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土地活用で駐車場経営をする方法|月極・コインパーキングの特徴は?

公開日: 2022.10.28

最終更新日: 2023.11.28

駐車場経営は、収益を得るための土地活用「賃貸」の代表的な方法の1つです。初期投資が比較的少なく、他の土地活用への転用もしやすいというメリットがある一方、節税や安定した収益の確保においてはいくつか注意しなければならないポイントも存在します。

この記事では、「月極駐車場」と「コインパーキング」のそれぞれの特徴とメリット・デメリットについて解説します。駐車場経営を検討するうえで、知っておくべき情報なのでぜひ確認してください。

>>関連記事:「土地活用の方法16選|運用を行うメリットや実際の進め方

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土地活用としての駐車場経営

土地活用として駐車場経営の基本的な情報について解説します。どのような目的に適しているのか、どのような立地に適しているのかなどについて確認していきましょう。

駐車場経営とは


駐車場経営とは、所有する土地を駐車場にして貸し出すことで駐車料金を収益として得る土地活用法です。また、駐車場経営は「月極駐車場」と「コインパーキング」の2種類に大別でき、運営方法や形態によってさらに細かく分類できます。収益性やニーズなどは土地の立地条件などにより、それぞれ異なるため安定した収益を確保するには事前のリサーチを徹底して、需要に適した駐車場を経営する必要があります。

土地を駐車場に変えるメリットとデメリット


土地活用には「収益の獲得」と「節税効果」という大きな目的があり、さまざまな手法があります。また、それぞれの手法によってメリットとデメリットが異なります 。駐車場経営の場合、代表的な土地活用手法であるアパート経営などと比べると、少ない初期投資額で気軽に始められることや駐車場にしてしまった後でも、他の土地活用への転用や更地に復帰させやすいことがメリットといえるでしょう。また、狭小地や変形地であっても駐車場にしやすく、需要に適した土地であれば長期的に安定した収益を確保しやすいことも特長です。

一方、アパート経営やマンション経営といった賃貸住宅経営と比べると駐車場経営は税金面で優遇が少ないことがデメリットとして挙げられます。最大6分の1もの固定資産税と都市計画税の減税措置が受けられる「小規模住宅用地の特例」などが受けられないことは、節税においては大きな欠点と考えられます。アパート経営では上記の特例の対象に含まれるほか、入居者向けの駐車場であれば一定の要件を満たすことで対象となります。

また、設備などの購入費用を一定期間経費に計上できる「減価償却費」に使える資産が少ないため、所得税の計算においてもアパート経営と比べると節税効果が薄いケースが多いです。

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月極駐車場経営の特徴

駐車場経営には、大きく「月極駐車場」と「コインパーキング」の2種類があります。まずは月極駐車場の特徴とメリット・デメリットについて解説します。

月極駐車場とは


月極駐車場とは、土地を駐車場として個人や法人に貸し出すサービスのうち、月ごとに賃料を徴収する方法です。月極駐車場には、契約者が自ら決められた駐車スペースに車を出し入れする「自走式駐車場」と機械で入出庫する「機械式駐車場」の二種類があります。機械式駐車場の方が土地を立体的に活用できるため、より多くの賃料を徴収できる一方、導入・運用コストは自走式と比べると高まります。

自走式駐車場の相場は、砂利を敷き詰めて転圧しただけの最も簡易的なタイプで4,000~6,000円/㎡、コンクリート舗装であれば8,000~10,000円/㎡とされています。機械式駐車場の場合、立体駐車場の建設費用と機械の導入費用が上乗せされるため1台当たりの初期費用は100~500万円となります。

なお、自走式駐車場には平置き形式である「平面駐車場」のほかに、建物の地下に設けられた「地下駐車場」、建物の付随する形で設置された「立体駐車場(自走式)」の3種類があります。一方、機械式駐車場には車両をパレットに乗せ、2~4段程度の規模に重ねて収納する「多段式駐車場」と、車両をパレットやエレベーターなどで移動させ収納する「タワー式駐車場」の2種類があります。また、多段式駐車場とタワー式駐車場を総称して「立体駐車場(機械式)」と呼ぶケースもあります。

月極駐車場経営のメリット・デメリット

月極駐車場経営は、駐車場経営のなかでも特に初期投資が少なく手軽に始められることが大きなメリットといえるでしょう。また、面積の小さい土地や他の土地活用には不向きな条件であっても、収益が確保できる可能性があります。

駐車場の整備を最小限にするほど初期投資額は少なくなり、早めに投資額を回収できる可能性も高まりますが、雑草や砂利による車の傷など使用者の評価が下がって契約者が離れてしまうリスクもあります。

そのため長期的な契約を安定させるためとメンテナンスの手間の削減を目的に、アスファルト舗装やコンクリート舗装を検討する人は少なくありません。

デメリットは空車リスクで、収益性もアパート経営やコインパーキングと比べると低くなりやすいことが挙げられます。月極駐車場も賃貸経営であるため、アパート経営の空室リスクと同じ「空車リスク」が存在します。契約者がいなければ収益を得られないため、定期的に契約者を集めるための広告費用などが発生することも珍しくありません。

また、コインパーキングは「時間貸し」のため駐車スペースに1日複数台を利用させることが可能である一方、月極駐車場は台数以上の収益を確保することが困難であるため、大きな収益を得ることは難しいと考えられます。

