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賃貸オーナーの悩みにはどのようなものがある?悩んだときの相談先

公開日: 2024.04.30

最終更新日: 2024.05.10

マンション経営やアパート経営をする不動産オーナーは、さまざまな悩みに直面します。

入居率の低下や家賃滞納、所有物件の劣化による漏水などのトラブル対応に追われることも少なくありません。しかし、それぞれのトラブルの注意点を理解することで、うまく対処できるようになります。

 

このコラムでは、賃貸不動産のオーナーの悩みを解消すべく、失敗事例の対処法や解決するプランを説明します。後半では悩んだときの具体的な相談先についても紹介しています。最後までぜひチェックしてください。

目次

1. 賃貸オーナーが抱える悩みの例

1-1.空室が埋まらない

1-2.家賃滞納している入居者がいる

1-3.トラブルを起こす入居者がいる

1-4.賃貸物件の設備が突発的に故障した

1-5.大規模修繕に備えないといけない

1-6.家賃を下げるかどうかの判断に迫られている

1-7.ローン返済の金利が気になる

1-8.災害が発生しないか不安に感じている

2. 【悩み別】オーナーが抱える悩みの解決策

2-1.空室に関する悩みの解決策

2-2.入居者のトラブルに関する悩みの解決策

2-3.突発的な設備の故障に関する悩みの解決策

2-4.大規模修繕の悩みの解決策

2-5.家賃を設定の悩みの解決策

2-6.金利変動リスクの悩みの解決策

2-7.災害リスクの悩みの解決策

3. 賃貸経営のことで悩んだときの相談先

3-1.空室や入居者募集に関する悩みの相談先

3-2.設備故障に関する悩みの相談先

3-3.入居者対応・トラブルに関する悩みの相談先

4. 信頼できるパートナーを見つければ、賃貸オーナーの悩みは軽減できる



1.賃貸オーナーが抱える悩みの例


賃貸経営に関する不安は、どんな物件を所有されているオーナーでも共通して持っているものです。

まずは、賃貸オーナーが抱える代表的な悩みを1つずつ確認していきましょう。

 

1-1.空室が埋まらない

経営している賃貸物件に入居者が集まらず、空室率が高い状況が続くのは大きな悩みのタネです。

どんな好立地であっても、入居者の入れ替わりは起こります。

しかし、再募集してもなかなか入居者が現れないと、家賃収入が十分に得られないことが起こります。
そのような場合でも、毎月のランニングコストは発生します。管理費や借入金に対するローン返済、火災保険料、固定資産税などの税金など・・・。

空室が続けば赤字になり、賃貸経営が困難な状況に陥りかねません。
空室を埋めることを優先に賃料条件を下げると収入減が継続してしまうため、慎重に判断する必要があります。

1-2.家賃滞納している入居者がいる

入居者の収入状況が芳しくない場合、滞納や夜逃げにより家賃回収できない事態が起こりえます。

こうなると、本来得られるはずだった収入が入ってこないことになります。

滞納者への交渉は困難です。家賃の督促は手続きを踏んで行うのが一般的で、時間と手間がかかります。
強引に強制退去や家賃徴収を行うと恐喝罪に問われることもあり、退去や残置された荷物を処分するには裁判所に届出が必要です。

滞納者との関係悪化を回避しながら、賃貸管理会社などの専門家から解決法の提案を受け、慎重に進めなければなりません。

1-3.トラブルを起こす入居者がいる

入居者同士のトラブルも考えられます。
隣の音がうるさい、悪臭がする、ごみ捨てのマナーを守らない人がいる、黙ってペットを飼っているなど、他人同士が同じ建物に住む以上、複数のクレームが上がってくる場合もあります。

こういったトラブルが起きている状況を放置すると、入居者の満足度が下がり、退去が増える可能性があるので注意が必要です。

1-4.賃貸物件の設備が突発的に故障した

住宅設備は経年劣化するため、賃貸経営を続けているとどこかで故障します。
お部屋のエアコンや給湯器、水道やトイレ、オートロック設備など......

