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アパートの管理ではどのようなことをするの?委託方式の違い

公開日: 2024.06.03

最終更新日: 2024.06.05

アパートやマンションなどの賃貸住宅において重要なのが、管理業務です。管理業務が疎かになると建物が持つ魅力が失われたり、入居者の満足度が下がったりします。その結果、入居者が思うように集まらないような事態に陥る恐れもあります。

 

この記事では、賃貸不動産のオーナーなら知っておきたい、不動産賃貸管理業務の詳細について解説します。業務内容やアパート管理の方式、管理を委託するメリットとデメリット、管理会社の選び方まで、ポイントごとに説明します。

最後まで是非チェックしてください。

目次

1. アパート管理で行う業務内容

1-1.入居者に関わる管理業務

1-2.建物に関わる管理業務

1-3.金銭に関わる管理業務

2. 主なアパート管理の方式

2-1.自主管理

2-2.管理委託

2-3.サブリース

3. アパート管理の自主管理と管理委託・サブリース

3-1.自主管理するメリット

3-2.自主管理するデメリット

3-3.管理委託・サブリースのメリット

3-4.管理委託・サブリースのデメリット

4. アパートの管理を委託する会社の選び方

4-1.委託できる管理業務の範囲を確認する

4-2.担当者の印象や対応の早さで選ぶ

4-3.手数料を確認する

4-4.管理会社の実績を確認する

5. アパート管理会社を活用し、より安心な賃貸経営を行おう

1.アパート管理で行う業務内容

賃貸管理業務は、集客から賃貸契約手続き、入居中の対応、退去者とのやりとり、退去後のリフォームと多岐にわたります。

まずは、賃貸住宅における物件管理業務にはどんなものがあるのか、見ていきましょう。

 

1-1.入居者に関わる管理業務

入居者管理の中には、大きく分けて客付けに関するものと、入居以降に関するものがあります。

客付けに関する管理業務は、不動産仲介会社に仲介業務を依頼するのが一般的です。

不動産会社は、成約時の仲介手数料を報酬として、物件情報の掲出、入居者募集、入居希望者の内見対応、賃貸借契約手続きのサポートなどを行います。
オーナーが行うのは、賃料などの条件設定や入居審査・契約書の押印などです。

入居以降に関するものについては、既存入居者とのコミュニケーションに関するものが大半です。
トラブル対応やクレーム対応、契約更新手続き、解約する場合の手続きなどがあります。

1-2.建物に関わる管理業務

建物管理は、建物を維持管理し、その価値を保つための業務です。

共用部分の清掃や消防設備の法定点検など、メンテナンス作業を通して建物の価値を保ちます。
不具合があれば、工務店や設備業者に修繕を依頼します。

また、入居者の退去時には、次の入居者が速やかに入居できるように原状回復工事や清掃業者の発注などが必要です。

十数年に一度、大規模修繕も手配します。
アパートの状態を調べ、物件に生じている不具合を一気に修理し、建物全体の価値を伸ばします。

1-3.金銭に関わる管理業務

アパートに関する入出金を管理する業務です。
入居者から賃料や敷金、礼金、更新料などの収入を集金します。
集金の方法は銀行振り込みが一般的です。

入金が確認できない場合は入居者に状況をたずねますが、管理業務の範囲で家賃の督促はできません。
督促をした場合は非弁行為(弁護士ではないひとが弁護士に認められた業務を行うこと)に該当するおそれがあるからです。

 

また、修繕費用など、コストが発生した際は、大家が各業者に発注し、その費用を振り込みで支払わなくてはなりません。

 

その他、賃貸管理業務のより詳細な内容については、以下の記事でも詳しく説明しています。

 

>>関連記事:押さえておきたい賃貸管理で行いたい事と今後行うべき事

 

2.主なアパート管理の方式


アパート管理の方式は主に3つ自主管理、管理委託、サブリースです。
ここでは、それぞれの方式について詳しく説明します。

 

2-1.自主管理

自主管理は、アパートのオーナー自身が全ての管理業務を行う方式です。

他人に任せる際にかかる費用が不要になり、支出を減らすことができます。

一方、上記の業務に伴う時間・手間・アパート管理の知識が求められます。
24時間トラブル対応やクレーム対応、家賃滞納などの対応業務に追われる可能性もあることから、それらに対応できる余力が求められます。

2-2.管理委託

管理委託とは、オーナーが各入居者と締結する賃貸借契約について、その管理業務の全部または一部を管理業者に委託する方式です。

管理業務の全部を委託する場合、入居者とのやりとりや、入居者からの集金確認、トラブル・クレーム対応、業者発注などは、全て管理会社が行います。
家賃滞納が起きた際は、管理会社が入居者に対して振り込みが遅れている旨の連絡を行います。

オーナーの役割はあらゆる物事の意思決定です。
入退去や建物修繕においてどこまで修繕するのか、入居者を入居させるかどうかの意思決定を、管理会社からの報告や入居審査の内容を見ながら判断しなくてはなりません。

2-3.サブリース

サブリースとは、オーナーが不動産会社に物件を賃貸し、不動産会社が入居者に転貸するスキームのことです。

この場合、オーナーから見た借主は不動産会社1社となり、不動産会社が各入居者と転貸借契約を締結します。
オーナーからすると、賃貸借契約が1本でまとまり、入居者ごとの契約手続きや審査が不要になるため、管理委託よりも手間が少ない傾向にあります。

また、不動産会社からオーナーへは決められた賃料が振り込まれるため(家賃保証)、空室や入居者から不動産会社への家賃の滞納があったとしても、収入は減りません。

ただし、サブリース料の相場は管理委託手数料の相場より高い傾向にあるため、自主管理・管理委託方式よりは表面上の収益性が劣る傾向にあります。

 

その他、不動産投資でサブリース契約を活用するメリット・デメリットについては、以下の記事でも詳しく説明しています。

>>関連記事:不動産投資でサブリース契約を活用するメリット・デメリットは?

