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土地所有における税金(固定資産税・都市計画税編)

最終更新日: 2023.09.21

最終更新日:2022年3月16日




はじめに

不動産という資産は、持っているだけでも税金が課せられます。動かせない(=逃げも隠れもできない)資産なので課税からは逃げられないものの、さまざまな税制優遇もがあるのも事実です。

そこで今回は、保有中の不動産に関わる税制の基本と、関係する税制優遇についてお伝えします。

不動産の保有・運用に関わる税金について

不動産を保有・運用していると、毎年「固定資産税」が課せられます。利便性の高い市街地などでは、合わせて「都市計画税」も必要になります。

固定資産税・都市計画税は以下の計算式で計算します。

      • 課税標準額×税率(固定資産税1.4%/都市計画税0.3%)=税額
      例えば、固定資産税評価額が1,000万円なら、固定資産税は14万円(=1,000万円×1.4%)、都市計画税は3万円(=1,000万円×0.3%)となります。


固定資産税の1.4%とは標準税率で、都市計画税の0.3%とは税率の最大(制限税率という)を意味し、実際の税率は自治体によって違うことがあります。


計算の元になる課税標準額とは、各自治体の担当者が不動産毎に決めており、決定した金額は固定資産課税台帳に載せられます。
また課税標準額は、一度決められると基本的に3年間は据え置きとなります。


ちなみにこの固定資産課税台帳は、一定の関係者ならいつでも閲覧可能で、課税標準額のほか、以下のような情報が載せられています。

    • 対象となる土地・家屋の所有者の氏名と住所
    • 対象となる土地・家屋の属性(地番や地目・構造や床面積など)
    • 対象となる土地・家屋の固定資産税評価額
    • 対象となる土地・家屋の固定資産税額 など


なお、固定資産税・都市計画税は毎年1月1日時点の保有者に対して課せられる税金です。売却の予定がある場合には、そのタイミングにも注意しましょう。

償却資産について

固定資産税は、土地と家屋だけでなく、「償却資産」も課税対象です(都市計画税については課税の対象外)。
償却資産とは、簡単にいえば土地・家屋以外の事業用資産で、法人税または所得税の計算上、減価償却費などとして損金や必要経費扱いにできるものを指します。


代表的かつ具体的な対象資産は、以下のようなものです。

    • 一般 :パソコン・エアコン・応接セット・コピー機・LAN設備など
    • 賃貸業: 内装・看板・駐車場などの舗装・門や緑化施設工事など


なお、償却資産は課税標準額が150万円未満の場合には課税されません。また課税される場合は、土地や家屋と同じく1.4%が税率です。
ひとまず、事業の関係で150万円以上の費用がかかった場合には、償却資産になるかどうか確認するようにしましょう。

利用形態別の各種税制優遇

土地の使い方としては、「自己使用か賃貸」が挙げられます。つまり自分で使うか、または他人に貸すか、という使い方です。一方でどちらの場合でも、自分が不動産の保有者である限り税金が必要な反面、どちらの場合でも使える税制優遇があります。

固定資産税・都市計画税の「小規模住宅用地の特例」

この特例は簡単にいえば、小規模な住宅用地の税金を大幅に減額してくれる制度です。
ちなみに、通常、特例には期限が設けられていますが、この特例は珍しく、期限が定められていません。

この特例は住戸一戸ずつ計算でき、具体的な内容は、以下のようになっています。

    • 200㎡以下の部分:固定資産税の課税標準額を1/6に、都市計画税の課税標準額を1/3に
    • 200㎡の超過部分:固定資産税の課税標準額を1/3に、都市計画税の課税標準額を2/3に


たとえば、課税標準額12,000万円かつ300の土地なら、本来は12,000万円×1.4%で168万円の固定資産税が課せられます。

しかしこの特例により、現在は12,000×200/300×1/6×1.4%+12,000万円×100/300×1/3×1.4%=約37.2万円が必要な納税額となります。

