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大東建託、CLT造建物におけるRC造同等以上の快適性を確認
6月12日、CLT賃貸住宅1号棟が岩手県に完成予定
ニュースレター
2020年06月03日
また、2020年6月には、大屋根にCLTを活用した情報発信施設「ROOFLAG(ルーフラッグ)賃貸住宅未来展示場」が江東区東雲にオープンしました。
当社は今後も、オリジナルCLT工法の確立・普及に取り組むことで、国内のCLT建材の活用を促進するとともに、土地活用における賃貸住宅の可能性をさらに拡げていきます。
●コンピューター解析による冷暖房シミュレーション
2014年に開始した住宅の温熱性能向上に向けた研究開発では、室内温度や床表面温度についてシミュレーションを実施し、CLT造がRC造と比較して、快適性能が同等以上であることを確認しました。
●実験棟の建築により、CLT造賃貸建物の商品化を実現
オリジナルCLT工法の実験棟を建築し、外壁パネルの製作から現場搬入、建て方、内装・外装の仕上げまでの全工程を検証。CLT造の賃貸建物として、日本で初となる商品化を実現し、Forterb(フォルターブ)が誕生しました。
●基礎接合部の金物の設置精度の向上
実験棟の敷地内に小規模の基礎のモックアップを造り、施工方法を検証。これにより、「アンカーボルト※1」を高い精度で設置できる「アンカーフレーム※2」を用いた脚部金物の施工方法を確立しました。
●室温測定による検証で室内の快適性を向上
実験棟の室内には、家具や家電、カーテンなどを設置し、実際に生活する環境を再現しており、天井や壁、床、室内空気の温度を測定することで室内の快適性を検証しました。
※2 アンカーボルトを設置するための仮設材
室内で、ルームエアコンを午前6:30~8:30と午後18:00~24:00に運転した場合における、20:00時点の室内床表面温度(図1)を見ると、CLT造が28.5℃であるのに対しRC造は30.0℃となり、CLT造の方が約1.5℃冷えていることが確認できました。また、室内温度(図2)は、CLT造で27.8℃、RC造が29.4℃となり、CLT造の方が約1.6℃冷えていることが確認できました。
解析の結果、CLT造はRC造と比較して快適性能が同等以上であることが確認でき、近藤教授の研究では、CLT造の冬期の暖房による温度変化は、熱容量が大きく快適性が高いRC造に近いということが確認されています。
[ 結論 2 ] 熱容量が大きいRC造と比べて、CLT造は特に床面の表面温度が下がりやすい傾向がみられ、RC造と同等以上の快適性が確認できる。
2019年3月に完成したオリジナルCLT工法の実験棟は、都心部の木造耐火建築物を想定しており、シングル向けの間取りで、都心部に多く見られる間口の狭い狭小敷地を想定したプランとなっています。今回、外壁パネルの製作から現場搬入、建て方、内装・外装の仕上げまでの全工程を検証するため、実際の建物を建築する事により、あらゆる角度から施工性や品質における問題点を検証・分析しました。また、キッチンやユニットバス等の住宅設備も設置し、完成後には社員が実際に居住することで、断熱性や遮音性等の居住性の検証を行っています。
〈建設中の実験棟 3階建て・全6戸〉
上記実験棟の室内には、家具や家電、カーテンなどを設置し、実際に生活できる環境を整えており、天井や壁、床、室内空気の温度を測定することで室内の快適性を検証しています。
また、快適性を向上させるため、より断熱性や遮音性を高める壁や床の仕様も検証しています。
〈一般的な部屋を再現して室温や表面温度を測定〉
CLTパネルは、工場でミリ単位の精度によって製作されます。現場ではパネル同士を突き付けて金物で接合することから、それぞれの金物の精度が施工性や施工品質において重要になります。特に、基礎と1階壁パネルの接合のため基礎内に埋め込まれる金物「アンカーボルト」と1階パネルを固定する「脚部金物」の精度は、上階の壁パネルの精度に大きな影響を及ぼすため、その設置精度が重要になります。
実験棟の建築でその重要性が再確認されたため、さらなる施工性・施工品質の向上のため、敷地内に小規模の基礎のモックアップを造り施工方法を検証しました。これにより、アンカーボルトを高い精度で設置できる「アンカーフレーム」を用いた脚部金物の施工方法が確立されました。
6月12日、木造2×4工法の商品として従来販売していた賃貸住宅商品「LUTAN(ルタン)」をCLT工法で建築した賃貸住宅が、岩手県気仙郡住田町に完成予定です。完成した賃貸住宅は、当社の協力会社様の社員寮となる予定です。
〈 建物概要 〉
所在地 : 岩手県気仙郡住田町
商品名 : 「LUTAN(ルタン)」
構造・規模: CLT工法・2階建て1棟4戸
間取り : 1F・1LDK、2F・2LDK
延床面積 : 215.52㎡
〈CLT造の賃貸住宅1号棟建築の様子(3月撮影)〉
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