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土地売却の手順と考え方

最終更新日: 2022.11.08

はじめに

未利用で所有している土地。今後も利用する予定もない。


そのような場合、売却して現金に換えてしまう、ということも考えられます。

それでは土地を現金に換える、ということにはどのような効果があるのでしょうか。

この記事で詳しく紹介していくので参考にしてください。

1.土地を売却するとはどういうことか?

土地を売却するということは、固定資産である土地を流動資産である現金に換えることです。土地を売却する場合は、不動産業者を通せば仲介手数料が必要です。


売却額が、その土地の取得費(相続の場合など取得費が不明な場合は概算取得費:売却額×5%)や売却費用より多い場合は、所得税がかかります。

さらに、土地によっては測量費や古屋が建っている場合は建物解体費用が必要になることもあります。
土地を売却した後の現金について、当面、使い道が無ければどのような金融商品に預けておくのか、そこを考えておくのも大事です。

運用利回りを高めようとすれば、それなりのリスクを享受することが必要です。ライフプランを考えながらリスクとリターンのバランスをとることが運用の基本です。


それでは、土地の売却までの流れを見てきましょう。

1-1.土地の特徴を知る

1-1-1.農地の場合


その土地が農地であれば農地法により、土地の利用や売却は規制されています。

    • 農地法3条 農地等として売却して農地等に利用する場合は農業委員会の許可
    • 農地法4条 農地等を保有したまま他の用途に転用する場合は都道府県知事等(注1)の許可
    • 農地法5条 農地等を売却して他の用途に転用する場合都道府県知事等(注1)の許可


(注1)一部の市町村では指定市町村(政令指定都市とは違います)


その土地が農地法の適用を受けるかどうかは、登記簿上の地目ではなく、現況で判断されます。また現況では耕作されていない耕作放棄地も多くの場合は農地とされています。

1-1-2.その他


土地が市街化調整区域であれば、新たに建物を建築することは困難です。また、市街化区域にあっても工業専用地域では住宅の建設はできません。


さらに、土地が建築基準法上の道路に面していないような場合は、そのままでは建物の建設は困難です。

上記のような土地では、買い手はかなり限られている、という事になるでしょう。

1-2.土地の価額を知る


土地を売る前に、自分の土地がはたしてどのくらいの価額で売ることが出来るか?

