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住宅ローンは賃貸併用住宅に使える?ローンの特徴や組むときの流れ

公開日: 2022.10.28

最終更新日: 2023.11.22

公開日:2022.08.03

マイホーム購入と賃貸経営を同時に実現する土地活用法として、賃貸併用住宅があります。賃貸併用住宅とは、1棟の建物に自宅部分と賃貸部分の両方を設ける住宅のことを指します。

入居者から得られる毎月の家賃収入をローン返済に充てられることから、返済負担を軽減することができます。

今回はそんな賃貸併用住宅で利用できるローンについて説明します。
ローンの基礎知識や種類、それぞれの特徴や利用の流れまで紹介しますので、最後までチェックしてください。

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1.賃貸併用住宅で利用できるローンの種類

賃貸併用住宅で利用できるローンの種類は、大きく住宅ローンと不動産投資ローンの2つに分かれます。
それぞれの特徴を解説します。

1-1.住宅ローン

マイホームの購入を主な目的とする住宅ローンは、一定の条件を満たすことで賃貸併用住宅でも利用することができます。

住宅ローンは本来、マンションやアパート経営などの賃貸を目的にした事業用では利用できません。
しかし、賃貸併用住宅はオーナー自身が居住用として利用することから、条件を満たすことで住宅ローンを利用できます。

多くの金融機関が、「住宅全体の面積のうち、居住用のスペースが50%以上を占めていること」を適用条件としています。
金利の低い住宅ローンを利用できるのは賃貸併用住宅の大きなメリットです。
そのため、この要件を満たす割合で設計した場合の計画を一度は検討するのがよいでしょう。

1-2.不動産投資ローン

住宅ローンが適用されない賃貸併用住宅については、不動産投資ローンを活用することとなります(「アパートローン」などとも呼ばれます。)。

不動産投資ローンは、賃貸用のマンションやアパートを購入する際に使う事業用のローンです。
一般的に、住宅ローンより金利が高く、かつ審査が厳しい傾向にあります。

そういった特徴から、賃貸部分の割合を50%以上に高めたい場合に活用を検討しましょう。

2.賃貸併用住宅で利用できる住宅ローンの特徴

他の不動産投資手法と異なり、賃貸併用住宅は金利の低い住宅ローンを利用できることが大きなメリットです。
住宅ローンの特徴をチェックしておきましょう。

2-1.金利が低めに設定されている

住宅ローンは、不動産投資ローンと比較して低い金利が設定される傾向にあります。
不動産投資において、低い金利で資金調達を行うことは重要です。低い金利で借りればその分返済金額は減り、手元に残る資金は多くなります。

住宅ローンは低いもので金利が1%以下に設定されているものもあります。

2-2.長期返済のローンが組みやすい

最長35年までと、長期間の返済期間を設定できるのも住宅ローンの特徴です。

住宅ローンは、あらゆる審査基準を元に融資の可否を決定します。
その基準は金融機関により異なるものの、多くの金融機関は債務者の年収や勤続年数、属性、完済時の年齢、健康状態、自己資金の額などを指標にし、「債務者が完済時まで安定して返済能力を確保し続けることができるか」を見ています。

そういった複数の基準で審査するため、債務者がローンを返済できないほどの額を借りてしまうリスクは低いと言われています。

2-3.住宅ローン控除が受けられる

所得税や住民税にかかる額を住宅ローン控除によって抑えられるのも、住宅ローンの特徴です。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを使って住宅を購入した人に対して、毎年末のローン残高もしくは住宅の取得対価(土地の購入価格や建物の建築費)のうちいずれか少ない方の金額の0.7%を13年間(中古住宅の場合は10年間)に渡り所得税の額から控除する制度です(控除しきれない場合は住民税からも一部控除)。

※なお、本制度は令和4年度(2022年度)の税制改正により、大きな見直しが行われました。従来は毎年末のローン残高もしくは住宅の取得対価のうち、少ない方の1%を10年間に渡り控除される制度でしたが、税制改正により控除率は0.7%に減少、期間が13年(新築のみ)に延長となっています。

ただし、住宅ローン控除の対象となるのは、自己の居住部分に限ります。例えば自宅の50%を賃貸として貸し賃料を得ている場合は、住宅ローン控除の対象となるのは残りの50%です。
※事業として使用する割合が10%以下の場合、全て住居として住宅ローン控除の対象とできます。


昨今は金利1%を切る住宅ローンが多く、変動金利では0.5%を切る場合もあるため、支払った利息より所得税の控除額の方が大きくなるというケースも考えられます。

2-4.融資を受けられる上限額は低め

住宅ローンは居住用であることから、融資を受けられる借入金額の上限は低めに設定されています。

例えば、固定金利型の商品「フラット35」における借入金額は最大8,000万円、一般的な民間銀行では1億円に設定されています。

上限額が低めに設定されている理由は、居住用住宅の取得という用途には十分な額であること、上限額が高すぎると無理な借入を行う場合があるためです。

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3.賃貸併用住宅で利用できる金利の種類

住宅ローンでは、金利のタイプを以下の3種類から選択することができます。

    • 全期間固定金利型:完済まで金利が変わらず一定
    • 変動金利型:市中の変化によって金利が変動
    • 固定期間選択型:一定期間は固定型だが、その後は変動金利となる


