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失敗しやすいマンション経営の特徴とは?失敗事例と失敗を避ける方法

公開日: 2024.04.15

最終更新日: 2024.09.27

不動産経営の中でも、マンション投資は底堅い賃貸ニーズを持つ活用方法です。

しかし、賃貸経営においては不動産投資を始めたばかりの方には想定できないような支出やリスクがあり、プラン通りに成功するばかりではありません。


そこで今回は、マンション投資におけるよくある失敗について説明します。

具体的な失敗例やその原因、失敗を回避するコツなどを詳しく解説しているので
最後までぜひチェックしてください。

目次

1. マンション経営で失敗した例

1-1.入居者募集を開始してもなかなか部屋が埋まらなかった

1-2.退去後の空室が埋まらなかった

1-3.家賃滞納で収入が減った

1-4.キャッシュフローが悪化した

1-5.市場のニーズに応えられなかった

1-6.施工の質が悪くマンション自体に問題があった

1-7.家賃が下落した

1-8.契約内容をよく確認していなかった

1-9.期待していたような税金対策効果が得られなかった

2. マンション経営が失敗に陥ったときの原因

2-1.準備や知識が不足している

2-2.メンテナンスや修繕の費用を準備していない

2-3.長期的なマンションの運用シミュレーションができていない

3. マンション経営で失敗を避けるには

3-1.余裕を持った資金計画を立てる

3-2.管理費用や内容に納得できる管理会社に委託する

3-3.サブリース会社を利用する場合は慎重に選ぶ

3-4.マンション経営を相談する不動産会社は慎重に選ぶ

4. マンション経営で失敗しないためにはしっかりとした計画を立てましょう

1.マンション経営で失敗した例

マンション経営で成功を収めるためには、実際に失敗した例を振り返ることで、同じ過ちを避け、より賢明な経営判断を下すための材料になります。

どのような失敗事例があるのか以下で解説します。

1-1.入居者募集を開始してもなかなか部屋が埋まらなかった


マンション経営を始める際に最も懸念されるのが、空室リスクです。
入居者募集を開始しても部屋が埋まらない場合、オーナーは想定していた収入を得ることができず、経済的なプレッシャーを感じることになります。

 

空室期間が長引くと、その部屋からの収益はゼロとなり、マンションの維持コストやローン返済などの固定費用の負担が重くなります。
家賃収入が見込めない間も、これらの出費は避けられないため、マンション経営のリスク管理として空室率を最小限に抑える戦略が必要不可欠です。

 

1-2.退去後の空室が埋まらなかった


退去が発生するたびに、マンション経営者は空室問題に直面します。
空室対策の知識が不足している場合、新たな入居者を迅速に確保することが難しくなります。
加えて、管理会社との連携が上手くいかない場合、退去後の部屋の入居者募集活動が不十分になりがちです。

 

これにより、空室期間が長引き、予期せず家賃収入が減少するという事態に陥ります。
したがって、退去後迅速に空室を埋めるためには、管理会社との密接なコミュニケーションをとって、原状回復工事や入居者の募集をなるべく早く行うことが必要です。

 

1-3.家賃滞納で収入が減った

入居者の家賃滞納により、想定していた額の家賃収入が得られないケースです。

入居者とは賃貸借契約が続いているので、次の入居者を募集することもできません。

日本では借地借家法により入居者が守られているため、無理やり退去させるのも簡単にはできないようになっています。

対策例としては、入居希望者の支払い能力に問題がないか入居審査を入念に行うこと、

家賃保証会社との保証契約を入居の条件にしておくことが挙げられます。

また、家賃滞納があった場合に備えて、家賃回収のノウハウや入居者に対する住み替えサポートなどの体制が整っている管理会社を選んでおくことも重要です。

1-4.キャッシュフローが悪化した

経営の際にかかる諸費用を正しく把握せず、想定外の出費に悩まされ利回りが悪化するケースです。

投資マンションでは建築費などの初期費用に注目がいきがちですが、ランニングコストもさまざまです。
客付けにかかる仲介手数料や、賃貸管理会社に支払う管理委託料、大規模修繕費用、維持費用、火災保険・地震保険の保険料にローン返済額など・・・。
過度なコストカットは投資物件の資産価値を落としかねないため、適切な状態を保つためにマンションの修繕は必須です。

いつ頃修繕が必要になるか、いくら費用がかかるのかをシミュレーションしておきましょう。

1-5.市場のニーズに応えられなかった


マンション経営において、市場のニーズを的確に捉えることは非常に重要です。
入居者が求めるニーズと異なるマンションを建設してしまうと、経営に大きな支障をきたすことになります。

例えば、家族連れに人気のエリアにワンルームマンションを建てると、ターゲットとする層のニーズに合わないため、空室が増える原因となり得ます。

 

初期の経営が順調であっても、市場のニーズは時間と共に変化することも少なくありません。
そのため、現在の入居者ニーズに応えられるように、マンションの設備やサービスの改善、リノベーションを行うなど、柔軟な対応が求められます。

