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駅前の土地活用法とは?都市圏・郊外の立地から考える方法とポイント

公開日: 2024.09.25

最終更新日: 2024.11.01

駅前での土地活用は、交通の利便性が高く、集客しやすいという大きな利点があります。

他の立地に比べて人の動きが多く、多くの施設で一定の需要が見込めるため、賃貸経営や商業施設の運営に適しています。

 

しかし、駅前の土地の特徴によって最適な活用方法は異なるため、事前に周辺環境や法規制をしっかりと調査することが重要です。

本記事では、駅前の土地活用の成功のポイントを詳しく解説します。

>>関連記事:「【2024年版】土地活用の方法19選|運用を行うメリットや実際の進め方

1.【都市圏の場合】駅前の土地活用方法


都市圏における駅前の土地活用は、高い収益性と安定した需要が期待できる魅力的な選択肢です。

都心部の駅前は、オフィスワーカーや買い物客、観光客など多様な人々が行き交う場所であり、さまざまな用途での活用が可能です。

この見出しでは、都市圏の駅前土地における効果的な活用方法をいくつか紹介します。

1-1.アパート・マンション経営

駅前の土地活用として、アパートやマンションといった賃貸物件の経営は高い収益性と安定性を兼ね備えた選択肢です。

都市圏の駅前は生活の利便性が高く、賃貸需要が安定しているため、空室リスクを抑えた経営が可能です。

 

アパートとマンションのの違いに厳密な定義はありませんが、マンションは4階建て以上の中高層物件のことを指し、アパートは23階建ての低層物件のことを指すことが多いです。

マンション経営は規模が大きく、賃貸経営ではアパート経営よりも初期投資として建築費がかかりますが、規模が大きいので入居者からの多くの家賃収入が期待できます。

 

立地によってはアパートよりもマンションが適している場合があり、特に都心部や特急停車駅周辺では、高めの賃料設定が可能です。

 

ただし、周辺の競合状況や地域のニーズを考慮し、場合によってはアパートも検討すべきです。

土地オーナーは、専門家に相談しながら、最適な賃貸住宅経営の形態を選択することが重要です。

 

>>関連記事:マンション経営にかかるランニングコストは?収益性を高めるポイント

 

>>関連記事:アパート経営を始めたときにかかる費用と続ける際にかかる費用は?

1-2.テナントビル経営

テナントビル経営は、駅前の土地活用として高い収益性が期待できる選択肢です。
オフィスや商業施設を建設し、企業や店舗からの賃料収入を得る方法です。駅前は人通りが多く、ビジネスの中心地であるため、テナントの需要が高く、空室リスクが低いという特徴があります。

 

初期投資として建築費がかかりますが、テナント料は賃貸住宅よりも高く設定できるため、長期的には安定した収益が見込めます。

駅前という好立地を活かし、飲食店や小売店などの多様なテナントを誘致することで、魅力的な商業ビルを運営できるでしょう。 

1-3.ホテル経営

ホテル経営は、駅前の土地活用として高い収益性が期待できる選択肢です。
交通の利便性が高い駅前は、ビジネス客や観光客の需要が見込めるため、安定した運営が可能です。

ただし、初期投資額が高く、建築費用や運営コストを慎重に検討する必要があります。

 

経営方法としては、自社運営のほか、ホテル運営会社へのサブリースや事業用定期借地権の活用など、さまざまな選択肢があります。

都市部では高級ホテルや大規模なビジネスホテルが、地方では観光需要に応じた特色あるホテルが適しています。

 

景気変動や社会情勢の影響を受けやすい業種ですが、長期的には安定収入が期待できる土地活用です。成功のためには、市場調査と差別化戦略が欠かせません。 

1-4.コンビニ経営

コンビニ経営は、駅前の土地活用として安定した収益が見込める選択肢です。

土地オーナーがフランチャイズ契約を結び、コンビニエンスストアを出店する方法です。

駅前という好立地は、通勤・通学客や地域住民の需要が高く、安定した集客が期待できます。

 

収益は主に商品販売による売上から得られ、フランチャイズ本部からのサポートを受けられるため、経営ノウハウの少ない方でも比較的取り組みやすい土地活用法です。

 

初期投資として建築費や加盟金が必要ですが、駅前の立地を活かした高い売上が見込めます。
また、24時間営業が基本のため、駅前の人の流れを最大限に活用できます。

 

ちなみにですが、フランチャイズ契約は大きく分けて3つの種類があります。

・フランチャイズ本部が加盟店にビジネスのノウハウを提供する「ビジネス・フォーマット型

・店舗経営に必要なものの準備をすべてフランチャイズ本部が行う「ターン・キー型

・独立した既存のビジネスに、フランチャイズシステムの一部を組み込む「コンバージョン型

 

