1. TOP
  2. 土地活用ナビ
  3. 土地活用
  4. アパート建築費をローコストに抑えるには?主な手法と注意する点

土地活用に役立つ情報が満載!土地活用ナビ

アパート建築費をローコストに抑えるには?主な手法と注意する点

公開日: 2024.05.28

最終更新日: 2024.05.29

アパート経営において、建築費は大きな課題の一つです。規模や構造にもよりますが、アパート建築には一般的に多額のコストがかかります。初期費用をなるべく早く回収するには、得られる収入を増やすのと同様にはじめのコストを極力減らすことも大切です。仮に立地条件が良く、高い入居率を維持できても、初期費用が多くかかれば回収に長い時間がかかってしまうでしょう。

 

しかし、いくつかのポイントを押さえれば、アパートの建築コストを抑えながら、収益性の高い経営を実現できる可能性があります。そこで本記事では、アパート建築のコストを抑えつつ品質を担保する主な手法と注意点について解説します。

目次

1. ローコストでアパートを建築する8つの方法

1-1.設計施工一貫方式を採用する

1-2.間取りを複雑にしない

1-3.外観をシンプルなデザインにする

1-4.共用部分にこだわりすぎない

1-5.部屋の設備はグレードを抑える

1-6.適切な部屋数を検討する

1-7.規格化された商品を活用する

1-8.木造建築にする

2. アパート建築をローコストに抑える際に注意したいこと

2-1.必要な設備まで削りすぎない

2-2.経営全体にかかるコストにも気を配る

3. アパートの建築時に利用できる補助金制度

3-1.地域型住宅グリーン化事業に関連する補助金制度

3-2.LCCM住宅整備推進事業

3-3.子育て支援型共同住宅推進事業

4. ローコストなアパート経営を目指すなら将来のシミュレーションがより大切!



1.ローコストでアパートを建築する8つの方法


アパートの建築コストを抑える方法は複数あるので、それぞれの特徴をつかんでおくようにしましょう。

たとえばアパート建築の見積もりを取得する際に、複数の施工会社から相見積もりを取るのはよく勧められる方法ですが、そのほかにも多くの手段があります。


ここではアパートの建築コストを抑える方法を8つ紹介します。

 

1-1.設計施工一貫方式を採用する

設計施工一貫方式とは、設計から施工までを同じ業者が担当する方式のことです。

複数社に依頼する設計施工分離方式より、工期の短縮が期待できるので、その分建築費用が少なく済むことが多いです。

また、短期間でアパートを建築したい場合にもおすすめです。
コミュニケーションの効率化を図りやすく、設計と施工の連携がスムーズに行える点もメリットといえます。

また、設計変更や追加工事などのトラブル発生リスクが少ないので、発注者側も安心して依頼できるでしょう。

1-2.間取りを複雑にしない

間取りを複雑にせずシンプルにすることも、コストを抑える方法の一つです。

間取りをシンプルにすると、間仕切りの壁やドア、引き戸などの数が少なくなり、建築材料を減らしやすいので、複雑な構造に比べて工事の手間を省けるでしょう。

アパート建築にかかる工期が短くなれば、その分、人件費などの費用が少なくなるので、コストを抑えやすくなります。

1-3.外観をシンプルなデザインにする

個性的な装飾や特殊な建材は、設計費用や材料費が高くなりやすい傾向があります。

たとえば海外製や特注の外壁タイル、玄関ドアなどは、魅力的ではありますが、輸送費や制作費がかかるため、価格は高額になるでしょう。

また、凝ったデザインは、入居者の好みが分かれる可能性もあります。

もちろん、デザイン性の高さをアピールポイントにして入居者を集めるのも、アパート経営の一つの戦略ですが、建築コストを抑えて経営を始めたい場合はあまり推奨できない方法です。

1-4.共用部分にこだわりすぎない

豪華な内装や高度な設備は、建築および維持管理コストを押し上げるため、共用部分にこだわりを持ちすぎないことも重要なポイントです。

コストを抑えるためには、効率的な動線や安全性の確保を優先し、過度な装飾や設備は控えることを意識しましょう。

1-5.部屋の設備はグレードを抑える

高級な設備や最新の機能をいくつも採用するとコストが高くなります。

アパートに設置する設備の例としては、キッチン、トイレ、ユニットバス、インターフォンなどがありますが、コストを抑えて建築するためには、あまりハイグレードのものは導入しないほうが良いでしょう。

