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大家になるには?賃貸経営を始める流れや成功のポイント

公開日: 2025.05.21

最終更新日: 2025.05.22

大家になることは、不労所得を得る手段の一つとして注目されています。
しかし、賃貸経営には物件選びや資金計画、管理方法など多くの要素が関わり、慎重な準備が求められます。
成功するためには、不動産投資の基本を理解し、家賃収入の安定化や空室対策、税金対策を適切に行うことが重要です。

本記事では、大家になるための流れや利回りを意識した経営戦略、注意すべきポイントを解説し、失敗を防ぐための具体的な方法を紹介します。

目次

1. 大家に関する基礎知識

1-1. そもそも大家ってどのような人?

1-2. 大家の仕事内容

1-3. 大家になるメリット

1-4. 賃貸経営のやり方

2. 大家になるためにはどのようなことをすれば良い?

2-1. 賃貸経営に関する知識を集める

2-2. 事業計画を立てる

2-3. 賃貸物件を購入する資金を用意する

3. 大家になるまでの流れ

3-1. 賃貸経営について相談する

3-2. 現地調査を行う

3-3. 賃貸経営の計画を立てる

3-4. ローンを申し込む

3-5. アパート建築を依頼する会社を選ぶ

3-6. 建築工事を開始する

3-7. 入居者を募集する

4. 賃貸経営を成功させるためのポイント

4-1. 入居者が集まる物件を取得する

4-2. 管理業務を管理会社に委託する

4-3. 起こり得るリスクに備える

5. 初心者が大家になるためのステップと成功のコツ

1. 大家に関する基礎知識


大家とはどのような役割を持つのか、具体的な仕事内容や賃貸経営のメリットとは何か、さらに、部屋の貸し方の選択肢についても知ることで、自分に合った経営スタイルを考えることができます。

ここでは、大家に関する基礎知識を解説します。

1-1. そもそも大家ってどのような人?

大家とは、アパートやマンションなどの賃貸住宅を所有または管理し、部屋を借りたい人に貸し出すことで賃料収入を得る人のことを指します。

大家になる方法にはさまざまなパターンがあり、たとえば相続した物件を賃貸するケースや、相続した土地にアパートを建築し貸し出す方法、さらには投資目的で物件を購入し、賃貸経営を始めるケースもあります。

1-2. 大家の仕事内容

・入居者対応の仕事

大家の主な仕事の一つに入居者対応があります。
まず、入居者募集や審査、契約手続き、家賃の徴収といった業務を行いますが、特に、入居者の審査は家賃滞納などのリスクを防ぐために慎重に行う必要があります。

また、大家の仕事は契約時だけでなく、入居後の入居者からの問い合わせやクレーム対応、トラブル解決も含まれます。
設備の不具合や近隣住民とのトラブルなど、日常的な管理業務の一環として迅速に対応することが求められます。

さらに、退去時には立ち会いや原状回復の確認、敷金の精算などの業務も発生し、スムーズな手続きを進めることが大切です。


・家賃の確実な回収

収入源の中心となる家賃を確実に回収することも、大家が行う仕事の一つです。
通常は契約時に定めた期日までに入居者からの振込や自動引き落としによって家賃が支払われますが、万が一滞納が発生した場合には早期に状況を確認し、入居者に連絡を取って支払いを促します。

ただし、電話や書面での督促を行っても家賃滞納が改善されない場合は、入居者とのトラブルに発展することも少なくありません。
そこで、多くの大家が家賃の回収業務を管理会社に委託しています。
トラブル時の対応を含めて任せることで安心して賃貸経営を行うことができます。


・物件に関する仕事

大家の重要な仕事の一つに物件の管理があります。
建物を適切に維持することで、入居者満足度を高め、空室率を低下させることができます。
具体的には、共用部分や空室の清掃、設備や外装の点検・修理を行い、住環境を快適に保つことが求められます。

また、長期的な視点では、定期的なメンテナンスやリフォーム、大規模修繕の計画と実施も必要になります。
これにより、建物の老朽化を防ぎ、資産価値の維持・向上につながります。
特に、外壁や屋根の修繕、耐震補強などは、物件の寿命を延ばすためにも欠かせません。

なお、これらの管理業務も不動産管理会社に委託することが可能です。
自主管理を行う場合、入居者対応や建物の維持管理に多くの手間がかかりますが、管理会社に委託すれば、その負担を大幅に軽減できます。

特に、多くの物件を所有している場合や本業と並行して賃貸経営を行う場合は、管理の専門家に任せることでスムーズな運営が可能です。そのため、大家の仕事のほとんどは、管理会社へ委託するという選択肢も十分に検討する価値があるでしょう。

1-3. 大家になるメリット

大家になる最大のメリットは、入居者からの家賃収入を毎月安定して得られることです。
賃貸経営が軌道に乗れば、安定した収益が見込めるため、長期的な資産形成にもつながります。