つまり、1年あたりで約130.8万円の節税となります。

賃貸や賃貸併用住宅での活用について

この小規模住宅用地の特例は住戸一戸ずつの計算ですから、複数の賃貸物件や賃貸併用住宅などでは、その戸数分だけ使えることになります。

つまり、手広く事業をされている大家さんほど有利になる特例ですから、ぜひ覚えておきたいところです。


たとえば、課税標準額12,000万円かつ300の土地に戸建てと共同住宅を建てた場合を比較すると下記のように納税額が変わります。

    • 300の土地に戸建てを建てた場合:土地の固定資産税額は約37.2万円
    • 300の土地に2戸以上の共同住宅を建てた場合:土地の固定資産税額は28万円

※2戸(以上)の場合、一戸あたりの面積は150(以下)になり、全体が1/6になる。12,000万円×1/6×1.4%=28万円


店舗併用住宅の場合は、住居部分が床面積の1/2以上(5階建て以上の場合は3/4以上)なら、そのまま制度が使えます。

そして5階建て以上の場合も含めて、住居部分が床面積の1/4以上なら、部分的に制度を使うことも可能です。

詳しくは税理士など専門家に相談する必要がありますが、基礎知識として覚えておきましょう。


また、賃貸物件や賃貸併用住宅は、小規模宅地等の評価減の特例や貸家建付地の評価によって「相続時」にも有利になります。相続においては評価上、現金が一番割高な資産ですから、多額の現金を相続予定の方は、この機に評価額を下げることができる建物賃貸事業経営を検討されるのも良いかもしれません。

「空家等対策の推進に関する特別措置法」には注意しよう

固定資産税・都市計画税の小規模住宅用地の特例は非常に効果的な税制優遇ですが、「特定空家等」には注意が必要です。

これは2015年に定められた「空家等対策の推進に関する特別措置法」によるもので、簡単にいえば対象不動産が特定空家等と判断されると、固定資産税・都市計画税の小規模住宅用地の特例から外されることになります。


具体的な特定空家等とは、以下のような状態の空き家です。

    • 倒壊など著しく保安上危険となる恐れのある状態
    • 著しく衛生上、有害となる恐れのある状態
    • 適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態
    • その他、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態


もっとも、相応の空き家だとしても即座に特定空家等とされるわけではありません。

まずは自治体から何度か「助言または指導」が入りますから、この段階で適切な行動を取れば大丈夫です。ただし、次の「勧告」に入ると、特例から除外されることになります。


特例から除外されてもなお放置すると、次は50万円以下の過料が課せられる流れです。

それでも放置すると、最終的に行政代執行などによる対処が行われ、その費用を負担することになります。そういう意味でも、空き家状態の不動産には注意が必要です。


固定資産税・都市計画税は毎年のことですから、保有期間が長くなるほどに特例の効果も、特例を外されるダメージも積み重なります。

保有している不動産の戸数が多ければ尚更です。必要に応じて専門家・専門業者にも相談して、適切な管理・運営を心がけましょう。

土地に係る負担調整措置

これは簡単にいえば、課税標準額が急上昇した場合でも税負担の上昇が緩やかになるよう課税標準額を調整する制度です。
そして新型コロナウィルスの影響を考えて、令和3年度は「固定資産税が増加する場合は令和2年度と同額に据え置く」となっています。


さらに合わせて、上記の据え置き措置は令和5年度まで続けられる状況です。なお、固定資産税が安くなる場合はそのまま安くなりますから、ご安心ください。

ただし、この負担調整措置は土地ごとに判断されるので、
例えば、路線価が下がって宅地の固定資産税が下落しても、一体となっていない近所の駐車場の固定資産税が増加するようなこともありえます。

また、特例の要件から外れたような場合、地積や利用状況に変更があった場合なども増税となる場合がありますから、注意しましょう。


また、ひとまず税負担の観点では安心ともいえますが、今後の新型コロナウィルスの影響次第では、肝心の不動産の資産性そのものがどう変わるか、気にすべきともいえます。
今後の動向について、しっかり注視していきましょう。


