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土地を売ると税金がかかる?実際の金額を使ったシミュレーション

最終更新日: 2023.12.18

建物や土地等の不動産は、売却時に諸費用が発生します。中でも、税金は金額も大きいことからどの程度かかるか確認しておきたいところです。

この記事では、売却費用の中でも特に税金にスポットをあて、説明します。
不動産売却時に発生する税金の種類や基礎知識に加え、実際の数字を例に税金のシミュレーションを行います。
後半では、不動産譲渡所得にかかる税金の特例・特別控除についても説明します。

最後までぜひチェックしてください。

1.土地を売るときにかかる税金の種類


売主が得た不動産所得に対しては、さまざまな税金が掛かります。
ここでは売却にかかる税金について、所得税・住民税・登録免許税・印紙税の順で説明します。

1-1. 譲渡所得にかかる税金


不動産を売却した際、そこで発生した利益(儲け)に対して所得税・住民税という税金が課せられます。
この利益は「譲渡所得」と呼び、以下の計算式で算出します。

 

 譲渡所得=譲渡価額 -(取得費用+譲渡費用)

 

※取得費用:不動産取得時に支払った購入代金・建築代金のほか、消費税、仲介手数料、設備費や改良費などの諸費用を合計したものから、建物の場合は時間経過による価値下落分として減価償却費を差し引いた額

※譲渡費用:不動産を売却した際に支払った仲介手数料、印紙税、土地を売るために支払った家屋の解体費用や測量費用などの諸費用

 

ポイントは、課税対象が売却金額ではなく譲渡益だということです。
注意点として、譲渡益を算出するためには購入時に発生した購入代金や諸費用、売却時に発生した諸費用を明らかにする必要があります。
これらの諸費用が不明な場合でも、「売却金額の5%相当」を取得費とすることができますが、後述のシミュレーションの通り、実際より取得費が少なくなり、支払う税額が多くなる可能性があります。そのため、契約書や領収書など取得費がわかる資料をきちんと保管しておくことが大切です。

 

譲渡所得にかかる税率は、その土地の保有期間に応じて変わります。

給与など、ほかの所得とは別に計算する分離課税制度が採用されているため、譲渡所得に以下の税率を掛けることで税額が算出できます。

 

所有期間(※)

 

税率

5年以下

短期譲渡所得

39.63%

(所得税率30%、復興特別所得税率0.63%、住民税率9%)

5年超

長期譲渡所得

20.315%

(所得税率15%、復興特別所得税率0.315%、住民税率5%)

※不動産を売却した年の11日時点での年数

 

なお、相続で不動産を取得した場合は、被相続人が所有開始から所有期間を算出します。
短期と長期で比較すると税率が約2倍の開きがあるため、売却する場合はなるべく長期譲渡所得となるまで長期保有する方が良いと言えます。

1-2.印紙税


印紙税とは、不動産売買契約書や建築工事請負契約書、金銭消費貸借契約書などの書類を作成する際に納める税金のことです。
契約書に収入印紙を貼り付け、その上から印鑑を押すことで納税します。
印紙税の税額は、契約書に記載された金額により変わり、売却金額が高額なほど税負担は大きくなります。

 

不動産売買契約書における印紙税額は以下の通りです。

※2024331日までの取引の場合は右の軽減措置が適用されます。

契約金額

本則税率

軽減税率が適用された税額

(2024年3月31日まで)

1万円未満

非課税

非課税

1万円以上、10万円以下

200円

200円

10万円を超え、50万円以下

400円

200円

50万円を超え、100万円以下

1,000円

500円

100万円を超え、500万円以下

2,000円

1,000円

500万円を超え、1000万円以下

1万円

5,000円

1000万円を超え、5000万円以下

2万円

1万円

5000万円を超え、1億円以下

6万円

3万円

1億円を超え、5億円以下

10万円

6万円

5億円を超え、10億円以下

20万円

16万円

10億円を超え、50億円以下

40万円

32万円

50億円超

60万円

48万円

契約金額の記載のないもの

200円

200円



1-3.登録免許税


登録免許税とは、法務局が保管する不動産登記簿に登記をする際、国に対して納める税金です。
不動産売却における所有権移転登記は買主が負担するのが一般的です。そのため、売主負担となるのは抵当権抹消登記にかかる登録免許税となります。

