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社外取締役インタビュー

社外取締役ガバナンス委員会委員 庄田 隆

社外取締役として庄田取締役に求められている役割について、ご自身の認識をお聞かせください。

私は、当社グループとは事業分野が全く異なりますが、製薬会社である第一三共株式会社の経営に長く携わってきました。当社の社外取締役就任を依頼された時点では、当社グループの事業内容や事業環境についての知識は非常に限られたものでしたが、その後、取締役会での議論や社内外の各種イベントなどに参画することにより、当社グループの事業活動や経営課題に対して理解、認識を深めることができたと思っています。

一方で、企業の事業分野は違っていても、経営そのものに共通する基本的な事項に大きな違いは無いと思います。これまで培ってきた知見・経験を活かして、内部統制、リスクマネジメント、コンプライアンス経営などの守りのガバナンス、成長戦略、M&A、グローバル経営などの攻めのガバナンスの両面で、外部からのフレッシュな視点で議論を行い、経営に貢献することが役割であると認識しています。

庄田取締役ご自身の経営に対する考えをお聞かせください。

企業経営に求められるのは、ひとえに「企業価値」を持続的に向上させていくことだと考えています。「企業価値」は、優先順序はありませんが、3つの価値に分けて考えられます。1つ目は、「経済的価値」です。これは、売上利益、株価、時価総額など定量的にも認識できる価値です。2つ目は、「社会的価値」です。その企業が社会に対してどの様な価値を提供するのか、どう社会に役立つのかという、企業の存在意義とも言えます。3つ目は、「人間的価値」です。例えば、企業にとって一番身近なステークホルダーである従業員が、その企業の中で如何に能力開発し自己成長できるのか、自己実現を図れるのかという価値です。

これら3つの価値をバランス良く、最大限に向上させて、総合的な意味での「企業価値」の向上を図ることが、企業経営の重要な責務であると考えています。

社外取締役の立場から見た大東建託グループの経営について、所感をお聞かせください。

経営層、各部門責任者、全従業員を通じて、高い「目標達成意欲」を共有していることが、当社グループのひとつの大きな強みであると感じています。

当社グループでは、年度初めに全従業員を集めて、社長自らが直接対話形式で、その年度の経営計画を説明する機会があります。このような機会も、全従業員の「目標達成意欲」の醸成につながっており、11期連続の増収増益も、この全社を挙げての高い「目標達成意欲」の成果と言えます。

本年度より、2024年3月期を最終年度とする「新5ヵ年計画」がスタートしました。

「新5ヵ年計画」では、売上高や利益などの数値目標ももちろん、大変に重要ですが、総合賃貸業を核とした「生活総合支援企業」を目指すという、中長期的な企業成長の方向性が明確となったことが大きな意味を持っていると思います。

私が経営に携わってきた研究開発型の製薬企業は、未充足な医療ニーズに応える新薬創出をミッションとして事業活動をしています。健康や疾病というものに国境はありませんので、顧客層は日本国内のみならず全世界の患者さん、医療関係者となります。

一方で当社グループは、現在、日本国内を対象とする事業がほとんどですが、少子高齢・人口減少社会を迎える中スタートした「新5ヵ年計画」の中では、主要顧客である「賃貸住宅オーナー様」と「賃貸住宅入居者様」に加えて、さらに幅広い顧客層を対象とした事業を行うグループへと飛躍、成長していくことを期待しています。

大東建託グループの抱える課題とは何でしょうか。

ガバナンス委員会の場で、業務執行取締役のメンバーと意見交換をしますと、ほぼ全員が共通して2つの経営課題を当社グループの最重要課題として認識しています。

1つ目は、コア事業である賃貸住宅分野(建設事業・不動産事業)以外の新規事業やその他事業を、さらにスピード感を持って強化拡大していくことです。日本国内の人口・世帯数が中長期的な減少トレンドにある中、当社グループがさらなる成長を目指すには、長年にわたり高度に洗練化されてきた「賃貸経営受託システム」によるコア事業をなお一層強化するとともに、「新5ヵ年計画」で謳う、総合賃貸業を核とした「生活総合支援企業」へと飛躍していくことが極めて重要であると考えています。

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)が高度に融合した「Soceity5.0」と呼ばれる新しい社会を迎える中、これからのビジネスには異業種、異組織との横断的な協業、連携が不可欠です。当社グループにおいても、「生活総合支援企業」への飛躍を目指すには、異業種、異組織とのオープンイノベーションに積極的に取り組むことが今まで以上に重要になっていくと思います。

2つ目は、人材力で、これは当社グループが多様性のある人材がより多く社内で成長し、活躍できるグループにならなければいけないということです。企業成長には、企業自体が従業員一人ひとりがやりがいを持って、その能力を最大限発揮できる企業であることが不可欠です。当社グループはこれまでも人材育成に力を入れていますが、経営と従業員の双方向コミュニケーションを通じて、より一層多様性を尊重し、従業員の自己成長や能力開発を支援していくことに期待しています。

※ソサエティ5.0。仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会課題解決を両立する、人間中心の社会

CSR(企業の社会的責任)やESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取組みについて、考えをお聞かせください。

CSR活動については、当社グループに求められる責任を踏まえ、「社会からの要請・期待」と「中長期的な事業の方向性」の観点から、CSR活動分野を定めていく必要があると思います。

コンプライアンス経営や環境経営の推進とともに、SDGs(国連の持続可能な開発目標)に基づいて、当社グループのCSR活動を体系的に整理、分類してみることもできます。当社グループの事業活動との関連で、SDGsが掲げる「17の目標」の中から、どの目標に重点をおいて活動推進するかを定めることもひとつの方法であると思います。

最後に

攻めのガバナンス(成長戦略、M&A、グローバル経営など)と守りのガバナンス(内部統制、リスクマネジメント、コンプライアンス経営など)の両面から、当社の経営課題を俯瞰的に捉え、取締役会、ガバナンス委員会などを通じて、当社グループの企業価値向上に向けて、積極的に問題提起、議論を行っていきたいと考えています。

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