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賃貸併用住宅の成功例や失敗パターン、後悔しないための重要ポイント

公開日: 2022.12.09

最終更新日: 2023.11.21

土地活用のひとつの方法として選ばれるのが不動産投資です。
不動産投資にはさまざまな種類がありますが、オーナーが自ら使用する住戸と賃貸部分が一体化している賃貸併用住宅を検討している方も多いでしょう。

賃貸併用住宅には、建築費のローン返済を家賃収入で賄いながらマイホームを持てるなどのメリットがあります。
半面、入居者とのトラブルクレーム空室リスクなどが注意点としてあげられます。

この記事では、賃貸併用住宅を運営するためのコツや成功のポイントを実例も含めて解説していきます。

賃貸併用住宅.gif
リスク対策 (1).gif

 

1.賃貸併用住宅の成功事例

賃貸併用住宅の成功事例を2つ紹介します。

ぜひ参考にしてください。

1-1.賃貸併用住宅の成功例1

 

賃貸併用住宅の購入者情報

 

<賃貸併用住宅の購入者情報>

年齢

75歳

職業

無職(年金暮らし)

家族構成

ご夫婦

世帯収入

150万円

 

購入した賃貸併用住宅の条件

 

<購入した賃貸併用住宅の条件>

立地

東京都世田谷区

土地面積

100㎡(約30坪)

建物延床面積

210㎡(63坪)

居住割合

賃貸:オーナー居住=4:1

賃貸物件の間取り

K

物件購入金額の総額

12,000万円(諸費用消費税等含む)

用意した頭金

30万円

ローンの借入額

11,70万円

ローンの金利

1.9%

借入期間

35年間

ローンの返済額

39万円

賃貸の家賃収入

58万円

委託管理料

賃料の約10

ローンに関して賃貸部分の割合よりアパートローンを活用

・成功例の解説・ポイント

築年数の経った自宅に夫婦2人暮らし(子供なし)で将来の生活に不安を抱いていた。得られた家賃収入を生活資金の一部に充当することができたので、不安を解消することができた。

※当時の融資状況と資産状況により事業が可能となった事例です。融資はそのときの状況、条件によって異なります。

 

管理の負担は管理会社のサービスである賃貸経営受託システムを利用することで、不安を解消できた。

 

 

1-2.賃貸併用住宅の成功例2

・賃貸併用住宅の購入者情報

 

<賃貸併用住宅の購入者情報>

年齢

40代

職業

会社員

家族構成

4人家族

世帯収入

800万円

 

・購入した賃貸併用住宅の条件

 

<購入した賃貸併用住宅の条件>

立地

東京都目黒区

土地面積

170㎡(約51坪)

建物延床面積

310㎡(約94坪)

居住割合

賃貸:オーナー居住=12

賃貸物件の間取り

店舗・1LDK

物件購入金額の総額

24,53     0万円(諸費用消費税等含む)

用意した頭金

330万円

ローンの借入額

24,200万円

ローンの金利

1.5%

借入期間

30年間

ローンの返済額

84万円

賃貸の家賃収入

127万円

委託管理料

6.8万円(賃料の5%)修繕費の積み立て含む

店舗部分は自主管理

※ローンに関して賃貸部分の割合よりアパートローンを活用

 

・成功例の解説・ポイント

事業を行うための自己資金が少額だったが、金融機関への明確な事業計画を提示できたので融資を得ることができた。

借地なので堅固建物への建て替えを土地の所有者に交渉したところ、無事交渉が成立して賃貸併用住宅を建てられた。(借地の契約の内容によっては堅固建物(RC造や鉄骨など)の建物を建築することが難しい場合がある。また建築の承諾をもらうための初期費用が増加するケースがある。
このケースでは土地所有者は当初非堅固建物での建築を希望されたが、交渉によって堅固物での建築を許可していただけた。)収支への大きなアドバンテージとなる店舗誘致が奏功した。

 

2.賃貸併用住宅の成功例から見る重要ポイント

賃貸併用住宅の運用で「成功したオーナー」と「失敗したオーナー」には明確な違いがあります。
安定した経営を行うためのポイントを見ていきましょう。

2-1.経営の目的を明確にする

不動産投資や土地活用で大切なポイントは、目的を明確にすることです。
例えば、固定資産税を軽減するなどの税金対策収入を増やすための投資相続対策ローン返済に充てるための安定収入の確保などが考えられますが、目的によって事業計画の内容が異なるため、はっきりさせておくことをおすすめします。

 

2-2.収支計画のシミュレーションを行う

収支計画とは住宅ローンの金利や返済期間を加味し、毎月の家賃収入と住宅ローンの返済額を算出することを言います。自己資金を返済へあてるのではなく、家賃収入だけでローン返済が賄える収支を設定するのがおすすめです。
空室が発生して家賃収入が得られない期間が続いても、事前に想定することで家計への負担軽減につなげられるでしょう。

 

また、収支を安定させるためには地域住民の生活スタイルやニーズに基づく物件の立地や間取り選びも欠かせません。物件周辺のスーパーやコンビニの利用率、最寄り駅の乗降者数などを調べておくことで入居者の需要やターゲットを明確に設定できるため、空室が出たとしても最低限の空室数や期間で収まる可能性が高まります。

ただし、賃貸需要をご自身で詳しく調査するのは困難なので、賃貸住宅経営のプロに相談し、アドバイスをもらいながら調査・費用の計算・シミュレーションをするのがおすすめです。

 

