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アパートやマンションのリフォームはいつおこなうべき?費用対効果の高い方法とは?

公開日: 2022.10.28

最終更新日: 2024.10.03

賃貸建物を所有していると、建物や設備は少しずつ劣化してしまいます。劣化した建物や最新の流行に合っていない設備は、なかなか次の入居者が決まらず、だんだん空室が目立ってきます。そのため、家賃を下げざるを得ない状況にも...。

最新の賃貸需要に合った設備や間取りへのリフォームを視野に入れて検討することも大切ですが、リフォームやリノベーションには費用がかかるため、どのような計画に基づいて実施していけばいいのか悩んでいるオーナーの方も多いでしょう。

本記事では、こうした方に向けて賃貸建物のリフォーム実施時期や費用対効果の高い方法などを詳しく解説していきますので、アパート経営をしている方も、これから検討している方も参考にしてください。



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この記事のポイント
  • 賃貸建物のリフォームは定期的なサイクルで実施する必要がある
  • 入居者に対して魅力ある部屋にすることで競争力が高まり、募集家賃や空室率改善につながる
  • リフォームやリノベーションを実施するなら費用対効果を意識してベストな選択をおこなうことが大切



アパートやマンションのリフォームはどのくらいのタイミングでおこなうべき?


一棟賃貸建物を所有していると、定期的にリフォームを検討する必要があります。

経年劣化や、最新の設備を取り入れるためのリフォームなど、リフォーム実施のタイミングには

いくつかのポイントがありますが、具体的にはどのような点に気を付けるとよいのでしょうか。

ここでは、築年数別・部位別にリフォームのタイミングをお伝えしていきたいと思います。

【築年数別】必要なリフォームのタイミング

賃貸建物は年数が経過することで経年劣化してしまいます。

リフォームをおこなうべき具体的なタイミングについては、おおよそ以下のような相場観で判断するとよいでしょう。

築年数

5~10年

10~15年

15~20年

リフォーム箇所

住宅設備

水回り

大規模修繕



例えば、築年数が510年目安に、エアコンなどの住宅設備交換を検討する必要があります。
また、築1015年を過ぎるとキッチンやお風呂など水回りのリフォーム(内装工事)を、築1520年を超えると屋根や外壁塗装など含めた大規模修繕など(外装工事)も視野に入れるべきでしょう。
なお、これらは故障してから治すとなると入居者の不満につながりますし、該当箇所以外の修繕が必要になるケースもあります。

故障する前に計画的にリフォームを実施することでコスト抑制につなげましょう。

賃貸物件への入居を考えている方は、同じ条件で複数の物件を並行して見ているものです。
競合物件がリフォームを適切に実施しているのに対し、自分の物件がそうしたリフォームを実施していないようなケースでは、契約が決まらず空室率の上昇につながってしまう可能性が高くなります。

また、老朽化した箇所をリフォームするだけでなく、入居者ニーズに大きな変化が生じた場合には、
その変化に適応するため、リフォームなどの対応が必要になります。

例えば、2020年から2021年にかけて新型コロナウイルスが流行したこともあり、Wi-Fi設備や在宅リモートワークをするための書斎スペース、抗菌加工建材を利用した住宅などへの需要が高まっています。
補助金などがありますので、検討してみるのも良いかもしれません。

築年数に応じた定期的なリフォームと併せて、こうした入居者ニーズや賃貸市場の動向に合わせたリフォームの実施も検討すると空室対策や競合物件との差別化に効果的でしょう。

部位別のリフォームサイクル


築年数毎にリフォームを実施すべきとお伝えしましたが、部位別にリフォームサイクルを検討することも重要です。例えば、以下のようなものです。

    • 水回り:1020年
    • 外 壁:1020年
    • 建 具:2030年

水回りや外壁であれば1020年毎に、ドアや窓などの建具は2030年毎にリフォームを実施すべきというもので、また一度実施したら終わりではなく、同じサイクルでリフォームを実施していく必要があります。

こうしたリフォームサイクルについては、国土交通省の「計画修繕ガイド」を活用するのもおすすめです。リンク


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改正民法による修繕義務の拡大に注意


賃貸建物はオーナーの所有物のため、修繕の必要が生じたときはオーナーに修繕義務があります。
一方、入居者からすると部屋の設備などが故障したときにオーナーの同意を得ずに修繕できず、例えば「オーナーに修繕をお願いしているのに動いてくれない」といった問題が生じていました。

こうした問題に対し、改正民法では入居者に修繕権と費用の償還を請求できるようになりました。
つまり、オーナーに修繕の義務があることについて、入居者はオーナーの同意を得ずに修繕できるようになり、またその費用をオーナーに対して請求できるようになったのです。
これにより、オーナーとしては「必要があるか分からないのに修繕された」といったことや「高額な費用をかけて修繕を実施している」といった問題が起こることが予想されます。

上記問題を回避するためには、賃貸借契約の段階で「入居者が修繕を実施するときはあらかじめ修繕内容や費用を書面により事前通知すること」など定めておくことが大切です。

また、そういった問題が起こらないように、修繕発生の時期を見据えた計画的な修繕対応の実施が重要です。

リノベーションは検討すべき?

