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土地の譲渡とは?贈与・相続との違い│税金や特別控除、注意点

最終更新日: 2023.04.18

土地の譲渡、贈与、相続には明確な違いがあります。3つとも土地を誰かに譲り渡す行為ではありますが、土地や建物等、不動産においてはそれぞれに要件が定められています。

また、譲渡、贈与、相続によって適用される税金や特例の種類が異なるため、定義をしっかりと理解しておくことが大切です。そこで本記事では土地の譲渡の定義や贈与・相続との違い、税金や特別控除、注意点について解説します。

 

1.土地の譲渡の基礎知識

初めに土地の譲渡の基礎知識を解説します。
「譲渡」には明確な定義があるので「贈与」や「相続」と混同しないように注意しましょう。

1-1.土地の譲渡とは

土地の譲渡とは有償で土地の権利を譲り渡すことを意味し、主な事例としては土地売却があげられます。

一般的に使われる譲渡という言葉は、何かを譲り渡す行為全般を指すケースが多く、有償か無償かを問わない場合がほとんどです。

しかし不動産売却においては、明確な違いがあるため注意しなければなりません。土地における譲渡と贈与、相続の3つはどれも土地を譲り渡す行為であるため混同しがちですが、言葉の意味をしっかり区別できるようにしましょう。

1-2.土地の譲渡と贈与の違い

土地の譲渡と贈与は「有償か無償か」「課税対象者」に違いがあります。
贈与は土地の権利を無償で譲り渡すことを指し、譲渡は有償で譲り渡すことを指します。また、土地の譲渡では譲渡した側が所得税等の課税対象に、土地の贈与では贈与された側が贈与税の課税対象になります。所得税と贈与税では税率が異なるため、違いを把握することは極めて重要です。

1-3.土地の譲渡と相続の違い

土地の譲渡は有償で譲り渡すこと、相続は死亡による引き継ぎを指します。相続においては、亡くなった人を「被相続人」、財産をもらう人を「相続人」といいます。

譲渡は生存している人同士で行われる行為ですが、相続は被相続人の土地の権利を相続人が引き継ぐ行為を指すので、当然ながら有償では行われません。

また、相続では土地の権利を引き継いた人に対し、相続税が課せられます。相続税には非課税枠があり、定められた範囲内であれば支払う必要がないため、生前のうちに対策を考えておくことが大切です。

2.土地を譲渡した際に発生する税金

土地を譲渡した際には、様々な税金が発生します。
高額な土地の売買では税額も大きくなりがちなので、特別控除などの制度をよく把握し、有効活用することをおすすめします。

 

土地を譲渡する際にかかる税金には、所得税や住民税、復興特別所得税、登録免許税、印紙税などが主な種類としてあげられます。

各種税金の意味を以下にまとめます。

 

【所得税】

個人の所得に対してかかる税金です。1年間のすべての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を適用することで、税額を計算します。累進課税を採用しているため、課税所得金額が大きくなるにつれて税率も高くなります。分離課税に対するものなどを除くと、5パーセントから45パーセントの7段階に区分されています。

 

【住民税】

行政サービスの活動費に充てる目的で、その地域に住む個人に課す地方税をいい、市町村民税と道府県民税があります。納税する際には一括して各市町村に個人住民税を納めなければならず、道府県民税は各市町村によってその道府県に払い込まれます。

なお、東京都の場合は「道府県民税」に該当する部分の税金が「都民税」という名称になっています。さらに23区内の場合、市町村民税に該当する部分の税金が「特別区民税」になります。

 

【復興特別所得税】

東日本大震災の復興財源に充てるために創設された税金です。201311日に導入され、20371231日まで課税される予定となっています。税額は「基準所得税額×2.1%」で計算されます。

 

【登録免許税】

不動産の登記申請をする人に対して、国が課税する税金のことです。土地等の所有権を登記する際に課税され、税率は登記の種類によって異なります。

登録免除税の支払い方法は、金融機関や法務局で収入印紙を購入し、書類に貼付して提出する方法が一般的です。

 

【印紙税】

印紙税法により定められた文書や契約書などを作成したときに課される国税です。文書や契約書に収入印紙を貼り、印章または署名で消すことによって納税します。

なお、印紙税の税額は契約の種類と契約金額によって変動します。

 

譲渡所得の額は「収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額」の計算方法で算出されます。

取得費とは原則として対象の資産の取得に要した金額に対し、その後の設備費および改良費を加えたものから減価償却費相当額を差し引いたものであり、譲渡費用とは資産の譲渡に要した費用(仲介手数料、運搬費など)のことをいいます。

 

土地の譲渡で発生した利益は、会社などから支給される給与所得とは別で確定申告しなければなりません。
したがって、確定申告書等の作成方法や必要書類なども把握することが大切です。

土地の譲渡では税金を抑えられる特別控除が利用できるケースもあるので、事前に把握しておきましょう。

また、譲渡による所得税・住民税は短期譲渡と長期譲渡で税率が大きく異なります。
それぞれの違いは以下の通りです。

 

・長期譲渡所得→譲渡した年の1月1日において所有期間が5年超

・短期譲渡所得→譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下

 

長期譲渡所得は所得税15%、住民税5%ですが、短期譲渡所得では所得税30%、住民税9%が所得金額に対して課税されます。したがって短期間保有した物件を売却するより、長期間保有した物件を売却したほうが、税率は抑えられることになります。

 

