アパート経営が何年で黒字化するのかを調べるには?黒字化へのポイント
公開日: 2024.07.11
最終更新日: 2024.07.16
不動産投資の方法の1つであるアパート経営ですが、経営の開始から何年で黒字化(イニシャルコストの回収)できるのでしょうか。
実際は経営するアパートの規模や立地、初期投資にかかった費用などが複雑に絡んでくるので、具体的に何年かかると決めるのは難しいです。
特にオーナーひとりでおおよその年数を割り出すのは困難とされています。
しかし黒字化するためのポイントを理解し実践することで、黒字化への年数を縮めることは可能です。
今回は、アパート経営を例に、不動産投資にかかる収入やコストに関する知識を徹底解説します。
後半では、家賃収入を減らさないためオーナーがやるべき対策やコツも紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
1.アパート経営の概要
アパート経営には、さまざまな収入と支出が存在します。
まずは基本的な知識を見ていきましょう。
1-1.アパート経営の主な収入源
アパート経営の主な収入源は、インカムゲインである入居者から振り込まれる家賃収入です。
アパートのような賃貸物件は、複数の入居者から家賃収入が得られるため、退去者が出た場合収入減少のリスクを分散することができます。
また、需要が高い物件であれば、入居者が入れ替わるタイミングで家賃を上げることもできます。
物件選びや、購入後価値を維持できるよう適切なメンテナンスは重要です。
また、売却時に資産価値が上昇していれば、売却益(キャピタルゲイン)も得られます。
1-2.アパート経営の主な支出
アパート経営の支出は、初期投資(イニシャルコスト)とランニングコストに大別できます。
初期投資額のなかでも、特に大きな割合を占めるのがアパート建築費や設計費などの本体工事費です。
これらは、ハウスメーカーや建築会社に支払います。
また、中古アパート購入時には、物件価格に応じた仲介手数料が発生します。
その他の初期費用としては、登記にかかる費用(司法書士への報酬・登録免許税)、不動産取得税、印紙税などが挙げられます。
これらの初期費用については、銀行などの金融機関から融資を受けることが可能です。
用意する自己資金を最小限にできるのは、不動産投資の大きなメリットと言えるでしょう。
ランニングコストとしては、ローン返済額のほか、物件の維持管理費や修繕費、災害に備える火災保険・地震保険料、固定資産税、不動産所得に対する所得税が挙げられます。
入居者募集の際には成約賃料に応じた仲介手数料、物件の管理業務を管理会社に委託する場合には手数料も発生します。
>>関連記事:アパート経営を始めたときにかかる費用と続ける際にかかる費用は?
2.アパート経営は何年で黒字化できるか
アパート経営ではローンを利用することが多く、その返済を含めた支出より家賃収入が多くなければなりません。
所有から何年でマイナスからプラスに転じるかは物件次第のため、物件に応じたシミュレーションを立てることが重要です。
2-1.アパート経営における黒字化の定義
黒字化の定義は大きく分けて2つあります。
1.トータルで得た家賃収入がアパート購入にかかった費用を上回ったとき
2.ローン返済が終了して収入の多くが手元に残るようになった状態
2のローン返済が終了すると、支出は維持管理費などのランニングコストのみになります。
収益性が大きく向上し、初期投資した分の「元を取った」と言える状態です。
今回の記事では、2つ目の定義のほうを黒字化の定義として扱います。
2-2.アパート経営が何年で黒字化できるのかを調べる方法
オーナーから不動産会社に相談するのが確実です。
不動産会社の担当者はアパート経営のノウハウがあり、前述した収入や諸費用がいくら程度になるのかを教えてもらえます。
一緒にアパート経営の収支計画を立てれば、黒字化できる年数の目安を立てることができます。
ただし、実際の経営では、常に満室と言うわけではありません。入居率の減少や家賃滞納などいくつかの要素が複雑に絡んできます。
そのため、必ずしも収支シミュレーション通りにいかない場合があることを注意点として認識しておきましょう。
3.アパート経営を黒字化するためにできること
アパート経営を黒字化するには一定の収入を維持することが重要です。
長い空室期間が続くと家賃を下げざるを得ない状況になる場面もあります。
このような状況を作らないために、空室対策におけるポイントを説明します。
3-1.入居者ニーズを満たすアパートを建てる
家賃収入を安定させるには、多くの入居者が長く住んでいる状態が理想的です。
多くの入居者に選んでもらえるアパートにするためには、どのような間取りが求められているか、どのような設備を欲しているかなどのニーズを把握することが重要です。建てられる物件は用途地域など、土地の条件により異なります。
また、賃貸需要は周辺にどのような施設があるのかや、地域の人口推移などをもとに分析する必要があります。
まずは土地活用のノウハウが豊富な不動産会社に対して、所有する土地にはどのような賃貸需要があり、どのような建物であれば建てられるかを確認することをお勧めします。
3-2.適切な賃料を設定する
賃料が高ければ収入は多くなります。
しかし、相場より高すぎると入居者が集まりづらくなり、空室率が上昇する原因ともなるので注意が必要です。
適切な家賃設定の目安は競合物件や立地によって異なります。
仲介を依頼する不動産会社であれば、日々さまざまな物件をターゲットとなる入居者に紹介しているため、よい助言をもらうことが期待できるでしょう。
>>関連記事:経営する賃貸物件の賃料の決め方は?検討材料の例や具体的な計算方法
3-3.アパートの維持管理をして魅力を保つ
賃貸住宅の価値は老朽化により少しずつ下落します。
メンテナンスを怠ると入居者からの印象も悪くなるため、物件の状態を維持するメンテナンスが欠かせません。
一般的に、部屋内のリフォームは入居者が入れ替わるタイミングで実施します。ただし、屋根や外壁、老化などの共用部は、十数年に一度のタイミングで大規模修繕を実施します。資金不足にならないように修繕費用を予め収支計画に計上しておくことが大切です。
3-4.リスクに備えて準備する
アパート経営には収入減少を伴うリスクがあります。
リスクの存在を放置していると収支に影響し、黒字化が遠のくおそれもあります。存在を認知し、前もって備えておくことが大切です。
その一つが家賃下落リスクです。築年数が経つにつれて、アパートを建てたときと同じ家賃で募集をかけても入居者が集まりにくくなります。
その理由はさまざまですが、一つには周辺エリアに最新の設備を備えた競合物件が出た可能性が考えられます。
対処法としてはやはり、築年数が経過しても魅力を維持できるアパートを建てること、メンテナンスを欠かさないことが重要です。
また災害リスクにも対策を講じておかなければなりません。事前にハザードマップを確認し投資判断をすること、万が一の場合に備え損害保険に入っておくことが必要です。
>>関連記事:不動産投資にはどのようなリスクがある?失敗しないためできることは
4.アパート経営をしたら何年で黒字化できるのか
今回は、アパート経営における収入と支出について説明しました。
投資の世界では、想定したプラン通りにいかない場合があります。そうなっても生活に支障が出ないよう、余裕資金での綿密な計画立てが重要です。
「もし自分がアパート経営をしたら何年で黒字化できるのか」気になる際は、大東建託への相談がおすすめです。
建築、資金計画、融資、売却方法、税金対策、法的な手続きなど、ありとあらゆる相談に応じています。
賃貸経営や資産運用の専門的な知見が欲しい場合も、相談内容に応じた知識や経験を持つ担当者が対応してくれます。
相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。
■監修者プロフィール
有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一
関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。
【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者
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