© Daito Trust Construction Co.,Ltd. All Rights Reserved.
【CLT普及促進】2×4工法にCLTのもつ意匠性を掛け合わせた設計が可能に
工学院大学との産学連携による共同研究を実施
ニュースレター
2023年11月21日
- 工学院大学との共同研究で、2×4工法にCLTのもつ意匠性を掛け合わせた設計が可能に
- せん断試験では、CLTを用いた床版の計算式を導くとともに、十分な強度を確認
- CLTのもつ意匠性を活用した柔軟な設計の実現により、CLTの普及を目指す
本共同研究では、CLT建築推進協議会 会長で工学院大学建築学部教授の河合直人氏と、同大学建築学部学生10名の協力のもと、これまで性能が不明であったCLTパネル工法と2×4工法を併用した床版の強度を確認するせん断試験を行い、耐震性などの建物性能を検証しました。その結果、床版としての十分な強度と耐震性が確認できたため、今後、2×4工法にCLTのもつ意匠性を掛け合わせた設計が可能となります。これにより、当社は住宅・非住宅に関わらずお客様のニーズに合わせ、CLTのもつ意匠性を活用した柔軟な設計を実現することで、より一層CLTの普及を進めていきます。
参加メンバーの集合写真
せん断試験後の変形・破壊状況を観察する様子
研究期間:2023年7月31日~2023年10月26日
参加者:工学院大学 建築学部 建築学科の学生計10名
今回、枠組壁工法や鉄骨造などの建築物にCLTパネルによる高剛性高耐力の床・屋根を用いた場合の構法開発、設計法開発の共同研究を行いました。CLTパネルを用いた床版の面内せん断力に対する挙動を確認し、剛性耐力の計算式との照合を行なうほか、CLTと枠組壁工法の床版を併用した場合の挙動を確認し、併用に問題がないことを確認しました。
共同研究による成果も重要ですが、学生にとっては、構造物の破壊状況の確認や設計法開発など、共同作業を実際に体験しながら研究を行うことができ、大変有意義であったと感じています。
研究当初は自分の知識不足を実感させられることも多くありましたが、共同研究を進めていくうちに少しずつ知識が蓄積され、実験が本格的に始まると知識に経験が加わり、より身のあるものとなっていくことを感じました。研究に対する理解度が向上し、次の作業のために必要な準備にまで意識を向けることができるようになりました。
今回の共同研究で得た知識や経験はとても貴重なもので、大学卒業後も様々な場面で活きていくと思います。
研究当初は初めて耳にする言葉が飛び交うような状態でしたが、この機会にたくさん質問し、毎回分かりやすく丁寧に説明いただいたことで、徐々に理解できるようになりました。最終的には、能動的に研究の考察や意見交換ができるまでに成長したと感じています。
今回の共同研究を通し、一つの実験にも多大な費用や労力がかかっていることを実感できました。また、装置のトラブルなどで予定通りに進まないこともあるという経験も含め、実りのある共同研究になりました。
CLTは、多孔質で断熱性能が高い木板を互いに直角に交わるように積層接着した厚型パネルです。コンクリート並みの強度と、木材の軽さを併せ持つ木質建材として注目を集めています。また、建設業従事者数の減少が叫ばれる中、施工が省力化でき、工期も短いCLTは、建設業界の救世主であるといえます。
当社のCLT住宅は、同規模の鉄筋コンクリート造の建物と比較して、1棟あたり約274t-CO2の脱炭素効果を見込んでおり、これは約61世帯が年間に排出するCO2量に相当します。さらにCLT製造時に使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーとすることで、製造時のCO2排出量を削減しています。また、CLTに使用する木材を100%国産木材とすることで、日本の林業振興と地域創生にも貢献しています。
そして2019年、独自に開発したCLT工法を用いた実験棟を建設し、施工性はもちろん、入居後の居住性も検証。同年10月には、国内初の規格化・工業化されたCLT賃貸集合住宅の開発に成功し、2022年7月、千葉県船橋市において1号棟を完成させています。
[ 関連ニュースリリース・インフォメーション ]
2022年8月、千葉県船橋市に完成した1号棟
[ 関連ニュースレター ]
本建物は、木を多く使ったCLTパネル工法の戸建賃貸住宅にしたいというオーナー様の希望を取り入れると同時に、LCCM住宅を組み合わせることで、脱炭素社会実現への貢献を目指す当社の提案にご賛同いただき、完成に至りました。
※2 一般社団法人住宅・建築SDGs推進センター LCCM住宅認定取得住宅一覧より当社調べ
[関連インフォメーション]
建設中の様子(2階・内観)
本年12月には、オリジナルCLT工法による木造賃貸住宅商品「Forterb(フォルターブ)」の2号棟が東京都練馬区に完成予定です。CLT工法が確立・普及することにより、賃貸住宅における建物構造の選択肢を増やし、土地活用における賃貸住宅の可能性を拡大していきます。
<建物概要>
所在地:東京都練馬区
構造/規模:CLTパネル工法/3階建て 1棟8戸
間取り:1K(26.33m2~28.82m2)
完成予定の外観イメージ
今後もエコファースト企業として、事業活動を通じた環境課題解決に取り組むとともに、業界をリードする先進的、独自的なチャレンジを展開していきます。

事業活動による気候危機への対応
資産価値向上と社会課題解決の両立
報道関係者 お問い合わせ先
- ニュースレターのダウンロードはこちらから(873.1KB)