通常は、入居者が入れ替わるタイミングで原状回復工事と合わせて点検と修繕を行います。
しかし、長年入居者の入れ替わりがないような部屋では、中の状況が分からない場合もあるので注意してください。

故障の具合によっては想定外の費用がかかり、資金繰りを悪化させることもあります。

1-5.大規模修繕に備えないといけない

使用している塗装や周辺の環境にもよりますが、屋根と外壁の塗装は十数年で劣化します。
例えば屋根や外壁は、塗装せず劣化を放置すると雨水が染み込み、建物の柱や梁などの構造部分に重大な傷みが入ることになります。

そのため、集合住宅の賃貸では建築後10年~30年の周期で修繕を行うのが一般的です。
屋根や外壁塗装のために足場を組むため、多額の工事費用がかかります。

大規模修繕は何度も経験するものでなく、費用や工事内容は物件によっても異なります。
イメージが掴みづらいことから、不安が募りやすく悩みのタネになることが多いです。

1-6.家賃を下げるかどうかの判断に迫られている

入居者が集まらない場合、家賃を下げるべきか悩ましい場面もあります。
一度家賃を下げると、長い入居期間中、ずっとキャッシュフローが悪化することとなります。

空室率が高いことに関して、家賃設定が原因なのか、建物などその他の条件が原因なのか、不動産仲介会社の意見も参考にし慎重に判断すべきでしょう。

1-7.ローン返済の金利が気になる

変動制のローンを利用している場合、借入金利が上昇しないか、という悩みもあるでしょう。
変動金利は金利が変動するリスクに応じる代わりに、固定金利より低い金利が設定されています。

日本では長らく借入金利が低い状況が続いていますが、将来のことは不透明です。
こういった悩みが生じないよう、金利が何%上がってしまったら資金繰りが苦しくなるのか、シミュレーションが必要です。

1-8.災害が発生しないか不安に感じている

不動産投資には、自然災害のリスクは付き物です。
地震や火災、台風、洪水など、立地によって起こりやすさは異なるものの、起きた際には減収や修繕のための支出が必要となります。

また、旧耐震基準(1981年5月31日までの建築確認で適用)の建物は、強い震度に耐えられないい構造となっているため特に注意が必要です。

旧耐震基準は震度5までの地震で倒壊・損傷しないことが求められていますが、震度6以上については基準がありません。
立地・建物に応じて、必要な対策が求められます。
なお、新耐震基準では震度6~7までの程度の揺れでも倒壊・崩壊しないことを基準としています。

 

2.【悩み別】オーナーが抱える悩みの解決策


では、これらの悩みに対して、どうやって対策を講じていけば良いのでしょうか。

ここでは悩みの解決策をご紹介します。

 

2-1.空室に関する悩みの解決策

入居者募集を長期間しているにもかかわらず、空室率が高い場合は、以下の可能性が考えられます。

 

・物件自体が世の中にうまく情報発信されていない
・周囲の競合物件より、相対的に条件設定が高すぎる
・物件の魅力が低いまたは損なわれている
・不動産業者の仲介力が低い

 

こういったことから、まずはインターネット上で、自らの物件がどのように紹介されているかを確認しましょう。
大手の物件情報サイトにも掲載されているのか、HP上の写真や紹介文はどうか等、うまく情報発信されているかを確認し、問題があれば問い合わせて是正します。
特に写真は重要なので、必要であればより良い写真に差し替えてもらいましょう

また、その際は、周囲の競合物件との条件設定を確認することも大切です。
賃料・敷金・礼金など、必要であれば、ニーズに合わせて条件設定の値下げも検討しましょう。

また、物件内見時の印象は重要です。
周辺環境や立地を変えることはできませんが、間取りは見直しが可能です。
定期的に個室のリフォームを実施したり、外観では共用部分の清掃・メンテナンス整備などを行ったりして資産価値が上昇するよう努力しましょう。