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2-3.入居者ニーズを満たす間取り・デザインを設計する

戸建てやワンルームなどの種類に限らず、間取りやデザインはオーナー自身のこだわりを反映させ過ぎず、入居者が暮らしやすいかどうかの観点を重視すると良いでしょう。

賃貸併用住宅の場合、入居者と適度な距離感を保てるように動線を分離し、水まわりを隣接する壁側に集約させる、居住エリアは外壁側に寄せるなどして、生活音の問題などを軽減し、双方のプライバシーを守れる間取りを考慮することが大切です。

些細な物音でも騒音と感じる入居者もいるため、階数が違っていても将来的に問題になる可能性があることを想定し、オーナーと入居者の双方がストレスを感じずに生活しやすい環境をつくることが入居率を上げるポイントといえます。
また、部屋だけではなく、外観においても建築予定地周辺の賃貸住宅のデザインを事前に調査し、差別化を図れる魅力的なデザインを採用すると高い入居率が期待できます。

 

2-4.物件の管理や運用はプロに任せる

オーナー自身だけでは管理しきれない業務は、不動産会社や管理会社へ委託することをおすすめします。

賃貸経営に係る業務は契約更新の手続き、賃料の回収、設備機器の法定点検、リフォームなど多岐に渡ります。
そのため、住居用に建設するだけでなく、収益を管理する必要がある賃貸経営では、専門的な知識が不足している場合、長期的な目線で経営プランを設計するのが難しいでしょう。

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3.賃貸併用住宅のよくある失敗パターンとその対策

賃貸併用住宅で成功するポイントを説明してきましたが、失敗する理由を知っておくことも大切です。
賃貸併用住宅のよくある失敗のパターンと特徴、対策方法を紹介していきます。

3-1.入居者との関係づくりが上手くいかなかった

賃貸併用住宅では「オーナーとの距離が近すぎて常に見張られている気がする」という入居者の声があがることも少なくないため、プライバシー保護の観点から考えても賃貸スペースとの距離感が大切です。
入居者だけでなくオーナー側も入居者と度々顔を合わせることで気まずさやストレスを感じるケースもあるため、注意が必要です。

 

建物の設計段階で入居者との生活導線が被らないようにすることが有効な対策となります。

具体的には、出入口を分けることや内階段を採用して共有部分を無くすことなどが挙げられます。
また、水回りの音など騒音がトラブルになる場合もあるため、建築時に縦割りタイプの造りにすることや遮音性の高い建材を採用し防音性を上げる、水回りをなるべく集約させる間取りをつくるなどの対応をすると良いでしょう。

 

3-2.賃貸部分の経営を軽視した

賃貸経営は入居者からの月々の家賃収入で収支が成り立つため、家賃収入から月々のローン返済を賄えなければ経営は赤字になります。空室を加味せず満室の想定でローン返済のスケジュールを立てているとすれば、常に満室の状態を維持しなければなりません。

 

想定していた家賃収入が見込めずにやむを得ず売却することになったが、賃貸併用住宅は一般的な住居や共同住宅とは異なり、買い手が見つからないということも起こるかもしれません。

 

対策としては、空室が出る想定で収支シミュレーションをしておくなどが挙げられます。空室が出る想定で収支計画を立てておくことで、ローン返済が家計を圧迫し、いずれ返済ができず自己破産をするなどのケースは回避することが可能になります。

パートナー企業によって管理力や仲介力には大きな差があるため、パートナーの力を借りることも必要でしょう

また、自己資金があれば空室のリスクが発生した場合でも多少の赤字はカバーできるため、自己資金を用意しておくこともおすすめです。

 

3-3.修繕に必要な費用を積み立てていなかった

賃貸部分も自宅部分も、長く住んでいれば当然修繕が必要になってきます。
定期的に発生するわけではありませんが修繕箇所によっては大きな出費になりますので、場合によっては賃貸併用住宅の経営に大きな影響を及ぼします。

基本的には毎月の家賃収入から修繕積を計画的に積み立てておくことが主な対策になります。ただし賃貸併用住宅の場合、賃貸部分の経営は考えていたものの、自宅部分で修繕が発生することを想定していなかったので苦労したというケースには注意が必要です。
賃貸併用住宅の特徴である賃貸部分と自宅部分の運営において、リスクヘッジの対策が万全か否かを必ず不動産会社などと確認することをおすすめします。

 

3-4.損害保険に加入していなかった

地震や災害、事故などの万が一に備えて火災保険に加入しておくことが大切です。
保険に加入せず大きな被害にあった場合、関わる費用すべてが自己負担になる可能性もあります。台風などの異常気象による土砂災害や水害は、物件の立地によって災害が起こる頻度や内容が異なるため、立地に合った内容の保険に加入することをおすすめします。

保険の選び方は自身の予算と賃貸併用住宅が建っている場所をハザードマップなどで確認し、場合によっては保険会社に相談するのが良いでしょう。

 

4.賃貸併用住宅の成功は対策が重要

賃貸併用住宅は入居者のニーズにあった間取りやプライバシーを守れる環境、大家と入居者の距離感などの工夫が大切であることを説明してきました。
また、自己資金を担保し、ある程度の余裕を持たせておくことが賃貸経営では重要です。

2階建て、3階建てなどの規模に限らず賃貸併用住宅へ建て替えや新築を検討している人は、全国ネットワークで実績と経験があり、優れた仲介力や安心の管理力、賃貸経営のコンサルテーションを提供している専門の不動産会社へ問い合わせすることをおすすめします。

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■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者