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サブリース事業者を選ぶ3つのポイント

最終更新日: 2022.11.04

最終更新日:2022年6月2

2020年12月、いわゆる「サブリース新法」が施行されました。これは、賃貸建物オーナーとサブリース会社とのトラブルが多かったことが背景です。

この新法によって、「誇大広告等の禁止、不当な勧誘等の禁止、重要事項説明」が定められることになりました。なお、同じ法律によって2021年6月からは新たな「賃貸管理業者登録制度」もスタートしています。


なぜ、このような法律が作られるほどにトラブルが多かったのか...。
簡単にいえば、「賃貸事業の運営力のない事業者も少なくなかったから」に他なりません。そしてその結果、損失をオーナーに被せたり、実質的にオーナーを騙したりする事業者も増えてしまったといえます。


サブリース契約自体はオーナーにとって色々と有効な契約ですが、契約先が賃貸事業の運営力のない事業者では問題です。

そこで今回は改めて、サブリース事業者を選ぶポイントについて詳しくお伝えします。

1 ポイント①設計・施工力

まずは「設計・施工力」です。賃貸事業をするうえでの建物とは、一般企業でいうところの商品ですから、これはいわば「商品開発力」ともいえます。商品開発をする際には、事前の「(エリア)マーケティング」も欠かせませんから、情報収集力や分析力なども大切です。

なお、賃貸経営は長期に渡って運営するのが基本なので、地域の需要に合わない建物は当然に、一時的な特殊需要を狙った建物(たとえば企業の社宅利用など)もなるべく控えるのが基本となります。先々を意識した建物を造っているかどうかを見てみましょう。


この設計・施工力は「過去の実績」を見比べてみるのが簡単です。その会社が過去に造った建物は、現在に至るまでどのくらい安定的に経営できているのか...。当然ながら設計・施工力は企業によって違います。もちろん各企業は自社を立派に見せてきますから、一社だけを見ていては分かりません。複数社の実績を見比べて、そのうえで判断することが大切です。

1-1 設計・施工力における注意ポイント

オーナーとしては当然に、建築費が割安なところのほうが好ましいのが基本です。賃貸経営や建物建築を知らないほどに、分かりやすい目先の値段・料金で選別してしまうのはやむを得ないことといえます。
...しかし、それは長い目で見れば得とは限らないうえ、後述しますがサブリース契約が前提なら尚更かもしれません。


賃貸事業は長期に渡って運営するのが基本です。その長い運営においては、原状回復費(入居者様の入れ替り時に発生する費用)や修繕費(経年劣化による建物・設備の修繕・ 交換費用)などのランニングコストも考えておく必要があります。
わずかばかりの建築費を出し渋った結果、かえってランニングコストが必要になったという失敗は本当にありがちです。後述する仲介や管理にも悪影響が出ることも往々にしてあります。


たとえば壁紙は一般的に510年程度が寿命とされており、やはり材質によって差があるのが実情です。あくまで一つの例ですが、仮に倍の耐久性が見込める材質のものが1.5倍の値段だったら、いかがでしょうか?当然、最終的には倍の耐久性が見込めるもののほうが有利です。このように、賃貸事業においては先々を考えたうえでの判断が大切といえます。

目先の建築費の安さに魅力を感じ契約したものの、やはりその後の運営は上手くいかず、契約の見直しや家賃の値下げを迫られた...これはサブリース新法成立の背景の一つです。そしてこれは、オーナー側の知識や理解のなさも原因の一つとなっています。

賃貸事業は長期に渡って運営するものであり、本来のサブリース契約とはオーナーと事業者が運命共同体になるような契約です。
まっとうな実力のある事業者なら、目先ではなく先々を見据えた事業計画をするのが基本といえます。そして、そのような事業者を選ぶためには、オーナー側にも先々を見据えた事業計画が必要です。サブリース事業者を選ぶ際には、まずはオーナー側が先々を意識する姿勢を持ち、そのうえで共感できる事業者を選ぶよう心がけましょう。

2 ポイント②仲介力

次に「仲介力」が大切なポイントです。より一般的な言葉なら、「集客力または販売力」ともいえます。
どのような事業も顧客がいて初めて成立するものであり、入居者様がいて初めて成立するのが賃貸事業です。このため、どれだけ多くの入居者様を安定的に集客・仲介できるかが賃貸経営の肝となります。


なお、最近の集客方法は実に様々です。従来の雑誌や新聞、チラシや店舗での宣伝も行われている一方で、SNSやインターネット、動画による宣伝なども行われています。そして今や新規入居者は、自宅にいながらそのような情報を受け取り、賃貸物件を細部に至るまで比較しながら探せる時代です。


この時代における仲介力を選別するポイントは、実は「店舗数」が重要なポイントの一つになります。というのも、全国賃貸住宅新聞の2021年「賃貸仲介件数ランキング」によると、以下のような結果です。