そのためにはある程度土地の評価額を考えておくことが必要です。各種の土地の評価尺度を説明いたします。

1-2-1.地価公示と地価調査とは

    • 地価公示(公示地価) 国土交通省が1月1日現在の地価を調査し3月に公表
    • 地価調査(基準地価) 都道府県が7月1日現在の地価を調査し9月に公表


地価公示は都市計画区域内の地価を、地価調査は都市計画区域内外の地価を調査し公表し、実勢価格に最も近い数値といえます。


自分の土地のおおよその評価を知りたいときには、最寄りの同じ用途地域の地点を探し、そこから利便性を考えながら補正していきます。

地価公示と地価調査は下記のサイトで調べることができます。

国土交通省地価公示・都道府県地価調査

https://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=0&TYP=0

1-2-2.路線価


国税庁では土地の相続税・贈与税の評価額算定のために市街地の道路に接する土地の㎡あたりの価格を公表しています。

路線価は実勢価格の80%程度になっていますので、実勢価格に割り戻すときは、路線価×10/8で概ね求めることができます。


全国各地の路線価は下記のサイトで見ることができます。


国税庁 路線価図・評価倍率表
https://www.rosenka.nta.go.jp/

1-2-3.固定資産税評価額


近隣に比較可能な適切な地価公示・地価調査地点がない、

隣接道路に路線価も設定されていないような場合は、各市町村が算出している固定資産税評価額も参考になります。

固定資産税評価額は、土地の場合、おおよそ実勢価格の70%程度で評価されています。

固定資産税評価額×10/7、で概算の時価を知ることが出来ます。なお、固定資産評価額は3年ごとに評価替えを行います。






1-3.不動産業者に依頼


多くの場合には、売りたい土地を不動産業者に提示し、買主を探してもらうことになります。

土地は不動産業者が広告に出しても、すぐに買い手が付く、ということは稀です。少なくとも数か月、あるいはそれ以上かかることが多いです。

売主が確定した場合、いよいよ土地売買契約の締結、そして引き渡しです。引き渡し時には同時に司法書士に所有権移転登記を依頼します。

その時に必要なのがいわゆる土地の権利書です。登記済権利書・登記済書と記載されている例が多いです。取得時期が最近であれば登記識別情報という書類になっています。


1-4.土地売却に関連する税金の納税


土地を売却した場合、それですべて終わりではありません。取得時より高い金額で売却した場合は譲渡所得税が課税されます。

不動産の譲渡所得税は他の所得とは分離し算します。売却で損失が出たとしても他の所得からは控除できません。

1-4-1.譲渡所得


土地譲渡所得の求め方は以下の計算式です。


課税譲渡所得金額=収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額


取得費の主な内容は次のとおりです(注2)

    • 土地の購入代金・購入時の手数料等
    • 購入時の登記費用、不動産取得税、印紙税等
    • 土地の造成費用、測量費等
    • 土地を使用開始するまでに支払った借入金利子


(注2)取得費が不明の時は売却額の5%を取得費とします。


譲渡費用の主な内容は次のとおりです。

    • 仲介手数料
    • 印紙税
    • 売却のために取り壊した建物の取り壊し費用


特別控除額(土地の場合)

1)収容等により譲渡した場合             5,000万円

2)特定土地区画整理事業等のために譲渡した場合    3,000万円

3)特定住宅地造成事業等のために譲渡した場合     1,000万円
4)平成21年~平成22年に取得した土地を譲渡した場合  1,000万円

(特別な関係にある者からの取得、相続等による取得は除く。)
(長期譲渡のみ。)

5)農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合   800万円
6)低未利用土地等を譲渡した場合            100万円

(都市計画区域内の低未利用地を500万円以下で売却した場合。)
(長期譲渡のみ)
※)特別控除額の上限は年間の譲渡所得を通じて5,000万円。

1-4-2.税額


上記で計算した譲渡所得に、長期譲渡所得(注)では15%、短期譲渡所得では30%を乗じて税額を計算します。

この他に令和19年まで復興特別所得税として所得税額の2.1%が加算されます。申告と納税は売却の翌年の3月15日までに行います。

さらに、地方税で課税所得の9%が課税されます。



(注)長期譲渡所得


譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える土地を売却した場合は長期譲渡所得に区分します。
相続により取得した場合は、被相続人(亡くなった人)の所有期間を通算します。

2.土地と現金の違い

土地の場合、もちろんそのまま貸地として地代収入を得ることもできますが、賃貸物件の建設などで長期的に高い収益を得ることもできます。

土地をいう大切な資産を、土地のまま保有するのか、現金化して保有するのか、検討する際の参考として、土地と現金(金融商品を含む)の違いを表にしてみます。



土地として保有することのメリットの一つとしては、相続税の評価額が現金に対して少なくなるということがあります。

その一方、土地は現預金の様に自由に分割することが困難で、遺産分割が難しくなることも考えられます。

賃貸マンションなどの収益物件を相続する場合、物件が一つでは、各相続人で共有とせざるを得ないことも考えられます。

このようなことを避けるための手法として、物件を一人の相続人の名義とし、物件が生み出す収益の受益権を適正な割合で他の相続人に分配する、民事信託という手法が使われることもあります。