 

3.アパート管理の自主管理と管理委託・サブリース

3つの管理形態のうち、自主管理と管理委託、サブリースはどういった人に向いているのでしょうか。

ここでは、それぞれの代表的なメリット・デメリットを説明します。

 

3-1.自主管理するメリット

管理会社に支払う管理委託費が不要になり、収益を最大化できます。

また、賃貸経営に関する経験をより多く積めます。現場の状況を自分で見て、聞いて、判断することになるため、賃貸経営に関する意思決定をより早く行いやすくなるというのもメリットとして挙げられるでしょう。

3-2.自主管理するデメリット

自主管理のデメリットは、管理業務に多くの時間と労力を取られることです。

起こり得るトラブルやリスクの内容によっては、法令や税務などの専門知識と迅速な対応が求められます。対応を誤ると入居者の満足度を低下させるケースもあるため、賃貸物件を管理する上での知識と、トラブル発生時に対応できる余力が求められます。

また、いずれ次世代に物件を引き継ぐ場合には、その次世代の育成も課題となります。

3-3.管理委託・サブリースのメリット

管理委託やサブリース方式を選んだ場合、業務にかかる手間を省けるのが一番のメリットです。
アパートの管理業務をきっちりやろうとすると時間と労力の負担が大きく、知識や余力が十分になければ難しい一面があります。

アパート管理の知識や経験のある会社に委託することで、貸主の管理の手間を省くことができます。
他の仕事や家事などと両立し、不動産投資ができるようになるのは、管理委託の大きなメリットです。
また、家賃滞納時など面倒な問題への対応も管理会社が代行してくれるため、安心して賃貸経営を行うことができます。

サブリースの場合はこれに加えて、滞納や空室が発生した時でも決められた賃料が支払われることや、入居者との契約・更新・退去手続きの判断や手間が不要にできることがメリットとして挙げられます。

3-4.管理委託・サブリースのデメリット

一般的に、管理委託で家賃収入の5%程度、サブリースで10~20%程度の費用が発生します。
管理会社が入居者から集金し、管理費やその他発生した諸経費を控除した上でオーナーの口座に振り込むのが一般的です。
管理費用の分だけ収益性は落ちるため、その点は注意が必要です。

物件の管理や空室対策をきちんと行ってくれる会社であれば、管理委託料以上に賃料収入を増やしてくれる働きも期待できます。信頼できる委託会社を選ぶのが大切と言えます。

4.アパートの管理を委託する会社の選び方


では、どうすれば、信頼できる管理会社を選ぶことができるのでしょうか。

アパート管理会社を選ぶときのポイントを見ていきましょう。

 

4-1.委託できる管理業務の範囲を確認する

委託する業務に応じて管理会社を選ぶことが重要です。
管理会社によって、管理だけを行う場合と、賃貸仲介(入居者募集から内覧対応・賃貸借契約締結手続きのサポートなど、入居に関する仲介業務)も併せて行ってくれる場合があります。

賃貸仲介も併せて行ってくれる会社は、窓口が一本化されていてやりとりの手間がかかりません。
また、普段から管理業務を行っているため、物件への理解が深く、入居以降のサポートも期待できます。

大東建託では、管理・賃貸仲介はもちろん、アパート経営を始める前の土地診断から、総合的なサポートも行っています。

4-2.担当者の印象や対応の早さで選ぶ

不動産管理会社の担当者も重要な要素です。
オーナーも入居者も、委託先の担当者と連絡を取ることとなります。
例えば物件内でトラブルが発生したとき、入居者からの苦情が発生したとき、気軽に相談ができる担当者であれば安心してサポートを依頼できます。
24時間体制のコールセンターが完備されている会社であれば、さまざまな住まいのトラブルに対して、安定かつスムーズな対応が期待できるでしょう。

4-3.手数料を確認する

委託管理にかかる料金も大切な要素です。
一般的に、管理委託の場合の管理手数料は家賃収入の5%程度、サブリースの場合のサブリース料は家賃収入の10%程度が相場とされています。
毎月100万円の家賃収入だった場合、それぞれ5万円・10万円が控除されるイメージです。
委託にかかる手数料が納得できる金額かどうか、収支シミュレーションにおいて検討しておきましょう。

4-4.管理会社の実績を確認する

管理会社の実績は、webサイトや商談の場で確認しましょう。
所有する宅地建物のタイプの管理戸数が多ければ、実績が豊富でノウハウを持っていることが期待できます。
また、大規模災害発生時には、被災地にある管理会社が機能しなくなる恐れがあります。
そういった場合でも管理サービスが滞らない体制かどうかも重要です。

管理物件の入居率や管理する物件の数など、情報を引き出すようにしておきましょう。

5.アパート管理会社を活用し、より安心な賃貸経営を行おう


今回は、不動産賃貸管理について説明しました。

今回説明した通り、自主管理は費用がかからない一方、オーナーに手間と知識が求められます。
オーナー一人が対応できる戸数には限界があります。
管理委託を適切に活用することで手間を省き、安心な賃貸経営を行いましょう。

 

土地活用については、企画・提案から管理・運営までをワンストップで提供する大東建託の「賃貸経営受託システム」も選択肢の一つです。
全国ネットワークでさまざまな土地活用を提案・運営してきた大東建託だからこそできる、土地に合わせた最適な活用方法を提案します。

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参考:賃貸経営受託システムが選ばれる理由

■監修者プロフィール

有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者