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不要な土地は相続放棄できる?放棄するまでの手続きや注意点

最終更新日: 2023.03.17

公開日:2022年9月15日


はじめに


相続は常に突然起こります。財産を承継させる立場(被相続人)でも承継する立場(相続人)でも、いざというときのために相続対策の流れを把握しておいて損はないでしょう。

遺産相続が発生した場合、相続人が相続放棄するためには、「相続放棄は自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に行わなければなりません。

いざという時のために判断できるよう、ポイントを押さえておくことが重要です。

本記事では、相続放棄の概要や具体的な手続き、注意点について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。


1.相続放棄とは?

相続では亡くなった方の権利と義務両方を受け継ぐことから、借金などのマイナスの財産がある場合はそれも受け継がなければなりません。


まずは、それを回避するための手段である相続放棄の概要や、どういったケースに相続放棄を選択すべきかについて説明します。

1-1.相続人の立場から離脱すること

相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産や法律上の地位 に対する相続権の一切を放棄することを指します。

相続放棄は民法915条で定められており、相続放棄を行った人は「はじめから相続人でなかった」とみなされることとなります。

相続放棄するかどうかは、相続人がそれぞれ自由に選択することができます。

1-2.土地の相続放棄を行うケース

相続放棄は、被相続人が債務超過である場合や、相続人が遺産の取得を希望しない場合などに行われます。

ただし、個別の財産を指定して相続放棄をすることはできません。

相続放棄をするとプラスもマイナスも全ての権利から離脱することになります。

相続の対象になる財産にはプラスの財産とマイナスの財産の2種類があります。

プラスの財産の例としては、現金や預貯金、資産価値のある不動産(戸建てやマンション・土地)や金、家財などの権利関係が挙げられます。

一方、マイナスの財産の例としては、借金や未払いの税金などの債務などの義務が挙げられます。

不動産は一般的にはプラスの財産ですが、買い手がつく見込みもなく、利用や管理をしきれない田舎の農地や山林、倒壊する可能性のある家屋などの建物は、解体費用や固定資産税、維持管理費が発生する点でマイナスの財産と考えることもできます。

相続人はプラスの財産だけを相続することはできません。相続財産の中にマイナスの財産が多く含まれている場合、 相続放棄を行うメリットがあります。

また、相続に関する問題を回避したいという場合もあります。
家族の関係が良好でなく、相続人同士の遺産分割協議で争いが発生しそうな場合、そういったトラブルに巻き込まれたくないという人が相続放棄を選択する事例もあります。

不動産は、現金と異なり平等に分割することが難しいことから、相続争いに発展しやすい特徴があります。

2020年において、遺産相続に関する審理は1万回以上行われました。

なかには審理を複数回行っても解決しないケースもあります。

相続放棄を行えば、はじめから相続人でなかったこととなるため、こういった相続争いを回避できます


【参考】第49表 遺産分割事件数 実施期日回数別審理期間別(最高裁判所)

2.相続放棄する手続き

では、相続放棄をするためには具体的にどう対応すればよいのでしょうか。

その手続き方法を手順に沿って説明します。

2-1.手続きに必要な書類を用意する

相続放棄を行う際には、共通して必要となる書類と、相続放棄をする人と被相続人の続柄の違いに応じて必要になる書類があります。

【共通して必要となる書類】


・相続放棄の申述書


相続放棄の申述書とは、相続放棄の意思を表明するための書類です。裁判所のホームページでフォーマットをダウンロードでき、記入例を参考に記入しましょう。この申述書には、収入印紙800円分を貼り付けます。収入印紙はコンビニや郵便局で購入できます。
なお、相続人が未成年の場合、記入事項が異なるため注意が必要です。