また、賃貸物件を所有することは、相続対策の観点からも有効です。
不動産は現金に比べて相続税の評価額が低くなるため、相続時の税負担を抑えられる可能性があります。

さらに、固定資産税や所得税の負担を軽減する仕組みも活用でき、適切な節税対策を講じることで、トータルの税負担を抑えられるのも魅力の一つです。

このように、大家業は単なる家賃収入だけでなく、資産形成や税金対策の面でも大きなメリットを持つ経営スタイルといえます。

1-4. 賃貸経営のやり方

大家として賃貸経営を始める際、大きく2つの方法があります。
「区分所有」「一棟所有」です。

区分所有は、マンションの一室などを購入し、それを賃貸に出す方法です。初期投資が比較的少なく済むため、少額の資金から賃貸経営を始めたい人に向いています。
ただし、共用部分の管理は管理組合に委ねられるため、物件管理に関する権限が限定される点には注意が必要です。

一方、一棟所有は、アパートやマンションを一棟まるごと所有し、複数の部屋を賃貸する方法です。

この方法には中古物件を購入する場合と、物件を新築する場合の2つの選択肢があります。
中古物件の購入は、既存の建物を購入してすぐに賃貸経営を始められるため、初期費用を抑えやすいというメリットがあります。

対して、物件の新築は、更地に建物を新しく設計できるため、建物や設備を自由に設計できます。
よって、市場のニーズに合った物件づくりが可能になります。

2. 大家になるためにはどのようなことをすれば良い?


大家になるには、物件取得前の準備が重要です。
まず、賃貸経営に関する知識を集め、経営の流れやリスクを理解しましょう。

次に、事業計画を立て、資金計画を整理し、資金を用意することで、スムーズな物件取得につながります。

2-1. 賃貸経営に関する知識を集める

大家になるには、賃貸経営の基本を理解することが欠かせません。
単に不動産を所有するだけではなく、適切な管理や運営が求められるため、基礎知識があると状況に応じた判断がしやすくなります。

物件の購入や建築は不動産会社や建築会社と協力して進めますが、家賃相場や不動産市場の動向を把握し、適切な物件を選ぶ力を養うことが重要です。

知識を深める方法として、不動産投資の専門書やセミナーを活用するのも有効です。
さらに、宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士などの資格取得を目指すことで、賃貸経営に必要な知識を体系的に学ぶことができます。

しっかりとした知識を身につけることが、大家としての成功への第一歩となるでしょう。

>>関連記事:アパート・マンション経営に役立つ資格は?必要な知識と資格

2-2. 事業計画を立てる

大家として安定した賃貸経営を行うには、事業計画の作成が欠かせません。

まず、どのような物件を購入するかを決める際に、入居者層を明確にすることが重要です。
単身者向け、ファミリー向け、高齢者向けなど、ターゲットに適した物件選びが求められます。

また、収支シミュレーションを行い、収益性やリスクを把握することも必要です。
購入費用や管理費、税金などの支出と家賃収入のバランスを計算し、空室や金利上昇などのリスクも考慮した資金計画を立てることが成功の鍵となります。

2-3. 賃貸物件を購入する資金を用意する

賃貸経営はローンを活用できるため、全額を自己資金で用意する必要はありません。
ただし、自己資金の多さは融資の審査に影響するため、できる限り準備しておくのが望ましいでしょう。

一般的には物件価格の1~3割程度の自己資金があると、融資が通りやすくなり、金利や返済条件も有利になる可能性があります。

資金計画をしっかり立て、無理のない借入額を設定することが重要です。

3. 大家になるまでの流れ


大家になるには、所有している土地に賃貸物件を建築するのか、物件を購入して賃貸するかの方法がありますが、ここでは、所有している土地に賃貸物件を建てて大家になるまでの基本的な流れを解説します。

安定した賃貸経営を行っていくためには、事前の計画から建築、入居者募集まで、段階的な準備が必要です。

3-1. 賃貸経営について相談する

賃貸物件を建てる前に、不動産会社や建築会社に相談し、土地の活用方法を検討することが重要です。
事前に用意できる自己資金の額や希望する収益をできるだけ明確にしておくと、具体的な提案を受けやすくなります。

また、複数の会社に相談し、提案内容を比較することで、より良い条件での賃貸経営が実現しやすくなります。

>>関連記事:アパート経営を始めたいときはどこに相談する?主な相談先について

3-2. 現地調査を行う

賃貸物件を建てる前に、専門家による現地調査を実施し、建設に適した土地かどうかを確認することが重要です。
地盤の強度や法規制などをチェックし、問題なく工事が進められるかを見極めます。

また、周辺の賃貸市場を調査し、競合物件の状況を把握することも欠かせません。家賃相場や入居者のニーズ、競合物件の数と空室率を分析することで、適切な物件の設計や賃料設定につなげることができます。

また、基本的にアパート経営は数十年単位で継続するため、長期的な観点からの市場調査も求められます。

3-3. 賃貸経営の計画を立てる

現地調査が完了したら、賃貸経営の具体的な計画を立てます。建築費や維持管理費、家賃収入のシミュレーションを行い、長期的な収益性を見極めることが重要です。物件の間取りや設備、管理方法なども検討し、入居者にとって魅力的な物件となるよう計画を進めます。

