知っておきたいマンション経営の方法|基本の流れやメリット・注意点
公開日: 2022.12.12
最終更新日: 2024.06.04
不労所得を得る手法として不動産投資は安定した人気を誇っています。
その中でも賃貸マンションやアパートなどの賃貸住宅は景気に左右されにくく、安定的に家賃収入を得やすい魅力があります。
一棟のうち単身者向けの一部屋だけを購入する「区分マンション投資」であれば、少ない自己資金でも始めることができ、初心者でも始めやすい投資方法といえます。
この記事では、マンションの購入から運営方法、メリットや注意点を徹底解説します。最後までご一読ください。
>>関連記事:マンション経営の種類|それぞれのメリット・デメリットは?
目次
1.マンション経営を始める前にやるべきこと
不動産投資を成功させるためには、事前にしっかり勉強し、物件の選び方、物件取得の際のコツを押さえた上で意思決定する必要があります。
マンション経営を始める前にやるべきことを紹介します。
1-1.マンション経営に関する知識を身に付ける
まずは、マンション経営の基礎知識を身につけましょう。
管理や運用を会社に依頼する場合にも、最終的な判断をするのは自分です。知識を身につけて、正しく判断できる状況を構築する必要があります。
情報収集の方法には、書籍での勉強、不動産投資会社などが開催するセミナーへの参加、専門家のメルマガ登録などがあります。それらを通して、マンション経営の管理方法や運用のやり方を習得しましょう。
マンション経営では、適切な収支計画を練ってリスクを理解することが特に重要です。自己資金の額や収入と支出を書き出した上で、無理のない計画を立てましょう。
マンション経営で得られる利益を増加させるには、税務に関する知識も必要です。不動産は購入時に発生する税金に加え、継続的に発生する税金もあります。税理士などの専門家のサポートを受けることも可能ですが、ある程度の知識は持っておくと良いでしょう。
不動産投資に関する税金については以下の記事で詳しく説明しています。
1-2.専門の会社に相談する
長期的に安定したマンション経営を行うために、不動産投資に強い建築会社や不動産業者に相談できる関係性を構築しましょう。
土地調査力、建物の品質、集客力、管理力などが高い会社と出会うために、複数社を比較すると良いでしょう。紹介された物件は購入価格だけで決めるのではなく、収支のシミュレーションや想定されるリスクに対する具体的な対策など、購入後のことも踏まえて判断することが大切です。
会社選びの際には、収支シミュレーションとアフターフォローも含めて提案してくれ、かつそれを実現できる能力を持ちリスクに対する具体的な方策・仕組みを持っている会社を選びましょう。
1-3.物件の取得
不動産投資の成功の大半は、良い収益物件を取得することが担っています。
中古物件の場合は、周辺環境や、ターゲットとなる入居者像、駅までのアクセスや間取り、デザイン、築年数を確認し、「賃貸として需要のある物件か」を見極めましょう。
中古物件では、現在の入居者の賃料条件を「レントロール」という賃貸借条件を一覧表で確認することができます。周辺物件と比較し、どの程度の賃料の設定ならば今後も安定して収益性を維持できるかを吟味しましょう。
新築の場合は上記に加え、土地周辺の需要にあったプランニングを行うことが重要です。
単身者向けが良いのか、家族向けが良いのかなど、需要に合った間取りやデザインを採用しましょう。
また、建物に高額なお金をかけてしまうと、それを回収するためにより高い賃料条件に設定しなければならなくなってしまいます。
そのため、購入価格を設定する際は、調達できる全ての金額(手元資金とローンの借入金額上限の合計)で決めるのではなく、無理のない賃料でも利回りが取れる額を計算するようにしましょう。
2.【基本の流れ】マンション経営の方法
晴れて物件を取得した後は、いよいよ本格的な経営が始まります。
マンションの管理業務は、不動産管理の専門業者が存在するほど多岐にわたります。具体的にどのようなことをしなければいけないかをチェックしていきましょう。
2-1.入居者を募集する
まずは、不動産仲介会社に仲介を依頼し、入居者募集を行います。
