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年末チェック!不動産投資オーナーが見直すべき経費計上のポイント

公開日: 2025.12.16

最終更新日: 2025.12.18

そろそろ2025年も終わりが近づいてきました。

年末ということは、個人の方なら確定申告の期限ですが、「計上を忘れている経費」はありませんか?

特に新規オーナーの方なら、まだ確定申告に不慣れなことも多く、計上を忘れている経費や、「利益が大きい場合の対処」ができていない可能性も考えられます。

そこで今回は、改めて不動産投資オーナーが確認・見直すべき経費計上の基本ポイントをお伝えします。

1. 年末は経費計上・節税の最終チェック時期

そもそもの税金(所得税)計算の基本は、「収入-経費=利益×税率=税額」です。
収入から収入を得るためにかかった必要経費を差し引き、残った利益に税率を掛けたものが「税額」になります。
このため、(税金計算上の)経費が大きいほどに利益が少なくなるため、結果として納めるべき税額も少なくなるわけです。

一方で税金計算上の経費とは、何でもかんでも必要経費として認められるわけではなく、何を必要経費として計上して良いのか?が「明確にルール化」されています。

つまり、所得税の計算は自分で行い申告する=申告納税方式をとっているので、必要経費として計上して良いと言っているのに、"知らずに"必要経費として計上しなかったら、それは「ただの損」となるわけです。

逆に、必要経費にできないものを計上したら、それは違法行為となり、処罰の対象となります。
しかし必要経費にできるものを計上しなかった場合は、それは単なる自己責任という扱いです。だからこそ、自己防衛のためにも正しい税金計算の知識が必要となります。


もちろん実際の税金計算は税理士に任せている方も少なくないと思います。
しかし、税理士も勝手な経費計上はできないわけですから、オーナーも相応の知識を持ち、税金対策をしていくことが大切になります。

まだ間に合うものもあるかもしれませんし、今年は間に合わなくても来年や今後、この知識が活かせるでしょう。

この年末という税金の最終チェック時期だからこそ、まずは今年分をチェックしながら正しい知識を身に付けましょう。

2. 今年の経費計上で確認すべき項目

早速ですが、不動産投資(賃貸経営)において、一般的に必要経費に計上できるものは以下の通りです。
それなりに量がありますが、先ずは見て見みましょう。

もちろん、個々人の状況により計上できないものもあるとは思いますから、詳細は税理士など専門家に確認をお願いします。


名目 簡単な概要
減価償却費 建物部分にかかった費用を法定耐用年数で割った金額
ローン金利 ローンの金利や利息部分、事務手数料や保証料も可
修繕費 リフォームや設備の交換・修理にかかった費用
解体費・立ち退き料 文字通り建物の解体や立ち退いてもらうのにかかった費用
税金関係 登録免許税や固定資産税、法人事業税など
保険料 火災保険料や地震保険料など
管理費 管理委託料や清掃・点検・保守などのメンテナンス費用
広告宣伝費 広告に関する費用や仲介会社への仲介手数料
旅費交通費 ホテル代や電車賃、ガソリン代や駐車場代など、車両費も
接待交際費 営業や商談・打ち合わせ等の際の飲食費など
通信費 パソコン・スマホ・アプリ・ソフト等の本体や利用料など
専門家報酬 司法書士や税理士、弁護士などへの報酬
新聞図書費 不動産投資に関する情報収集や勉強のための費用
消耗品費 事務用品など
水道光熱費 事務所を使用している場合の水道代や電気代など
青色事業専従者給与 家族に支払う給与(青色申告が必要)
地代家賃 事務所や駐車場を使用している場合の費用
自身の給与 法人の場合のみ、役員報酬も同様

※減価償却費は設備や備品も対象になることがある。逆に土地は減価償却できない

※税金関係は所得税や住民税など、オーナー個人の税金は対象外

※接待交際費は、法人の場合は年間600万円が上限など、一定の制限がある


逆に、不動産投資に関係しているのに必要経費にできないものとしては、以下が代表例です。


項目 経費計上の扱い
建物の購入・建築代金 減価償却費として経費計上する
ローン返済の元本部分 借りたお金を返しているだけなので損得ゼロ扱い
購入時の仲介手数料 建物の購入代金に合算=減価償却費として経費計上する
団体信用生命保険特約 賃貸経営に必要とは見なされない。法人の場合は経費計上可
固定資産税清算金 建物の購入代金に合算=減価償却費として経費計上する


細かいルールはありますが、結局のところ一部の例外を除いて、基本的には「不動産投資に使ったお金は経費にできる」わけです。
逆に不動産投資に関係ない支出は、いくら使っても経費にできないのが基本といえます。

なお、修繕積立金など、まだ経費として使っていないお金も経費にはできません。

また念のため今からでも再確認すべき項目として、以下のものが挙げられます。

・物件の巡回や管理、打ち合わせなどに使った旅費交通費や車両関連費(電車やバス代、ガソリン代、駐車場代など)は、1回の金額が安い場合、つい放置することがあります

・実務上、修繕費は見落としがちです。たとえばエアコンや給湯器などの故障対応、入居者退去後の壁紙の張替えや鍵交換などの原状回復も修繕費に含まれます

・実務上、消耗品費も見落としがちです。洗剤や掃除機のフィルターなどの清掃用具、プリンタのインクや用紙、物件管理や入居者対応のために購入したものも対象になります

いずれも領収書さえあれば経費にできます。
1個ないし1回あたりの金額が安いものは見逃しやすいものの、積もれば相応の金額になることもありますし、これらは今からでも対応可能です。

