地主が検討したい土地活用のおすすめ10選│選ぶ際のポイント
公開日: 2023.05.26
最終更新日: 2023.11.28
土地を所有するオーナーが考えたいのが、その立地に合わせた不動産投資です。不動産は所有しているだけで固定資産税や都市計画税などの税金が発生します。売却するのも一つの方法ですが、状況によってはうまく活用し賃料収入を得たいものです。
そこで今回は、地主が検討したい土地活用の方法を、大きく10種類に分けてご紹介します。後半では成功するためのポイントも説明します。最後までぜひチェックしてください。
>>関連記事:「土地活用の方法16選|運用を行うメリットや実際の進め方」
目次
1.地主が検討したい土地活用のおすすめ10選
土地活用は地主が建物を自ら建てるかどうかで種類が分かれます。
自分で建てる場合は借家方式と呼ばれ、建物に入居した個人や法人から賃料を得ます。建物を建てる分初期費用は高めですが、市場の実需に応じた入居者設定や適正な管理運営ができれば得られる収入も多いのが特徴です。
今回は、借家方式に分類される土地活用方法に絞って紹介します。
1-1.マンション・アパート経営
最初にご紹介する土地活は、マンションやアパートなどの集合賃貸住宅経営で入居者を募集し、家賃収入を得る方法です。
マンションやアパートなどの住宅は、経済の状況に左右されにくい一定の需要があり、収入に安定性を確保できる点がメリットです。また、住宅を建てることで「住宅用地に対する課税標準の特例措置」を適用することができ、土地の固定資産税が低くなります。
ただし、空室リスクや賃料下落リスク、入居者とのトラブルといったリスクもあるため、企画段階から運用実績のある不動産会社にアドバイスを受けながら計画的に進めることをおすすめします。
アパート・マンション経営のメリットとリスクについては、以下のコラムで説明しています。
>>アパート経営のメリットと利回りは?かかる経費やリスク、対処法
>>マンション経営における8つのリスクと対策|正しい把握が成功のカギ
1-2.戸建賃貸経営
土地の面積がそこまで大きくない場合には、一戸建ての物件を建築して貸し出し、家賃収入を得る方法もおすすめです。
戸建ての賃貸物件は数が少ないため、アパートのように競合物件が少ないと言うメリットがあります。また主にファミリー層が住むため、居住期間が長く空室になりづらいと言うのもメリットです。一方、入居者が退去すると収入が0になってしまうことから、空室期間をなるべく短くする運営が求められます。
戸建ての賃貸経営のメリットとデメリットについては、以下のコラムで説明しています。
>>賃貸経営で戸建てを選ぶメリットとデメリットは?注目される理由
1-3.賃貸併用住宅経営
賃貸併用住宅は、1つの建物にオーナー自身が住む部分と、入居者に貸す賃貸部分等を分ける方式です。この際、オーナーの居住部分と賃貸部分は入り口から完全に分け、それぞれが単独で住まいとして機能することが望ましいでしょう。賃貸併用住宅のメリットは、そこから得られる家賃収入を自宅にかかる住宅ローン返済に充てる ことができる点です。また、将来的に二世帯住宅を考えている家庭にとっても、それまでの暫定的な活用方法として適しています。
賃貸併用住宅の成功例については、実例も含め以下のコラムで詳しく説明しています。
>>【約300坪の土地の事例あり】賃貸併用住宅の成功例や後悔しないためのポイント
1-4.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)経営
サービス付き高齢者向け(サ高住)とは、高齢者向けのバリアフリー構造のマンションに、安否確認・生活相談といったサービスが付属しているものです。基本的にはマンションであることから、介護機能のある老人ホームとは異なります。サ高住は認定を受けるために面積や設備などの基準があることから、初期投資が多くなる傾向にあります。しかし、自治体によっては補助金を活用できるメリットがあります。高齢化社会の日本において、底堅い需要が見込める活用方法と言えるでしょう。
サ高住については、以下のコラムで詳しく説明しています。
1-5.商業施設・店舗経営
ここからは、商業系の活用方法について説明していきましょう。
土地が駅前や都心部など利便性の高い場所にある場合は、商業施設や店舗を誘致することがおすすめです。これらの商業系利用は顧客が法人となるため、個人に比べより高い賃料と長い契約期間が期待できます。
ただしアパートやマンションなどに比べて契約先が少なくなるため、一社退去した際の賃料減少は大きいというデメリットがあります。退去した際のことを踏まえ、汎用性の高い建物を建てるのがよいでしょう。
1-6.ビジネスビル経営
複数階層あるビジネスビルであれば、入居テナントが多いため退去時の空室リスクを低くすることができます。
ビルはエレベーターなどの設備が必要なことから建築費やランニングコストも高くなりますが、その分収益性が高いのが魅力です。
誘致するテナントはオフィスや店舗が挙げられます。低層階に店舗、高層階にオフィスという組み合わせが一般的です。ほかにも、例えば医療系や美容系、飲食など、テナントのカテゴリを定めて集中的に誘致することでビル自体の目的性を高める方法もあります。
