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実家は相続して住む?それとも売却する?考えられる選択肢と判断基準

最終更新日: 2023.06.30

少子高齢化が進む中、親の実家を将来どのように活用すべきか、悩んでいる方も多いでしょう。

相続して住む方法もありますが、自分の住居を別に所有している場合は、「売却する」「賃貸に出す」などの方法を考える必要があります。

実家を空き家のまま放置しても、修繕費を始めとした維持費のほか、固定資産税・都市計画税といった税金がかかるので、所有者にとってマイナスにしかなりません。

さらに倒壊などの危険性のある特定空き家に指定されれば、さまざま     なペナルティを受けるリスクもあるので、早めに対処することが大切です。

そこで本記事では、実家を相続した方や相続する可能性のある方に向けて、考えられる選択肢や判断基準、特定空き家の基準について解説します。

1.実家を相続して住む場合にやること

実家を相続した場合、相続手続きや建物の状態確認を行う必要があります。
具体的に実施すべき事項を以下にまとめます。

1-1.相続の手続き


実家を相続する際は、正式な手続きに沿って行うべきことがいくつかあります。

例えば遺産分割協議、遺言書の確認、相続財産の調査、相続税の納付、相続登記などがあげられます。

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合う手続きであり、協議後は合意した内容をまとめた遺産分割協議書を作成する必要があります。

遺言書とは、被相続人が生前に「自分の財産を誰にどれだけ残すのか」を書面に残したものです。

自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言という3種類があり、それぞれ作成方法や費用なども異なるため、事前に内容を理解しておくようにしましょう。

相続税の納付に関して、相続税がかかる場合は、所有者が亡くなってから10カ月以内に申告と納税を完了させる必要があるので、期限に遅れないよう速やかに行うことが大切です。

また、相続登記は従来は任意であり、実施していない方も珍しくありませんでしたが、2024年4月1日以降、義務化される予定です。

相続登記の義務化後は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならず、申請しなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性もあります。

今後相続の予定がある方は、申請期限を把握し、手続きを怠らないようにしましょう。

なお、実際に登記の申請手続きや所有権移転手続きは法務局で行う必要があり、司法書士へ依頼するのが基本ですが、手数料がかかる点に注意しましょう。

そのほか、土地を相続したときの手順や登記手続き、必要書類などは以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご参考にしてください。

 

>>土地の相続の流れとは?名義変更の登記手続きと税金について

1-2.実家の状態の確認


実家の外観や内装など、状態を確認することも大切です。

築年数や周辺環境にもよりますが、快適な住環境を得るために、リフォームやリノベーションが必要になるケースが多いでしょう。

特に築年数が経過している実家は、老朽化していることが多いので、念入りなチェックが必要です。

例えば雨や湿気などが原因で傷んでいたり、キッチンやトイレなどの住宅設備が交換のタイミングを迎えていたり、修繕や改修が必要な可能性が考えられます。

もし不安があれば、不動産会社などから住宅診断(ホームインスペクション)の専門家を紹介してもらい、建物状況の調査を依頼し、アドバイスを受けることをおすすめします。

2.もし実家を空き家のままにしておくとどうなる?


実家に住んでいた親が亡くなった場合など、相続時に持ち家が空き家になるケースも考えられます。

空き家は放置しているとさまざまな問題を起こす可能性があるので、何らかの対策を考えなければなりません。

実際に実家を空き家のままにした場合に発生するリスクのある弊害を以下にまとめます。

2-1.近隣住民とのトラブルに発展するおそれがある


どんな建物も修繕やメンテナンスが必要です。

誰も手入れしない状態が続くと、住居や周辺の庭、玄関などが荒れていきます。

雑草が伸び放題になると、悪臭・害虫の発生などを招き、近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性があるほか、景観の悪化にもつながります。

また、住居の荒廃が進むと傷んだ箇所から雨水が入り込み、シロアリの発生など深刻な被害に発展する場合もあります

最悪の場合、大きな事故につながる場合もあるので、費用や手間はかかりますが、定期的な点検は必ず行うようにしましょう。

2-2.固定資産税の支払いが多くなる場合がある


空き家が増加傾向にあることを受け、国はリスクの多い空き家を減少させ、周辺住民を保護するための取り組みの一環として、「空家等対策の推進に関する特別措置法」を2014年に施行しました。

本法律により、適切な管理が行われていなかったり、不衛生な状態が続いたりした空き家は「特定空き家」に指定される可能性があります。

通常、土地の上に住宅が建っている場合、一定の要件を満たせば「小規模宅地(住宅用地)の特例」や「一般住宅用地の特例」が利用でき、固定資産税や都市計画税を軽減できます。

