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大東建託、CLT造建物におけるRC造同等以上の快適性を確認

6月12日、CLT賃貸住宅1号棟が岩手県に完成予定

ニュースレター

2020年06月03日

大東建託株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:小林克満)は、昨年夏、独自に開発したCLT造の賃貸建物を対象に、夏期における室内温度や床表面温度をシミュレーションし、コンピューター解析を実施しました。その結果、一般的なRC造の建物と比較した場合、CLT造の建物の快適性はRC造の建物同等以上であることが確認されました。また、2020年6月12日には、CLT造で建築した当社の人気商品「LUTAN(ルタン)」が、CLT造賃貸住宅1号棟として、岩手県気仙郡住田町に完成します。
■より快適な生活を実現しCLTのさらなる活用・普及を目指す
当社は、CLT造による賃貸住宅の商品化を目指し、2015年から建設コストの低減や耐火性能を確保する技術開発に取り組んできました。2019年3月には、独自に開発したCLT工法を用いた実験棟(3階建て・全6戸)を建築し、同年9月、国内初となる規格化・工業化されたオリジナルCLT工法による賃貸住宅商品「Forterb(フォルターブ)」の販売を開始しました。商品化実現後も実験棟では、より快適な生活を実現するため、実際の生活を想定した快適性や内装仕様の検証を行っています。
また、2020年6月には、大屋根にCLTを活用した情報発信施設「ROOFLAG(ルーフラッグ)賃貸住宅未来展示場」が江東区東雲にオープンしました。
当社は今後も、オリジナルCLT工法の確立・普及に取り組むことで、国内のCLT建材の活用を促進するとともに、土地活用における賃貸住宅の可能性をさらに拡げていきます。
■CLTの活用促進・普及に向けた取り組み

●コンピューター解析による冷暖房シミュレーション
2014年に開始した住宅の温熱性能向上に向けた研究開発では、室内温度や床表面温度についてシミュレーションを実施し、CLT造がRC造と比較して、快適性能が同等以上であることを確認しました。
●実験棟の建築により、CLT造賃貸建物の商品化を実現
オリジナルCLT工法の実験棟を建築し、外壁パネルの製作から現場搬入、建て方、内装・外装の仕上げまでの全工程を検証。CLT造の賃貸建物として、日本で初となる商品化を実現し、Forterb(フォルターブ)が誕生しました。
●基礎接合部の金物の設置精度の向上
実験棟の敷地内に小規模の基礎のモックアップを造り、施工方法を検証。これにより、「アンカーボルト※1」を高い精度で設置できる「アンカーフレーム※2」を用いた脚部金物の施工方法を確立しました。
●室温測定による検証で室内の快適性を向上
実験棟の室内には、家具や家電、カーテンなどを設置し、実際に生活する環境を再現しており、天井や壁、床、室内空気の温度を測定することで室内の快適性を検証しました。

※1 基礎と1階壁パネルを接合するため基礎内に埋め込まれる金物
※2 アンカーボルトを設置するための仮設材
■床表面温度や室内温度のシミュレーションでRC造同等以上の冷暖房効率を確認
東京都市大学の近藤靖史教授の指導のもと、2014年に開始した住宅の温熱性能向上に向けた研究開発では、オリジナルCLT造の賃貸住宅と一般的なRC造の賃貸住宅を対象にコンピューター解析を行い、夏期の室内温度や床表面温度についてシミュレーションを実施しました。
室内で、ルームエアコンを午前6:30~8:30と午後18:00~24:00に運転した場合における、20:00時点の室内床表面温度(図1)を見ると、CLT造が28.5℃であるのに対しRC造は30.0℃となり、CLT造の方が約1.5℃冷えていることが確認できました。また、室内温度(図2)は、CLT造で27.8℃、RC造が29.4℃となり、CLT造の方が約1.6℃冷えていることが確認できました。
解析の結果、CLT造はRC造と比較して快適性能が同等以上であることが確認でき、近藤教授の研究では、CLT造の冬期の暖房による温度変化は、熱容量が大きく快適性が高いRC造に近いということが確認されています。