駅前の土地を持っている人と相性が良い形態は、ビジネス・フォーマット型です。

 

またコンビニ経営にはフランチャイズ経営以外にも、建築した建物をコンビニ事業者に一棟貸しするリースバック方式や、土地をコンビニ経営者に貸す事業用定期借地などがあります。


詳しくはこちらの記事を参照ください。 

>>関連記事:「土地活用でコンビニを選ぶメリットとデメリット|向いている土地の傾向」

1-5.定期借地権

定期借地権は、土地オーナーが一定期間、企業や事業者に土地を貸し出すことで収益を得る仕組みです。

駅前という好立地は、貸し出せば募集が期待できるため、多くの企業にとって魅力的であり、高いニーズが見込めます。

 

定期借地権には主に3種類があります。

 

・一般定期借地権

・事業用定期借地権

・建物譲渡特約付借地権

 

一般定期借地は50年以上の長期契約で、商業施設やオフィスビルの建設に適しています。

長期的な事業計画に向いており、大規模な開発に適しています。

 

事業用定期借地権は、事業を行う目的で土地の権利を得る場合に適用される借地権です。

主に商業施設や工場などを建てる目的で利用されます。

期間は10年以上50年未満で定められ、期間が満了を迎えたら土地は地主に返還されます。

 

建物譲渡特約付借地権は30年以上の契約です。

契約終了時に土地所有者が建物を買い取る特約があります。借地人にとっては建物の処分の心配がなく、土地所有者は将来的に建物を取得できるメリットがあります。

 

これらの選択肢により、土地オーナーは自身の状況や将来の計画に応じて、最適な定期借地権の形態を選ぶことが可能です。

駅前という好立地を活かしつつ、さまざまなニーズに対応できる柔軟な土地活用方法として注目されています。

 

2.【郊外の場合】駅前の土地活用方法


郊外の駅前土地活用は、都市圏とは異なる特性を持ちます。人口密度や商業需要は都心ほど高くありませんが、地域のニーズに合わせた柔軟な開発が可能です。

ここでは、郊外の特性を活かしながら、長期的に土地の価値を高める効果的な活用方法をいくつか紹介します。

2-1.アパート経営

都市圏のマンション経営と同様に、駅近という利便性から空室リスクを抑えつつ、安定した家賃収入が期待できます。

初期投資としての建築費は必要ですが、構造や規模の違いでマンションよりも低く抑えられる点が魅力です。

 

ただし、競合物件が多い場合は、設備や間取りなどで差別化を図ることが重要です。

地域のニーズに合わせた適切な規模と設備を選択し、長期的な賃貸経営を目指すことが成功のポイントとなります。 

2-2.駐車場経営

駐車場経営は、安定した収益を見込める土地活用方法です。主に月極駐車場とコインパーキングの2種類があり、立地条件によって選択します。

郊外では住居と駅が離れている場合が多いため、月極駐車場は通勤・通学者向けに需要が高く、安定した収入が期待できます。

 

一方、車通りの多いエリアや商業施設・娯楽施設が近くにある場合は、コインパーキングが適しています。

初期投資が比較的少なく、維持管理も容易なため、土地オーナーにとって負担の少ない選択肢です。

 

>>関連記事:月極・コインパーキングのそれぞれの特徴

2-3.トランクルーム経営

郊外の駅前でのトランクルーム経営は、周囲にマンションやアパートが多い場合に特におすすめの土地活用方法です。

主にマンションやアパートに住む人をターゲットとし、収納スペースのニーズに応えます。

そして、地方の駅周辺は都市部に比べて土地が広く、賃料も安いため、必要なスペースを確保しやすいです。

これにより、トランクルームを設置するためのコストが抑えられるため、経営においても利益を出しやすくなります。

 

トランクルームの経営方法には、屋外タイプ(コンテナ設置)と屋内タイプ(建物内ブース)があり、専門の運営会社と提携することで効率的な運営が可能です。

屋内タイプは環境管理やセキュリティが優れ、高めの賃料設定ができます。

この方法は、比較的安定した需要が見込め、土地オーナーの管理負担も少ない点が魅力です。

 

>>関連記事:トランクルーム経営の基本と特徴

 

3.【番外編】駅前の土地活用方法


駅前の土地活用には、従来の不動産投資や商業施設以外にも、地域のニーズや時代の変化に応じた新しい選択肢があります。

ここでは番外編として、駅前の土地活用方法をいくつか紹介します。

3-1.観光地の場合

観光地の駅前土地活用として、コインロッカー経営が注目されています。

旅行者の集客が見込める立地では、高い需要と回転率が期待でき、安定した収益が得られます。

特に近年のインバウンド需要の増加に伴い、コインロッカーの需要は急速に高まっている傾向にあります。

 