不動産仲介会社は内見の対応や契約関連の手続きなど、入居に関する手続きをオーナーの代わりに行ってくれます。仲介手数料は成功報酬制となっており、成約賃料の1ヶ月分が目安です。
2-2.入居者を審査する
家賃の滞納や不払いなどのリスクを避けるためには、入居者の審査は欠かせません。
入居希望者が現れると、不動産仲介会社から大家に対して、入居希望者の情報が記載された入居申込書が送られます。大家は申込書に記載された勤め先や年収、保証人の有無から支払い能力を確認し、入居の可否を判断します。入居の条件として、家賃保証会社との契約を必須条件とする場合は、その家賃保証会社の審査結果をもとに入居の可否を判断するのもよいでしょう。
2-3.家賃の集金や督促
家賃の集金は、銀行振り込みが一般的です。
自主管理の場合は毎月きちんと家賃が振り込まれているか確認しましょう。
不動産管理会社に委託する場合は、入居者から不動産管理会社に家賃が振り込まれ、管理会社の委託料が差し引かれた後に一括してオーナーの口座へ振り込まれます。この際、管理委託料の相場は賃料収入の5%程度が一般的です。
2-4.物件の修繕やメンテナンス
物件の魅力を維持し、高い家賃を続けるために、こまめな点検・メンテナンスは欠かせません。
掃除や建物の管理は手間がかかるため、不動産管理会社に委託するのがおすすめです。また、設備などは専門業者による定期点検を実施しましょう。故障や老朽化した設備を事前に把握し修繕することで、水漏れや雨漏りなどのトラブルを防ぐことができます。
また、10数年に1度は、屋根、外壁の塗装、屋上防水を中心とした大規模修繕を行います。大規模修繕を怠ると建物の寿命は一気に縮まります。計画的な修繕を必ず行いましょう。
2-5.クレームの対応
入居者や近隣からのクレームがあった場合、オーナーが直接話を聞いて解決しなければならない場合があります。
クレームを大きくしない秘訣は、休日・夜間を問わず、いかに速やかに対応できるかです。クレームの内容を聞き取り、クレームの原因となった人に対して注意を促すなど行いましょう。
不動産管理会社に委託している場合であれば、会社がその多くを対応してくれます。
2-6.入居者の退去
入居者の退去に合わせ、部屋の状況を点検します。
退去にあたり、部屋のクリーニングと修繕を実施します。入居者が行う原状回復の範囲であれば入居者負担で対応し、残りの不具合はオーナー負担で修繕します。
なお、このタイミングでリノベーションを実施することで、設定家賃をさらに高く設定することも可能です。ただし、リフォームにはお金と時間がかかることから、実施する際は費用対効果を考えたうえで行いましょう。
3.マンション経営のメリット
マンションやアパートの賃貸経営は、単なる不労所得以外にも、節税やインフレ対策として効果的です。
ここではポイントをまとめて、マンション経営のメリットを紹介します。
3-1.家賃収入を期待できる
住宅の賃貸は商業やオフィスと比べ需要が安定しているため、安定した収入を得られるメリットがあります。
家賃が半値になるといった暴落の可能性が低く、複数の部屋を所有することで空室のリスクを分散することもできます。安定した不労所得を得られることから、私的年金としての役割を果たすことができるでしょう。
3-2.資産形成ができる
不動産投資は株や仮想通貨と違い、実物資産が残る安心感があります。投資においては、投資した資産を売却するのか所有し続けるのかという出口戦略が重要です。実物資産である不動産はローリスク、ロングリターンの資産形成が期待でき、資産価値も下がりづらいことから、他の投資に比べ老後の資産形成に向いています。
3-3.税金対策になる
マンションを購入することで、相続税の節税効果が発生する場合もあります。
不動産の相続税評価は、土地の場合、路線価方式や倍率方式、建物の場合は 固定資産税評価と同じ計算方法により算出されます。
例えば、 1億円で購入した不動産でも、1億円より低い額で評価される場合があることから、現金などで1億円所持しているより相続税が安くなる可能性があります。税理士などの専門家と相談し、判断するようにしましょう。
3-4.インフレに強い
不動産投資はインフレに強いという特徴があります。
