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新築アパートの経営まとめ│メリット・デメリットや建築のポイントは?

公開日: 2024.09.13

最終更新日: 2024.09.17

不動産投資の中でも、アパート・マンション経営などの賃貸物件は複数の入居者から家賃収入が見込めることから、人気がある資産運用の1つです。

中でも、新築ともなると中古マンション・アパートにはない自由度があり、工夫次第では競合物件に負けない物件を作ることも可能です。

今回は、新築アパート経営について詳しく説明します。メリットやデメリット、新築アパートの経営を始める際の初期費用の目安、成功させるためのポイントを説明します。

目次

1. 新築のアパート経営のメリット

1-1.空室リスクが低い

1-2.維持費や修繕費用を抑えやすい

1-3.建物の設計や設備の自由度が高い

1-4.金融機関からの融資を受けやすい

2. 新築のアパート経営のデメリット

2-1.運用開始まで時間と手間がかかる

2-2.経営を始める際の初期費用が多くかかる

2-3.投資回収までの時間がかかりやすい

2-4.家賃の下落が早い

3. 新築アパートの経営を始める際の初期費用

3-1.土地を所有している場合の費用の目安

3-2.土地を購入してアパートを建築する場合の費用の目安

4. 新築アパート経営で得られる利回りのシミュレーション

5. 新築アパート経営を成功させるためのポイント

5-1.立地や潜在ニーズをしっかり調べる

5-2.需要に合った間取りや設備を検討する

5-3.建売物件で経営する場合はプランをより検討する

5-4.出口戦略について考えておく

6. 信頼できるパートナーを見つけ、新築アパートの経営をはじめよう

1.新築のアパート経営のメリット


まずは、新築アパートの基本情報として、複数あるメリットを紹介します。
これらのメリットを読めば、どのような点で新築アパートが優れているのかを理解できるはずです。

 

1-1.空室リスクが低い

まず、アパート経営は衣食住のうち住にあたるものであることから、景気変動に左右されず、長期的に需要を見込みやすい不動産経営です。

また、その中でも新築物件は人気が高く入居希望者が集まりやすい傾向にあります。
最新のニーズにあった設備や外観をしているので、ニーズからずれてしまったことで空室率が高くなる中古物件に比べ、稼働開始から満室に近い状態で始められるでしょう。

1-2.維持費や修繕費用を抑えやすい

建物の法定耐用年数は木造・軽量鉄骨造などの構造によって異なります。
しかし、一般的には新築から十数年後には、屋根外壁塗装や共用部の設備を修繕する「大規模修繕」の判断が必要です。

このことから、中古アパートは築年数の経過によって修繕費、維持費がかかりやすい傾向にあります。

また、前のオーナーがどのような維持管理をしていたかを全て把握するのは難しいことから、老朽化により、購入時には予測していなかったトラブルや問題が発生し資金の持ち出しや賃貸条件の見直しなどの対策が必要となる可能性があるので注意が必要です。

一方、新築アパートは建物や設備の修繕が必要になるまで一定の期間があります。
経営を開始してからこまめなメンテナンスを繰り返せば大きな修繕の頻度を少なくできます。

1-3.建物の設計や設備の自由度が高い

新築アパートは設計の段階からオーナーがアパート建築会社に関わることができるため、建物設計や設備にこだわることができます。
今のトレンドに合った設備を設けて入居者に選ばれやすい物件にすれば、競合物件と差別化を図り、大きなリターンを得ることが可能です。

特に、一棟におけるお部屋の大きさや間取りは、建ててしまった後では変更することができない場合が多くあります。
不動産会社からアドバイスを得ながら進めれば、後々空室対策が必要となりにくい高利回りの収益物件を作ることもできます。

1-4.金融機関からの融資を受けやすい

新築物件は金融機関からの融資を受けやすい特徴もあります。
アパートを建築する際、投資用ローンを活用するのが一般的です。

この際、金融機関はいくつかの指標をもって、借入金を返済できるのかを判断します。
本人の年間収入や、投資対象となる物件の資産価値、借入額、返済期間などが主な指標です。ローン契約では一般的に新築するアパートを担保とするため、資産価値が高い新築アパートは審査に通りやすい傾向にあります。

投資資金のうち、自己資金の割合を抑えれば、キャッシュフローにおいても余裕を持った投資が可能となります。
金融機関からの融資を受けやすいのは重要なメリットと言えるでしょう。