1-7.医療施設経営
用途に特化したビルの代表が、医療系のテナントビルです。
内科・皮膚科・小児科などの専門科に調剤薬局を組み合わせたテナント構成で、周辺住民の医療に関するニーズを満たすことができます。高齢化社会の日本において、こういった医療系のテナントは根強い需要があり、退去するリスクが比較的低いことがメリットです。
一方、病院が特殊な設備などを導入する場合は床面の耐荷重が問題となることもあります。事前に必要となる建物のスペックは満たすようにしておきましょう。
1-8.保育園経営
少子高齢化の日本ですが、共働き世帯が多いことから保育園の需要は依然高いのが現状です。
土地活用としての保育園は、更地を業者に貸し出す借地方式と、更地の上に建物を建てた上で業者に貸し出す借家方式があります。借地方式は初期投資が低いというメリットがあるものの、収受できる賃料はその分低めです。
借家方式の場合だと、事業者に合わせた保育施設を建築する都合上、リースバック方式がよく採用されます。これは保育園の運営業者から建設協力金という形で金銭を収受し、そのお金で建物を建設した上で土地と建物を貸す方法です。建設協力金は後々、賃料と相殺する形で業者へ返済します。
1-9.コンビニエンスストア経営
主要幹線の道路沿いなど、利便性と視認性が高い立地はコンビニエンスストアの誘致も有力な候補です。
これも保育園と同様、借地方式と借家方式(リースバック方式含む)があります。コンビニのメリットは収益性の高さです。投資額で比較しより高い利回りとなる傾向にあります。
しかし、店舗売上が振るわなかった場合の退去リスクがある点は注意が必要です。コンビニは周辺競合もできやすいため、長期的な経営が可能かどうかをオーナー側がしっかりと判断しなければなりません。
1-10.駐車場経営
駐車場経営は、比較的投資額を低く抑えられる土地活用です。駐車場経営会社に更地を賃貸して地代家賃を収受する借地方式と、自ら投資して駐車場利用者を募る方式があります。月極駐車場であれば特別な設備が必要ないため、更地をそのまま活用することができます。
コインパーキングは精算するための精算機などの設備が必要ですそのため、駐車場運営会社をパートナーとして選ぶ必要があります。多くの駐車場運営会社は工事から日々の集金・メンテナンス業務まで管理委託することができるため、まずは話を聞いてみると良いでしょう。
駐車場経営のメリット・デメリットについては、以下のコラムで詳しく説明しています。
また、様々な土地活用の実例については、こちらをご確認ください。
2.地主が土地活用で成功するためのポイント
地主が土地活用で成功するためには、目的にあった方法を、専門家に相談した上で決定することが重要です。
それぞれ説明していきましょう。
2-1.土地活用の目的を明確にする
土地活用を行う上で、まずは目的を明確にしましょう。目的によって活用方法は多種多様です。
例えば、高い収益性を重視するのであれば、マンションや事業ビルのような投資額とリターンがどちらも大きい選択肢となるでしょう。
一方、相続対策として相続税の負担を軽減するという目的であれば、住宅用地の特例が適用されるアパート、マンション、戸建て、賃貸併用住宅などが選択肢となるでしょう。まずは、目的を明確にし、求める成果をイメージしましょう。
2-2.専門家に相談する
目的を明確にしたあとは、土地活用の専門家に相談するのがおすすめです。
保有する土地の条件によって、活用できる方法の選択の幅が異なります。都市計画で定められる用途地域により、その地域に立ててよい建物の用途は決まっています。それ以外にも土地にかかる様々な法的制限や市場のニーズなどを個人で確認することは難しいため、まずは専門家に相談しましょう。
相談先の例としては、不動産会社、ハウスメーカー、金融機関、工務店、税理士などが挙げられます。
この中でも、様々な土地活用の手法を提案できる不動産会社であれば、実現性の高い提案をしてくれることでしょう。
土地活用の相談先や重視すべきポイントについては、以下のコラムで詳しく説明しています。
>>土地活用の相談先7選|成功させるために重視したいポイント
3.ベストなパートナー選びで土地活用を成功させよう
今回は、土地の活用方法について10選にまとめてご紹介しました。どういった活用を行うかは、土地の法的制限や自分自身の目的により異なります。土地活用方法の検討にあたっては、まず 不動産会社などノウハウ豊富なプロに相談しましょう。
土地活用においては、建物を建設し、入居者を探してくれる不動産会社のサポートが欠かせません。複数の会社に相談し、信頼のできるパートナーを選びましょう。

■監修者プロフィール
有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一
関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。
【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者
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