2棟目のアパート経営を成功させるには?成功のポイントや注意点
公開日: 2025.04.15
最終更新日: 2025.04.17
1棟目のアパート経営が順調に安定すると、2棟目のアパート経営を検討するケースは多いのではないでしょうか。アパート経営は規模拡大によって収益性が向上していく点が魅力ですが、やみくもに買い進めてしまうと大きな失敗をしてしまう可能性があります。
本記事では、2棟目のアパート購入を検討している方向けに、2棟目を購入するメリット・デメリットや購入のタイミング、成功のポイントなどについて分かりやすく解説します。
目次
1. 2棟目のアパートを購入するメリット
まずは2棟目のアパートを購入するメリットについて解説していきます。
1-1. 家賃収入がより得られる
2棟目のアパートを購入するメリットは、2つのアパートからそれぞれ家賃収入を得ることができるので、1棟よりも多くの家賃収入を得られる点です。
部屋状況や借り入れ状況にもよりますが、貸し出せる部屋数が増えるため、全体的な収益アップの可能性が高まります。
家賃収入が増えることで安定したキャッシュフローを確保できます。
そうして生まれた余剰資金を利用して資産運用をすることができ、効率的な資産形成ができます。
また相続対策などの目的で不動産経営をしている場合も、より大きな効果が期待できます。
1-2. リスク分散ができる
所有アパートを1棟から2棟にすることで、リスク分散ができます。
投資の基本はリスクに備えて、投資対象を分散させることです。
不動産経営におけるリスクとは、具体的には空室のリスクや災害などのリスクが挙げられます。
2棟目の所有物件を、所在地や築年数など、1棟目とは条件の異なるアパートにすることで、よりリスクを分散させることができます。
1-3. 融資が受けやすい
不動産投資で規模拡大を目指す場合、不動産投資ローンは避けて通れませんが、2棟目のアパートは、融資が受けやすくなる可能性があります。これは、1棟目の経営状況が良好であれば、金融機関から安定的に経営ができると判断されるためです。
1棟目のアパートで確実に収益を上げた実績があれば、アパート経営のノウハウがあると判断され、金融機関からの信頼が得やすくなります。
2. 2棟目のアパートを購入するデメリット
ここからは、2棟目のアパートを購入するデメリットについてお伝えしていきます。
2-1. 管理の手間が増える
2棟目のアパートを購入することで、管理の手間が増えることは避けられません。
不動産経営では、アパートの管理は管理会社に委託することが一般的です。
しかし管理会社に委託する場合でも、時々は自分の目で物件の様子を見に行くことや、管理会社からの報告を逐一確認することは大切です。
単純計算で確認作業や報告を聞く機会が2倍かかることになる点は、2棟目購入のデメリットといえます。
2-2. 融資を受けにくくなる可能性がある
2棟目のアパート購入の際に、1棟目のローン残高が多い場合、金融機関の融資審査に通りにくくなることがあります。
金融機関によっては、1棟目の運用実績だけでなく、自己資金や担保価値も厳しくチェックされる可能性があります。
その他、「融資期間が短縮される」、「金利が高くなる」、「融資額が抑えられる」など、融資条件が厳しくなる可能性もあります。
2-3. アパートの維持費が増える
アパートを購入すると、基本的には維持費以上に収入が増えます。
そのため厳密にはデメリットとは言えないかもしれませんが、2棟目のアパートを購入すると、当然ながらアパートの維持費は増えます。
維持費の具体的な内訳としては、共用部の光熱費や定期清掃費用、退去後の原状回復費、修繕費などがあります。
特にエレベーターや貯水槽など、1棟目にはなかった設備がある場合などは、1棟目の感覚で維持費を低く見積もりがちなので注意が必要です。また、固定資産税等の税金の支払いも増加します。
3. 2棟目のアパート購入に適したタイミング
ここからは、2棟目のアパート購入に適したタイミングについて解説します。
3-1. 1棟目のアパートのキャッシュフローが黒字のとき
2棟目のアパート購入に適したタイミングとしては、今あるアパートで黒字を維持できているかどうかが基準の1つといえます。
毎月現金が目減りしているなど、今あるアパートの経営が上手くいっていない状況の打開策として2棟目を買うのは避けたほうが良いでしょう。
これは、キャッシュフローが思わしくないときに、大きな出費が増えると経営に影響するためです。
2棟目の購入は赤字回復の手段ではなく、黒字経営の延長線上にあるという認識が大切です。
3-2. アパート経営に関するノウハウが蓄積されたとき
1棟目のアパート経営を通じて、アパート経営に関するノウハウが蓄積されたときは、2棟目購入に動き出すベスベストタイミングと言えます。
アパート経営はお金の流れを把握するだけでなく、空室が出た際などにどのように対処したら良いのかも考える必要があります。
入居者からクレームがあった際の対処法や空室率が高いと感じた際の対処法など、しっかりしたノウハウが構築されれば、2棟目の経営もスムーズに行えると判断できます。