月極駐車場経営におすすめの土地の条件


月極駐車場の経営に適している土地の条件は、付近にいる長期利用が見込めるターゲット数が重要なポイントになります。例えば、マンションや団地などファミリー層が多く住んでおり、住居者の駐車スペースが不足している場合は需要が高いと考えられます。また、会社や工場が近ければ従業員や会社の営業車などを駐車スペースとして活用する可能性がありますし、駅などの公共交通機関の近くも一定のニーズを見込めるでしょう。

コインパーキング経営の特徴

コインパーキングの特徴について、月極駐車場と比較しながら説明します。また、コインパーキングは月極駐車場よりも管理の負担が大きくなりがちなため、管理方法の選択も重要なポイントとなることも覚えておきましょう。

コインパーキングとは


コインパーキング(時間貸し駐車場)とは、駐車スペースに車を止めている間の時間に対して料金が発生・加算される仕組みの駐車場のことです。その経営方法によって「自己経営方式」、「管理委託方式」、「一括借上方式」の3種類に大別できます。それぞれの特徴を確認してみましょう。

    • 自己経営方式。

自己経営方式とは、業者から機械を購入し、管理から集客まで駐車場経営の全てに関わる業務をオーナー自ら行うことです。業者に委託費用などを支払う必要がないため、一般的に他の運営方法と比べると収益性が最も高いことがメリットです。小規模の駐車場であれば、運営の手間が少ないため自己経営方式が採用されるケースもあります。駐車場経営における基本的な作業は以下のとおりです。

    • オープン後の告知
    • 巡回清掃
    • 入金管理・集金
    • 問い合わせ対応
    • 設備のメンテナンス
    • 事故、トラブル対応


一方、規模が大きくなれば同じ作業であっても必要な時間と労力が増大し、自己経営方式ではオーナーの負担が大きくなってしまいます。また、事故やトラブル対応、メンテナンスの不備などで駐車場スペースが使えずに利益が少なくなってしまうリスクも考慮すべきでしょう。

            • 管理委託方式

管理委託方式は、駐車場経営における一部の業務を専門の業者に委託する方式です。一般的には土地の整備や必要な設備などの初期費用は所有者が負担して行い、清掃、集金、問い合わせ対応といった日常業務や管理業務を依頼するケースが多いです。

委託費用や管理費が発生してしまうので自己経営方式と比べると、利益そのものは少なくなりますが、管理の手間が大幅に省けるので長期的に経営を継続しやすい環境を構築できます。管理委託方式の委託料はケースバイケースですが、基本的には売上の5~10%が相場となります。

            • 一括借上方式

一括借上方式(サブリース)は、所有している土地をコインパーキングの業者に貸し出して運営してもらう方法です。駐車場経営の方法ではあるものの、導入から運用まですべて業者が行うため所有主にとっては、ただ土地を貸しているという感覚が強くなりやすいでしょう。

月々の土地の賃料を業者から徴収して利益になる収益構造であり、基本的に土地代は固定であるため駐車場の稼働率に左右されずに安定した収益を確保しやすいです。また、自身の労力などを除外した数字上の利益率は自己経営方式と比べると低いものの、整地したうえで土地を貸し出して精算機やロック板などの設備設置以降を業者が行う「施設貸し」という方式であれば、通常の土地貸しよりも賃料を高く設定しやすくなります。

一方、稼働率が低ければ業者から値下げの要望があるほか、撤退されてしまい収益がなくなるリスクもあるので注意しなければなりません。

コインパーキング経営のメリット・デメリット

コインパーキング経営のメリットは、車の出入りが増えれば駐車スペース以上の金額を稼げるため月極駐車場よりも利益額を大きくしやすいことが挙げられます。ただし、各種機器を設置する必要があるため、初期費用は月極駐車場よりも増大しやすいことがデメリットです。特に自己経営方式や管理委託方式の場合は、各設備を自前で用意しなければならないのである程度の自己資金が求められます。また、機械のメンテナンスなども発生するので月極駐車場よりも自営が難しいことが注意点に挙げられます。

コインパーキング経営におすすめの土地の条件

コインパーキング経営におすすめの土地の条件としては「車を一時的に止める」というニーズが発生する施設などが近隣にあることです。ショッピングモールやスーパー、観光施設、公共施設などが該当し、併設駐車場の少ない施設が多いほどニーズは高まります。ただし、すでにコインパーキングが多く設けられている場合、利用者数が想定よりも減少するほか、時間当たりの最大料金の相場が低くなり利回りが悪くなってしまう可能性もあります。料金設定できる上限と回転率がコインパーキングで安定して収入を得るための重要な判断基準となります。

土地活用は多様な視点から検討しましょう

駐車場経営の基本的な情報について紹介しました。駐車場を健全に経営し続けるには、空車の低減に加え、コインパーキングでは回転率の向上も考慮しなければなりません。そのためには、土地の周辺環境や既存の駐車場の数などをリサーチして実需を見極めるほか、運営後の集客や管理体制の構築も重要です。

土地の形状によっては駐車場以外の事業が適しているケースも珍しくありません。同じ土地であっても「平面駐車場」と「立体駐車場」で土地と平面で得られる利益は異なりますし、同じ空間利用であっても「アパート経営」と「立体駐車場」でも違いがあります。

そのため、所有土地周辺の環境はもちろん、自身が日常的に必要な可処分所得を把握して資産形成の計画や市場の環境の変化を捉えた活用方法を選択する必要があります。専門的な知見が必要になるため、不動産については大東建託のような土地活用のプロフェッショナルに相談して慎重に判断することをおすすめします。

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■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者