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木造アパートを経営したい人向け|かかる費用や開始までの流れは?

公開日: 2023.11.21

最終更新日: 2024.11.13

不動産投資の方法の一つに木造アパート経営があります。

木造の場合、鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)より、建築費や修繕・メンテナンス費を軽減できるメリットがあるので、リスクやコストを抑えてアパート経営をしたい方におすすめです。

 

本記事では木造アパート経営に関する基礎知識や注意点を徹底解説します。

木造アパートを経営したいと考えている方は、どのような費用がかかるのか、どのような手順で開始できるのか、この記事を読んでしっかりと把握しておきましょう。

目次

1. 木造アパートの経営をおすすめしたい人

1-1.投資の経験があまり多くない人

1-2.税務上有利に経営を進めたい人

1-3.高層の建物が建てられない土地を所有している人

1-4.賃貸住宅の経営に興味があるが構造までは決めていない人

2. 木造アパートで誤解されがちなこと

2-1.防音性に関する誤解

2-2.耐震性に関する誤解

2-3.耐火性に関する誤解

2-4.建築の制約に関する誤解

3. アパートの経営にかかる主な費用の例

3-1.アパート建築にかかる費用

3-2.アパートに付随する設備にかかる費用

3-3.アパートを建てる前の調査にかかる費用

3-4.各種手続きの依頼料や手数料

3-5.広告宣伝費

3-6.アパートの維持にかかる費用

3-7.各種税金

4. 木造アパートの建築費を抑えるポイント

4-1.設計施工一括方式を選ぶ

4-2.相見積もりを取る

4-3.外観をシンプルなデザインにする

4-4.間取りを複雑にしない

4-5.適切な部屋数を検討する各種税金

4-6.共用部分にこだわりすぎない

4-7.部屋の設備はグレードを抑える

4-8.規格化された商品を活用する

5. アパートの経営を始めるまでの大まかな流れ

Step1.アパート建築の相談

Step2.土地の診断・需要調査

Step3.アパート経営計画の立案

Step4.アパート建築計画の作成

Step5.融資の申し込み

Step6.工事の実施・入居者の募集

Step7.物件の完成・アフターサポート

6. 木造アパート経営に興味があるなら専門家に相談しよう

1.木造アパートの経営をおすすめしたい人

はじめに木造アパートの経営をおすすめしたい人の特徴を3つ紹介します。

1-1.投資の経験があまり多くない人

万が一、投資がうまくいかなかったときに備え、コストとリスクを下げたいと考えるなら、木造アパート経営は適切な方法といえます。          

木材は比較的コストが低い建材で、同じような規模感のアパートを建てる場合、鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)で建てるよりかかるコストが低くなり、初期費用の額を抑えられるメリットがあるためです。

また、建物の種類はアパートのような集合住宅がおすすめです。

集合住宅は複数の人が入居するため、部屋に空きが生じても別の入居者から家賃収入が得られ、入居者の引っ越しなどにより物件に空室が生じたとき、収入がゼロになるリスクを軽減できるためです。

1-2.税務上有利に経営を進めたい人

木造建築のほうが減価償却する年数が短いため、毎年の償却額が多くなり、税務上有利になります。

減価償却期間を活用した損益通算を用いれば、所得税の圧縮が図れるためです。

 

減価償却とは固定資産の取得費用を法定耐用年数に応じて配分して、その年に相当する分の金額を経費計上することです。

この減価償却の計上により発生した帳簿上のマイナス分を、オーナー自身の所得から差し引く損益通算を行うことで税額の圧縮が図れます。

 

法定耐用年数は建物の構造別に決まっています。

木造住宅の法定耐用年数は22年であり、鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の47年と比較すると、半分以下の年数です。したがってより減価償却の期間が短く、早期の資金回収が期待できます。

また、鉄骨造(S造)の法定耐用年数は19年~34年となっており、軽量鉄骨造の場合、木造よりも耐用年数が短いケースもありますが、重量鉄骨造の場合はやはり木造より10年以上長くなります。

なお、法定耐用年数は国税庁が基準を公開しています。

 

参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

 