本特例は空き家であっても適用できますが、空き家が特定空き家に指定された場合、適用の対象外となるため、税金面の負担が大きくなります。

なお、固定資産税の基本的な計算式は「固定資産税評価額×1.4%」で求められるので、評価額が高いほど税金が高額になります。

2-3.強制的に取り壊しとなって費用を請求される場合がある


特定空き家に指定され管理状況を改善しないまま放置していると、行政から住宅の所有者に対して勧告
が行われます。

もし勧告を無視して放置を続けると、過料、強制撤去などの厳しい措置を受けるおそれもあります。

強制的に住居が取り壊された場合、処分にかかった費用は原則として所有者が負担しなければなりません。

3.実家を相続して住む以外の選択肢


実家を相続する場合、自宅として利用する以外にも選択肢があります。

以下に主な選択肢の特徴を3つ紹介しますので、メリットやデメリットをよく理解しておきましょう。

3-1.売却する


実家と土地を売却して手放す方法です。

建物を取り壊し更地にして売る方法、建物ごと売る方法、大きく分けて2種類の売却方法があります。

もし建物が古くなっていて資産価値が低いと判断した場合、更地で売るよりも安値で取引される可能性があります。

この場合、「古家付き土地」として売買され、購入した人が家を取り壊したり、改修したりして活用するのが一般的です。

通常より安値になるうえ、買主もつきにくい傾向にあるので、近年では建物を解体し、更地にしてから売却するケースが多くなっています。

なお、不動産売却時には譲渡所得税が課税されるので、計算方法を確認して金額の目安を把握することをおすすめします。

譲渡所得税は所有期間によって税率が異なり、最大で39.63%と高い割合になりますが、条件によっては特別控除も活用できます

控除額によって税額が大きく異なるので、利用できる控除についても理解しておきましょう。

3-2.戸建て賃貸経営を行う

実家をリフォームしてから賃貸に出す方法です。

この方法であれば、物件の入居者から家賃収入が得られるので、実家をそのまま保有しつつ、収入源として活用することが可能です。

また、建物の規模が大きければ、賃貸併用住宅に改修して、マイホームとして活用しつつ一部を賃貸に出すことも可能です。

賃貸併用住宅の場合、条件によっては住宅ローンを適用できる可能性があるので、検討してみることをおすすめします。

ただし、賃貸物件にして実際に入居者が入るかどうかは、住環境や立地条件などが強く影響します。

また、適切な家賃相場を把握することも重要なので、豊富なノウハウを持つ不動産会社などへ相談するようにしましょう。

3-3.更地にしてから土地活用する


新しく建物を建てて賃料を設定し、収益を得る方法です。

需要の見極めが重要ですが、資産形成につながるほか、上手くいけば長期的に収入を得る手段として活用することも可能です。

特に築年数が非常に古い家や、著しく汚損している家は、リフォームやリノベーションを施しても価値が向上せず、簡単には借り手が集まりにくいこともあります。

一方、建物の状態が悪くても立地条件が良ければ、建て替えを行うことで賃貸需要が大きく上がる可能性が考えられます。

ただし、建物の解体費用や新しい物件の取得費用のほか、不動産取得税、登録免許税などの税金負担が発生します。

初期費用が多くかかるので、事前に収支シミュレーションをおこなったうえで、最適な活用法を考えるようにしましょう。

4.相続した実家をどうするか考える際のポイント


実家の活用方法を考えるときに、抑えるべきポイントや注意点を解説します。

4-1.実家の状態


自分の住まいや戸建て賃貸経営として活用することを考える場合、まず実家の状態を確かめることが重要です。

築年数の経過などにより劣化が進んでいる場合は、修繕や改修が必要になるでしょう。

また、ある程度状態が良かった場合でも、より住みやすい環境に変えるためにリフォームするケースも考えられます。

戸建て賃貸経営の場合は、リフォームを実施して建物を真新しい状態にできれば、入居者の     集まりが良くなり、賃料も上げやすいなどのメリットがあります。

一方、リフォームにお金をかけすぎると、資金回収が難しくなるデメリットもあるので、いくらくらいの費用が適切なのか、事前に綿密な計画を立て判断するようにしましょう。

4-2.実家の立地


住宅の立地が好条件な場合、買い手も見つかりやすい傾向にあります。

立地が良く、賃貸物件としての需要が見込める場合、土地活用も選択肢に入ってくるでしょう。

ただし、新たに建物を建てる場合は、建築基準法など法律上で定められた規定を満たす必要があるので、慎重に行うようにしましょう。

4-3.相続人が複数いるかどうか


相続人が複数いる場合、十分な話し合いが必要
です。

基本的に住宅を含む財産は、分配の対象となりますが、不動産は現金と違い、全員にきっちり等分するのが難しい特徴があります。

どういった形で相続するか決めておかないと、分配の方法を巡り、法定相続人同士で言い争いになるケースも珍しくありません。

そのため、被相続人が亡くなった後に考えるのではなく、生前のうちに早めに話し合い、各々が納得する方法を確定しておくことが大切です。

代償分割や受益権での分割、売却して現金化したうえで均等に分配する方法など、いくつか手段を考えておけば、スムーズな話し合いができるでしょう。

5.実家の相続対策は早いうちに考えよう


相続手続きは用意すべき書類も多く、時間や手間がかかりますが、適切に行う必要があります。

特に実家の相続対策は早いうちに両親や兄弟姉妹と話し合い、相続方法や活用方法を決めておくようにしましょう。

また、近年では自宅を担保にして住み続けながら融資を受けられる「リバースモーゲージ」や、自宅を売却した後、買い手と賃貸借契約を結び借主として住み続ける「リースバック」といった方法も注目されているので、将来実家に住む予定がある場合は、選択肢の一つにすると良いでしょう。

なお、相続税対策としては生前贈与など手段があるので、事前に税理士へ相談することをおすすめします。

多くの不動産会社でも相続や空き家の活用に関する無料相談を受け付けているので、悩んだときは問い合わせてみると良いでしょう。

■監修者プロフィール

税理士法人みらいサクセスパートナーズ 代表
宮川 真一

岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは20年以上。

現在は、税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、M&Aや事業承継のコンサルティング、税務対応を行っている。

また、事業会社の財務経理を担当し、会計・税務を軸にいくつかの会社の取締役・監査役にも従事。

【保有資格】 税理士、CFP®

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