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【試算】マンションの固定資産税はいくら?計算方法や目安、軽減措置

公開日: 2022.12.08

最終更新日: 2022.12.09

マンションを所有していると固定資産税、都市計画税などさまざまな税金がかかります。

特に固定資産税は物件の条件によっては非常に高額になり、予想以上の負担となる可能性があるため、マンション購入を検討している方は、大体の相場を理解しておくことをおすすめします。

 

一方、固定資産税の計算は複雑なうえ、物件の種類によって特例措置が適用されるケースもあるので、条件や減税額などのポイントを把握することが大切です。

そこで本記事ではマンションの固定資産税の計算方法や目安、軽減措置について詳しく解説します。

 

目次

1. マンションにかかる固定資産税とは

2. マンションにかかる固定資産税の計算方法

2-1.マンションにかかる固定資産税の計算式

2-2.マンションの土地と建物の固定資産税評価額

2-2-1.マンションの土地部分の固定資産税評価額

2-2-2.マンションの建物部分の固定資産税評価額

3. マンションの固定資産税における軽減措置

3-1.土地の軽減措置(住宅用地で認められる特例)

3-2.新築マンションの軽減措置(新築住宅の減額)

3-3.認定長期優良住宅に関する特例措置

4. マンションにかかる固定資産税のシミュレーション

4-1.築5年以内の新築マンション

4-2.築6年以上10年未満の中古マンション

4-3.築10年以上20年未満の中古マンション

4-4.築20年以上の中古マンション

5. 固定資産税の目安を把握しよう

1.マンションにかかる固定資産税とは

固定資産税とは所有する土地や建物などの固定資産に対して課せられる税金のことです。

納税義務者は毎年11日時点で居住している市町村に対して納付します。マンションや一戸建てなどの不動産の場合、新築、中古に関わらず評価額に応じた固定資産税が課せられるので、所有している限り、必ず支払わなければなりません。

 

固定資産の対象が分譲マンションの場合でも、所有する戸数や面積に応じた固定資産税が発生する仕組みになっています。もし固定資産税を滞納してしまった場合、延滞金がかかりますので、納付期限はしっかりと守るようにしてください。

 

また、固定資産税は地方税の一つですが、東京都23区のみ特例で都税となっているので、名称の違いに注意しましょう。

 

2.マンションにかかる固定資産税の計算方法

固定資産税の計算方法を紹介します。

これからマンションを購入したいと考えている方は、納税額の目安を知る参考にしてください。なお、すでにマンションを保有している場合は、毎年4~6月頃に市町村から納税通知書が送られるため、納付書を見れば固定資産税の金額を把握できます。

ただし、計算過程までは記載されていませんので、資産価値を知るためにも以下の計算方法を把握することをおすすめします。

2-1.マンションにかかる固定資産税の計算式

固定資産税は固定資産税評価額に標準税率を掛け合わせて算出します。

基本的な計算式は以下の通りです。

 

<固定資産の計算式>

固定資産税=固定資産税評価額(課税標準額)×標準税率(1.4%)

 

固定資産税評価額とは、課税対象となる資産の価値のことで、総務大臣が定める固定資産評価基準に基づいて各自治体が算出します。

課税標準額とは税額算出の基準になる数値を指しています。

マンションの場合、所有する土地と建物それぞれに固定資産税が課せられるため、両方の固定資産税評価額に対して標準税率を掛け算出します。

したがって、以下のような計算式になります。

 

<マンションにかかる固定資産の計算式>

マンションの固定資産税=

(土地の固定資産税評価額+建物の固定資産税評価額)×標準税率1.4%

 

2-2.マンションの土地と建物の固定資産税評価額

固定資産税評価額は各自治体の評価によって決まるため、正確に算出するには困難ですが、大まかな目安は計算することが可能です。

以下にその方法を紹介します。

 

2-2-1.マンションの土地部分の固定資産税評価額

土地の評価額は地価公示価格の7割を目安に算出され、各自治体によって3年に1回見直されます。

地価公示価格は国土交通省の標準値・基準値検索システムを利用して調べられるため、固定資産がある住所を検索すれば、ある程度の目安は分かるでしょう。

 

「標準値・基準値検索システム」(国土交通省)

2-2-2.マンションの建物部分の固定資産税評価額

建物の評価額は同じ建物を再度建てた場合にかかる「再建築費用」をもとに算出します。

再建築費用は「建物の屋根・基礎などの部分別評価の点数の合計」と「築年数などの経年劣化によって減少する価値(減点補正率)」の2つの項目から計算され、土地同様に3年に1回見直されます。

建物の構造(耐火構造、準耐火構造)や耐用年数なども加味されるので、正確な計算は困難ですが、東京法務局が公表している建物の経年減価補正率表の数値をもとにすれば一般的な目安は算出できます。

なお、新築マンションの場合は、請負工事金額と同程度と考えておけば大体の金額が把握できるでしょう。

3.マンションの固定資産税における軽減措置

マンションの固定資産税には、さまざまな軽減措置があります。

以下に代表的な軽減措置を3つ解説します。

3-1.土地の軽減措置(住宅用地で認められる特例)

土地の上にマンションのような住宅が建っている場合、土地部分の固定資産税評価額が軽減できる特例です。

軽減される割合は土地の面積によって異なります。

 

【200㎡以下の住宅用地】

「小規模住宅用地の特例」が適用され、固定資産税評価額が6分の1になります。

 

【200㎡を超える住宅用地】

「一般住宅用地の特例」が適用され、固定資産税評価額が3分の1になります。

 

