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不動産運用を考えている人必見! ~建物賃貸事業における収益向上のポイント~

最終更新日: 2022.11.08

最終更新日:2022年3月28日

はじめに

不動産という資産は、何らかの形で賃貸することによって一定の賃料収入が見込めるという大きなメリットがあります。


半面、誰もその土地や建物を借りてくれなければ賃料収入は発生しませんし、賃貸せずに自分で商売を始めても売り上げが立たなければ固定資産税などが出ていく一方、などということになりかねません。


今回は、建物賃貸事業にスポットを当てて、不動産を運用する際の資金投入の考え方や不動産を運用するときに気を付けたいポイントなどについて考えてみます。

資金投入の考え方(レバレッジ効果など)

レバレッジ効果とは

まず、賃貸経営には建物の建築費など多額の資金が必要です。

銀行からの融資を受けるのが一般的ですが、自己資金を多く投入することができれば、借入額が少なくなり金利を含めた総返済額が軽減されます。

そういった見方をすれば自己資金はできるだけ多く投入したほうが良いと考えがちですが、投資効率という側面からみると、借入によって投資効果を高めることができる、という考え方もあります。


例えば、1,000万円の自己資金があった場合

    1. 1.自己資金のみ1,000万円で一棟の建物を建て、年間60万円の家賃収入が見込める賃貸経営を行う
    2. 2.5,000万円を借入れ自己資金を含めた6,000万円で一棟の建物を建て、年間360万円の家賃収入が見込める賃貸経営を行う


この2案について、一年間満室が続いた場合のシミュレーションをしてみます。(諸経費は考慮していません。借り入れ条件は金利2%・35年ローン・元利均等返済とします)

    1. 1.年間家賃60万÷投資金額1,000万円=利回り6%
    2. 2.年間家賃360万円÷投資金額6,000万円=利回り6%


年間家賃360万円?年間ローン返済額199万円=年間手取収支161万円
年間手取収支161万円÷自己資金1,000万円=利回り16.1%

(年間利息は一般財団法人住宅金融普及協会のシミュレーションを使用しました)

つまり、借入を含めた投資金額に対する利回りという点では6%で同じですが、

「入ってくる家賃」の増額分が「出ていくローン返済額」の増額分を上回ることにより、手元から持ち出した投資資金に対する利回りが16%を超えるまで向上します。

これがいわゆる「レバレッジ効果」といわれるもので、借入を利用することで大きな利益をあげることができるということです。


もちろん、自己資金を手厚く投入し、ローンを少なくした方が安心できると思います。
建物賃貸事業には、空室の発生、家賃相場の下落、入居者の入替りによる原状回復費用や中長期修繕費などのランニングコスト、金利上昇などのリスクがあるからです。

収益面でも税制面でも効果的な手段である建物賃貸事業ですが、建てるだけではなく、建てた後の安定運営も踏まえ、投入する資金を検討することを心掛けましょう。

返済比率とは

そして、「投資効率」と「返済リスク」は、いわば二律背反の関係にあります。

リスクを取って大規模な物件の経営を行うと、高額の賃料収入が期待でき、投資効率も大きくなります。

その反面、金利負担が大きく、毎月のローン返済に苦しむ可能性も大きくなります。

この「投資効率」と「返済リスク」のバランスをよく考えて資金計画を立てることが大切です。


そこで、「返済比率」という考え方が重要になります。これは「賃料収入に占めるローン返済額の割合」のことです。

例えば、賃料収入が年間360万円、つまり月30万円で、ローン返済が月々15万円、とすると、返済比率はちょうど50%となります。


「借入金額はそのままでも、月々の返済を多くして、金利を含めた総返済額を減らし、ローンも早めに完済したい」

そういった思いを巡らす方もおられるかもしれません。

そういった方にとっては、借金は早めに返すに越したことはないですし、もちろん借入期間は長いより短い方が総返済額も小さくなります。


しかしながら、現状、ローン金利はまだまだ過去最低水準にあります。今のうちに「低金利・長期固定での借入れ」を行い、事業規模を大きくして手取り額を増やす、という方向性を意識してもよいでしょう。

その際には仲介・管理のノウハウを持ち、運営力に優れた事業者などの専門家と連携していくことが重要です。

立地に適した事業検討の重要性・特殊需要に頼らない

賃貸経営は大きく分けて、居住用賃貸と事業用賃貸に分けられます。

読んで字のごとくで、前者は「居宅として賃貸する」、後者は「オフィスや店舗として賃貸する」ということです。

居宅というものは、たとえそれが賃貸であっても、自分らしさを追求しよう、あるいは快適さを極めようと、家具や家電を取り揃えます。

そうしているうちに近くになじみの店や学校、病院もでき、知らず知らずのうちにその家が「お気に入りの場所」「くつろぎの場所」となります。

一方、オフィスや店舗は、「その場所にどれだけ社員やお客さんを集められるか」という観点から立地を検討します。

人口の都市集中や高齢者人口の増加、クルマ社会からの構造転換、Eコマースの進展等の外部環境の変化、また商売敵(ライバル)の出店状況などによって、商圏としての「流行り廃り(はやりすたり)」は、比較的短いタイミングで起こることも想定されますので、どれだけ長く入居してくれそうか、撤退時のリスクにどのように対応するのかなどを踏まえたテナント選定がとても重要です。

そしてオーナーにとっては、同じスペースで作れる戸数が居住用よりも事業用の方が少なく、また、事業用はアパレルならアパレル、飲食なら飲食と、その事業に合った仕様での店舗設計が必要です。そういった観点では事業用施設の賃貸経営はハイリスク・ハイリターンと言えるかもしれません。