・被相続人の住民票除票または戸籍附票


被相続人が亡くなったことを証明するために、住民票の除票や戸籍の附票の写しが必要です。それぞれ、市区町村役場や郵送、電子申請で取得することが可能です。
住民票の除票とは、転出や死亡などによってその自治体の住民基本台帳から除かれた住民票をいいます。
戸籍の附票とは、本籍地で戸籍原本と共に保存している書類で、その戸籍ができた時から除籍されるまでの住所の履歴を記録したものです。

・ 申述人(放棄する方)の戸籍謄本


戸籍謄本は、本籍地の市町村役場で取得できます。郵送で取得することも可能です。


【被相続人との続柄の違いに応じて必要となる書類】

この他、相続放棄をする人と被相続人との続柄の違いに応じて必要になる書類があります。
配偶者はどのような場合でも相続人となりますが、それ以外の親族は、被相続人との関係において順位づけられ、相続分があるか否かが変わります。

順位は、第1順位が子供(直系卑属)、第2順位が親(直系尊属)、第3順位が兄弟姉妹となっており、相続順位が高い人が法定相続人になります。例えば、子供がいない夫婦の場合、法定相続人は配偶者と被相続人の親ということになります。


これらの理由から、配偶者以外の相続人は、自らに相続権があることを証明する書類が必要となります。

ケース1:相続放棄をする人が被相続人の配偶者の場合

・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

ケース2:相続放棄をする人が被相続人の子供や孫の場合

・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

・申述人が代襲相続人(孫,ひ孫等)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

ケース3:相続放棄をする人が被相続人の両親や祖父母の場合

・被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

・被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
・被相続人の直系尊属に死亡している方(相続人より下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母))がいらっしゃる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

ケース4:相続放棄をする人が被相続人の兄弟姉妹や甥、姪の場合

・被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

・被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
・被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
・申述人が代襲相続人(おい,めい)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

【参考】申述書の記入例(裁判所)
【参考】相続の放棄の申述書(成人)(裁判所)
【参考】相続の放棄の申述書(未成年者)(裁判所)

2-2.家庭裁判所に相続放棄を申し立てる

相続放棄の申し立ては、家庭裁判所に対して行います。用意した書類をまとめて、裁判所へ郵送しましょう。

この際、郵送先は被相続人が亡くなる前に在籍していた最後の住所地の家庭裁判所となります。

2-3.相続放棄に関する照会書を送る

相続放棄を申し立てると、家庭裁判所の判断により相続放棄に関する照会書が送られてきます。これが、相続放棄に対する最終確認となります。

照会書の記入欄に必要事項を記入し返送すると、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届きます。

これが、正式に相続放棄が認められた証です。

3.相続放棄をした場合に相続財産であった土地はどうなる?

相続を放棄した者は、相続放棄した後であっても、次の財産の管理者が決まるまでは財産の管理を継続しなければならないと法律に定められています。

不動産相続の場合、管理を怠っていると第三者に迷惑をかける場合もあることから、次の管理者を探す必要があります。

相続放棄した財産の中に土地があった場合、その土地を誰が管理しなければならないのでしょうか。

3-1.相続人の一部が相続放棄をした場合

相続放棄した人の他にも相続人がいる場合、土地の管理責任を負うのは土地を相続した個人となります。

もし複数の相続人の共有名義で一つの土地を相続した場合は、共有者全員が自分の持ち分に応じて管理義務を負うこととなります。

3-2.相続人全員が相続放棄をした場合

被相続人の財産を誰も相続しない場合は、相続財産管理人の選任が必要になります。

相続財産管理人とは、相続人がいない場合に遺産を管理し、清算する職務を行う人のことです。

申し立てができるのは、相続放棄を行った相続財産の管理者や、利害関係人、検察官に限られており、申し立てに基づき、裁判所が選任します。

相続財産管理人は、以下の手続きを行います。

・相続人が他にいないかの確認
・遺言書がある場合は、遺言書に指定された者への財産の分与
・負債がある場合は、債権者への支払い
・内縁の妻など「特別縁故者」への支払い
・清算が完了し、残った財産を国庫に帰属させる

