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事例で紹介!土地活用のトラブル回避のために知っておきたい土地の権利関係(借地権編)

最終更新日: 2022.11.09

更新日:2022年8月30日


権利関係者間の意見が合わないことによって所有する土地の活用が困難となってしまうなど、土地の権利関係に関わるトラブルは少なくありません。そうしたトラブルを回避するためには、権利関係についての理解を深め、将来的に発生し得るリスクがあれば、時間をかけて備えておくことが大切です。今回は、「借地権」をめぐるトラブル事例とその対策について、「土地を貸している人」、「土地を借りている人」それぞれの視点からご紹介します。

この記事のポイント
  • 借地権は、借地契約を解除したい地権者(貸主)にとっては、一定の要件を満たさないと契約の解除ができないので注意が必要
  • 借地権は、借地権者(借主)にとって有利な権利ですが、建て替えのときには注意が必要
  • 代替わりなどにより関係性が急変することも。将来の懸念事項は、早めの対策が必要

1.共有および通行地役権のおさらい

借地権とは、借地借家法に基づく権利で、建物を建てて利用するために地代を支払って、土地を借りる権利のことを言います。借地権について、より詳しい内容については、下記記事をご参照ください。

リンク>>土地活用でトラブル発生?トラブル回避のために知っておきたい土地の権利関係

2.【事例①】貸した土地は返ってこない?地権者のリスクとは?

事例概要

Aさんが所有する土地は先代から引き継いだもので、そこにはBさんの自宅が建っています。もともとAさんの先代が戦後の混乱期に善意でBさんの先代へ、安い地代で土地を貸していた状態が、現在も継続しています。しかし、Aさんが自分の土地について調べるうちに、Bさんから地代をもらっていても、いずれ発生する相続税の方が大きくなる可能性があることがわかりました。

利用価値の高い立地なので、収益性に見合うだけの地代の値上げを要求したところ、「地代の値上げには応じられない」との回答。値上げの要求を承諾してもらえないなら、土地を返してほしいとBさんに話したところ、「借地権を買い取ってほしい」と言われましたが、そもそも善意で安く貸してあげていただけだし、建物も建て替えが必要なほど老朽化が進んでいることから無料で返すべきと思っており納得できずにいます。





2-1.借地権の概要(地権者視点)



借地借家法は、借主保護の観点をもつ法律です。そのため、借地契約の途中において、原則として借地契約の解約はできません。また当初の契約期間が終了した際、借主が更新を希望した場合、原則として貸主は正当な事由(※)がある場合を除いて、更新を拒否することもできません。
つまり、土地は一旦貸したら、「返してほしいと言っても、簡単には返してもらえないもの」と考えておきましょう。

しかし、借地借家法には、「地代等増減請求権」が認められています。地代等が、土地にかかる税金の増減、土地価格および、その他の経済事情の変動によって、不相当である場合には、契約の条件にかかわらず、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができます。ただし、一定の期間、地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従います。

(※)土地の貸主が「土地の使用を必要とする事情」、「借地に関する従前の経過および土地の利用状況」、「立ち退き料」などを総合的に勘案して、正当な事由に該当するか否かが判断されます。

2-2.どのように対策を講じたらよいか

借地権といった法的なことやこれまでの判例などに詳しい弁護士などの専門家を交えて、地代交渉や、借地権の売却も検討してみる。

今回の事例の場合、AさんはBさんに対して、地代交渉を持ち掛けていますが、Bさんの承諾を得られていません。
また、当事者同士だけで話し合いを行っても、平行線かもしれません。まずは、不動産会社に地代の相場の確認をし、地代交渉の客観的な根拠を得ておきましょう。
また、話し合いの際、当事者だけだと感情の部分で折り合いがつかないということもあり得ますので、借地権などこのような事態に詳しい弁護士など第三者を交えて話し合いを進めるようにするとよいでしょう。

借地権の買取が難しい場合には、借地権の売却や、借地権割合での等価交換を提案するのも一案です。借地権を第三者に売却した場合、借地契約の見直しのきっかけにもなります。借主としても、借地権の売却収入から滞納分の支払いや、借地上建物の取り壊し費用を捻出できるなどのメリットもあります。

また、双方合意のうえで、「等価交換」により借地の権利を解消し、それぞれ土地を単独所有するケースもあります。
それにより、土地の規模は縮小するものの貸主・借主双方が単独名義で土地を所有することができ、それぞれが自由に処分することが可能になるので、メリットは小さくはないでしょう。

いずれの手段をとるにしても、法律の知識が必要になりますので、弁護士などの専門家のアドバイスを受けながら、慎重に進めていくことをおすすめします。

3.【事例②】借地権者が注意したいポイントとは?

