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アパート・賃貸経営の法人化とその方法|節税対策や相続対策にも!

最終更新日: 2023.12.15

アパート経営やマンション経営は、個人事業主としてスタートする場合が多いです。しかし、事業規模や売上(家賃収入)が大きくなると、節税の観点から法人化を考えるオーナーも多くなります。不動産所有しているオーナー様の多くは土地活用を行っているかと思います。不動産所得を最大化させる具体的な方法として今回は、法人化によるメリットと手続きを徹底解説します。

>>関連記事:「アパート経営完全ガイド|建築プラン立てから完成後の業務まで」

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法人化をすればさまざまなメリットがある

不動産経営における「法人化」とは、オーナーや家族がアパートを管理・所有する法人を設立し、所得を個人から法人へ移して、有利な税率の活用や所得の分散を図る手法のことです。法人経営と聞くと難しく聞こえますがポイントを理解して流れを理解すればスムーズに実施可能です。
所得の分散は、配偶者や子どもを法人の役員にし給与所得や役員報酬として支給することで行います。

「法人化」にはアパート・マンションなどを法人が所有する「所有型法人」と、アパート・マンションの管理のみを法人が請け負う「管理型法人」の2種類があります。
「所有型法人」では、土地をオーナー名義、建物を法人名義とすることで、法人が家賃収入を受け取り、オーナーは地代収入を得られます。「管理型法人」では、土地・建物ともにオーナー名義のままで、法人にはアパート・マンションの管理を委託します(管理会社とする)。オーナーが家賃収入を得て、法人へ管理委託料を支払う形となります。
ここでは、所得の分散効果がより高く、相続税対策にも有効な「所有型法人」についてご紹介します。

「法人化」によるメリットを受けるには、オーナーの事業規模が大きく、家賃収入も多いなどの諸条件があります。「所有型法人」においては、オーナーが所有する全てのアパート・マンションを法人名義にするのではなく、一部のアパート・マンションの名義のみ法人とすることが代表的なパターンです。
法人名義の建物から得られる家賃収入は法人、そして役員となっている家族へ、その他のオーナー名義のままの建物から得られる家賃収入はオーナーへと支払うことで、所得を分散させることができます。

所得面におけるメリット

「法人化」においては、所得を個人から法人へ移すことになるので、不動産オーナーの課税所得を減らせる効果があります。また、個人の所得税率は累進課税なので収入金額によっては法人税率の方が有利になる場合もあります。目安としてご自身で個人と法人、税率上どちらが有利になるか比較はできますが、ケースによって異なりますので、検討する際は税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。

相続面におけるメリット

個人事業主として不動産を経営する場合、オーナー個人の財産が多いほど、相続税の納税額も多額になります。それに対して、所有する不動産を法人所有に切り替えれば、法人の所有物として残ります。法人所有の物件には相続税がかかりませんので、相続資産が少なくなるので相続における節税対策として有効といえます。
また、複数の相続人がマンションやアパートなどを共有名義で相続することになった場合、権利者の合意が難しくなりトラブルの温床になりがちです。しかし、不動産を法人化して次世代に引き継ぐことで、共有名義での相続を避けてこのようなトラブルを防ぐことができます。
さらに、相続人となる予定の人を法人の役員とし、その人たちが報酬や給与を受け取ることができるようにすれば、生前贈与などに該当せず、贈与税を納付することなく、オーナーの存命中から次世代へ財産の移転が可能になります。なお、物件自体は相続税の対象外となりますが、物件を保有する法人の持分(株式等)は相続税の対象となります。

>>関連記事:相続税の基本の「き」 ?計算方法から基礎控除まで?

個人所有から法人所有への移転手続きなど

個人事業主が法人化を行う場合、主に次のような手順・プロセスが必要となります。 (設立費用等はご確認ください。)

1.商号が使用可能かを確認する

ご自身が会社の称号を決めたとしても、同一の商号や類似する商号の会社が既にあった場合は、不正競争防止法にもとづいて「その商号を使用しないで欲しい」という差し止め請求や、損害賠償請求などを起こされる可能性があり、注意が必要です。