コインロッカー経営は、他の土地活用と比べて初期投資や維持管理費が抑えられる点が魅力です。 

3-2.狭小地の場合

駅前の狭小地や変形地でも、工夫次第で効果的な土地活用が可能です。
具体的には以下の活用方法があります。

 

・店舗経営

店舗経営は、10坪未満の狭い土地でも実現できる選択肢です。カウンター席のみの小規模飲食店やテイクアウト専門店など、限られたスペースを最大限に活用するアイデアが有効です。駅前の好立地を活かし、通勤客や地域住民のニーズに応える店舗展開により、狭小地でも高い収益性を実現できる可能性があります。

 

・コインランドリー経営

コインランドリー経営は、リピート客が見込めるため、長期的かつ安定した収入が期待できます。
また、駐車場の設置が不要な土地条件であれば、狭小地でも経営が可能です。運営コストが比較的低いため、早期に投資回収が期待できるでしょう。

 

・看板や広告

看板や広告のメリットは、人通りや車通りが多い立地での宣伝効果が期待できることです。立て看板やビルボード広告などは、自己資金や初期投資額が比較的少なく、固定経費が低いという特徴があります。しかし、得られる収益は比較的少なめであることが一般的です

 

・自動販売機

自動販売機は、ドリンクの売上が収入となり、特に土地オーナーにとっては有効な収益源です。極端に狭い土地や変形地、すでに別の活用方法を行っている土地のデッドスペースを活用できるため、初期投資額が少なく、収益性が高いことがメリットです。

 

>>関連記事:狭小地におすすめの土地活用8選│メリット・デメリット・注意点

*土地活用が難しい場合の選択肢

土地活用が難しい場合、売却も選択肢の一つです。特に相場より高額で売却できるなら、別の土地に投資する資金を得ることができます。これを資産の組み換えと呼び、収益性の向上に寄与します。

 

ただし、一度売却すると同じ土地を再取得するのは困難ですので、慎重な判断が必要です。専門家のアドバイスを受けながら、適切な選択肢を判断しましょう。

 

>>関連記事:遊休地活用の選択肢、「売る」か「貸す」か?

 

4.駅前の土地活用をする際の注意点


駅前の土地は高い利便性から、多くのビジネスチャンスが期待できますが、成功させるためにはいくつかの注意点があります。

4-1.駅前ならではの競合状況を把握する

 駅前は利便性が高い反面、同じように土地活用を目指す競合が多く存在します。

そのため、事業の成功には競合状況を把握し、他と差別化できるポイントを見つけることが重要です。

例えば、周辺に既に多くの飲食店がある場合には、業態や提供するサービスが類似しないようにするのも1つの戦略です。

また、駅の乗降客層や時間帯による人の流れを分析し、それに合った活用方法を考えることが成功へのポイントとなります。

4-2.土地の特性や規制、条件を確認する

土地の特性や規制、条件を確認することは非常に重要です。

希望する建物が建てられない場合があるため、接道条件や建ぺい率、容積率などの法規制を事前に把握する必要があります。

特に賃貸経営や商業施設の建築を検討している場合、不動産会社やハウスメーカーなどの専門家に相談することがポイントです。 

4-3.土地活用は長期的な視野で考える

土地活用は長期的な視野で考えることが重要です。

駅前の土地は再開発によって大きな影響を受けやすく、基本的には再開発後に集客力が上がりやすいため、再開発の予定がある場合、人の流れがどのように変わるかを事前に調査しておくことがポイントです。

 

状況に応じて土地活用を転用する可能性も考慮しましょう。

駐車場経営やコインロッカー経営などは、転用がスムーズであるため、安定した収益性を保ちやすいです。

長期的な計画が、賃貸経営の成功につながります。

 

>>関連記事:土地の種類にはどのようなものがある?土地活用に適した種類5選

 

5.駅前の需要に合った土地活用を検討しましょう


駅前の土地活用は、利便性の高さからさまざまなビジネスチャンスを生み出します。

成功のためには、まず土地の特性や法規制を確認し、専門家の意見を取り入れることが重要です。

 

また、再開発の影響を考慮し、長期的な視点での計画を立てることが求められます。

駐車場経営やコインロッカー経営など、柔軟に転用できる事業を選ぶことで、安定した収益を実現できます。

賃貸経営や商業施設など、多様な選択肢を検討し、最適な土地活用方法を見つけましょう。

■監修者プロフィール

有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者