1-3.高層の建物が建てられない土地を所有している人

都市計画法の規定により、高層の建物が立てられない土地を所有している人も木造アパート経営がおすすめです。

高層の建物が立てられない土地とは、具体的には都市計画法で第一種・第二種低層住居専用地域に定められている土地が該当します。

また、木造はコストパフォーマンスに優れるので、アパートのような3階建て以下の低層・中層住宅と相性が良い傾向があります。

低層住宅でも戸建ての場合、法律で定められた高さや面積を十分に活かしきれない可能性がありますが、アパートであれば最大限に活かした経営が可能になるでしょう。

1-4.賃貸住宅の経営に興味があるが構造までは決めていない人

賃貸住宅の経営に興味を持っていますが、建物の構造までは決めていない人は、木造から始めると良いでしょう。

建築にかかるコストの観点で木造は優れており、失敗したときのリスクが比較的低いためです。

鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の場合は、初期費用が高額なだけでなく、修繕・メンテナンス費などのランニングコストの負担も大きくなります。

2.木造アパートで誤解されがちなこと

木造アパートと聞くと安価で建てられる一方、建物として耐久性や耐震性などの機能が低いイメージを抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか

しかし、多くの誤解があるのも事実です。

以下に木造アパートで誤解されがちなことを4つ紹介します。

2-1.防音性に関する誤解

木造アパートは話し声や足音などの生活音が響きやすく、隣の部屋や上下の部屋に音が伝わり、住人同士の騒音トラブルに発展するケースが多いイメージを持つ人もいます。

しかし「木造=音が響く」は必ずしも当てはまりません。

住宅における音の響きやすさは、使われている防音素材によって決まるため、木造アパートも工夫次第で部屋の防音性は高められます

たとえば「壁や床に防音材を施工する」「サッシやドアに遮音性能の高いものを採用する」など防音対策・騒音対策の方法は多くあるので、施工段階でよく検討すると良いでしょう。

また、室内の床に防音マットやカーペットを敷くことで、上階の足音や物音が下階に伝わりにくくなるので、騒音問題が起きるリスクを軽減できます。

このように入居者自身の工夫によって遮音性を向上させ、騒音の発生や音漏れを防止することも可能です。

2-2.耐震性に関する誤解

木造は地震に弱いイメージを持たれがちですが、「木造住宅=倒壊しやすい」は当てはまりません。

使用する建材に関係なく、建物は建築基準法で耐震基準が定められており、一定の耐震性は担保されるためです。

耐震基準は、住宅に大きな被害が出た阪神・淡路大震災がきっかけで2000年に改正され、現行の基準で建てられた建物は震度6強~7程度の地震で倒壊のおそれが生じないようになっています。

さらに耐震や防振の効果を発揮する設備の追加でより地震リスクに備えられます。

特にモノコック構造で建てられた木造住宅は耐震性に優れるので、耐震性を重視する不動産オーナーの方におすすめです。

モノコック構造とは、床、壁、天井を、構造用合板や木質パネルで一体化させた構造で、一般的な木造住宅の工法である「在来工法」より、耐震性や耐火性、断熱性、遮音性などあらゆる面で総合的に優れています。

なお、在来工法と並んで有名な「2×4(ツーバイフォー)工法」は、モノコック構造の一種です。

 

【出典】木造住宅の耐震性について(林野庁)

2-3.耐火性に関する誤解

木が燃えやすいことから、木造物件は火災に弱いイメージを抱かれがちです。

しかし実際は、木造は鉄骨造と比べて焼け落ちにくい特性を持つので、火災に弱いわけではありません。

木は熱伝導率が低く、太い木材を使った住宅は炭化するまでに時間がかかるためです。

2-4.建築の制約に関する誤解

木造アパートに対して「古臭い」「昔ながら」といったイメージを持つ人もいますが、柔軟な設計が可能であり、モダンスタイルでスタイリッシュな見た目の物件も建てられます。

最近では建築技術の発展に伴い、デザイン性が高く、快適な住まいを提供可能な木造物件も建てられるようになりました。

また、2022年には日本で初めて11階建ての木造ビルが建築されたほか、CLTと呼ばれる強度の高い大型の木材が用いた大型物件も建てられています。

CLT(Cross Laminated Timber)とは、木材を交互に積層して作った大型の木材で、厚みもあるため、耐震性や耐火性、遮音性に優れています。

以下のページではCLTの詳しい説明や、大東建託が独自に開発した金物を組み合わせたオリジナルCLT工法を紹介しています。

>>関連ページ:大東建託のCLT工法

 