これらを見直したにも関わらず成約しない場合は、依頼している不動産会社の仲介力が低い恐れもあります。
ほかの不動産仲介会社の話をきいてみるのもよいでしょう。

2-2.入居者のトラブルに関する悩みの解決策

家賃滞納は、入居者の支払能力が低いと起こりやすくなるため、事前に入居審査を行うことが大事です。

具体的には、入居募集の際に、家賃保証会社との保証契約締結を契約手続きを必須条件にすることが挙げられます。
保証会社が審査で支払能力を確認してくれる他、万が一滞納が発生しても保証会社が立て替えた上で滞納者への督促を行ってくれます。

また、騒音などのトラブルについては、入居者とのコミュニケーションが大切です。
まずは共同玄関やエレベーターに貼り紙を設置して全体への注意を促し、状況が改善しない場合はトラブルを起こしている人に直接改善を求めましょう。
場合によっては法的措置に則って進めることになるため、不動産管理会社と相談しながら対応しましょう。

新しく入った人に長く住んでもらうために入居者満足度が高まるような工夫を行うのも有効です。
具体的には、共用部分に宅配ボックスを新設したり、入居者が利用できるWi-Fiを整備したりすることで、満足度を高めることで入居者を物件に引き留める効果が期待できるでしょう。

2-3.突発的な設備の故障に関する悩みの解決策

設備は、経年劣化が進むほど発生しやすくなります。
いつ修繕費が発生しても良いように、最悪のケースを想定して費用を少しずつ貯めておきましょう。

どのように修繕していくかは管理会社や施工会社に任せることとなりますが、工事の内容や金額が適切かを確かめるために、なるべく複数の会社に相見積もりを取ることをおすすめします。

また、専有部である部屋内は普段は大家が入れないため、入居者が入れ替わるタイミングで、部屋に入り劣化状態を見ておきましょう。

2-4.大規模修繕の悩みの解決策

大規模修繕のために、まとまった資金を計画的に積み立てておくことも必要です。

物件の寿命を伸ばすべく、十数年に一度、予防の意味での大規模修繕を実施しましょう。

このように、不動産投資には建築費などの初期費用以外にもさまざまな支出が伴います。
ファイナンシャルプランナーなどにも力を借り、売上と経費をまとめた綿密な収支計画を策定し、定期的にチェックすることが重要です。

2-5.家賃を設定の悩みの解決策

家賃設定を見直す場合は家賃だけでなく、共益費や敷金・礼金など、条件設定を比較し、検討するようにしましょう。

条件を変更する場合、家賃を単純に減額すると、長期間の居住においてずっとキャッシュフローが悪化してしまいます。
そのため、例えば礼金を0円にする、「1か月家賃無料」のようにフリーレントを謳うなど、なるべく一時的な収入減で済むものから始めることをおすすめします。

2-6.金利変動リスクの悩みの解決策

金利の低い変動金利を選択する以上、変動リスクについてはどの程度まで許容できるか試算しておく必要があります。

物件を購入する際、収益と費用をすべて書き出した長期シミュレーションを作成しましょう。
収益の欄には家賃収入や礼金などのその他収益、費用の欄には物件購入費などの初期費用と、支払い金利を含めたランニングコストを全て記載します。
数パーセント上昇しても、キャッシュフローがマイナスにならない額までを借りるようにしましょう。

また、支払う金額が毎月減額していく、「元金均等返済」を選ぶというのも手です。
元金均等返済は元金の返済額を一定にし、かかる利息が毎月減少するという返済方式です。
これならば、将来利息が上がった場合でもかかる元金が減っているため、実際の支払額に及ぼす影響を少なくできます。

2-7.災害リスクの悩みの解決策

物件を購入する前であれば、自治体が出しているハザードマップを確認し、災害のリスクが低い土地を選びましょう。
また、建物に関しては新耐震基準(198161日からの建築確認で適用)で建築されたものを選ぶようにしましょう。