 

また、物件周辺の環境変化にも敏感であることが必要です。
入居者の生活スタイルやニーズを理解し、それに合わせた物件提供を心掛けることで、長期的に安定した経営を実現することができます。

 

1-6.施工の質が悪くマンション自体に問題があった


欠陥や設備の不備があるマンションでは、壁の薄さによる音漏れや耐震性への不安など、入居者の満足度を著しく下げる問題が起こります。

 

これらの問題は、信頼できる建設会社の選択を怠った結果、発生することがあるので注意が必要です。
建設パートナー選びでは、過去の実績や評価を確認することで、失敗確率を下げられます。

1-7.家賃が下落した

家賃下落はさまざまな原因で起こりえます。
マンション建築から年数を経て老朽化したり、周辺環境に居住ニーズがなくなったり、競合物件が建築されたりなど・・・。

こういった現象が起こると、空室を埋めるために家賃を下げという方法をらざるを得ない状況が出てきます。

家賃下落リスクを回避するために重要なことは、事前のリサーチにより物件選びを慎重に行うこと客付力のある仲介会社を選ぶなどです。

また、中古物件であれば経年劣化を感じさせないようなリフォームなどの追加投資が有効です。

1-8.契約内容をよく確認していなかった

不動産投資ではさまざまな契約を締結します。

不動産売買契約や建物建築請負契約、不動産仲介業務委託契約、賃貸借契約、サブリース契約など・・・。

これらの契約内容をよく確認しておかないと、経営を始めてある程度経った段階で、「思っていた内容と違う」なんてことが起こりえます。

特にこのトラブルは、賃貸経営のノウハウが少なくサブリース契約を利用した際に起こりやすい傾向にあります。

サブリース契約は、大家からサブリース会社に物件を一括貸しし、サブリース会社が入居者に

転貸するという運営方式です。

大家の契約相手がサブリース会社一社になるため大家の手間が省けるというメリットがある一方、サブリース会社が借地借家法により保護されるため、大家からの解約や賃料見直しが難しいというデメリットがあります。

特にトラブルになりやすい項目の例としては、賃料見直しの条件、免責期間の有無、中途解約の可否、解約条件や違約金、修繕費の負担と請求の仕方が挙げられます。

トラブルを発生させないよう、契約内容はきちんと確認しましょう。

1-9.期待していたような税金対策効果が得られなかった

節税目的で賃貸マンション経営を始めるも、思うようにいかなくて失敗したケースです。

例えば、所得税額を軽減しようとしすぎて支出を大きくした結果、肝心の利益が出ない失敗や、相続税を圧縮するために生前急いで賃貸マンションを購入したが、ろくに検討しなかったため収益性の悪い物件を買ってしまう失敗などが挙げられます。

マンション経営は本来、利益を得るための投資方法です。節税対策に捉われすぎないようにし
ましょう。

>>関連記事:マンション投資で税金対策ができる仕組みと大切な心構え

2.マンション経営が失敗に陥ったときの原因

続いて、第1章で説明したような事態に陥ってしまったときに起きがちな原因について解説いたします。
成功するマンション経営は、適切な準備と豊富な知識が基盤となります。

そのため、準備不足や専門知識の欠如、資金の不足は失敗に直結する大きなリスクとなるので注意が必要です。

 

2-1.準備や知識が不足している


マンション経営を成功させるためには、事業計画、税金、法律、予期しうるリスクとその対策についての幅広い知識が必要です。
全ての知識を深く理解している必要はありませんが、問題が発生した際に専門家に相談できる程度の知識は必須です。
多くの決定はオーナー自身が下すため、情報不足は重大な失敗につながります。

 

マンション経営の失敗を防ぐには、収支計画や融資条件などの基礎知識の習得、不動産業者や税理士といった専門家との連携、需要や立地を考慮した物件の選択といったさまざまな準備や知識を備えたうえで行動することがポイントです。

 

2-2.メンテナンスや修繕の費用を準備していない


資金に余裕がない状態で運営を行うと、メンテナンスや修繕が必要な時に対応できなくなり、物件の価値を下げる原因となります。
突発的な設備故障が発生した場合、迅速な修繕が不可能になると、その結果として安全性のリスクが高まり、入居者が不安を感じて退去することもあるでしょう。

 

マンション経営を行う際は、突発的な修繕があるものとして資金に余裕を持たせ、予期せぬ出費にも対応できるようにすることが、長期的な経営の安定には不可欠です。

ただ、どうしても手元資金だけではメンテナンスや修繕費用が賄えない場合には、融資を活用するのもおすすめです。

 

2-3.長期的なマンションの運用シミュレーションができていない


長期的な視点での運用計画が欠如していることは、マンション経営の成功を大きく妨げます。
短期的な利益に目を向けすぎて、適切な収支シミュレーションを行わないことはリスクを高める行為です。

 

