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老人ホーム経営のよくある課題と成功のポイント│初期費用の事例

最終更新日: 2023.11.28

土地活用方法の中でも、老人ホームの経営は将来性や社会貢献性が高いものです。少子高齢化問題が進む日本、今後も老人ホームの利用者は増加することが予想されます。

不動産投資としての老人ホームは、駅チカのような利便性が高くない土地でも導入することが可能です。入居するテナントが介護施設経営を行う法人で安心感がある上、税金の優遇措置を受けられることもあります。

そこで今回は、老人ホーム経営の特徴について徹底解説します、高齢者向け施設の比較やメリット・デメリット、成功させるためのコツについても紹介します。ぜひチェックしてください。


>>関連記事:「土地活用の方法16選|運用を行うメリットや実際の進め方

1.老人ホーム経営の種類

高齢者向け施設には様々な種類があり、敷地面積や立地などの条件に合わせて適した種類を選ぶのがおすすめです。
建設する施設を検討する上で、まずはどのような種類があるのか把握していきましょう。

1-1.サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅とは、介護職員による見守りや生活相談などのサービスが付いている高齢者向けの賃貸住宅のことです。
「サ高住」と略して呼ばれることもあります。サ高住はあくまで賃貸マンションとしての色合いが強く、介護サービスは必要に応じて別に契約を締結する必要があります。

食事の提供もサービスの一環として行う事業者が多いですが、必須ではありません。サ高住と認定される建物となるには居室の床面積やバリアフリー構造など、建物に関する基準があります。それらの基準を満たすことで、国土交通省が行う「高齢者等居住安定化推進事業」の対象として補助金を受けることが可能です。

サ高住の補助金については、以下のコラムで詳しく説明しています。


>>関連記事:「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の補助金はいくら?【令和4年度】

1-2.有料老人ホーム

有料老人ホームとは、その名の通り有料の老人ホームです。
先ほど紹介したサ高住が見守りや生活相談サービスの付いた賃貸マンションで、建物賃貸借契約を締結する方式であるのに対して、老人ホームは終身にわたり居室と共用施設を利用する権利や、介護・生活支援サービスを受ける権利を購入するという利用権方式を取っています。

有料老人ホームは提供するサービスによって、以下の三種類に分類できます。

 

・健康型有料老人ホーム:家事サポート・食事サービスを提供。要介護になった場合は退去

・住宅型有料老人ホーム:生活支援・食事サービスを提供。要介護になった場合はサービス事業者と契約

・介護付き有料老人ホーム:生活支援・身体介護・リハビリ・食事サービスなど広く提供

 

有料老人ホームは、サ高住と比較しても必要となる建物のスペックは高くなる傾向にあります。

1-3.特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームとは、常時介護が必要な高齢者に対して、生活全般の介護(食事や入浴、排泄の介護、そのほかの日常生活の世話や機能訓練、健康管理及び療養上の世話を含む)を提供する施設です。

主に自治体が補助金を出して建設し、社会福祉法人が運営することから、比較的安価に利用することができるのが特徴です。特別養護老人ホームは高齢者が一人で出歩くことがないことや、土地の広さが必要であるため、郊外でも建設されることの多い施設です。

郊外に広い土地を所有されている方には向いている活用方法と言えるでしょう。

1-4.ケアハウス

ケアハウスとは「軽費老人ホーム」とも呼ばれ、家族の援助を受けることが困難な高齢者が可能な限り自立した生活を送りながら生活援助・介護サービスを提供する施設です。

住宅型の老人ホームと比べ費用が安く、介護度が上がると退所を求められる場合もあるのが特徴です。ケアハウスは比較的自立した高齢者が入居者となるため、必要となる建物・設備のスペックも他の老人ホームよりは低い傾向にあります。
また、地方公共団体が運営主体であることも多いです。自治体によっては運営事業者に対する補助金が整備されていることもあるため、立地によっては有力な候補となるでしょう。

 

老人ホーム経営の良くある課題と成功のポイント 画像.png

2.老人ホーム経営のメリット

土地活用の中でも、老人ホームは郊外でも一定の需要が見込める特徴があります。
ここでは老人ホーム経営のメリットを紹介していきます。

 2-1.長期的に安定した収益が見込める

高齢者社会が進む日本では、今後も老人ホームの利用者である高齢者は多く、需要が安定しやすい傾向にあります。

介護事業者に土地や建物を一括して貸すことで、長期的に安定した収益性が期待できるでしょう。通常の賃貸アパートであれば入居者ごとに入居退去が発生し、賃料収入の増減が発生します。老人ホームは一事業者との長期契約であるため、安定した収益を得ることができます。