ただし、想定する入居者によって設備に求めるニーズも異なるので、選び方のポイントをつかみ、適切なものを設置することが大切です。

1-6.適切な部屋数を検討する

賃貸アパートの部屋数を減らすと、建築費は抑えられる傾向にあります。

部屋数を少なくすれば、内装や設備などで使用する材料費や施工費を削減できるためです。

ただし、部屋数の多い少ないは空室リスクと関わっているので、慎重に検討しなければなりません。

部屋数が少ない建築プランを採用すると、1つの部屋が空室になったときの影響は大きくなります。

一方、部屋数を増やせば、満室になったときの家賃収入はより多くなるうえ、空室リスクも分散されやすいメリットがあります。

地域の需要や競合状況を踏まえ、適切な部屋数を見極めるようにしましょう。

なお、アパートの部屋数に関しては以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

>>関連記事:アパートの部屋数を多くしたときと少なくしたときのメリットは?

1-7.規格化された商品を活用する

あらかじめ決められた仕様やサイズの商品を活用すれば、オーダー品よりコストをダウンできることが多いです。

規格化された商品は、品質や機能が保証されたものが多く、規格品の使用は施工の標準化を促進しやすいメリットがあります。

品質の均一化を実現するとともに、工期の短縮も期待できるので、コスト削減につながるでしょう。

1-8.木造建築にする

木造建築は同じ規模の鉄骨やコンクリート構造に比べて建材コストが低く、工期も短い傾向があります。

鉄骨造(S造)や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)などと比較すると、耐久性・耐震性が劣るイメージがありますが、近年は技術の進化により、高いコストをかけなくても強度の高い高品質な建物を建てられるようになりました。

また、耐火性能も向上しており、不燃性の木材やツーバイフォー工法などを用いれば、より強度を上げられます。

2~3階以上のマンションを検討していても、コスト面に不安があり建築を進められない方は、高性能な木造アパートに変えることを選択肢に入れても良いでしょう。

なお、木造アパートの経営については、以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

>>関連記事:木造アパートを経営したい人向け|かかる費用や開始までの流れは?

2.アパート建築をローコストに抑える際に注意したいこと


アパートの建築コストを抑える方法を解説してきましたが、注意すべき点もあります。

コストカットを意識するあまり、アパート経営で高収入を得られなくなれば、結果的に損をしてしまうからです。

今回は主な注意点を2つ紹介します。

2-1.必要な設備まで削りすぎない

建築コストを下げることが最優先事項にならないよう気をつけることが重要です。

コストを切り詰めた結果、入居者が入らない物件になれば、本末転倒になりかねません。

空室が増えれば家賃収入に影響するため、結果的に収支が厳しくなってしまう可能性もあります。

快適性や安全性に関わる設備の削減は慎重に検討しましょう。

2-2.経営全体にかかるコストにも気を配る

アパート経営にかかるコストは建築費以外にもあります。

管理費、修繕費などの維持管理費、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、相続税などの税金関係が代表例ですが、その他にも多くの経費や諸費用がかかります。

アパートを建築するときは、上記のように経営していく中で発生するコストがいくらくらいかかるかを把握し、しっかりと収益シミュレーションを立てることが重要です。

たとえば耐久性を無視した安価な部材や設備を選んだ結果、頻繁に修繕をすることになったなど、建築費を抑えたために、かえって維持コストがかさんでしまうケースもあるので注意しましょう。

 

>>関連記事:アパート経営でよくある失敗パターン10個と対策案、失敗しやすい人

3.アパートの建築時に利用できる補助金制度


アパート建築のコストを抑えるには、補助金の活用も有効な手段になります。

以下に利用可能な補助金を3つ紹介します。

 

