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賃貸経営と不動産投資の「利回り」について

公開日: 2022.10.28

最終更新日: 2023.03.17

公開日:2017.08.01

最近、不動産投資家が投資用マンションやワンルームマンション、戸建てなどの投資用不動産を購入する傾向が増えているという話を聞きます。資産運用の一つとして不動産投資は投資物件自体に資産価値があり、インフレにも強く、需要のある商品を購入できれば売却時の出口戦略も安心できるという点から魅力的な資産運用となります。

不動産投資を成功させるためには、その賃貸建物の収益性について判断する必要があります。その際、収益性を判断する重要な指標として、「利回り」について理解しなければなりません。本記事では、賃貸経営の事業的収益性を紹介し、不動産投資の「利回り」について詳しく説明します。

この記事のポイント
  • 賃貸経営事業の成功には、「利回り」から「収益性」を把握することがカギ
  • 不動産投資で重要なのは「実質利回り」
  • 「利回り」には現実にあるリスクを加える必要がある

事業における「収益性」について考えてみよう

多くの場合、賃貸経営を始めるには膨大な資金の投入が必要とされます。この物件を購入するために投資した資金を回収して、さらに利益を生み出すことが賃貸事業を成功に導くカギとなります。これを達成するためには、「収益性」を考えながら継続的・計画的に「経営」を行うことが望まれます。これが一般的な不動産投資の考え方です。

例えば、不動産投資を「収益性」としてではなく、相続税や固定資産税などの「税金対策」や「老後資金の確保」などのメリットが理由で始める場合もあります。このように目的が「収益性」と異なる場合でも、長期的な収入確保には、「安定した事業経営」の実現が必要不可欠です。安定した事業経営ができなければ、結果的に負の資産となって、実際に相続を行う時期が来たときに、家族から拒まれてしまうことになるかもしれません。

賃貸経営を始める理由を問わず、アパート経営やマンション経営は「事業」であるということを改めて認識し、その「収益性」を意識することが大切です。

不動産投資における「利回り」について

収益性を考えるためにさまざまな知識を身につけておきたいところですが、今回はまず不動産投資の基礎知識である「利回り」についておさえておきましょう。

「利回り」とは、投資金額に対する収益の割合のことです。不動産投資の場合、建築費(物件価格)など賃貸建物に投入した資金に対して、家賃収入等(リターン)がどれくらい生じたかが「利回り」となります。一般的には「一年間」を単位として計算します。しかし、「利回り」と一口に言っても、表面利回り、実質利回りなど複数の算出方法がある点に注意が必要です。それぞれの算出根拠が異なっているため、当然それぞれが意味するものも変わります。

不動産投資における利回りの種類と計算方法

前述した二つの利回り「表面利回り」と「実質利回り」について正しく理解する必要があります。

表面利回り

「表面利回り」、または「グロス利回り」とも呼ばれ、単純に一年間の家賃収入を賃貸用建物の取得コスト(土地の取得コストを含む 以下同様)で割って計算された利回りのことをいいます。計算式は下記です。

※建築時に掛かる費用の種類についてはこちらを確認してください。「賃貸経営を始めるときの資金計画」

※物件購入時に融資を利用するか、頭金はいくらか自己資金はどれくらいか、金利どれくらいかなどによって諸費用が変わってきます。

不動産広告や仲介会社などで目にすることが多いのが「表面利回り」です。不動産投資を検討中の人は、この「表面利回り」をチェックして、その物件が投資に適しているかを判断しています。しかし、運営のための維持費用が含まれていないため、実際に得られる収益ではないことに注意をしなければなりません。

実質利回り

「実質利回り」は「ネット利回り」とも表記され、賃貸用建物の取得コストに対して、一年間の家賃収入から年間ランニングコスト(固定資産税、火災保険料、建物管理費などの諸経費)を差し引いた金額の割合を表し、実際に得られる収益の割合を表しています。計算式は下記です。

※年間ランニングコストで必要な修繕の発生時期の目安についてはこちらを参考にしてください。「賃貸経営の修繕計画と修繕費について」

※木造やRCなどの構造、戸数、ファミリータイプかシングルタイプかなど間取りや物件タイプによる設備の違いなどによってランニングコスト(メンテナンス費用)は異なります。

実質利回りは表面利回りより精度が高いため、「収益性」を判断する際には、「実質利回り」をより重視することが望ましいです。

では、一つの事例を用いて、実際に「表面利回り」と「実質利回り」を計算してみましょう。

【例題】

Aさんは一棟10戸の賃貸マンションを建てて賃貸経営を始めようと考えています。建築費などの取得コストとしておよそ1億2000万円かかります。また、現地調査から、同じレベルの賃貸物件の家賃は月に8万円/戸という相場だと分かりました。満室時の年間ランニングコストは年間家賃収入の30%であると仮定する場合、Aさんが所有する建物の「表面利回り」と「実質利回り」はいくらでしょうか?

【答え】

この他に、「想定利回り(期待利回り)」というものもあります。想定利回りは、ほぼ表面利回りと同じ意味です。ただし、想定利回りにおける家賃収入は不動産投資会社・管理会社が提示する「想定家賃」を指していて、実際の賃料と必ずしも一致しているわけではありません。実際に現地調査を行い、本当の家賃相場と照らし合わせる必要があります。

「利回り」の計算では現実にある「リスク」を加味する

さまざまな「利回り」を紹介しましたが、総合的に「収益性」を判断する際には、「実質利回り」が最も参考になります。 しかし、利回りの計算における基礎となる「金額」が毎年同じであるとは限りません。また不動産会社のWEBサイトに掲載されている「高利回り」や「収益物件」などの文句を鵜呑みにすることは危険です。家賃収入は、あくまで満室経営を想定して得られた数字にすぎませんし、新築時と比べ築年数の経過によってだんだん減っていく可能性が高いです。また、維持に掛かるランニングコストも建物の経年劣化の状況によってさらに変わってきます。そのため、「実質利回り」も毎年変化するものであるということに注意が必要です。

当初算出した利回りを鵜呑みにせずに、多少厳しめに空室率や家賃下落などの現実的な「リスク」を加味した計算が必要です。実際の入居率はどうなのか、満室ではない場合に入居率を上げるためにどのような工夫が必要なのか、シミュレーションをし最低ラインをどこにおくかなど、あらゆる状況を予想しておきましょう。

自分一人ではなかなか何が一番良いのかわからなかったり、分析など難しいと感じるかもしれませんが、現在では土地活用のプロがセミナーや面談を無料で行ってくれることも多く不動産投資のコツや注意点、メリットやデメリットなどの情報を簡単に入手することができます。
新築物件が良いのか中古物件が適しているのかなどオーナー様それぞれの理想のライフプランによって条件は変わってくるのでぜひ相談してみましょう。

    まとめ

    不動産投資を成功させるためには、「事業」という認識と「経営者」としての意識を持つことが必要です。そのうえで、持続性のある安定経営・安定収入の実現のため、立地やエリアの特徴を正確にマーケティングをすること。「利回り」を通して事業の健全性を把握しておくことが欠かせません。しかし、利回りと実際の賃貸経営では、前述のようにリスクが発生した差額分だけ収益性が異なってくるため、利回りの数字を見るだけでは安定した経営を行うことはできません。入居者募集や修繕積立など常に一定のリスクが発生することを前提とし、年間の経費もしっかりと考慮したうえで、より現実に近い数値を用いた自分自身の「利回り」を算出するようにしましょう。

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