マンション経営の相談はどこにする?よくあるお悩みと相談先
公開日: 2024.07.31
最終更新日: 2024.08.02
マンション経営は不動産投資の中でも人気の選択肢ですが、さまざまな課題や悩みが付きものです。土地の有効活用を検討中の方も、既にマンション経営を行っている方も、適切な専門家に相談することが成功への近道です。
本記事では、マンション経営における一般的な悩みと、その相談先をステップごとにわかりやすくまとめました。
投資の初期段階から経営開始後まで、お役立ていただける内容となっています。不動産投資のプロに相談しながらマンション経営を進めましょう。
1.マンション経営についての相談に行く前にしておきたい準備
マンション経営についての相談に行く前に、適切な準備が必要です。
ここでは、マンション経営の相談に行く前に整理すべきポイントを解説します。
1-1.マンション経営の目的をはっきりとさせる
マンション経営を始める際には、まず自分の目的をはっきりとさせることが大切です。
経営方針や重視することについてしっかりと考えを巡らせましょう。
例えば、所有している土地を有効活用したい場合や、将来の相続対策のためにマンション経営を検討している場合などがあります。
相談先では、あなたの経営目的に合わせた具体的な提案をしてくれるはずです。
目的がはっきりしていれば、その目的に沿った的確なアドバイスを専門家から受けられます。将来のビジョンを明確にしておくことで、適切なマンション経営プランを立てられるでしょう。
1-2.相談したいことを書き出す
マンション経営に関する相談をする前に、自分の不明点や悩みを整理しておくと良いでしょう。
以下のようなポイントを書き出しておくと、スムーズに相談が進みます。
・初期費用の目安
・建築会社や設計プランの選び方
・賃貸経営の流れや収支の立て方
・入居者募集や空室対策のノウハウ
・法的な注意点や必要な手続き
これらの質問をメモすることで、どの相談窓口に何を質問すべきか整理できます。
相談先の得意分野を事前に把握し、各相談先の特徴やサービス内容をリストアップしておくと、効率的に相談できます。
1-3.マンション経営の基礎知識や仕組みを少し勉強しておく
マンション経営をスムーズに進めるためには、基礎知識の習得が重要です。専門用語を理解しておくことで、相談時の会話が円滑になります。
書籍や動画教材を利用して、アパートやマンション経営の仕組みを学びましょう。
相談の際は、複数の不動産会社や建設会社、FP(ファイナンシャルプランナー)に話を聞くことが賢明です。
各社のサービスや提案内容は異なるため、多角的な視点からアドバイスを得て、情報を比較検討し、自分に最適なパートナーを見つけることが大切です。
2.マンション経営を始める前に起こる悩みと相談先
マンション経営を始めるにあたって、初期費用の確保や建物の老朽化対策、入居者募集や管理運営など、オーナーとなると抱える課題は多岐にわたります。
そこで、適切な相談先を活用することで、これらの悩みを適切に解決することができます。
2-1.マンション経営を始めたいけど知識がない
不動産会社
マンション経営に関する知識が乏しいことが悩みの種となることがあります。
そんなときは、不動産会社を相談先として活用するのがおすすめです。
賃貸経営に強みを持つ不動産会社では、賃貸物件の運用方法や経営ノウハウについて相談することができます。
中には、土地の有効活用から建物の建設、入居者募集、経営運営、アフターフォローまでをトータルでサポートしてくれる会社もあります。
不動産取引に関する専門知識が不足していても、こうした不動産会社に相談すれば、丁寧な説明と適切なアドバイスが期待できるでしょう。
ハウスメーカーや工務店
マンションを新築する際は、一般的にハウスメーカーや工務店に相談・依頼することが多いですが、建設部門を持つ不動産会社に依頼することもあります。
例えば、ハウスメーカーの特徴は、全国に支店網を持ち対応エリアが広いことです。
また、独自のブランド住宅を持っているため、その設計プランに基づいた建築がスムーズに行えます。
パッケージ化された商品を提供している企業が多く、初期費用から建築費用の見積もりがしやすい傾向にあります。
一方、工務店は小規模な地場企業が多く、オーナー様のこだわりに合わせた細かな対応が可能です。
パッケージ商品を持たないことが多いため、設計の段階から一からプランを検討する必要がありますが、自由度は高くなります。
マンション経営の成功には、建物の質が重要です。立地条件や間取りプラン、資金計画などを考慮し、最適な建設会社を選ぶことが求められます。
2-2.どのようなマンションを建てるべきかわからない
マンションの建設プランを検討する際に、「どのようなマンションを建てるべきか」という悩みは避けられません。
この悩みを解決するには、不動産会社に相談するのが賢明な選択肢です。
不動産会社では、マンションを建てる予定の土地の市場調査を行い、その地域のニーズに合ったマンションを提案してくれます。
土地の有効活用としてマンション経営をしたい人にとって、非常に参考になる情報が得られるでしょう。
市場調査では主に以下の2点について調べます。
人口調査
建設予定地周辺の人口動態を把握することが重要です。人口が増加傾向にあれば需要も高く、反対に減少していれば需要は低くなる可能性があります。
また、年齢層や世帯構成なども確認し、入居者候補の属性を想定します。
周辺施設の調査
マンションの立地環境も大きな要素です。駅やスーパー、学校、病院などの生活利便施設へのアクセスを調べます。
加えて、公園や商業施設の有無なども調査対象となります。これらのデータから、立地の魅力度合いを判断できます。
土地の潜在能力を最大限に活かしたマンション経営を実現するためには、人口動態や周辺施設などの市場調査が不可欠です。
不動産会社に相談することで、地域のニーズに合ったマンションプランを立てることができます。