住宅ローンなどの融資を利用して不動産を購入した場合、その不動産には抵当権が設定されています。売主は不動産を売却するタイミングで、買主から得た収入金額でローンを返済し、不動産に設定された抵当権を抹消する必要があります。この抵当権抹消登記において、登録免許税を支払わなければなりません。

抵当権抹消にかかる登録免許税は、土地1筆、建物1棟につき1,000円です。
もし土地と建物の両方に抵当権が設定されていた場合は、合計2,000円が必要です。なお、登記の専門家である司法書士に登記を依頼する場合は、これとは別途司法書士への報酬が登記費用として発生します。

2.土地を売る際にかかる税金のシミュレーション


売却時にかかる税金の種類がわかったところで、ここからは具体的な数字を用いていくらかかるかのシミュレーションを行っていきましょう。


今回は「諸経費込みで5,000万円で購入した更地(非居住・特別控除なし)が1億円の売却価格で売却できた」という設定で、計算例を説明していきます。

 

まず、上記の通り、1億円の土地の売買契約にかかる印紙税は3万円、抵当権抹消登記にかかる登録免許税は土地1筆、建物1棟     あたり1,000円です。

それに加え、所得税・復興所得税・住民税が発生します。これらは短期譲渡所得が適用されるケース、長期譲渡所得が適用されるケース、土地の取得費がわからないケースにより金額が異なるので、それぞれ計算していきましょう。

2-1.(短期譲渡所得が適用されるケース)


非居住・特別控除なしの1億円の更地において、短期譲渡所得にかかる所得税・復興所得税・住民税の合計は1,846.9万円となります。

 

まずは、課税額である譲渡益について算出します。

・譲渡益=売却価格-(取得費+譲渡費用(仲介手数料+印紙税))

 

    =1億円-(5,000万円+336.6万円+3万円)=4,660.4万円

 

 

次に、譲渡益に税率を掛け、税額を算出します。

・譲渡税=(譲渡益-特別控除税率39.63%(所得税30%+復興所得税0.63%+住民税9%

 

    =(4,660.4万円-0万円)×39.63%=税額1,846.9万円

 

※譲渡費用のうち、仲介手数料は売買価格が400万円超の場合、売買価格の3%+6万円+消費税で計算

2-2.(長期譲渡所得が適用されるケース)

非居住・特別控除なしの1億円の更地において、長期譲渡所得にかかる所得税・復興所得税・住民税の合計は946.8万円となります。

 

まずは、課税額である譲渡益について算出します。

・譲渡益=売却価格-(取得費+譲渡費用(仲介手数料+印紙税))

 

    =1億円-(5,000万円+336.6万円+3万円)=4,660.4万円

 

 

次に、譲渡益に税率を掛け、税額を算出します。

・譲渡税=(譲渡益-特別控除税率20.315%(所得税15%+復興所得税0.315%+住民税5%

    =(4,660.4万円-0万円)×20.315%=税額946.8万円

2-3.(土地の取得費がわからないケース)


土地の取得費がわからない場合、売却金額の5%を取得費として算出します。

・譲渡益=売却価格-(取得費+譲渡費用(仲介手数料+印紙税))

 

    =1億円-(500万円+336.6万円+3万円)=9,160.4万円

 

 

次に、譲渡益に税率を掛け、税額を算出します。

・短期譲渡所得の場合:譲渡益9,160.4万円×税率39.63%=税額3,630.3万円

・長期譲渡所得の場合:譲渡益9,160.4万円×税率20.315%=税額1,860.9万円

3.土地を売る際に適用される特別控除と特例

土地や建物などの不動産を売却する際にかかる譲渡所得には、特定の条件を満たすことで特別控除の特例が設けられています。
特別控除額は種類により異なりますが、最大で上限5,000万円のものもあります。

ここでは、特別控除について5つ紹介します。

3-1.特定の条件を満たしたときに適用される特別控除

 

2009年・2010年に取得した土地を売却する場合の特別控除


2009年に取得した土地または土地の上に存する権利(以降「土地等」と記載します)を2015年以降に売却した場合、もしくは2010年に取得した土地等を2016年以降に売却した場合は、その土地にかかる譲渡所得から1,000万円を控除することができます。

その他の適用要件は以下の通りです。

  • 親子や夫婦など特別な間柄にある者から取得した土地等ではないこと
  • 相続、遺贈、贈与、交換、代物弁済および所有権移転外リース取引により取得した土地等ではないこと
  • 譲渡した土地等について、「収用等の場合の特別控除(後述します)」や「事業用資産を買い換えた場合の課税の繰延べ」など他の譲渡所得の特例の適用を受けないこと