なお、不動産の譲渡では様々な特例制度が設けられています。

特に居住用財産は多くの特例があるので種類を把握して有効活用すれば、大きな節税になるでしょう。

例えば「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」「居住用財産の買換え特例」があります。

前者はマイホーム(居住用財産)を売却した場合、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例です。

後者は居住用財産を譲渡し、一定期間内にこれに代わる居住用財産を取得した場合、譲渡所得に対する課税が繰り延べられる特例です。


ただし、両者は重複適用ができず、マイホームであること以外にも適用条件が定められているので、事前によく確認するようにしましょう。

なお、譲渡所得は前述したように収入金額から取得費などを差し引いて求めますが、もしマイホームの取得費が分からない場合、収入金額の5%相当額を取得費とすることができます。

 

また、マイホーム以外の特例としては「事業用資産の買い替え特例」があります。
所有期間10年超の事業用不動産などを買い替えが対象となり、譲渡所得に対する課税が繰り延べられる特例です。

 

<土地を譲渡した際に発生する税金>

※所得税

※住民税

※復興特別所得税

※登録免許税

※印紙税

※消費税(仲介手数料等にかかる)

3.土地を譲渡する手順

実際に土地を譲渡する場合の手順を紹介します。土地の譲渡を検討している方は、全体の流れを理解しておきましょう。

 

Step1 不動産会社に相談して査定を行う

土地を売却するときの最初のステップは「土地の査定」です。

土地の査定を行うためには、不動産会社に相談する必要があります。不動産会社は市場の動向、土地の立地条件、周辺環境などを踏まえ、適正な売却価格を算出してくれます。

査定を受ける際には、土地の所有権証書や固定資産税の課税通知書などの必要書類を用意するようにしてください。なお、適正な価格を見極めるために、一社だけではなく複数の不動産会社に査定依頼することをおすすめします。

 

Step2 不動産会社と媒介契約を結ぶ

査定結果に納得できたら、不動産会社と媒介契約を結びましょう。媒介契約とは不動産会社に土地の売却を委託する契約のことです。

媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専任専属媒介契約」3種類があり、契約期間、報告頻度、依頼可能な不動産業者数など契約形態によって条件が異なります。

媒介契約の種類による違いはもちろん、仲介手数料、解除の条件など重要な内容は媒介契約書に明記されているため、部分的ではなくすべてに目を通してから契約締結するようにしてください。

 

Step3 買主と売買契約を結ぶ

売却活動によって買主が見つかった場合、売買契約を結びます。
売買契約書には売却価格や物件の引き渡し時期などの詳細が記載されています。

また、売買契約を取り交わす際の重要事項説明は宅建士が対応する必要があります。

契約書には、必ず不動産会社や弁護士などの専門家によるチェックを受けてからサインしましょう。

 

Step4 決済・引き渡しを行う

売買契約の成立後、決済・引き渡しを行います。
決済は売買契約の締結後、約1カ月以内に行われるのが一般的です。また、引き渡しは決済と同日に行われます。

決済が終わった後、所有権移転登記などの手続きがありますが、この際の事務手続きは司法書士に依頼するのが基本です。媒介契約によって売買が成立した場合、引き渡し完了後、不動産会社や司法書士に報酬を支払います。

 

Step5 確定申告・納税を行う

土地の売却により売却益を得た場合は、確定申告を行い納税しなければなりません。
確定申告は例年216日から315日までと決まっており、もし期限日を過ぎると延滞税がかかる可能性もあるため、忘れずに行うようにしましょう。

確定申告を行う際は、土地を売却した年度の確定申告書と譲渡所得の計算書類が必要です。

また、税金の額は土地の取得や譲渡するタイミング、土地の取得価額、譲渡価額などによって異なるため、詳しい計算方法は税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

4.土地を譲渡・贈与する際の注意点

土地を譲渡する際にはいくつか注意点があります。

4-1.土地を譲渡する際の注意点

*不動産売買契約書の内容を十分に確認すること

契約書に不備があると、後々トラブルが生じる可能性があるので、しっかりと確認するようにしましょう。

もし契約内容に違反した場合は、違約金が発生するリスクがあります。違約金が発生した場合には、売却益が減少してしまうため注意が必要です。

また、買主と交わした口約束の内容が契約書に含まれていない場合、証明が困難になるため、契約書にすべて明記することが大切です。

契約書締結後の内容変更は、両者の合意がなければ困難です。
例えば引き渡し日や支払い方法などの変更したい場合には、相手方に合意を得る必要があります。

 

4-2.土地を贈与(無償での譲り渡し)する際の注意点

個人間での土地の贈与は、不動産会社が間に入らないケースが一般的です。その場合、仲介手数料は発生しませんが、手続き全般を自分で行う必要があるので、手間や時間がかかるデメリットがあります。

贈与に伴う手続きには、土地や建物の調査、贈与契約書の作成などがあげられます。

契約書の内容に不備があると、後々トラブルが生じる可能性があるため、契約書の作成には十分な時間と注意が必要です。

 

一方、土地を譲渡する場合は、多くのケースで不動産会社が仲介に入るため、多くのサポートを受けられます。不動産会社に仲介を依頼すれば一定の仲介手数料はかかりますが、売買の条件交渉や、契約締結、引き渡しまでの手続きをすべて行ってくれるため、取引に伴う負担はかなり軽減されるでしょう。

5.土地譲渡の手続きは専門家に相談しよう

土地の譲渡と贈与、相続はそれぞれ意味が異なるため、まずは違いを理解しておくことが大切です。

また、土地は高額になりやすい財産なので、売却時には大きな金額が動くケースも少なくありません。

そのため、課税される税金の種類、特別控除の適用要件を前もって知り、できるだけ税負担を少なくするポイントを把握しておきましょう。

そして、不動産取引や事務手続きは複雑な要素が多く、個人で行うのは困難です。マイホームや空き家の売却時においても不動産会社や司法書士などに依頼し、もし不安があれば迷わず相談するようにしてください。

■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者

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