 

購入済みであれば、火災保険・地震保険でリスクに備えることとなります。

火災保険は、主に以下のリスクを補償します。

・風災・水災・雪災・雹災・落雷を原因とした損害
・盗難・集団での暴力行為を原因とした損害
・何らかの物体が建物に落下あるいは衝突するなどして生じた損害など
・日常生活で起きた災害を原因とした損害など
 

地震保険は、主に以下のリスクを補償します。

・地震及びこれに起因する火災や建物への損害
・噴火及びこれに起因する建物への損害
・居住者の家財道具への損害

 

なお、地震を原因とした火災については、地震保険に加入しなければ補償されない点は注意が必要です。

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3.賃貸経営のことで悩んだときの相談先


賃貸経営の悩みは十人十色のため、インターネットで調べただけでは解決しないこともしばしばあります。
そういったときに、信頼できる相談先がいることは重要です。

ここでは、賃貸経営で悩んだ際の相談先を紹介します。

 

3-1.空室や入居者募集に関する悩みの相談先

空室対策や客付けについては、賃貸物件の管理会社または仲介会社に相談しましょう。
彼らは賃貸経営の経験やノウハウが豊富です。実際にその物件の仲介を行っている場合は、顧客から寄せられた感想も聞くことができます。

どのような顧客が内覧に来られ、どういった競合物件に負けたのかなどの情報も持っています。
担当者からなるべく詳細な情報を聞き出し、空室対策の参考にしましょう。

3-2.設備故障に関する悩みの相談先

建物や設備に破損・故障が発生した場合も、賃貸物件の管理会社に相談しましょう。
実際には、故障があれば、管理会社が写真付きで報告し、修繕の見積もりも提案します。

大家は見積書の内容を確認し、特に異論がなければ工事を依頼します(管理会社に一言を入れたほうが良いですが、他業者に相見積もりを取ることも可能です)。

物件管理業務を委託していない場合は、アパート建築を担当した建築会社やハウスメーカー、もしくは地域の工務店に直接相談しましょう。
設備によっては、メーカーへ問い合わせる場合もあります。

3-3.入居者対応・トラブルに関する悩みの相談先

管理を委託している場合は、管理会社からトラブル報告がなされます。
たいていのトラブルは、過去に対処した経験から管理会社が迅速かつ的確に対応してくれます。

家賃滞納が改善されず、法的措置に踏み切る必要があるといった管理会社でも対応できないトラブルのときは、大家が決断を下さなくてはなりません。
管理会社と相談の上、対応を取りましょう。

 

ここまでトラブルが発生した際の相談先を紹介しましたが、トラブルがない場合でも、管理会社の担当者とコミュニケーションを図っておくことは重要です。

また、今回は、管理会社、仲介会社、建築会社と分けましたが、一気通貫でこれら全てを行っている会社もあります。
そういった会社であれば、いろいろなトラブルの相談が1か所で済むので楽です。担当者と良い人間関係を築き、何かあったときに協力してもらえるようにしておきましょう。

 

4.信頼できるパートナーを見つければ、賃貸オーナーの悩みは軽減できる


今回は、賃貸オーナーの悩みとその対策について説明しました。

現物資産である不動産には、入居者や建物に関する現実的な悩みがしばしば発生します。

悩みが煩わしいからと早期売却で一時的にまとまったお金を回収するのも良いですが、将来のことも考え、賃貸不動産経営を続け、安定したキャッシュフローを得るのも良いものです。

今回ご紹介した通り、賃貸不動産の悩みは、プロである管理会社に委託することでたいていが解決できます。
不動産会社への相談は無料でできることが一般的です。

まずは問い合わせし、信頼できる不動産会社と担当者を見つけ、賃貸管理を依頼しましょう。

■監修者プロフィール

有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者