これにより、入居ニーズと立地の優位性を把握し、成功するマンション経営を行うことができます。
2-3.マンション経営の資金計画や融資のことを知りたい
マンション経営を行う上で、資金計画や融資に関する疑問は付きものです。
こうした課題に対しては、ファイナンシャルプランナー(FP)や税理士、金融機関に相談するのが適切でしょう。
FPには、不動産投資にかかる資産運用や住宅ローンなどについて相談できます。長期的な視点から、適切な資金計画を立ててくれます。
一方、税理士に相談すれば、不動産関係の税金について詳しく学ぶことが可能です。
金融機関では融資に関する相談に乗ってくれます。
マンション建設に必要な資金を借り入れる際の審査基準や金利、返済計画などをアドバイスしてくれるでしょう。
そして、相談内容と相談先をまとめたのが、以下の表です。
|
不動産会社 |
ハウスメーカー 工務店 |
FP |
税理士 |
金融機関 |
経営の基礎を知りたい |
◎ |
|
|
|
|
建てるべきマンションを知りたい |
◎ |
◎ |
|
|
|
資金計画を相談したい |
◎ |
|
◎ |
|
|
不動産関係の税金を知りたい |
◎ |
|
|
◎ |
|
融資の相談をしたい |
◎ |
|
◎ |
|
◎ |
表から分かるように、不動産会社は上記で紹介したマンション経営に関するさまざまな相談に応じてくれます。
なぜなら、土地の市場調査から建築、完成後の経営運営までをトータルでサポートする会社が多いためです。
資金計画の立案や金融機関への橋渡しも請け負ってくれる場合があります。
マンション経営には多額の投資が伴うため、綿密な資金計画が欠かせません。
上記のような専門家に相談することで、より安心して事業を進められるでしょう。
3.マンション経営をする最中で起きがちな悩みと相談先
無事マンション経営を始められても、その後にまた違った内容の悩みが出てくることは珍しくありません。
入居者の確保や管理運営、建物の維持管理など、オーナーとして適切な対処が求められる状況がたびたび訪れます。
それぞれどういったところに相談すべきなのか、詳しく見ていきましょう。
3-1.空室が埋まらない
空室が続くと収入減少で経営が圧迫されます。
この場合、不動産管理会社に相談し、対策を立てることが重要です。
管理会社は入居者募集の強化、家賃の値下げ、ペット可物件への転換などを提案してくれます。
しかし、賃料の引き下げには注意が必要です。一度下げると、将来的に賃料を元に戻すのが難しくなります。
需要が回復しても高い賃料を設定しづらくなり、周辺相場を大きく下回ると、入居者の質が低下する可能性もあります。
賃料の値下げが最終手段となる前に、立地環境や設備水準を活かした適正な家賃設定を検討するべきです。
不動産管理会社と連携し、賃貸市場を踏まえた最適な空室対策を講じることが大切です。
3-2.入居者トラブルが起きた
マンション経営においては、入居者からの騒音や共用部でのトラブル、家賃滞納など、さまざまな問題が発生する可能性があります。
こうしたトラブルが生じた場合は、速やかに不動産管理会社や弁護士に相談しましょう。
不動産管理会社なら、オーナー代わりに入居者への注意喚起や滞納者への催促を行ってくれます。
弁護士には、深刻な法的トラブルについて適切な対処法を助言してもらえます。
オーナー自身が直接対応するよりも、専門家を介した方が、トラブル収拾がスムーズに進む可能性が高いです。
入居者とのトラブルでは、専門家のサポートを積極的に活用することが賢明です。
3-3.マンションの状態に不安がある
建物の老朽化対策は、マンション経営で重要な課題です。
建物や設備の状況に不安がある場合は、不動産管理会社に相談しましょう。
建物は雨風や温度変化の影響で年月と共に劣化します。定期的な修繕を怠ると、突発的な大規模補修が必要となり、多額の費用がかかるおそれがあります。
そのため、不動産管理会社に相談し、修繕のタイミングや必要資金について助言を得ながら、計画的に対応することが賢明です。
共用部分の清掃や設備の日常管理業務は、オーナー自身で手間がかかるため、管理会社へ委託するのもおすすめです。
建物の状態を適切に維持するには、専門家のサポートが不可欠です。計画的な管理を心がけましょう。
>>関連記事:賃貸オーナーの悩みにはどのようなものがある?悩んだときの相談先
4.マンション経営の適切なパートナー選びが成功への鍵
マンション経営にはさまざまな段階で専門家への相談が欠かせません。
経験の少ないオーナーにとって、信頼できる相談相手を選ぶことが大切なポイントとなります。
マンション経営には、各段階で専門家への相談が欠かせません。
特に、不動産会社の選定は重要です。
市場調査、物件選定、建設、入居者募集、運営管理までを一貫してサポートしてくれる不動産会社を選ぶことで、不安を軽減できます。
大東建託は全国に支店網を持ち、マンション経営に関する相談に対応しています。
初期の物件選定から、建築計画、入居者募集、管理運営、アフターフォローまでを一貫してサポートすることが特長です。ワンストップ対応でスムーズな経営の後押しをいたします。
マンション経営はリスクも高く不安も多いですが、適切な専門家に相談しながら進めることで、安心してビジネスを展開できます。信頼できるパートナーを選び、長期的な視点で経営することが成功の鍵となるでしょう。
■監修者プロフィール
有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一
関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。
【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者
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