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資金なしでも土地活用はできる?具体的な方法のメリットとデメリット

公開日: 2023.08.03

最終更新日: 2023.11.28

土地を活用するための自己資金がなく、有効活用できていない土地を所有する地主の方も多いでしょう。
ただ、土地活用は自己資金がなくてもできるのをご存知でしょうか。

土地活用方法はアパート経営やマンション経営といった家賃収入のほか月極めやコインパーキングといった駐車場経営、テナントなどによる賃料の獲得など、さまざま種類があります。

 

     つまり、需要や世の中の流れを読み、所有する土地に適した方法やプランを選択できるかどうかが重要なポイントです。
この記事では、まとまった資金が用意できていない土地オーナーの方、相続や税金対策に興味関心がある方向けに、具体的な方法とメリットデメリットを紹介していきます。


>>関連記事:「土地活用の方法16選|運用を行うメリットや実際の進め方

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目次

1. 資金なしで土地活用をする方法1:土地信託をする

1-1.土地信託とは

1-2.土地信託をするメリット

1-3.土地信託をするデメリット

2. 資金なしで土地活用をする方法2:等価交換をする

2-1.等価交換方式とは

2-2.等価交換をするメリット

2-3.等価交換をするデメリット

3. 資金なしで土地活用をする方法3:定期借地権の契約を結ぶ

3-1.定期借地権方式とは

3-2.定期借地権の契約を結ぶメリット

3-3.定期借地権の契約を結ぶデメリット

4. 資金がない状態で土地の売却やフルローン利用を選択しない人が多い理由

4-1.土地の売却を選択しない人が多い理由

4-2.フルローン利用を選択しない人が多い理由

5. 土地活用は資金なしでもできる

1.資金なしで土地活用をする方法1:土地信託をする

資金なしで土地を活用する方法に「土地信託」という方法があります。
土地信託は仕組みを理解することが重要です。

1-1.土地信託とは


土地活用のプロに土地を委託する方法です。
土地をプロに託して収益を上げてもらった後、信託報酬を支払った残りの額がオーナーの収入になります。

土地信託をする際は信託会社や信託銀行に依頼するのが一般的です。

具体的には土地所有者(委託者)は信託会社(受託者)と信託契約を締結し、信託期間中は土地所有者から信託会社に所有権を移転したうえで信託会社がその土地を運用します。
土地所有者は土地活用により得た利益から信託配当金を受け取ります。

 

1-2.土地信託をするメリット


土地の活用法の選択から運用まで、活用にかかわる業務を信託会社が行ってくれます。
経営の手間がかからず経営に関する専門知識は基本的には求められないため、不動産投資の知識や経験が乏しくても利益を得やすい手法といえます。

 

また、土地所有者が信託受益権を取得した状態で相続が発生した場合、相続人は土地所有者ではなく信託受益権を相続することになります。
そのため、相続対策として土地を所有するよりも相続税を節税できる場合があります。

 

契約で定めた信託期間が終了した後は不動産の所有権が戻ってくるため、土地を失うこともありません。

 

1-3.土地信託をするデメリット


どのような土地でも土地信託ができるとは限りません。土地信託をする際は信託会社と信託契約を結ぶため、契約を結ぶには土地信託のプロに「価値のある土地」と判断される必要があります。
土地信託は信託会社が運用した収益の一部を配当金として土地所有者に還元するシステムのため、収益が見込めない土地は土地信託ができない可能性があります。

 

また、信託会社は事業の運営による収益からさまざまな経費を差し引いた金額が収入となるため、収益が少ない場合は配当金が少ない場合もあります。

土地信託では必ず配当金が得られるとは限らないため、注意が必要です。

 

2.資金なしで土地活用をする方法2:等価交換をする

土地活用方法のひとつとして等価交換があります。
等価交換を利用することで土地所有者は建物の建築にかかる資金を準備せずに建物を所有できる場合があります。

 

2-1.等価交換方式とは


土地オーナー側から土地をディベロッパーに提供(売却)し、ディベロッパーが土地に建築する建物などの費用を拠出する土地活用の方法です。

この場合、オーナーは建物の価値に対する土地の価値の割合に応じた建物の所有権を得られます。

等価交換は土地活用を希望する土地オーナーと、建物を建てたいディベロッパーと双方の希望を叶える、共同事業です。


具体的には、ディベロッパーは提供を受けた土地の上に建物を建て、土地オーナーとディベロッパーでそれぞれの負担割合に応じて土地と建物の所有権を分けます。等価交換はオフィスビルやマンションなどの大きい建物で用いられることが多いでしょう。

 

2-2.等価交換をするメリット


広大な土地を所有している場合、マンションやオフィスビル、商業施設など大規模な建物を建築すると莫大な建築費用がかかります。
等価交換をすると建物の建設資金はディベロッパーが負担するため、大規模な建物でも初期費用をかけずに始めることができます。


また、ディベロッパーが持つ十分なノウハウを使って土地活用ができるため、知識や経験がなくても始めやすい点もメリットです。

2-3.等価交換をするデメリット


等価交換によって土地の所有権はディベロッパーと共有することになり、単独での所有権は消失します。
そのため、先祖から引き継いでいる土地など、思い入れのある場合は慎重な判断が必要になるでしょう。