なお、木造アパートには低コストである点など、複数のメリットも存在しますが、詳しい内容は以下の記事で解説していますので、ぜひご参照ください。

>>関連記事:木造アパートのメリットは?知っておきたい防音性と耐震性のこと

3.アパートの経営にかかる主な費用の例

木造アパートの誤解が解けたところで、アパート建築にかかる費用を見ていきましょう。主な費用は本体工事費のほか、付帯工事費、諸費用があります。主な費用の例を以下にまとめます。 

3-1.アパート建築にかかる費用

まずは、解体費や外構工事などを含まない、建物の本体工事を見てみましょう。

本体工事費用の概算は、「坪単価×延床面積(坪数)」という計算方法で算出できます。

 

今回は、国土交通省から発表されている建築着工統計調査の数字を使って概算の費用を出してみます。

調査の第34表「着工新築住宅利用関係別、構造別、建て方別(住宅の工事費)」によると、令和4年度における木造・貸家・共同住宅の工事費予定額は全国平均で「約18万円/1㎡」です。これを坪単価にすると「約60万円/1坪」です。

 

【補足】

建築着工統計調査は公的機関から発表されている数値ですが、収集しているデータに決まった形式はなく、収集先によって含まれている費用と含まれていない費用があります。

この数値はあくまで参考程度になりますので、詳細な費用を知りたい人やより詳しくシミュレーションしたい人は、
建築会社や不動産会社に相談することをおすすめします。

【参考】建築着工統計調査_住宅着工統計

木造アパートの坪単価60万円として、延床面積30坪と60坪の木造アパートを建てた場合、ど
の程度の費用になるか計算してみましょう。

 

延床面積

30坪(約100㎡)

延床面積

60坪(約200㎡)

2階建ての木造アパート

建築費の目安

1,800万円

3,600万円



3-2.アパートに付随する設備にかかる費用

駐車場など建物に付帯する設備にかかる建物付帯工事費のことです。

たとえばフェンスや植栽など、建物の周りにかかる外構工事費などが該当します。

付帯工事費は建物本体の10%~20%が相場とされています。

例に挙げた木造アパートの場合は以下の費用となります。

 

 

延床面積

30坪(約100㎡)

延床面積

60坪(約200㎡)

2階建ての木造アパート

建築費の目安

10%:約180万円

20%:約360万円

10%:約360万円

20%:約720万円

 

なお、これらの費用は調査データを用いて算出したあくまで参考値です。
工事費高騰などの経済や国際の情勢、敷地の制限によって費用は変化することをご注意ください。

3-3.アパートを建てる前の調査にかかる費用

土地の調査や測量を行うための費用のことです。

アパートの建築予定地の近くに家屋があるときは家屋調査をすることがありますが、
この際にかかる費用が該当します。

家屋調査は主に近隣住民とのトラブル回避のために行われます。

新築工事を始めると、工事音や振動音によって周辺住民からクレームが発生する可能性があるので、
周辺どの程度住宅があり、どのくらいの住民が住んでいるのか、よく把握する必要があります。