借地権における、借地権者、つまり土地を借りている人のリスクとその対応方法について、事例を交えてご説明します。

事例概要

現状、自宅は借地の上に建っており、老朽化しています。そのため、そろそろ建て替えることを検討しています。
土地所有者(貸主)である地主さんとは長年よい関係でしたし、周辺でも同じ土地所有者から建て替え承諾を得て、建て替えている例が多くあり、何も心配をしていなかったのですが、自宅の建て替えを相談したところ、名義人が高齢のため管理を任されている息子さんから、「建て替えるのは承諾できない。土地を返してくれ」と言われ、話し合いは平行線のまま、未だに建て替えることができていません。

親の代よりもっと前から、ずっと借りている土地なのですが、建て替えてこのまま借り続けることはやはり難しいのでしょうか?





3-1.借地上の建物の建て替え

借地借家法は、借主保護の観点をもつ法律です。そのため、借地契約の途中において、原則として借地契約の解約はできません。ただし、借地契約における契約期間の残りの期間を超える建物を建てるときには、地権者である地主の承諾が必要になります。

承諾を得られないまま無断で、建物を建ててしまうと、貸主・借主間の信頼関係が維持できないため、借地契約の解約を申し入れされる可能性があります。



3-2.どのように対策を講じたらよいか

貸主に交渉を行っても承諾を得られないときには裁判所の判断を仰ぐ。ただし、融資が不利になる場合もある。

粘り強く貸主と交渉を行って、承諾を得られるように努めるのが望ましいでしょう。更新料や承諾料もかかりますので、相場の価格帯を知っておく必要もありますし、交渉を有利に進めるためには、借地権に詳しい弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。また交渉で承諾が得られない場合には、「借地非訟」により、裁判所に許可をしてもらうという方法もあります。

ただし、「借地非訟」による承諾で建て替えを行う場合、融資を受ける際に注意しておきたい点もあります。

例えば、建物のみならず借地権に抵当権設定される場合、万一返済が滞ったときの借地権売却に懸念(貸主・借主間に良好な関係がない借地権を売却しても買主がつかないこと)が生じるため、融資金額が低くなってしまったり、融資が受けられない可能性もあります。

また、仮に融資が受けられるとしても、今回の事例の場合、新旧どちらの借地借家法に基づく契約であるか不明ですが、借地の残りの契約期間、および更新後の契約期間によって融資期間に差が生じたり、希望する金額の満額融資を受けられなかったりする場合も考えられます。

4.まとめ

借地権は、貸主・借主双方の権利が存在します。一方の意向だけでは、その権利を行使することは難しい場合もあるため、現在、借地契約を締結している土地がある場合は、契約期間の確認はもちろんのこと、将来的な見通しを考えておくことが大切です。


借地借家法は、借主保護の観点をもつ法律ですが、特に借主側に建て替えの意向がある場合、貸主の承諾を得られるとは限りません。貸主が相続、譲渡などで変わってしまえば、今までの良好な関係に変化が生じてしまう可能性も十分にあります。

また、貸主と借主の希望は相反していることが一般的です。借地借家法には細かな規定がないため、個人間の取り決めになるケースが多く、トラブルになることも少なくありません。
良好な関係性がある今だからこそ、できる対策もあります。地権者・借地人ともに、権利関係者の合意形成が可能なうちに、地代の設定、契約の更新および更新料など細かな点について明文化するなど、やるべきことをやっておくことが重要です。

将来に向けて幅広い選択肢を持ち続けるためには、相手があってのことですので「できない選択肢を知る」意味からも、早めに弁護士などの法律に詳しい専門家に相談して、課題への対策を講じておくことをおすすめします。

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