申立先は相続放棄の場合と同じく、被相続人が最後に居住していた住所地の家庭裁判所です。

4.相続放棄する際の注意点

相続放棄は一度受理されてしまうと、取り消すことはできません。他にも、相続放棄に関する3つの注意点を説明します。

4-1.相続放棄が認められないケースがある

相続放棄は相続人であること自体をなかったことにする制度です。そのため、相続開始後に財産を勝手に処分すると、相続を承認したとみなされ、相続放棄がみとめられません。

例えば、被相続人の家財を形見分けで貰ったり、被相続人の借金を代わりに返済したりしてしまうと、相続を承認したとみなされてしまいます。

土地の場合でも、相続開始後に土地の一部を売却・譲渡したり、土地の上に建っている建物を改修したりしてしまうと、放棄するはずの財産に手を付けたと見なされ、相続放棄が認められない場合があります。

4-2.原則として相続発生から3か月以内に手続きを終える

相続放棄の申し立ては、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3カ月以内という申請期限が定められています。

この期間が経過すると相続放棄はできなくなるため、被相続人の財産の全容は早急に把握するようにしましょう。

ただし、3ヵ月を過ぎてしまうことに対してやむを得ないと判断されるような場合は、例外として期間の延長が認められる場合があります。

例えば、「相続放棄するに足るマイナスの財産の存在を知らず、かつその知らなかったことに相当な理由がある場合」や、「被相続人の財産の状況を調査して3か月が経過してもなお相続する財産の詳細がわからなかった場合」などが挙げられます。


これらの判断は家庭裁判所の判断によるため、適正な理由がある場合は専門家に相談し、対処法を検討するのがよいでしょう。

4-3.土地だけを相続放棄することはできない

相続放棄は、被相続人が所有していた財産の全てを引き継がないことを意味します。

そのため、「使い道のない空き家はいらないけど預金は欲しい。」などと特定の種類の財産の相続を放棄することはできません。
そのため、土地だけを手放したいのであれば、相続した後に不動産売却や第三者への贈与・寄付などの処分方法を取る必要があります。隣地の所有者などが、有力な寄付先となるでしょう。

しかし、2023年の4月から「相続土地などの国庫帰属制度」が開始されることで、状況が少し変わる可能性があります。
相続土地国庫帰属制度とは、相続した財産に不要な土地が含まれていた場合、条件付きで国が引き取ってくれる制度です。

この制度を活用すれば、財産を相続した上でいらない土地だけ手放すことができます。

ただし、対象となる土地には各種条件があるだけでなく、制度を利用するためには費用が発生します。

審査に対して審査手数料、実際に承認を受けた場合は10年分の土地管理費に相当する額を負担金として納入しなければなりません。場合によっては、自ら管理し固定資産税を支払った方が安く済む可能性もあります。


この制度に関する詳細はまだ定まっていないことから、制度が開始した後に検討するとよいでしょう。

5.相続した遺産を活用して、不労所得を手に入れよう

今回は、相続放棄について説明しました。相続放棄は全ての財産を手放してしまうデメリットがあることから、よほどマイナスの財産が大きくない限りは、基本的には専門家に相談の上、相続することをおすすめします。


中でも土地は、うまく活用することで収益を挙げられる可能性があるものです。手放す前に一度、土地活用を検討してみましょう。

不安な点や疑問点があれば、信頼のできる不動産会社へ相談してアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

大東建託では相続や土地活用方法に関する相談を無料で受け付けています。税理士などの専門家と連携し、様々な相続税対策をご提案することも可能です。

ご相談はメールや電話でも受け付けております。お悩みの方はぜひお問い合わせください。

監修者プロフィール
西風恒一(司法書士)

1972年兵庫県生まれ。大学卒業後は教育業界で講師職・管理職を10年間経験し、平成16年から司法書士業界に入る。
平成19年に司法書士資格を取得し、すべての分野の実務を経験する。
令和2年より法律記事のライターとしても多数の記事を執筆・監修している。

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