また、そのエリアに賃貸需要があるかどうかの確認も大切です。

木造アパートの場合、単身世帯に人気が高い傾向があるので、周辺に単身の会社員や学生などがどの程度住んでいるか
、調査したうえで判断することをおすすめします。

3-4.各種手続きの依頼料や手数料

アパート経営を始める際の各種手続きを進めるために、さまざまな依頼料や手数料がかかります。

たとえば司法書士への依頼料や手数料です。

アパートを建築する際には、土地や建物の登記を行う必要がありますが、登記手続きをするためには
司法書士に依頼するのが一般的です。

また、銀行や金融機関からローンを借りる場合は、ローンを契約する際に手数料がかかります。

さらに入居者募集を不動産会社へ依頼する場合は、仲介手数料が発生するほか、
賃貸経営業務を不動産管理会社へ委託する場合は、管理手数料が発生します。

3-5.広告宣伝費

広告宣伝費は主に入居者を募集するための費用です。

入居者を募集するためには、インターネットや新聞などの媒体に広告を掲載する必要があります。

広告宣伝費は、媒体の種類や掲載期間によって異なりますが、
一般的には月額数万円から数十万円程度が相場となっています。

3-6.アパートの維持にかかる費用

建物の修繕・メンテナンス費用などのことです。

修繕費は建物の劣化・汚損箇所や設備機器の故障・不具合に対応するためにかかる費用で、
築年数が長くなるほど高くなりがちです

また、共用部の清掃や電気・空調などの設備の保守点検費用も、
ランニングコストとして見込んでおく必要があります。

木造アパートの場合、鉄筋コンクリート造(RC造)などのアパートより耐久性が低いため、
定期的な修繕や点検を実施する意識がより強く求められます。

3-7.各種税金

アパートに限らず、不動産を所有するとさまざまな税金がかかります。

購入時には不動産取得税、登録免許税がかかるほか、各種契約締結時には印紙税が発生します。

また、毎年かかる税金として、固定資産税、都市計画税があり、資産価値の高いアパートであるほど高額になりがちです。

さらに入居者からの家賃、敷金・礼金などの収入が得られるため、
個人に対しては所得税、住民税、法人化する場合は法人税の負担が増加する点も忘れてはいけません。

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4.木造アパートの建築費を抑えるポイント

前章で説明したアパートの建築費用は、工夫することでローコストにしていくことができます。

ここでは、そのポイントを見ていきましょう。

4-1.設計施工一括方式を選ぶ

アパート建設においては、設計者と実際に工事をする施工者を分けるやり方(設計施工分離方式)と、同じ業者に発注するやり方(設計施工一括方式)があります。

設計施工一括方式は設計施工分離方式よりも費用を抑えられる場合があります。

設計施工分離方式においては、設計費と施工費をそれぞれ別の業者に支払わなくてはなりません。

施工業者にはそれぞれ、得意とする(費用を安く抑えられる)間取りや工法があります。

しかし分離方式では別の業者が作成した設計図に基づいて施工しなくてはならないことから、場合によっては費用が高くなる可能性があります。 

4-2.相見積もりを取る

複数社から見積書を請求するのも有効です。

一社単独で検討すると、その一社の提案内容を比較検討することができません。
また、価格交渉をするのも難しくなります。

複数社に問い合わせれば、建築費の内訳を比較することができ、工事の適正価格が分かるようになります。

また、それぞれの企業の建築事例から選択肢の幅を広げることが可能です。

なお、大手ハウスメーカーは工務店より価格が高くなりやすい傾向にありますが、
その分提案力や建物品質、アフターサービスの点で優れる傾向にあります。

最適な企業を選びましょう。

4-3.外観をシンプルなデザインにする

建物の外観は建物の魅力を上昇させる重要な要素です。

一方、居住する人からすると、変わった外観・派手な外観は好き嫌いが分かれることもあります。

建築費をかけすぎても入居率が上がるわけではないため、シンプルなデザインで価格を抑えてもよい項目です。 

4-4.間取りを複雑にしない

間取りはシンプルな方が施工時の手間が少ないため、金額を抑えることが可能です。

また、複雑な間取りは住む人を選ぶデメリットもあるため、なるべく汎用性の高いものにしましょう。

4-5.適切な部屋数を検討する

単身者向けはより多くの戸数を用意できますが、その分設備も増えるため
ファミリータイプより坪単価が高くなる傾向にあります。

部屋数や階数は多ければ建築費が上がるため、適切な数を設定しましょう

4-6.共用部分にこだわりすぎない

共同住宅には、廊下や階段、ゴミ捨て場などの共用部が必要です。

また昨今の高級分譲マンションでは、居住者が共用するカフェスペースやジム、会議室なども設置されています。

共用部分は物件の魅力を上げる要素ではあるものの、整備・維持にコストがかかります。

高い共益費を徴収しなければ運営できなくなってしまうことを避けるためには、こだわりすぎないことが重要です。

4-7.部屋の設備はグレードを抑える

内装・設備の選び方もポイントです。

グレードの高いものを厳選するほど建物品質は上がります。

しかし、賃料上昇がその投資に見合うものになるかと言えば、必ずしもそうではなりません。

たとえば、学生向けのワンルームマンションに高いグレードの設備・内装を導入してもあまり効果は見込めません。

ターゲット層に合わせたグレードを採用しましょう。

 

4-8.規格化された商品を活用する

変わった間取りや設計にすると規格化された商品を用いづらくなり、導入費やランニングコストが高くなる原因となります。

内装・設備とも、規格化された商品は大量生産によりローコストで採用できます。
なるべく、規格化された商品を活用しましょう。

 