3-1.地域型住宅グリーン化事業に関連する補助金制度

新築の木造住宅に適用される制度です。

対象となるのは、長期優良住宅およびゼロ・エネルギー住宅(認定低炭素住宅含む)の認定を受けた住宅であり、70~140万円の補助金が受けられます。

長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置講じられた優良な住宅のことで、所管行政庁に申請し、承認が下りれば認定を受けられます。

ゼロ・エネルギー住宅とは、高性能な断熱材や高効率な設備を用いることで住宅の消費エネルギーを大幅に削減し、太陽光発電などの再生可能エネルギーで必要なエネルギーを創り出すことで、年間のエネルギー収支をゼロにする住宅のことです。

なお、補助金を受け取るには国土交通省の認可を受けた大手ハウスメーカーや工務店、その傘下の建築会社などに建築の依頼をする必要があります。

3-2.LCCM住宅整備推進事業

住宅の脱炭素化を推進するために、先導的な脱炭素化住宅であるLCCM住宅の整備に対して補助を行う事業です。

LCCM住宅とは、建設時、運用時、廃棄時におけるCO2排出量を可能な限り削減し、太陽光発電などの再生可能エネルギーで創出したエネルギーで相殺することで、ライフサイクル全体でCO2排出量をマイナスにする住宅のことです。

補助対象費用・補助率は二分の一、補助限度額は1戸につき140万円となっています。

補助の対象となる住宅の条件は、合計9項目ありますが、主な項目を3つ以下に紹介します。

 

・強化外皮基準(ZEH水準の断熱性能)を満たすもの
・再生可能エネルギーを除き、一次エネルギー消費量が現行の省エネ基準値から25%削減されているもの
・ライフサイクルCO2の評価結果が0以下となるもの

 

その他の条件、制度の詳細については「LCCM住宅整備推進事業実施支援室」より確認するようにしましょう。

3-3.子育て支援型共同住宅推進事業

国土交通省が実施する、子育て世帯が安心して暮らせる共同住宅(賃貸住宅および分譲マンション)の整備を支援する補助制度です。

「子どもの安全確保に資する設備の設置」「居住者等による交流を促す施設の設置」に対し、補助金が支給されます。

前者は補助対象事業費のうち新築1/10、改修1/3(上限100/戸)、後者は新築1/10、改修1/3(上限500万)であり、それぞれ基準が異なることに注意しましょう。

具体的な改修工事の事例や手続きなどは、子育て支援型共同住宅サポートセンターの「子育て支援型共同住宅推進事業」より確認するようにしましょう。

 

 

ここまで何も無い土地にアパートを建てる際の話をしてきましたが、場合によっては相続などで引き継いだ古い物件を解体し、同じ土地に新しいアパートを建てるケースもあるでしょう。そういったケースの際、物件の解体にあたって利用できる助成金があります。

例えば、老朽危険家屋解体撤去補助金、不燃化特区の物件解体の補助金などです。これらは実施している自治体が公開しているサイトに詳しい説明が掲載されています。ぜひチェックしてみてください。

 



メルマガ訴求.png



4.ローコストなアパート経営を目指すなら将来のシミュレーションがより大切!


アパートの建築コストを抑える方法は多数ありますが、その方法を用いた場合のメリットとデメリットをよく把握することが大切です。

初期費用は抑えられても、アパート経営を開始した後、思うように入居者が集まらなかったり、維持管理費が予算を超過したりすることがないように、バランスの良い建築プランを取り入れるようにしましょう。

 

また、不動産投資を安定させるためには、多角的な目線で具体的な比較検討が重要です。

実績豊富な不動産会社など信頼できる相談先を見つけ、念入りなシミュレーションと情報収集を行うことが成功のコツといえるでしょう。

また大東建託なら、土地活用から長期にわたる賃貸経営のサポートまで気軽に相談可能です。

 

賃貸経営の経験豊富な専門家が基礎知識から丁寧に対応しますので、初心者の方も安心して利用できます。
なお、不動産オーナー様向けのサービスである「賃貸経営受託システム」では、賃貸事業の企画・立案から建物の設計・施工、入居者様斡旋、管理・運営、事業リスクへの対応まですべて対応可能です。

アパート経営を一括してご依頼したい方はぜひ一度ご相談ください。

 

>>大東建託の土地活用

>>ご相談・お問い合わせはこちら

■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者