[ 結論 1 ]  CLT造は、断熱性が優れるため、外の涼しい深夜帯や冷房時に温度を低く保つ

[ 結論 2 ]  熱容量が大きいRC造と比べて、CLT造は特に床面の表面温度が下がりやすい傾向がみられ、RC造と同等以上の快適性が確認できる。

試算方法  ソフトウェアクレイドル社によるCFD解析に基づく/解析ソフトはSTREAM V14.1(エムエスシーソフトウェア社
試算条件  解析日:2019年8月5日(外気温29.4℃)
          地域:東京都
          冷房時室内設定温度::26.
          成績係数(COP)冷房時5.19/暖房時5.29
■東京都市大学建築都市デザイン学部建築学科 近藤靖史教授コメント
今回、厚い木材を重ねたCLT造を検討され、内断熱RC造と比較されています。RC造は一般に熱容量が大きく、熱しにくく、冷めにくいという特徴があります。一方、CLT造は断熱性能に優れ、かつ、従来の木造に比べると木材が分厚いため熱容量もあります。すなわち、CLT造は適度な断熱性能と熱容量があり、効率的な冷房と暖房が期待できます。このような快適性向上に関する取り組みは非常に価値があります。今後もさらに、「より快適で健康的な賃貸住宅」の実現に寄与されると思います。

■ 「実験棟」建築でオリジナルCLT工法における施行性・品質などを検証

2019年3月に完成したオリジナルCLT工法の実験棟は、都心部の木造耐火建築物を想定しており、シングル向けの間取りで、都心部に多く見られる間口の狭い狭小敷地を想定したプランとなっています。今回、外壁パネルの製作から現場搬入、建て方、内装・外装の仕上げまでの全工程を検証するため、実際の建物を建築する事により、あらゆる角度から施工性や品質における問題点を検証・分析しました。また、キッチンやユニットバス等の住宅設備も設置し、完成後には社員が実際に居住することで、断熱性や遮音性等の居住性の検証を行っています。

〈建設中の実験棟 3階建て・全6戸〉

■実際の生活を想定して快適性や内装仕様の改善を検証

上記実験棟の室内には、家具や家電、カーテンなどを設置し、実際に生活できる環境を整えており、天井や壁、床、室内空気の温度を測定することで室内の快適性を検証しています。 また、快適性を向上させるため、より断熱性や遮音性を高める壁や床の仕様も検証しています。

〈一般的な部屋を再現して室温や表面温度を測定〉

■実験棟建築を通じ施工性・施工品質をさらに向上する施工方法に変更

CLTパネルは、工場でミリ単位の精度によって製作されます。現場ではパネル同士を突き付けて金物で接合することから、それぞれの金物の精度が施工性や施工品質において重要になります。特に、基礎と1階壁パネルの接合のため基礎内に埋め込まれる金物「アンカーボルト」と1階パネルを固定する「脚部金物」の精度は、上階の壁パネルの精度に大きな影響を及ぼすため、その設置精度が重要になります。 実験棟の建築でその重要性が再確認されたため、さらなる施工性・施工品質の向上のため、敷地内に小規模の基礎のモックアップを造り施工方法を検証しました。これにより、アンカーボルトを高い精度で設置できる「アンカーフレーム」を用いた脚部金物の施工方法が確立されました。

■CLTを活用した賃貸住宅1号棟が間もなく完成

6月12日、木造2×4工法の商品として従来販売していた賃貸住宅商品「LUTAN(ルタン)」をCLT工法で建築した賃貸住宅が、岩手県気仙郡住田町に完成予定です。完成した賃貸住宅は、当社の協力会社様の社員寮となる予定です。
〈 建物概要 〉
所在地 : 岩手県気仙郡住田町
商品名 : 「LUTAN(ルタン)」
構造・規模: CLT工法・2階建て1棟4戸
間取り : 1F・1LDK、2F・2LDK
延床面積 : 215.52㎡

〈CLT造の賃貸住宅1号棟建築の様子(3月撮影)〉

報道関係者 お問い合わせ先   

大東建託株式会社 広報部
電話 : 03-6718-9174
メール: koho@kentaku.co.jp

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