また、マンションを建てるとその建物の建築費を減価償却し毎年の所得から差し引くことが可能ですが、立体買い替えの特例の適用を受けるとその額が小さくなります。

立体買い替えの特例とは、等価交換事業の特例であり、一定の条件を満たすことで土地の売却益の全部または一部にかかわる所得税などを繰延べられる制度です。

等価交換で得た収益に対して課税される所得税や住民税が高くなってしまうことから、自分で出資して建物を建てて賃貸経営をする場合よりも、利回りは低下しやすいことが注意点です。

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3.資金なしで土地活用をする方法3:定期借地権の契約を結ぶ

自己資金なし且つ大きな借り入れを行いたくない場合、定期借地としての土地の活用方法があります。
定期借地権について解説していきます。

 

3-1.定期借地権方式とは


オーナーの所有する土地に定期借地権を設定し、第三者に貸す方法です。
わかりやすく言うと「期間を定めて土地を貸す権利」のことです。定期借地方式では土地を借りた人が建物を建てます。

 

※ライター様:定期借地権と定期借地権方式の種類についてご解説ください。

定期借地権には「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」「事業用定期借地権」があります。

 

・一般定期借地権

一般借地権は借地期間を50年以上として契約満了後、原則として借主は建物を壊して更地の状態で土地を返還しなければなりません。

 

・建物譲渡付借地権

建物譲渡付借地権は契約後30年以上経過したとき、土地所有者が建物を買い取ることをあらかじめ決めておき、買い取った時点で借地権が消滅します。

 

・事業用定期借地権

事業用借地権は契約期間を10年以上50年未満として事業用の建物を建てて利用するための権利のことを言います。

 

3-2.定期借地権の契約を結ぶメリット

・土地を貸している間、地代収入が得られる

地代は物件の収益の有無に関わらず支払われるため、貸主はリスクを負わずに安定した収入を得られるメリットがあります。

 

・土地を手放す必要がない

定期借地では契約更新がされないため、契約期間が終了すると土地は更地になって返還されます。
普通借地権での賃貸借契約では契約満了時に借主が土地を明け渡しせず、土地オーナーが立退料を払うなどのトラブルもあるようです。

そのため、借主とのトラブルを回避できることは定期借地の大きなメリットといえます。

 

3-3.定期借地権の契約を結ぶデメリット


定期借地権の契約は長期間になることが一般的で、契約期間の長さはデメリットになる可能性があります。
特に一般定期借地権での契約は50年以上の契約となるため、仮に収益性の高い他の土地活用方法を見つけたとしても長期間、貸している間は土地を自由に使えないため、活用方法の変更はできません。

 

また、土地に対する固定資産税と都市計画税はオーナーが納めることになります。
借地上の建物は土地オーナーが建てた建物ではないものの、借主がどのような建物を建てるかによって土地オーナーの固定資産税が変わるため、デメリットといえます。

 

4.資金がない状態で土地の売却やフルローン利用を選択しない人が多い理由

土地活用をするうえで資金がなくても土地の売却やフルローンを選択しない人が多い理由として、土地を売却するにもフルローンを組むにもそれぞれにリスクが潜んでいるからです。

 

4-1.土地の売却を選択しない人が多い理由


土地の状態や立地条件によっては売却することでまとまったお金が得られます。
ただし、土地を売却すれば土地の所有権を手放すことになるため、1度手放した土地を買い戻すことはほぼできません

 

土地は活用の仕方によっては長期にわたって利益を生み出してくれる可能性があります。
土地活用の方法を熟知していない方は、土地活用の専門家に相談するなど、失敗を防ぐための慎重な対応が大切です。

 

どうしても売却したい場合は、現在所有している土地の売却益を元手にして別の土地を購入し、土地活用をするなど土地の買い替えを検討すると良いでしょう。

 

4-2.フルローン利用を選択しない人が多い理由


銀行など金融機関のフルローンを利用すると自己資金で頭金を用意するのとは違い、月々の返済額が大きくなります。
不動産投資ローンは住宅ローンと比較して金利も高めに設定される傾向があります。
土地活用においてはキャッシュフローが悪化するリスクを抱えることになるため、月々の収入が大きく減少した際に返済が難しくなる可能性が高いといえます。

 

また、フルローンを利用する人は頭金が用意できる人に比べて金融機関の審査が厳しく、融資の認可が出にくいことも理由の1つでしょう。

 

5.土地活用は資金なしでもできる

 

資金なしでも土地活用はできるのか。具体的な方法やメリットとデメリットを解説してきました。

資金なしで土地活用をする方法としては「土地信託」「等価交換」「定期借地権方式」の3つの方法があります。
どの方法も魅力的な土地活用ですが、安定した収益性が見込める土地であることが重要です。

 

近い将来、土地活用を考えている土地所有者は、大手不動産会社など経験と知識が豊富な業者を相談先として選ぶと良いでしょう。
無料相談できる事業者は多いため、土地活用の始め方やポイント、コツなどさまざまなアドバイスや提案を受けることで安心して判断できます。

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■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者