特に、家賃を市場価格よりも高く設定しすぎると、入居者が集まりにくくなり、結果として空室率の増加につながります。
このような状況は、マンションの収益性を大幅に損なうため、長期的な運用計画とリアルな収支シミュレーションに基づいて家賃設定を行わなければ失敗してしまうでしょう。

 

運用計画を立てる際には、市場の動向を踏まえたリアルな収支シミュレーションを行うことが重要です。

これにより、現実的な家賃設定や運用コスト、将来の修繕費用などを正確に把握できます。
自分だけで判断が困難な場合には、不動産会社に依頼して運用シミュレーションを作成してもらうのもおすすめです。


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3.マンション経営で失敗を避けるには

ここまではさまざまな失敗例とその発生原因を見てきました。
マンション経営で失敗を避けるためには、収支計画の余裕、信頼できる管理会社との協力など、複数の要素を考慮する必要があります。

この章では、失敗を回避し、安定した経営を実現するための戦略を紹介します。

 

3-1.余裕を持った資金計画を立てる


余裕を持った資金計画の策定は、マンション経営における成功の基礎を築きます。
収入が直ちに黒字化すると予測するのではなく、長期的な視野に立った資金計画を初期段階で立てることが重要です。

 

特に、経営開始当初は空室が続く可能性や、ローンの返済と経費で赤字になる期間があることを念頭に置くべきです。
これらの状況を踏まえた上で、資金繰りのシミュレーションを含む包括的な計画を策定することで、予期せぬ支出にも柔軟に対応できるようになります。

 

また、一括借上げのような制度を活用することも、経営安定化の有効な手段の一つです。
一括借上制度とは、不動産会社がオーナーから物件を借り上げ、サブリースすることによって空室リスクを回避できる制度のこと。

 

この制度を利用することで、空室リスクを低減し、安定した収入を見込むことができます。
経営計画においては、このような多様な選択肢を考慮に入れ、柔軟な対応策を準備することがポイントです。

 

3-2.管理費用や内容に納得できる管理会社に委託する


管理会社の選定はマンション経営で非常に重要です。
これらの会社は、オーナーに代わって入居者募集、賃料徴収、建物メンテナンスなどの管理業務を担います。

 

マンション経営の成功は、信頼できる管理会社を選ぶことに大きく依存します。

選択時には、その会社が過去にどれだけの賃貸経営をサポートしてきたか、どのような専門知識やノウハウを持っているかを評価基準として考慮することが重要です。

 

3-3.サブリース会社を利用する場合は慎重に選ぶ

前述した通り、サブリース契約はサブリース会社とのトラブルが起こりやすい運営方式です。契約内容をしっかり確認しましょう。

具体的には、解約時の取り決めや、サブリースが免責期間を設定しているか、家賃保証の値下げ限度額はあるか、見直しの周期はどれくらいかなどが挙げられます。

サブリースにおいて、サブリース会社との解約は難しいことが多く、大家が違約金の支払いを求められるケースもあります。

契約は長期間に及ぶことから、サブリース会社が倒産するおそれもあります。その間に企業が存続するか、関係は悪化しないかも含め、企業の信頼性と契約内容を確認しましょう。

3-4.マンション経営を相談する不動産会社は慎重に選ぶ

マンション経営において、入居者募集は不動産仲介会社に委託しますが、それ以外の管理業務(清掃や点検・既存入居者とのやりとり・トラブル対応など)は、大家が自ら行う自主管理か、賃貸住宅専門の管理会社に委託することとなります。

いずれにおいても、信頼できる不動産会社に相談するのがマンション経営の失敗を防ぐ方法です。

彼らは経験が豊富でさまざまな失敗例や対応策を熟知しています。

プロ目線のアドバイスをもとに情報収集に励み、失敗を回避しましょう。

>>関連記事:マンション経営の相談はどこにする?よくあるお悩みと相談先

4.マンション経営で失敗しないためにはしっかりとした計画を立てましょう


マンション経営において、失敗は誰にでも起こり得る事態ですが、その背後には明確な原因が存在します。
多くの失敗例から学ぶことで、資産活用の代表的な方法であるマンション経営の成功が可能になります。

 

第3章で先述したように成功の秘訣は、経験や実績に基づく計画の策定と、徹底したリスク管理にあります。
収支計画の準備や信頼できる管理会社の選定、長期的な運用シミュレーションの実施などは、失敗を避けるために不可欠なステップです。

 

マンション経営の魅力は、安定した収入や手間のかからない管理、価値の高い資産形成にありますが、成功を収めるには、準備と知識が重要です。
空室リスク、資金繰りの問題、入居者ニーズの変化など、様々な課題に対して経営者は積極的に対応していく必要があります。

 

マンション経営で失敗しないためには、事前に必要となる知識を身につけ、適切な立地選びを行うことが大切です。信頼できる不動産会社との連携も、成功への重要な一歩となります。

■監修者プロフィール

有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者