これらを踏まえ、今後この国に起こるさらなる社会構造の変化もある程度意識したうえで、長期間安定した需要を狙って目標を定めることがリスク軽減につながります。


さて、融資を受けて長期にわたる賃貸経営を検討する際に注意すべきは、賃借人を安定して確保し続けることができるかどうかということです。一度入った賃借人に契約を更新し続けてもらう、あるいは、契約が解除となった場合でも次の賃借人がすぐ確保できるような物件を建設できるかどうか、です。

そのために求められるのが「エリアマーケティング」という発想です。

エリアマーケティング」とは、ひとことで言うと、それぞれの地域の情報・属性に基づいたマーケティングの手法です。

全国単位や都道府県単位ではなく、当該地域の特徴、具体的には中心産業、生活様式、土地柄、交通インフラの整備度、人口構造などを考慮してマーケティングを行います。

「駅近の物件だから賃貸アパートを建てよう」と単純に考えるのでなく、「最寄駅は都市圏への通勤が可能な範囲か」「最寄り駅周辺の賃貸住宅の入居率はどれほどか」「年齢・性別ごとの分布はどうなっているか(単身者の割合はどうか)、今後はどうなりそうか」といった情報を収集したうえで投資判断を行う、といったイメージです。


例えば、「近隣の地域に大学、専門学校、あるいは会社の事業所などが存在する、もしくは近々やってくる」という情報を持っているのといないのでは、「最適な用途」が大きく異なってきます。

こういった大きな要因を「特殊需要」といいますが、それに乗るかたちで当該組織の生徒や従業員にフォーカスした物件を建築すると、当座は安定的な賃料収入が期待できる可能性が大きくなります。

ただし、注意点もあります。教育機関にしても事業所にしても、未来永劫そこに存在し続けてくれる保証はありません。特に長期的な人口減少や高齢化が進む地域にあっては、その組織が去った後、似たような属性を持つ組織がやってきてくれる、などという楽観的な見通しを安易に期待すべきではありません。


例えば、廃校になった学校の跡地に高齢者施設が建つ、といった事例もあります。「単一の特殊需要に依存した不動産経営を行うことは、一定期間にわたり安定的なリターンも期待できる反面、それなりのリスクを伴う」ということを頭に入れておいてください。


いずれにせよ、このようなエリアマーケティングを行うにあたっては、賃貸経営の実績が豊富で、さまざまな運営ノウハウを持っているプロフェッショナルの力を借りることが必須です。

事業用賃貸の場合は優良テナントの誘致が重要

事業用賃貸、それも比較的大きな規模で建物を立て、そこに飲食店・アパレル・ドラッグストア等多様なテナントを呼び込むようなビジネス展開を考えてみます。

そのような場合には、1にも2にも「洗練されたCM、低価格・高品質な商品性等によって住民の間で認知度が高く、かつ、社会的評価も高いテナント」に入ってもらい、施設全体のイメージを高めることが戦略として有効です。

そのような優良テナントは、毎日のように折込チラシ等で魅力的な商品案内を流したり、メールで会員に限定的な特売情報を知らせたりと、セールスプロモーション(販促活動)を間断なく展開してくれます。

そしてその優良テナントが安定的な集客に貢献し、間接的に他のテナントにも好影響を及ぼし、建物全体に活気を呼び込む、といった正の相乗効果が期待できます。

ただし、こういったテナントはさまざまな中・大規模商業施設から声がかかる、「引っ張りだこ状態」ですし、独自の商圏分析を行って「このエリア内は2店舗まで」「ロードサイドの施設限定」といったように基準を定めていますので、出店のお願いをしたら簡単に受けてくれる、というわけではありません。

そして、地主さんが単独で優良テナントにアプローチしても、先方がさまざまな情報を提供してくれるとは限りません。優良テナントと緊密な関係性を確立しており、直接交渉できるルートを持っている企業と手を組むことが、賢明な選択です。

まとめ


以上、不動産運用を成功に導くためのポイントを建物賃貸事業にスポットを当てていくつかご紹介してきました。

今回ご紹介した内容はあくまで総論、いわば教科書的な説明で、実際には市中の経済動向(景気、物価、金利など)や当該地域の景況感、天候や季節など、さまざまな要素が絡んできます。

ですが、だからこそ余計に、エリアマーケティングデータなどの根拠に基づく、適切な事業計画や、立ち上がり時の優良入居者の確保が重要です。株式や株式投資信託による資産運用等と異なり、不動産運用は一度始めたら簡単に投資対象物件を入れ替えられるようなものではありません。あらゆる角度から事業計画を練ったうえで、実行に移すことが求められます。

その意味でも、当該地域において十分な実績とノウハウを蓄積・保有している専門家の力を借りることは、極めて重要です。

執筆者プロフィール
高橋泰源  

マイアドバイザーR1961年生まれ。日本経済新聞グループの金融情報サービス会社に長年勤務し、ファイナンシャルプランナー向け情報提供サービス、公開株式の相続税評価額算定サービス等の企画・販売等に従事。真言宗僧侶としての顔を持ち、終活関連の執筆やセミナー講師も頻繁に行っている。「必勝!終活塾」(双葉社)などを出版。

【保有資格】
・CFPR・FP技能士(1級)



監修者プロフィール
株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘

マイアドバイザーR
Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFPR/マイアドバイザーRとして活動している。
NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。


【保有資格】
・CFPR・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)



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