また、不動産は比較的、インフレに強い資産と言われており、活用することによって継続的に収益を得ることもできる場合もあります。

しかし、どうしても不動産が円滑な相続の障害となるのであれば、思い切って売却して現金にしてしまうという発想も持っても良いでしょう。

確かに長期の収益源を手放すことになり、相続税は多くなるかもしれませんが、相続争いを避ける費用と考えれば、大きな負担に感じない場合もあるでしょう。

そして売るという決断をしたときは、慌てて売却しようとして思わぬ損失を被らぬよう、売却までの時間的な余裕を持ちましょう。

なお、土地を現金の代わりに相続税として物納する制度はありますが、さまざまな制約のもと税務署の許可が必要となり現実はなかなか困難だと言われています。

相続財産として土地・不動産がある場合は、節税対策や納税資金の別途確保などの対策が必要と言えます。

3.収益物件としての売却

近年では、賃貸用の土地建物を売買する市場もあり、インターネットでは多くの物件が紹介されています。

ここで、収益物件として賃貸用の土地建物を売却するために参考になる利回りを見ていきましょう。

3-1.表面利回りとは

表面利回りはここで出た数値をパーセント表示して求めます。

次の事例を具体的に計算してみましょう。


物件価額   1億円

総戸数    5戸
各戸の月家賃 10万円

しかし、この表面利回りは固定資産税や修繕費などの費用を考慮に入れていません。それらを含めた実質利回りで考える必要があります。

3-2.実質利回りとは


実質利回りを考えるうえで諸費用として、税金(固定資産税・都市計画税)、損害保険料、修繕費・管理費等があります。

上記、表面利回りで説明した事例で、年間諸費用を200万円とします。

3-3.一般的な利回り水準とは


ここで求めた実質利回りについて、現状では4%~6%程度の物件も多くあり、ほとんどが0%の預金金利と比べ、かなり高いように見えます。

しかし、賃貸物件の収入は常に安定しているとは限りません。入居者の入替りに伴い一時的に空き家となる時期もあることは考慮する必要があります。

また、土地はともかく建物は年数を経ることにより劣化します。税務面では費用として減価償却費が控除できます。

しかし、減価償却費は金銭的支出を伴うものではありませんが、それに相当する部分を長期の修繕積立金として用意しておくことも必要でしょう。

今後の修繕がおろそかになれば、想定した家賃では入居者の確保が困難になることも想定するべきでしょう。


3-4.実質利回りから売却価額を求める


賃貸建物を土地付きで売買する市場の標準的な実質利回りから、所有している賃貸物件の価額を求めることもできます。


これを収益還元法と言います。

上記の実質利回り算出式を変形します。なお、実質利回りは少数に直して計算してください。

同様な考えで、さらに精緻化したDCF(Discount Cash Flow)法というのがありますが、一般には収益還元法でおおよその数値を掴むことができるでしょう。


また、今の土地に賃貸物件を建てた時の収益を想定して、現状の更地の価額を求めることもできます。


上記の式の物件価額を土地と建物に分解します。


ここで求めた土地価額が、公示地価などの実勢価格を大きく上回っていれば、土地を売却しないで収益物件として利用するというのも判断基準の一つになるでしょう。

4.まとめ


土地の売却は、一生に一度あるかないか、未経験の方が多いでしょう。

まず、売却予定の土地の特性を考え、売却先としてどのような対象が考えられるか?そしてその土地のおおよその評価額を掴んでおきましょう。

土地は二つとして同じものはありません。いったん売却してしまえば、同じ土地は二度と手に入りません。

売るときは、収益物件として自分で利用できないかどうか考えながら、慎重に進めていくべきでしょう。



執筆者プロフィール

NPO法人北海道未来ネット 代表理事 有田 宏


マイアドバイザー®

金融機関勤務を経てFPに、2005年"北海道未来ネット"設立。2021年より代表理事。

主に、金融資産、住宅ローン、相続などについて講演や執筆・相談などで活動中。

趣味は音楽鑑賞、主にクラシック・ジャズ。クラシックはどちらかと言えば古典派。

好きな事、学校の授業でいえば、数学、物理、地学、地理、歴史関係に興味があります。

【保有資格】
CFP®、1級FP技能士





監修者プロフィール

株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘

Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFP®/マイアドバイザー®として活動している。

NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。

【保有資格】

・CFP®・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)



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