2.新築のアパート経営のデメリット


新築マンション・アパートという投資方法にはデメリットもあります。注意点を確認することで、失敗を避けましょう。

2-1.運用開始まで時間と手間がかかる

中古アパートの場合はすでに入居者がおり、購入してからすぐに家賃収入を得られます。

しかし、新築アパートは運用開始までに時間や手間がかかります。
経営を始めるには、アパートを建てる土地のエリア選定から始まり、建物の設計と建築、入居者募集の期間が必要です。

2-2.経営を始める際の初期費用が多くかかる

アパート一棟の建築を行うので、投資額が高額になりやすいです。
経営を始めるためのローンの借入額も大きくなりやすく、毎月の返済額も多くなります。

例えば、土地の購入にかかる仲介手数料や建築費用、各種登記にかかる費用などは、代表的な初期費用です。

特に土地購入と建物建築にかかる費用に目がいきがちですが、その他費用もさまざまかかるので注意が必要です。

2-3.投資回収までの時間がかかりやすい

投資額が大きく、家賃収入に対する利回りが低い傾向にある投資回収にも時間がかかります。
安定した家賃収入からローン返済や諸経費を支払い、オーナーにはその残りがキャッシュとして残ります。

ローンを返済し終わるまでには相当時間がかかるため、収支計画をしっかり立てなくてはなりません。
物件価格や融資の金額を計算する必要があります。

2-4.家賃の下落が早い

最初の入居者が退去した後は「新築」という付加価値がなくなるため、場合によっては入居者確保のために初期の家賃設定から変更する必要があります。

中古アパートと比較して家賃下落の幅が大きくなる可能性があることから、この点も収支のシミュレーションを行ううえで保守的に家賃収入を計上しておく必要があるでしょう。

経営の途中、利回りが悪くなる要素として、空室率の上昇や、ランニングコストの増加、支払金利の上昇などがありえます。
これらが発生すると、キャッシュフローが悪化しローンの返済が難しくなる可能性があります。

>>関連記事:アパート建築費をローコストに抑えるには?主な手法と注意する点

3.新築アパートの経営を始める際の初期費用


新築アパートの初期投資には、どういったものがあるのでしょうか。

ここでは種類ごとに紹介していきます。

3-1.土地を所有している場合の費用の目安

土地を所有している場合、建築費が大きな割合を占めることとなります。
アパートの構造や規模にもよりますが、費用全体の78割ほどが目安です。

ただし、入居率は土地環境に左右されます。アパート需要が低い土地では、アパート経営以外の土地活用を検討する選択肢もあることを把握しておきましょう。

3-2.土地を購入してアパートを建築する場合の費用の目安

土地を購入する場合は、賃貸需要が高い土地を探して経営ができます。

しかし、土地購入と建築の費用がかかるため、初期費用が高額です。特に都市部や立地条件の良い土地ほど高額になります。

 

その他、新築アパート経営を始める際にかかるその他の費用は以下の通りです。

諸経費の目安は物件価格の78%とされています。

・アパートローン関連費

ローンを借りる場合に、金融機関に対して支払う保証料や事務手数料です。
それぞれの金融機関で制度が異なり、発生しない場合もあることから、事前に確認しましょう。

 

・登記費用

土地を購入したり、建物を建てた際に、不動産登記簿に所有者が自分であることを登記しなければなりません。
登録免許税のほか、司法書士事務所に依頼する場合は報酬が発生します。

 所有権保存登記(建物):固定資産税評価額× 0.4

 所有権移転登記(土地):土地の価格 × 1.5%

 抵当権設定登記債権金額:借入金額× 0.4

 

 

・不動産取得税

不動産を取得した人に対して課される税金で、取得後半年から1年半後に、1度だけ発生します。
固定資産税評価額×税率(3%)がかかります。

 

・印紙税

土地売買契約や、建物の建築請負契約などを締結する際、その書類を作成することに対して印紙税が発生します。
金額は契約書に記載される物件価格により異なりますが、1,000~6万円ほどが相場です。

 

・各種保険料(火災保険など)