それぞれの違いや選び方を順に説明します。

3-1.固定金利型

固定金利型は、返済期間中の金利が変わらないタイプのローンです。

市場の金利が変動するリスクを回避でき、契約時に総返済額が確定するため安心できるというメリットがある一方、変動金利より金利は高く設定されています。

職業や勤務形態等の制限が少ない点で人気の住宅ローン「フラット35」も、固定金利型の商品です。フラット35は独立行政法人である住宅金融支援機構と、民間の金融機関が提携しており、様々な銀行が販売しています。

固定金利(フラット)で最長35年の長期契約を結ぶことができ、保証料が不要、繰上返済手数料も無料などの利点が画一的に設けられているため、住宅ローンを借りるならば一度検討の価値はあるでしょう。

3-2.変動金利型

変動金利型は、返済期間中の適用金利が変動するタイプのローンです。

変動金利は3つのタイプの中で適用金利が最も低いというメリットがある一方、市場の金利が上昇すればそれに応じて金利も上がるため、返済額が想定以上に増える可能性があるというデメリットもあります。

一般的に、見直しは半年に一度行われます。
日本では、景気活性化の為にマイナス金利政策を行っていることから、長く低金利の時代が続いています。

しかし、将来の金利動向を長期間にわたり予想するのは困難であるため、ある程度リスクを許容しつつも支払金額を下げたい人におすすめです。

3-3.固定期間選択型

固定金利型と変動金利型の中間に位置するのが、固定期間選択型です。

固定期間選択型は、当初の一定期間を固定金利、期間終了後を変動金利にするタイプのローンです。
期間は3年・5年・10年・10年超などと選択することができます。

固定金利型よりは金利が低く、当初期間の金利変動リスクを避けることがメリットとして挙げられます。
しかし、変動金利より金利が高く、かつ期間が終了すると変動金利になるというデメリットがあります。


住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2021年4月調査)」によると、住宅ローンを組んだ人が選んだ金利タイプの割合は以下のとおりです。

    • 固定金利型:11.2%
    • 変動金利型:68.1%
    • 固定期間選択型:20.7%


出典:住宅ローン利用者の実態調査
自らのリスク許容度に応じて、最適なプランを選択しましょう。

4.住宅ローンを組むときの流れ

金利タイプの理解が深まったところで、次は家づくりの際の住宅ローンを利用するときの流れについて解説していきましょう。

Step1.利用したい住宅ローンを探す

住宅ローンは都市銀行だけでなく、地方銀行や信用金庫、ネット銀行なども取り扱っています。

インターネットや住宅ローンの相談会などを活用し、複数の金融機関から情報を収集するのがポイントです。
また、不動産会社によっては提携している金融機関を紹介してくれることがあります。

プロのアドバイスを受けながら候補先を選ぶことができるため、比較材料としても話を聞いてみるのもおすすめです。

Step2.金融機関に仮審査を申し込む

住宅ローンが決まれば、借りることができるかの審査を申し込みます。

住宅ローンの審査は、仮審査と本審査の2段階に分かれていることが一般的です。

仮審査では、源泉徴収票や物件の概要が分かる資料を元に、融資利用者の収入や物件、借入金額を把握し、返済計画に無理がないか簡易的な審査を行います。

仮審査は2~3日と比較的短期間で結果が出ます。

Step3.本審査で必要な書類を用意する

仮審査が通れば、次は本審査の申し込みを行います。

金融機関により多少違いはあるものの、本審査の申し込みに必要な書類は以下の通りです。

    • 住宅ローン申込書(本審査用)
    • 団体信用生命保険 申込書兼告知書
    • 住民票の写し(家族全員が記載されており、かつ本籍地・マイナンバーの記載がないもの)
    • 実印・印鑑登録証明書
    • 対象の物件に関する書類(売買契約書の写し、重要事項説明書の写し、見積書や間取り図、土地の公図など)
    • 土地登記事項証明書(発行後3カ月以内のもの)
    • 建物登記事項証明書(発行後3カ月以内のもの)
    • 収入が分かる証明書(源泉徴収票・個人事業主の場合は確定申告の写しなど)

Step4.金融機関に本審査を申し込む

本審査では、Step3でご説明した資料を元に、信用保証機関がより詳しい審査を行います。
その確認項目は多く、勤め先へ電話しての在籍確認や、取引関係人の反社会的勢力の有無、物件の瑕疵確認なども行われます。審査には約1週間程度かかります。

Step5.金融機関と住宅ローン契約を結ぶ

本審査に通ると、金融機関との間で契約を締結します。
締結する契約は金銭を借り受けることに対する金銭消費貸借契約と、担保となる土地・建物に抵当権を設定するための抵当権設定契約です。

契約書類に不備がなければ、契約書で定めた日時に融資が実行され、口座に資金が振り込まれます。この資金は同日に不動産会社やハウスメーカーへの支払いに充てられます。
そのため、融資実行日と支払い日、物件の引渡し日は同日になるのが一般的です。



5.住宅ローンを活用した賃貸併用住宅で家賃収入

今回は賃貸併用住宅で利用できるローンについて説明しました。賃貸併用住宅はオーナーの居住部分があることから、金利の低い住宅ローンを活用することが可能です。
しかし、多くの金融機関が「居住用のスペースが50%以上を占めていること」を融資条件としているため、設計段階からプロに相談し、要件を満たした建築プランにすることが重要です。

大東建託では、賃貸併用住宅も含めて、住まいや土地活用に関するさまざまなご相談に対応して、包括的なサポートを提供しております。

また、税理士などの専門家と連携し、相続税対策としての土地活用方法など、様々な節税対策をご提案することも可能です。

相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者