2-2.初期費用を抑えながら経営を始められる

初期費用を抑える契約方式を選ぶことができるのも、土地活用としての老人ホームの魅力です。

一般的に、老人ホーム事業者との契約方式は二種類です。土地を更地のまま貸して事業者に建物を建てさせる借地方式と、土地オーナーが建物まで建築してから事業者へ貸す借家方式でどちらも事業者からの賃料が収入源となります。

老人ホームには定められた基準や設備がある為、建築費は高くなる傾向にあります。しかし借地方式では事業者が建物を建築するため、オーナー側の初期費用を抑えることができます。また、借家方式において、事業者から「建築協力金」を提供してもらい、施設完成後に、賃料から建設協力金の返済分を差し引くリースバック方式」という仕組みもあります。

また前述した通り、老人ホームには、自治体によって補助金があります。それらを活用することで、初期費用を抑えることが可能です。制度によっては細かい適用条件が設定されているため、不動産会社などのプロと相談しながら進めるのがよいでしょう。

2-3.賃貸住宅に不向きな土地でも活用しやすい

一般的なアパート・マンションなどの賃貸住宅では駅徒歩数分のような利便性のよい立地が好まれます。

しかし、老人ホームは入居する高齢者の家族が訪問に来ることができる程度の立地であれば、立地が悪くとも行うことができます。所有する土地の立地が悪く、一般的な賃貸住宅としては入居希望者が集まりにくい場合は、老人ホーム建設は有力な選択肢となるでしょう。

3.老人ホーム経営のデメリット・よくある課題

メリットの多い老人ホームですが、土地や建物を一事業者に一括貸しすることならではの注意点も存在します。
ここからは、老人ホーム経営を失敗しないための注意点を確認していきましょう。

3-1.委託先の事業者探しが難しい

老人ホームを行う事業者には、安定して運営を継続できる事業規模や体制が必要ですが、介護業界は人材不足であり、新規参入のハードルが高いのが現状です。

そのため、自力でテナントとなる事業者を探すのは苦労するでしょう。広い介護業界の中で実績がある優良な事業者を選ぶためには、パートナーとなる不動産会社の存在と、慎重な判断が不可欠です。可能な限り、事業者探しの高い実績やノウハウを持っている事業者を探すことをおすすめします。

3-2.老人ホームから転用するのが難しい

土地オーナーが建物を建て、事業者に賃貸する方式の場合、万が一その事業者が倒産などの理由で退去してしまった後のことを想定しておくことが大切です。


老人ホームは介護現場として最適化された建物であるため、それ以外の用途へ転用するにはお金がかかります。テナントが退去し空床となった後、また同じような事業者が入居者として入ってくれるならよいですが、そうでない場合は転用するための支出が発生するリスクがあることを押さえておきましょう。

なお、このリスクを低くしたい場合は、事業者に土地だけ貸して事業者側に建物を建てさせる手法もあります。借地方式は賃料収入は低くなりますが、その分ローリスクなのがポイントです。

4.老人ホーム経営を成功させるポイント

土地活用としての老人ホームを成功させるためには、専門家のサポートを得ながら、信頼できる賃貸先を選定することが重要です。

4-1.土地活用の専門家に相談する

今回ご紹介したように、老人ホームといっても様々な種類があります。
有料老人ホームのような民間施設がよいのか、公的な老人ホームがよいのか、それらを判断しなければ、賃貸先となる事業者探しもうまくはいきません。そういったことから、土地活用の専門家に相談し、自らの希望や条件に合わせた最適な活用方法を検討することが重要です。

4-2.実績があり信頼できる事業者を選ぶ

事業者選定においても、土地活用の専門家の力を借りることは重要です。
注意点で挙げた通り、老人ホームの建物は転用が難しい側面があります。最初に入居した事業者が長期間にわたって営業できるのかどうか、見極める必要があります。
それらを判断する上で重要なのは、やはりその事業者の実績や企業規模、経営状況でしょう。事業者選定においては、その企業の組織体制や財務諸表などを確認し、信頼できるかを慎重に判断しましょう。

5.老人ホーム経営を成功させ、賃料収入をゲットしよう               

今回は、老人ホーム経営の基礎知識を説明しました。在宅介護は介護を行う家族の負担もあり、いざと言う時の拠り所として老人ホームは重要な位置づけです。所有地を老人ホーム事業会社へ賃貸することで、賃料収入を得ながら地域貢献を行うことができます。

 

しかし、こういった介護施設賃貸マンションや駐車場経営、相続税対策などの土地活用を含めてもより広い知識が必要となるため、土地活用の専門会社へ相談することをおすすめします。一度相談してみるとよいでしょう。

■監修者プロフィール

有限会社アローフィールド代表取締役社長
矢野 翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

【保有資格】2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者

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