3-4. ローンを申し込む

計画が固まったら、金融機関にローンを申し込む段階に入ります。
自己資金と融資額のバランスを考慮し、返済負担が適切な範囲に収まるよう資金計画を調整することが大切です。金利や返済期間を比較し、条件の良い融資を選ぶことで、安定した経営につながります。

3-5. アパート建築を依頼する会社を選ぶ

賃貸物件の建築は、信頼できる建築会社やハウスメーカーに依頼することが重要です。
費用や設計プラン、施工実績を比較し、自分の経営方針に合った会社を選びます。事前に見積もりを取得し、総工費や工期などの詳細を確認しておくと安心です。

3-6. 建築工事を開始する

建築会社が決まれば、いよいよ工事がスタートします。
工期の進捗を適宜確認し、予定どおり進んでいるかを把握することが大切です。必要に応じて設計の微調整を行いながら、完成に向けて準備を進めます。

3-7. 入居者を募集する

物件の完成が近づいたら、入居者募集を開始します。
不動産会社と連携し、インターネットへの広告掲載や新聞への折り込み広告などを利用して、内見の対応を行うことで、スムーズな入居につなげます。

適切な家賃設定や効果的な募集方法を選ぶことで、空室リスクを減らし、安定した賃貸経営をスタートできます。

4. 賃貸経営を成功させるためのポイント


賃貸経営を成功させるには、入居者が集まりやすい物件選び、適切な管理体制、リスク対策が欠かせません。
物件の魅力を高める工夫や管理方法の選択が、経営の安定につながります。

ここでは、その重要なポイントを解説します。

4-1. 入居者が集まる物件を取得する

賃貸経営を成功させるためには、入居者が集まりやすい物件を選ぶことが重要です。
物件の立地や設備の良し悪しは入居率に大きく影響し、経営の安定性を左右します。そのため、ターゲット層を明確にし、ニーズに合った物件は、競争力のある家賃設定が可能になり、長期的な安定経営につながります。

例えば、駅地下の物件であれば単身者向け、郊外でも学校や病院が近いエリアはファミリー向け、バリアフリー設計などが可能であればシニア層をターゲット層にするなどの計画を立案する必要があるでしょう。

基本的には立地が良く、周辺に商業施設や交通の利便性が整った物件は、入居者が集まりやすく空室リスクを軽減できます。

4-2. 管理業務を管理会社に委託する

賃貸経営では、入居者対応やトラブル処理に専門的な知識が必要となるため、管理業務を管理会社に委託する選択肢を検討するとよいでしょう。
プロに任せることでスムーズな運営が可能になり、大家自身の負担を大幅に軽減できます。

特に、副業として賃貸経営を行う場合、大家自身が管理業務を行うと、時間や労力がかかってしまい、本業との両立が難しくなることもあります。

管理業務が行き届かないと、入居者の満足度が下がり、空室や退去の原因となるため、安定経営を目指すなら管理会社の活用が有効です。

4-3. 起こり得るリスクに備える

賃貸経営では、空室の発生や家賃滞納、修繕費の負担など、さまざまなリスクが伴います。
こうしたリスクを把握し、適切な対策を講じることが、安定した経営の鍵となります。

例えば、空室対策としては適切な家賃設定や定期的な物件のメンテナンスが重要です。また、家賃滞納に備えて家賃保証会社を利用する方法もあります。修繕費の発生に備え、資金計画をしっかり立てておくことも不可欠です。

リスク対策を怠ると、収益が不安定になり、キャッシュフローの悪化につながるため、事前に備えておくことが大切です。

>>関連記事:アパート経営のデメリットやメリットは?リスク回避への具体的な対策

5. 初心者が大家になるためのステップと成功のコツ


大家になるには、基礎知識を身につけ、適切な準備を行うことが重要です。

賃貸経営には物件選びや資金計画、事業計画の立案など、事前に検討すべきことが多くあります。スムーズに経営を進めるためには、計画的に物件を取得し、管理方法やリスク対策をしっかり考えることが求められます。

また、賃貸経営の成功には、入居者が集まりやすい物件の選定や、管理業務の適切な運営が不可欠です。必要に応じて管理会社を活用し、空室や家賃滞納などのリスクに備えることで、長期的な安定経営につながります。

大家としての第一歩を確実に踏み出すために、正しい知識を持ち、計画的に実行することが成功への鍵となるでしょう。

■監修者プロフィール

ここりんくす株式会社 代表取締役
小泉寿洋

ここりんくす株式会社代表取締役。上場グループに属する賃貸不動産会社で賃貸仲介、賃貸管理部門に14年半ほど従事。その後、不動産仲介・建築工事・終活サポートの会社経営を経て、現在は賃貸経営・賃貸管理・終活に関するコンサルティング、WEBセミナー講師、不動産・FP系ライターなど各方面で活動中。不動産業界歴は約23年。 

 

【保有資格】 

宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、AFP、2級ファイナンシャルプランニング技能士、相続診断士、終活カウンセラー1級、終活ガイド1級、遺品整理士他