このため、まずは不動産投資に使ったお金をすべてチェックして、経費にしていないものについて改めて「本当に経費にできないのか」を確認しましょう。

2-1. 正しく判断すべき経費について

経費には明確なルールがあるとはいえ、実際には経費にできるのか、経費にしても良いのか悩ましくなるものも珍しくありません。または勘違いで判断して、あとで困ったことになるケースもあるのが実情です。
このような経費については特に、慎重に正しく判断することをおすすめします。

経費にしても良いのか悩ましい代表例には、「公私両方で使った場合」が挙げられます。

例えば、自宅で仕事をしていたり、車やパソコンなどを仕事でもプライベートでも使っていたりするような場合です。

このような場合は、「家事按分」といって、基本的に公私をスペースや時間などの割合で分けて、仕事部分のみを経費にすることになります。
これはケースバイケースとも言えますから、最終的には税理士への確認が大事な一方で、まずはなるべく使用の公私を分け、それを証明できるよう写真や資料を準備しておきましょう。

勘違いしやすい経費の代表例には、「土地にかかるローン金利」が挙げられます。
先ほどもお伝えした通り、(土地・建物を問わず)ローン金利は経費にできる支出です。
しかし「土地にかかるローン金利」は、「赤字の場合、損益通算の対象外」となります。

不動産投資は、所得税や相続税、固定資産税などの節税対策として行われる方も多いですね。
所得税の節税対策の際には損益通算を前提に考えていることも多いですから、注意が必要です。

とにかく税金については税理士がプロであり、頼りになる存在といえます。
不動産業者とともに税理士も必須ともいえる存在ですから、不動産投資をする際には信頼できる相手を探し、相談しながら行動を起こしましょう。

3. 年末までに間に合う特例・経費計上


ここまでお伝えした内容は、不動産投資における「経費の基本」です。
その一方で不動産投資には、いくつかの例外的な「特例措置」もあります。
これらの利用には条件や期限があることが多いですが、使えるようなら更なる節税に繋がりますから、改めて利用できないか確認・検討しましょう。

まず、土地に使える「小規模宅地等の特例」が挙げられます。これは簡単にいえば、「200㎡×住戸数」の範囲に限り、固定資産税が1/6、都市計画税が1/3になる制度です。
またこの範囲を超えた部分も、家屋の床面積の10倍までなら固定資産税が1/3、都市計画税も2/3になります。
また新築でアパートを建てた場合、建物についても一定の条件を満たせば3~5年の間、固定資産税が1/2になります。


また今なら、築20年以上かつ10戸以上のマンション経営の場合、「マンション長寿命化促進税制」が使える可能性があります。
これは簡単にいえば、管理計画の認定など一定の条件はありますが、利用できれば建物部分の固定資産税が1/2~1/6になる制度です。

他にも新築アパートの場合の「不動産取得税の軽減措置」や、設備投資に使える「中小企業経営強化税制」、太陽光発電設備を設置したなどの際の「自治体の補助制度」も使えるかもしれません。

まずは目についた制度を、条件を確認しながら自分の物件と照らし合わせ、使えないか検討してみましょう。

4. 実務的チェックポイント


ここまでお伝えした通り、不動産投資における確定申告の際には、基本的な経費だけでも相応の数の項目があるうえ、さらにいくつかの例外的な特例措置もあります。
経験の浅いオーナーには苦痛かもしれませんが、自身の節税や利益のためにも、ここはなるべくがんばって対処しましょう。

実務的な観点で言えば、まず「計上できる経費や使える特例措置を見逃さない」点が大事になります。
不動産投資は大金が動きますから、少しの違いでも最終的に大きな違いになることも珍しくありません。
一つ一つの確認は大変と思いますが、その積み重ねこそが節税や利益の増額に繋がりますから、前向きな気持ちで対応しましょう。

また実務的には、利益が大きくなり過ぎた場合の「物件の(追加)購入」も検討すべき大切な点です。
投資は利益を追求するものですが、利益が増えると税金額も増えてしまいます。
一方で不動産は、節税効果が高い投資手法です。利益と税金額をトータルで考え、もっとも効果が大きくなるよう、必要に応じて物件の購入も検討することをおすすめします。

なお、不動産投資の場合は、これらの対応や検討を一人でする必要はありません。
途中でお伝えした税理士もそうですが、やはり頼れる不動産業者も心強い味方です。業者によっては頼れる不動産業者が、頼れる税理士を紹介してくれることもあります。

物件の購入ならそのまま頼れますから、まずは頼れる不動産業者を探し出して、一緒になって不動産投資を進めていきましょう。

5. まとめ


不動産投資オーナーなら、経費にできる支払いや特例措置を見逃さず、正しく計上・利用することが大切です。

ただ特に特例措置については知らなければ利用はできませんし、黙っていては誰も教えてくれません。自発的な情報収集も大変ですから、頼れる不動産業者と付き合う以外にも、できれば定期的に役立ちそうな情報を届けてくれるサービスやコンテンツの利用が大切です。

代表例は無料のメルマガ等ですが、そのような役立ちそうなコンテンツを見つけたら、そしてそれが信用できそうな情報源なら、積極的にフォローしておくよう心がけましょう。

■監修者プロフィール

株式会社優益FPオフィス 代表取締役
佐藤 益弘

マイアドバイザー®
Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFP®として活動している。
NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。
【保有資格】CFP®/FP技能士(1級)/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)/JーFLEC認定アドバイザー(金融経済教育推進機構)