インフレで物価が上がった際、現金をそのまま保有していると価値は落ちてしまいます。
しかし、不動産と言う現物資産に変えておけば、インフレと共に不動産の価値も上がっていくことから、その影響を相殺することが可能です。
4.マンション経営の注意点
メリットの多いマンション経営ですが、初めて不動産投資に取り組まれる方ならば、不安に感じることも多いでしょう。
そこで、失敗を避けるための注意点を説明します。
4-1.高い初期費用とランニングコストがかかる
不動産投資は初期費用だけではなくランニングコストもかかります。
そのため、事業計画をしっかり立て、収支シミュレーションをする必要があります。その際は損益だけでなく、実際の現金の流れであるキャッシュフローも把握するようにしましょう。
マンション経営に関する必要経費は以下の通りです。
<初期費用> ・購入費用(土地・建物の本体価格) ・不動産会社への仲介手数料 ・不動産取得税 ・印紙税(売買契約書に貼り付ける) ・登記費用(登録免許税・司法書士への手数料) ・火災保険・地震保険の保険料 ・消費税 ・ローンに関連する諸費用(団体信用生命保険料・事務手数料・保証料) ・売主からの清算金(引渡し時点以降のその年の固定資産税・都市計画税) |
<ランニングコスト> ・ローン返済の元金・金利 ・固定資産税・都市計画税(都市計画地域の場合) ・不動産所得に対し発生する所得税・住民税 ・保険料 ・修繕費 ・管理委託手数料(不動産管理会社に管理を委託する場合) ・不動産仲介手数料(新たな入居者の客付け時に発生) |
このように、不動産投資にかかる費用は多岐にわたります。
運営実績が豊富で、リスクに対応する仕組みを持った不動産会社に相談できると安心でしょう。
4-2.空室や家賃滞納、災害のリスクがある
投資にリスクは付き物です。
対策可能とはいえ、空室や家賃滞納、災害に関するトラブルが発生することは想定しておきましょう。
まずは空室のリスクです。物件が老朽化するにつれ、空室率は上昇する傾向にあります。
不動産仲介会社と相談し、家賃の改定やリノベーションなどの空室対策を実施しましょう。
サブリースや不動産管理などのサービスを利用すれば、オーナーが自分自身で対応する業務を少なくすることも可能です。
次に家賃滞納のリスクです。家賃滞納を防ぐには、入居時の対策が重要です。入居審査を行い支払い能力を確認しておくことのほか、連帯保証人をつけてもらうこと、または家賃保証会社との契約を条件にしておくことで、家賃滞納が起こった際でも安定した収入を得ることができます。
最後に災害のリスクです。物件購入前に、ハザードマップ等で災害のリスクが高い地域かどうかを確認しておきましょう。またいざという時のために、火災保険・地震保険は必ず加入しましょう。
賃貸経営に関するリスクについては、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:
賃貸経営の
5大リスクをまとめて理解しよう!
5.信頼のできるパートナーをみつけよう
今回は、マンション経営を検討している方に知っておいてもらいたい、基礎知識をお伝えしました。
マンション経営は不況下にも強く、長期的な資産形成にも向いている不労所得としておすすめです。しかし、初心者には理解しづらい様々なコストもあり、家賃滞納などのトラブルもないとはいえません。信頼のできるパートナーを見つけ、相談できる関係性を構築することが成功の必須条件といえるでしょう。
大東建託では不動産投資の相談やサポートを無料で受け付けています。
土地活用や賃貸経営のノウハウに関して不安な点や疑問点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
■監修者プロフィール
宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明
宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。
【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者
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