また月々の収支、突発的な修繕や税金など、財務の面でも1棟目の経営状態をきちんと把握し、解決方法を理解できている必要があります。
上述した通り、アパートの管理は不動産会社などの管理会社に委託することが一般的ですが、クレームなどのトラブル対応や空室対策など賃貸管理のノウハウがないと、判断基準があいまいになり、管理会社からの提案や請求費用が適切なのかどうかを判断できません。
例えば各種リフォームに関して、必要最低限のリフォームに留めるのか、新規の設備を追加して賃貸住宅としての資産価値をバリューアップするのか、ニーズに合わせて部屋の間取りを変えるリノベーションをするのかなど、オーナーとしての判断が求められます。
あくまでも自分自身が経営の主体だと自覚して、アパート経営のノウハウについて深く理解することが大切です。
3-3. 1棟目の空室率が高くないとき
1棟目のアパートの空室率が低いときも、2棟目を検討するタイミングと言えるでしょう。
空室率とは、物件全体の部屋数に対して空室がどれくらいを占めているのかを示す割合です。
そもそも1棟目の空室率が高いと、経営が健全でないという理由で2棟目の融資が受けられない可能性があります。
状況によっては2棟目の経営を始める前に今あるアパートの空室対策をしたほうが良いこともあります。
3-4. 金融機関の金利が下がっているとき
金融機関の金利が下がっているときは、2棟目のアパート購入の好機と言えます。
アパート経営のローンは金額が大きいため、金利が低いほど返済が楽になります。同じ金額を借りる際、金利が下がっているタイミングで借りるのとそうでないのとは、総返済額に大きな差が出てしまいます。
少しでも有利な条件でアパート経営するためには、融資の申請をする場合は金利が下がったタイミングがおすすめです。
4. 2棟目のアパート経営を成功させるポイント
ここでは、2棟目のアパート経営を成功させるポイントについて解説していきます。
4-1. 物件を購入する基準を明確にしておく
2棟目の物件選びの際には、購入する基準を明確にしておく必要があります。
1棟目のアパート経営が上手くいっている場合でも、2棟目を購入する条件の基準を明確にしておきましょう。
アパート選びは利回りの高さに目が行きがちですが、高い収益が見込めることだけでなく、2棟目は1棟目のリスク分散にも役立つ物件を選ぶべきでしょう。
もちろん1棟目を黒字化させることが大切ですが、万が一1棟目が赤字になってしまったときでも、2棟目の収益が1棟目のマイナス分を上回る利益を出していれば黒字経営ができます。
1棟目の入居率が一時的に下がる、急な出費が発生するなどの緊急時にも、対応できるアパートが、2棟目にふさわしいアパートといえます。
4-2. 1棟目とは異なるエリアを選ぶ
2棟目のアパートは1棟目とは異なるエリアを選ぶと、リスク回避に役立ちます。
安定した不動産経営を実現するには、リスクに対する用意が何よりも大切です。
同じエリアに2つのアパートを所有した場合、リスクになり得る要因が発生したとき、2つの物件とも影響を受けてしまう、修繕費用が多くかかったりしてしまうというリスクがあります。
リスクの具体的な例として、人口の低下に伴う入居希望者の減少や、災害発生時による修繕、入居者募集のターゲットとなっていた大学や工場といった近隣施設の撤退などが挙げられます。
1棟目と2棟目を別のエリアに分けておけば、仮にどちらかのエリアで事件や事故、地震などの災害などが起きた場合でも、もう一方のエリアはダメージを受けずに済みます。
4-3. 1棟目とは異なる築年数の物件を選ぶ
既に建っている物件を購入して2棟目の経営を始めるときの注意点として、1棟目とは異なる築年数の物件を選ぶことが重要です。
築年数が同じか、ほとんど違いのない物件を購入してしまった場合、大規模修繕のタイミングが重なりやすく、大きな支出が同時期に発生するリスクがあります。
大規模修繕は高額な出費を伴うため、キャッシュフローをはじめアパート経営に大きな影響を与える可能性があります。
出費のタイミングを分散するためにも、1棟目とは築年数が異なる物件を選んでおくと安心です。
5. 2棟目のアパート経営を成功させるために
2棟目のアパートを購入して規模拡大することで、家賃収入が増え、リスク分散も可能になります。
ただしアパート経営のノウハウがないと、2棟目購入による経営状況の悪化リスクも高まります。
2棟目のアパート経営を失敗しないためには、不動産経営に関する深い知識とノウハウが重要になります。もし2棟目の購入に迷っていたら、不動産取引と賃貸経営のサポート実績が豊富な大東建託にお気軽にご相談頂ければ幸いです。
>>関連リンク:土地活用・賃貸経営のことなら大東建託
■監修者プロフィール
株式会社アース・リーグ代表取締役
森田一成
15年間の住宅・不動産専門新聞社の経験、不動産投資セミナーの企画・運営、不動産団体広報誌の企画・取材・原稿執筆などを経て、Webメディア制作・編集、不動産関連のセミナー企画などを行っている株式会社アース・リーグを設立し代表を務める。
【保有資格】宅地建物取引士
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