建物が災害にあった際保険金を受け取るために、火災保険や地震保険に加入します。
こちらも物件により異なりますが、おおよそ50万円は見ておきましょう。

>>関連記事:アパート経営を始めたいときはどこに相談する?主な相談先について

>>関連記事:アパートを経営する際にかかる維持費は?費用を抑えるポイント



4.新築アパート経営で得られる利回りのシミュレーション


ここまでは新築アパートにかかる費用を紹介しました。次は、より
具体的なイメージを持つべく、数字を用いて新築アパートの実質利回りの計算方法

を紹介します。

 
*土地を所有していて新たにアパートを建築する

<諸条件>

*建築費:9,000万円

*建築時の諸経費:720万円  物件価格の8

*年間家賃収入:960万円(1室月8万円×10部屋)

*維持管理費等: 点検・清掃の管理会社への委託費用として、家賃収入の5%を見込む

 

<計算例>

*入居率100%の場合 (年間家賃収入960万円)

表面利回り 960万円÷初期投資額9,720万円=9.8%

実質利回り (960万円-維持管理費960万円×5%)÷初期投資額9,720万円=9.3%

 

*入居率80%の場合(年間家賃収入768万円)

表面利回り 768万円÷初期投資額9,720万円=7.9%

実質利回り (768万円-維持管理費768万円×5%)÷初期投資額9,720万円=7.5%

5.新築アパート経営を成功させるためのポイント


新築アパート経営を成功させるコツは、やはり投資物件に対する情報や知識を集め、状況に応じた対応をとることです。
ここでは、大切にしたいポイントを説明します。

5-1.立地や潜在ニーズをしっかり調べる

賃貸不動産の成功には、立地の良し悪しが大きく影響します。アパート経営を始めるには物件周辺の人口が多いエリアに越したことはありません。
周辺環境により、住宅や商業、工業、倉庫、駐車場などのように需要が変化するため、まず立地や潜在ニーズをしっかり調べることが大切です。

建設予定の周りの施設や人口増加の見込みなどを調べ、土地にアパート経営ができるだけの十分な需要が見込めるかを見定めましょう。

こういった市場調査は、不動産会社も実施しているため、相談すれば情報を引き出すことができます。まずは相談してみましょう。

5-2.需要に合った間取りや設備を検討する

建物に関しても、想定する入居者にマッチした間取りや設備を備えておくことが重要です。
例えば、昨今のリモートワークの普及に伴い、ネット環境の整備や高い防犯セキュリティなどが人気の設備となっています。

設備は後付けできますが、間取り(特に部屋の大きさ)は後から変えることができない要素です。周辺の競合物件に勝ちうる間取りにして、入居者をより集めやすくしましょう。

5-3.建売物件で経営する場合はプランをより検討する

建売物件とは、既に完成されたアパートやもしくは完成予定のアパートと土地がセットで売られている物件のことを指します。
購入から運用開始までの期間が短く、既にプランができあがっているため初心者でもとっつきやすい投資方法です。

しかし、新築アパートのメリットで説明したような設計施工の自由度は劣るため、購入前に入居者ターゲットの需要とマッチしているか見極める必要があります。

5-4.出口戦略について考えておく

出口戦略とは、投資をどのように終了させるのかの戦略のことを指します。
アパート経営は長期にわたります。
一生保有し子孫に相続させるのか、どこかしらの段階で売却するのか、そういった最終的な絵姿を考えてから投資しましょう。

特に、アパート経営の収益の低下が見込まれた際に損失を最小限に抑えるため手放すのか、それとも持ち続けるのかは非常に重要な判断です。
不動産は売却するまでに時間を要するため、売却する場合は、事前準備にいつから入るかを検討しておきましょう。

 
>>関連記事:一棟アパートを売却する前に知りたいこと|全体の流れやかかる支出の例

6.信頼できるパートナーを見つけ、新築アパートの経営をはじめよう


今回は新築アパートの経営まとめとして、メリット・デメリットや建築のポイントを説明しました。

新築アパートは底堅い需要を持つ人気の投資手法ですが、土地に合った運用方法はエリアにより異なります。まずは不動産会社に相談し、どのような手法が合っているかを聞くことをおすすめします。信頼できるパートナーのサポートを受け、理想の賃貸経営を実現させましょう。

 

大東建託では、土地活用や資産形成に関する相談を無料で受け付けております。
大東建託でこれまで手がけた複数の実績・事業事例から、オーナー様におすすめのものを選択し提案します。ぜひお気軽にご相談ください。

■監修者プロフィール

有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者