 

この特別控除を受けるためには、所轄の税務署に対して、「譲渡所得の内訳書」等の書類とともに確定申告を行う必要があります。

*公共事業のために土地建物を売った場合の特別控除


国や地方自治体が買い手となり、公共事業等のために不動産を売り手から買い取ることを「収用」と言います。
この収用で不動産を引き渡した場合、その譲渡所得から5,000万円を特別控除することができます。


要件は以下の通りです。

  • 売った土地建物は固定資産であること。
  • その年に公共事業のために売った資産の全部について収用等に伴い「代替資産を取得した場合の課税の特例」の適用を受けていないこと。
  • 最初に買取り等の申出があった日から6カ月を経過した日までに不動産を売却していること。
  • 公共事業の施行者から最初に買取り等の申し出を受けた者(その者の死亡に伴い相続または遺贈により当該資産を取得した者を含む)が譲渡していること。

 

この特別控除を受けるためには、所轄の税務署に対して、「譲渡所得の内訳書」のほか、「公共事業用資産の買取り等の申出証明書」「公共事業用資産の買取り等の証明書」「収用等の証明書」等の書類とともに確定申告を行う必要があります。

*特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の特別控除


特定土地区画整理事業とは、土地区画整理促進区域(市街化区域のうち、良好な住宅地としての整備促進を図る必要がある場合に都市計画で定めた区域)において、区画の整理を行い、マンションなどの集合住宅区域や農業経営のための集合農地区をつくることを指します。

この事業に該当する案件で国や自治体、再開発組合等に対して土地を売った場合、譲渡所得から2,000万円を特別控除することができます。

*マイホーム売却時の特別控除


居住用財産である自宅を売った場合、所有期間の長い短いに関わらず、譲渡所得から最高3,000万円まで控除を受けることができます。

要件は以下の通りです。

  • 自宅の家屋または、家屋・土地の両方を売却すること
  • 以前居住していた場合は、居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の1231日までに売却すること
  • 家屋を取り壊した場合は、家屋を取り壊した日から1年以内に土地譲渡契約を締結し、かつ、居住しなくなってから3年を経過する日の属する年の1231日までに売却すること。家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、貸駐車場など別の用途で使っていないこと
  • 売却した相手が親子や夫婦など近親者でないこと

*農地保有の合理化のために土地を売却する場合の特別控除

日本では、国内の農業を維持するためにさまざまな施策が設けられています。
この特別控除もそのうちの一つで、農業委員会などのあっせんにより、認定農業者へ土地を売却した場合は譲渡益から800万円を特別控除することができます。

要件は以下の通りです。

  • 農用地区内の農地であること
  • 農用地利用集積計画、もしくは農業委員会の斡旋等により譲渡する場合
  • 農地中間管理機構、もしくは農地利用集積円滑化団体に対して譲渡する場合

3-2.相続した土地を売却するときに適用される特例

相続後310カ月以内の時期に相続財産を売却した場合は、譲渡所得にかかる税金の負担を軽減することができます。
これを、「取得費加算の特例」と呼びます。この特例は、相続税を既に支払った相続人に対して、譲渡所得税の課税が2重の負担になることから、その負担を取り除くために設けられました

具体的には、譲渡所得を算出する際、譲渡価格から減じる各費用に加え、その人が支払った相続税額から一定額を減じることができます。減じた分だけ利益が減り、発生する所得税額も少なくなります。

この特例を受けるためには、「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」等の添付書類を記入し、確定申告することが必要です。

4.土地を売る際に発生する税金を知り、節税対策を考えよう

今回は、不動産譲渡時に発生する税金を計算方法とともに説明しました。

譲渡にかかる税金で高額になりやすいのが所得税・復興所得税・住民税です。これらを最小限にするためには、特別控除の存在をきちんと把握し、確定申告することが重要です。税理士などの専門家の力も借りながら備えましょう。

また、納税に備え、土地活用でキャッシュを蓄えておくというのも重要です。不動産会社への相談は無料で行えることが多いことから、まずは気軽に相談し、検討してみましょう。

■監修者プロフィール

税理士法人みらいサクセスパートナーズ 代表
宮川 真一

岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは20年以上。

現在は、税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、M&Aや事業承継のコンサルティング、税務対応を行っている。

また、事業会社の財務経理を担当し、会計・税務を軸にいくつかの会社の取締役・監査役にも従事。

【保有資格】 税理士、CFP®

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