なお、令和4年度においては税負担の(課税標準額の)上昇があるものの、商業地などにおいては通常の増加と比べて半額とする措置が取られることになりました。ひとまずコロナへの配慮があって良かったと言えるかもしれません。

新築住宅に係る税額の減額措置

これは簡単にいえば、新築の住宅や2階建てまでのアパートの場合は3年間、新築マンション(3階建て以上)の場合は5年間、家屋の固定資産税を1/2にする措置です。
さらに対象が「認定長期優良住宅」の場合は2年が加算され、新築住宅なら5年間、新築マンションなら7年間、固定資産税が1/2になります。

この措置は令和4年3月31日が期限ですが、2年間(令和6年3月31日まで)延長される予定です。そしてこの措置は、都市計画税への適用はありません。


なお、対象は50(戸建て以外の賃貸住宅は40)以上280以下の住宅であり、うち120までの部分での適用です。たとえ新築でも全体的に必ず適用されるわけではない点に、注意しておきましょう。


一方で減額の適用を受けられたとしても、上記の通りこの措置は最大でも7年間しか優遇を受けられません。そして優遇がなくなれば、当然に通常の納税が必要になりますので、優遇終了後は突然の大幅増税のように感じて驚く方も少なくないのが実情です。しっかり措置の内容を理解したうえでの利用を心がけましょう。

税額の計算例のご紹介

一つの例を元に、実際の税額を計算してみます。ぜひ実際の計算を元に、あなたの不動産の固定資産税・都市計画税も計算してみましょう。

まず、対象となる不動産は以下の通りです。なお、適用条件についてはすべて満たしているものとし、面積も範囲内とします。

    • 対象不動産:一戸建て(新築自宅、自己使用、認定長期優良住宅、都市計画税はナシ)
    • 課税標準額:4,000万円(土地2,400万円、家屋1,600万円)


この場合、土地と家屋それぞれの固定資産税は以下の通りです。

    • 土地:基本...2,400万円   ×1.4%=33.6万円
         優遇...2,400万円×1/6×1.4%=5.6万円
    • 家屋:基本...1,600万円   ×1.4%=22.4万円        (6年目以降)
         優遇...1,600万円×  ×1.4%=22.4万円×1/2=11.2万円(5年間)


またこの場合、家屋の優遇期間に合わせて5年分を比較すると、以下の金額分だけ優遇を受けられることになります。

    • 土地:33.6万円5.6万円×5年分=140万円
    • 家屋:22.4万円11.2万円×5年分=56万円 合計196万円


5年でおよそ200万円の優遇です。
また土地の優遇は基本的にずっと受けられますから、ある意味で土地保有を続ける限り毎年、得ができることになります。

そして実際の優遇金額を考えると、いかに固定資産税・都市計画税の小規模住宅用地の特例の効果が大きいかが分かる結果です。


逆にいえば、土地や建物を持っているにも関わらず十分な優遇を受けられない場合は、大きな損ともいえてしまいます。

そのような場合は一度、専門家や専門業者に相談してみたほうが賢明かもしれません。中には無料で、資産や土地などの診断をしてくれるところもあります。

そもそも不動産は金額が大きい資産ですから、少しの違いでも大違いです。そのためにもまずは一度、ご自身で自分の税額を計算してみましょう。

まとめ

納税は国民の義務であり、決して避けては通れません。
しかし、知らないで過分に支払うことは避けたいところです。ライフプランニングから、適切な不動産運用を検討するにあたっては、浅くても広く、税金の基礎知識を知っておくこともとても大切と考えましょう。

執筆者プロフィール
山本FPオフィス 代表 山本昌義

商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て、2008年8月8日に開業。
現在は日本初の「婚活FP」として、恋愛・婚活・結婚・離婚×お金をメインテーマに活動中。婚活中の方や新婚夫婦、または独身を貫きたい方など、比較的若い方向けのご相談や執筆、講演を行っています。趣味は漫画(約6,000冊所有)。


【保有資格】
・CFP®(婚活FP)



監修者プロフィール
株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘

マイアドバイザー®
Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFP®/マイアドバイザー®として活動している。
NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。


【保有資格】
・CFP®・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)



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