2.印鑑の作成

個人実印、会社実印、会社銀行印、会社角印は、会社設立と実務の遂行にあたって大切なものですので、準備しておきましょう。

3.定款の作成

会社設立の目的をはじめ、会社にまつわる基本事項について記載します。

4.定款の認証手続き

作成した定款を公証人役場、法務局に提出します。電子定款の提出もできます。

5.出資金の払い込み

出資金(資本金)の払い込みを行い、銀行に残高証明書を発行してもらいます。預金通帳のコピーも必要となります。

6.会社設立の登記申請

法務局に会社設立の登記申請を行います。登記申請書には定款、出資金の払込証明書類(銀行の残高証明書、預金通帳のコピー)などを添付しなければなりません。 これらの書類に不備がなければ、会社設立手続きが完了となります。

7.個人事業の廃業手続き

法人化によって全ての事業を法人に引き継ぎ、個人事業を廃止する場合には、税務署に廃業の手続きを行います。個人事業主としての最終年度の確定申告も行う必要があります。

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資産の移転について

現物出資

設立する会社に出資する場合、金銭で行うことが原則ですが、一定の条件のも とで経済的な価値のある有形・無形の財産の出資が認められています。これを現物出資といいます。なお、負債も出資することができます。ただし、資産と 共に出資すること、資産の価値の方が大きいことなどの条件があります。

売却

法人を設立した後に、個人事業主から法人に資産を売却するという方法です。売却時に負債も売却することができます(資産と一緒に売却する)。ただし、売買契約書を作成することや、代金の決済について期限などを明記しておくなど、一定の対策を講じなければ、税務上の問題が起こる可能性があります。 (所有期間によっては譲渡所得税率が違います。)

賃貸借

個人事業主の保有する資産を、法人に貸し付けるという方法です。法人側に資産を購入するための資金が必要ないこと、不動産の名義変更をする必要がないこと がこの方法のメリットです。不動産オーナーとして、法人から賃貸料収入を得る
ことができますが、賃貸料収入の金額によっては、オーナーは確定申告を続け、所得税を支払い続ける負担が出てきます。

相続税の節税を考えた場合、資産がオーナーの手元に残ったままになる賃貸借という方法はあまり節税効果が見込めません。
売却は、現物出資に比べて相続税が高くなる傾向があります。売却代金が出資者に渡るので、結局その代金が相続財産として残ってしまい、相続税の課税対象となることが考えられるからです。

手元に資金がなくても、法人化を行うことができるのは現物出資と賃貸借です。ただし現物出資は会社法上の要件をクリアしなければならないこと、検査役による検査や弁護士・公認会計士・税理士による証明を受ける必要があることなど、手続きが煩雑になります。また賃貸借という方法を取ると、会社の事業に使うはずの資産が会社に帰属していないことになり、事業基盤の不安定な会社と捉えられるリスクはあります。

売却により資産を移転する方法は現物出資に比べて規制は緩いですが、法人側が資産を購入できるだけの資金を確保する必要があります。
現物出資、売却、賃貸のいずれの方法にも、一長一短があります。相続税の節税効果を得たいのか、所得の分散を行いたいのか、相談できる税理士や会計士・司法書士はいるのか、大家さんの事情に合わせて資産の移転方法を検討することが大切です。

法人化で必要な手続きを確認しておく

法務局で会社設立の手続きが終わっても、他にもまだ手続きがあります。

税務署への届け出

これからは法人税を支払う必要があるため、税務署で届出書を提出しなければなりません。 さらに都道府県・市町村には「法人住民税」「法人事業税」を納付することになりますので、法人設立届出書を提出します。

社会保険事務所への届け出

健康保険や厚生年金保険への加入をしなければならないので、会社設立後は速やかに社会保険事務所に届書等を提出しなければなりません。 (保険料の支払いが発生します。)

労働基準監督署、公共職業安定所への届け出

労働者を1人でも雇う場合は、労働保険(労災保険、雇用保険)に加入しなければなりません。そのため、労働基準監督署や公共職業安定所にも届け出を行うことになります。


法人化にあたってさまざまな手続きが必要で一見手間がかかり大変そうに見えます。

しかし、会社設立に関して相談に乗ってくれる税理士などの専門家も数多いですし、所得税や相続税などの節税効果が今後ずっと得られるのでおすすめです。法人設立には必要経費などコスト(費用)が発生します。注意点としてタイミングによってはデメリットもありますので自身にとって利益となるのかきちんと見極めましょう。
経営状態が向上し、経営規模が拡大してきたら、法人化の検討も視野に入れてみるのもいかがでしょうか。検討の際は、ご自身に基礎知識をつけることと税理士などの専門家に適切なアドバイスをいただくことが重要です。


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