例えば300㎡の住宅用地の場合、200㎡分は小規模住宅用地の特例が、残り100㎡分は一般住宅用地の特例が適用されます。

 

3-2.新築マンションの軽減措置(新築住宅の減額)

新築住宅であり、床面積などが一定の条件を満していれば、税額の軽減が可能です。

具体的には1戸あたり床面積120㎡を限度に、築5年まで固定資産税が2分の1になります。

本制度を適用するには、新築であることのほかに、以下の2つの要件を満たす必要があります。

 

・床面積の1/2以上が住居用であること

・居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であること

※ただし、一戸建て以外の貸家住宅は、一戸につき40㎡以上、280㎡以下であること。

※区分所有の住宅は「専有部分の床面積+持分で按分した共用部分の床面積」で床面積要 件を判定します。

 

【参考】「新築住宅に係る税額の減税措置」(国土交通省)

3-3.認定長期優良住宅に関する特例措置

長期優良住宅とは、耐震性や耐久性、省エネルギー性能、バリアフリーの性能などが一定の基準を満たす高性能な住宅を指します。

長期優良住宅に認定されると、固定資産税額が2分の1に減額できる軽減措置の適応期間を「5年間」から「7年間」に伸ばせます。

特例措置を受けるための主な要件は2つです。

 

・床面積が50㎡以上280㎡以下であること

・認定長期優良住宅の認定通知書を取得していること

 

【参考】「認定長期優良住宅に関する特例措置」(国土交通省)

4.マンションにかかる固定資産税のシミュレーション

では、実際にマンションの固定資産税をシミュレーションしてみましょう。

同じ条件でも建物の築年数などによって適用できる控除などに違いが生じるため、4つのパターンを解説します。

一度、自分の所有するマンションでも、計算してみることをおすすめします。

 

<シミュレーションするマンション1棟の前提条件>

*占有面積100㎡

*土地の固定資産税評価額4,000万円

*建物の固定資産税評価額8,000万円(新築時)

 

 

4-1.築5年以内の新築マンション

5年以内の新築マンションの場合、土地、建物それぞれに減額措置が適用できます。

計算式は以下の通りです。

 

【軽減措置】

*土地:占有面積が120㎡以下のため、固定資産税額は1/6に軽減

*建物:建築から5年以内のため、固定資産税は1/2に減額

 

【計算式】

*土地:4,000万円×1.4%×1/6=9,3000

*建物:8,000万円×1.4%×1/2=560,000

*合計:653,000

※端数処理(100円未満切捨て)をした金額を算出しております(以下同様)

 

4-2.築6年以上10年未満の中古マンション

6年以上の中古マンションの場合、建物の軽減措置は適用されず、土地のみになります。

また、建物の固定資産評価額は経年に応じて低下します。築6年~10年の場合、大体78割程度が目安となります。

本事例では8割程度として計算します。

 

【軽減措置】

*土地:占有面積が200㎡以下のため固定資産税額は1/6に軽減

*建物:軽減なし

 

【計算式】

*土地:4000万円×1.4%×1/6=93,000

*建物:8000万円×0.8×1.4%=896,000

*合計:989,000

 

4-3.築10年以上20年未満の中古マンション

10年以上の中古マンションの場合、前の事例と同様、建物の軽減措置は適用されず、土地のみになります。

また、建物の評価額は大体57割程度が目安となります。

本事例では6割程度として計算します。

 

【軽減措置】

*土地:占有面積が200㎡以下のため固定資産税額は1/6に軽減

*建物:軽減なし

 

【計算式】

*土地:4000万円×1.4%×1/6=93,000

*建物:8000万円×0.6×1.4%=672,000

*合計:765,000

 

 

4-4.築20年以上の中古マンション

20年以上の中古マンションも、建物の軽減措置は適用されず、土地のみになります。

また、建物の評価額は大体5割以下になり、45年を超えると2割程度にまで落ちます。

本事例では4割程度として計算します。

 

【軽減措置】

*土地:占有面積が200㎡以下のため固定資産税額は1/6に軽減

*建物:軽減なし

 

【計算式】

*土地:4000万円×1.4%×1/6=93,000

*建物:8000万円×0.4×1.4%=448,000

*合計:541,000

 

4つの計算事例を比較すれば 、築年数ごとの固定資産税のおおまかな違いが理解できるでしょう。

5年未満の新しいマンションは評価額が高い一方、固定資産税を1/2に減額できるメリットがあるので、結果的に税金を大きく削減できます。


一方、築年数5年以上のマンションは評価額が下がるので固定資産税の合計は少なくなりますが、建物の減税措置を適用できないのがデメリットです。

また、敷地面積が200㎡以下の住宅用地の場合、土地の資産税は1/6になりますが、これは年数に関わらず適用できるため、大きなメリットといえます。

 

マンションを購入する場合は、不動産会社などに税金の目安を確認することをおすすめします。

5.固定資産税の目安を把握しよう

マンションを所有していれば、固定資産税は毎年納税する必要があり、その額は決して小さくありません。
正確な算出は困難ですが、地価公示や新築時の建築費から大体の目安は算出できるので、計算方法を把握することをおすすめします。

 

また、3年に1回評価替えが行われ、築年数により減税の有無が変わりますので、予想外の出費にならないよう注意しましょう。さらに市街化区域内の物件では固定資産税以外にも、毎年かかる税金として都市計画税があるほか、管理費や修繕積立金の支払いも考慮しておく必要があります。

 

大東建託では土地活用や不動産投資の資金計画のアドバイス、節税のコツなどのご相談を無料で受け付けています。マンションを購入する際の注意点などを知りたい方は、お気軽にご相談ください。

 

■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者