なお、建築にかかる建材や設備は、単純に費用が少ないものを選べば良いとは限りません。

高耐久部材やメンテナンス性能が高いものは初期費用が多くかかるものの、
長く使えて維持コストがかかりづらいという側面もあります。

したがってトータルで考えると費用が抑えられる可能性もあります。

費用のことを考える際は短期的ではなく長期的な視点でも考えるようにしましょう。

5.アパートの経営を始めるまでの大まかな流れ

アパートの経営を始めるまでの大まかな流れを7つにステップに分けて解説します。

Step1.アパート建築の相談

まずは不動産会社や建設会社などに相談することから始めしょう。

ただし、相談をするときは漠然としたイメージではなく、アパート経営の目的や始める理由、物件に対する要望をある程度自分で説明できるようにしておくことが大切です。

また、自分の予算や目標とする収益などの数値も、大まかな目安をつけたうえで相談することをおすすめします。

相談を通して具体的なイメージを固めていき、自分に適したアパートの規模や戸数などを決めるようにしましょう。

Step2.土地の診断・需要調査

次に所有している土地の実測調査をします。

主に土地の地耐力や周辺環境などを調べますが、同時にどれくらいの賃貸需要が見込めるかどうかも調査します。

また、周辺エリアの利便性や人口の推移なども調べ、適切に収益を上げられるかどうかを分析していきます。

さらに周辺の競合物件の有無や人気のある住まいのニーズ、家賃相場なども踏まえ、適切なアパート経営の方法を判断することになります。

Step3.アパート経営計画の立案

土地の調査が終わった後は、アパート経営計画の立案に移ります。

アパート経営計画では、物件のコンセプトやターゲット層、間取りや設備などの仕様を決めます。

また、収支予測などの財務計画も作成し、アパート経営の目標や方針を明確にしていきます。

Step4.アパート建築計画の作成

経営計画の次はアパート建築計画の作成です。

建築計画ではまず建築会社やハウスメーカーから物件の設計図や工事見積もりなど、詳細な建築プランを提供してもらうことから始まります。

そのうえで適切なプランを決め、建築会社や施工会社などの契約を行います。

アパート建築計画によって、物件の品質や工期を確保することができます。

Step5.融資の申し込み

アパート建築に必要な資金を調達するために、融資の申し込みをします。

なお、この場合の融資をアパートローンといいます。

融資の申し込みでは、銀行や信用金庫などの金融機関に対して、自己資金や金融資産、所有物件などの資産状況と、アパート経営の事業計画書を提示したうえで審査を行います。

アパートローンの審査では、住宅ローンなどと違い、借り手の資産や経歴だけで判断するのでなく、購入する物件の価値や事業計画書の精度が大きく影響することを理解しておきましょう。

Step6.工事の実施・入居者の募集

融資の審査に通り、資金の目処がついた後、いよいよアパートの建築工事、入居者の募集を開始します。

工事の実施に当たっては、オーナー自身も施工会社と連携して、工事の進捗や品質をチェックすることが大切です。

また、入居者の募集は不動産会社に仲介を依頼して、広告を出してもらう必要があります。

インターネットなどの媒体を活用して、物件の情報や魅力を広くアピールすることが大切です。

入居者の内見時は、室内の清掃を隅々まで行ったり、デザイン性の高いインテリアを配置したり、できるだけ良い印象を与えられるように工夫するようにしましょう。

Step7.物件の完成・アフターサポート

物件が完成した後、施主(オーナー)による検査を行い、問題なければ引き渡しとなります。

検査は施工会社立会いのもと実施されるので、不備などがないかしっかりと確認するようにしましょう。

また、アフターサポートは主に不動産管理会社の担当になります。

実際に賃貸管理を開始した後の業務内容や条件については、事前に協議しておきましょう。

6.木造アパート経営に興味があるなら専門家に相談しよう

木造アパートを経営する場合にかかる費用や開始までの流れを解説してきました。

アパート経営は土地活用の一つの方法として人気があり、中でも木造アパートは比較的かかるコストが少ないので、始めやすい土地活用法といえます。

ただし、建築費や維持管理費、税金など必要となるコストはしっかりと把握し、収益性を見極める必要があります

また、入居者募集や契約更新などの運営面も重要なので、信頼できる不動産仲介会社、不動産管理会社などパートナーを見つけ、上手く進めるコツを把握することが大切です。

興味がある方は、まずは木造アパートの施工・運用実績が豊富な専門家に相談して、アドバイスやサポートを受けることをおすすめします。

■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者