賃貸建物の競争力を向上させたり、継続させたりする方法としては、リフォーム以外にリノベーションという方法があります。
リフォームは劣化したものを元通りにするもの、リノベーションは賃貸建物に付加価値を加えるものだと考えるとよいでしょう。

通常、賃貸建物は築年数が経過することで劣化したり、流行の設備に合わなくなってきたりするため、競合物件と差別化を図る"違いを作る"ために家賃を下げる場合もありますが、リフォームやリノベーションを適切に実施し、物件の市場価値を上げることで、家賃を下げずに競争力を維持することも可能になります。

例えば、和室を洋室のフローリングにする、浴室のバランス釜をユニットバスにする、和式トイレを洋式にするなどです。

ただし、リノベーションしたところで必ずしも想定していた競争力向上につながらない可能性があります。

例えば、100万円かけてフルリノベーションを実施して家賃維持効果が3,000円だった場合、費用を回収するには300カ月以上の期間が必要になる計算です。


リノベーションを行う際は特に、ターゲットを明確にして、そのリノベーション内容は賃貸需要があるのかを事前に調べておきましょう。

一般的に、リフォームよりリノベーションの方が高く費用がかかる可能性があります。

かける費用に対してどれほどの家賃収入の向上効果、家賃維持効果を期待できるのかを事前にしっかり検討したうえで、リフォームやリノベーションの実施の有無を検討することが大切です。
何にどれくらいの費用がかかるかに関しては建築会社やリフォーム会社に聞いてみるといいでしょう。

>>関連記事:リノベーションで築年数の経過したアパート・マンションの付加価値が蘇る!

リフォームやリノベーションの費用対効果を計算しよう

賃貸経営において、リフォームやリノベーションを実施する際には、どの程度の費用対効果が見込めるかを事前に計算しておくことが大切です。

ここでは、そうしたリフォームやリノベーションの費用対効果の計算方法をお伝えしたいと思います。

リフォーム利回りの計算方法


リフォームやリノベーションを実施することによる費用対効果を求めるには「リフォーム利回り」を計算します。

リフォーム利回りは以下の計算式で求めることができます。

リフォーム利回り={(リフォーム・リノベーション後の賃料-現状の賃料)×12カ月}÷リフォームやリノベーションにかける工事費

例えば、リフォーム後の家賃を8.5万円、現状の家賃が8万円と見込めるケースで、
リフォーム費用が30万円のケースの利回りは以下の通りです。

{(8.5万円-8万円)×12カ月}÷30万円=20%

なお、リフォーム利回りについては、リフォームやリノベーションを実施したことで家賃が上昇するケースだけでなく、リフォームやリノベーションを実施しなかった場合に家賃を下げなければならないケースも想定することも必要です。

例えば、現状の家賃が8万円で、リフォームやリノベーションを実施しなかった場合に7万円に下げなくてはならない場合には、以下のような計算となります。

{(8.5万円-7万円)×12カ月}÷30万円=60%

上記のような事例では、1年半ほどで投資額を回収することが可能です。

実際にはここまで高い利回りとなることはあまりありませんが、費用対効果を判断する方法としてリフォーム利回りの計算方法や投資金額の回収期間を覚えておくとよいでしょう。

費用対効果の高いリフォーム・リノベーションとは?

具体的にどのようなリフォーム・リノベーションの費用対効果が高いのかという点について、
例えば室内の壁紙を変更するリフォームは、あまり費用がかからないのにも関わらず部屋のイメージを大きく変えることができ、うまく活用すれば高い費用対効果を得ることができます。

また、木造アパートの外壁の塗り替えなどは100万円を超える修繕費用がかかることが多いですが、見た目を大きく変えることができ、競争力を高めるのに役立つことがあります。

賃貸物件への入居を決める際、外観などの第一印象が大きな要素となることは少なくありません。
特に築年数が経過した賃貸建物など、汚れて見えたり古いデザインに見えたりするケースでは高い効果を発揮することが多いでしょう。

とはいえ、実際には費用対効果の高いリフォーム・リノベーションは物件の状況や大家さんの状況次第であるため、一概にはいえません。
大家さんのご家族への資産承継の問題なども含めて、より効果的な方法を選択することが大切です。

なお、資本的支出に該当するものであれば、減価償却として計上できるので、税金面でもメリットを享受できるかもしれません。
工事内容をよく検討し、より多角的にプランニングできると良いでしょう。

まとめ

賃貸建物のリフォームについて適切なタイミングを判断するポイントや費用対効果の計算方法などをお伝えしました。

入居者がお部屋選びをする場合、不動産会社やお部屋探しサイトで『賃貸アパート』『築〇〇年以下』と条件を付け、検索されることが多い事も考慮する必要があります。
いくら良いリフォームをしても、築年数がたっていると検索結果に表示されづらいのも事実。

単に古くなってきたから行うだけではなく、競合物件と比較して入居者から選ばれる物件にするために効果的なリフォーム・リノベーションを実施する必要があります。

リフォームローンや補助金などを活用できる場合もありますので、検討をしても良いでしょう。

また、本記事で紹介したリフォーム利回りの計算方法を活用したうえで、

大家さんのご家族への資産承継の問題などそれぞれの状況や目的を踏まえて、

リフォーム工事を行うべきか、建て替えを検討するべきか、総合的に判断していくことが大切です。

大東建託では、土地活用のご提案をはじめ、建て替えのシミュレーション以外に、お客様の事情に合わせた効果的なリフォーム計画や税金に関するご相談も無料でご提供させていただいております。

興味がある方は、こちらまでお気軽にお問合せください。

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監修者プロフィール
中村裕介 不動産ライター(保有資格:宅地建物取引士、保育士)

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。
商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。

実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆中。趣味はフットサル、旅行、読書。