴、そこで生活する人々のニーズは、適切な活用方法を選定する上で大きなヒントとなります。
また、自分が所有する土地に適した活用方法を詳しく知りたい方は不動産会社への相談が有効です。
土地活用の目標をはっきりさせることで、長期的な利益の確保や資産相続の計画など、目的に合った活用法を選ぶことができます。
成功への道は、土地の潜在能力を存分に活かす戦略の立案から始めることにあります。
■監修者プロフィール
有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一
関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。
【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者
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