会社名

賃貸仲介件数

店舗数

A社

22万7,06件

424店

B社

14万5,496件

232店

C社

7万5,437件

197店

D社

6万7,324件

99店

E社

5万5,529件

101店



明らかに店舗数が多いほど、仲介件数も多いという結果になっています。
というのも、スーモリサーチセンターの2020年度「賃貸契約者動向調査(首都圏)」によると、オンラインでのみ内見をした方は13.5%という結果です。またオフライン内見との併用者は6.2%となっています。

つまり、最近では自宅にいながら賃貸物件を探せる時代なものの、8割程度の方は店舗に赴き、実際に自分の目で物件を内見して賃貸契約をしているのが実情です。このため、店舗数が仲介力に直結するのも自然といえますから、この点を意識して事業者を比較してみましょう。

2-1 仲介力における注意ポイント

賃貸事業においては、事業者としては入居者に末永く住んでほしいものといえます。

しかし入居者が亡くなるまで入居してくれることは稀であり、家族構成の変化や転勤・転職など何らかの理由で、いずれ住み替え(引っ越し)が起きることが一般的です。これは視点を変えれば、「またいずれ仲介の機会が訪れる可能性が高い」ともいえます。

実際にその機会が訪れた時、一般的な入居者はどのように考えるでしょうか。これは実に簡単な話であり、その仲介会社を気に入っていれば、可能ならまたそこと契約したいと考えます。逆にその仲介会社を嫌っていれば、なるべく他社と契約したいと考えるのが普通です。


つまり(後述する管理と被る部分もありますが)、仲介(契約)前後においても、どれだけ満足度を高めるための努力をしているかが大切になります。

たとえば企業によっては、仲介業者負担の広告料上乗せ、仲介手数料の減額や敷金をゼロにする仕組み、退去時のクリーニング費用の定額化などを導入しているところもあるほどです。合わせて、引っ越し先でも物件を仲介できるよう企業規模の拡大やネットワークの構築に、どれだけ力を入れているかも大切といえます。


このような事業者を選ぶには、やはりオーナーにも同じ視点・姿勢が必要です。

たとえば建築費と同じく、仲介料(サブリース費用)も事業者によって色々といえます。
先々を見据えれば仲介力の高さで事業者を選ぶべきですが、建築費と同じく目先の仲介料のみで比較・決定して失敗したという声が少なくないのが実情です。まずはオーナー自身が仲介力の重要性や先々を見据える大切さを理解して、そのうえで共感できる事業者を選ぶよう心がけましょう。

3 ポイント③管理力

最後は「管理力」です。賃貸事業においては、事業者と入居者との関係は長期に渡ります。
その長期間、ずっと入居者に満足して頂くため、またずっと事業を安定的に成り立たせるためには様々な活動(業務)が必要です。その様々な活動を総じて「賃貸管理(業務)」といいます。


たとえば、代表的な管理業務の一つが建物管理(美観・機能を保ち、向上させる仕組み)です。また契約管理や入居者管理(入居者様のトラブル回避や緊急時の対応)もあります。こういったことを怠ると、当然に入居者にとって住環境の悪化になりますから、より良いところへ引っ越ししたくなり、ひいては退去を促しかねません。さらに、再度の仲介も避けられてしまう可能性さえあります。
このため、たとえば定期的な建物管理の仕組みや24時間の入居者対応、退去時の親身な対応など、事業規模や膨大なノウハウを活かした質の高い賃貸管理の仕組みを持っているかが重要です。


そして家賃管理(家賃回収)も大切といえます。なお、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の2020年度下期「日管協短観」によると、2020年下期の月初における全国の平均滞納率は5.0%という結果です。

家賃の滞納とは、家賃が入らないという点で空室と同じといえます。

しかし空室なら新規入居を仲介すれば解決できますが、滞納では新規入居を仲介することもできず、即座に退去してもらうことも困難です。さらに、滞納者は経済的に困窮しているからこその滞納ということも少なくないので、滞納分を回収することも簡単ではなく、空室より厄介といえます。

このため、賃貸経営においての家賃管理とは極めて重要なことと意識しましょう。

この管理力を見極めるポイントは、設計・施工力と同じく「過去の実績」を見比べるのが簡単です。今まで管理してきた物件の入居者からの評価はどうなのか...。また、そのような過去の経験を活かして、現在どのような仕組みや制度を作っているのかも大切です。

3-1 管理力における注意ポイント

設計・施工力や仲介力などと同じく、管理力も事業者によって様々です。
ただ、管理力とともに「管理料(サブリース費用)」も事業者によって様々といえます。

そしてサブリースは極めて長期の契約なことが多いので、建築費などと同じく、先々を見据えた管理力より目先の管理料を気にしてしまうオーナーも少なくありません。そして結果的に、杜撰な管理になってトラブルや経営失敗になることも多かったのもサブリース新法成立の背景の一つです。


充実した管理なくしては安定した賃貸経営は成り立ちません。いかに管理料が安くても管理力が乏しければ退去も早まり、次の(新規)仲介にも繋がらず、空室という一切の利益を生まない環境を自ら作り出してしまいます。サブリース契約における空室は、オーナーには問題なくても事業者には極めて厳しい状況です。(自分たちの管理・運営力のなさが原因でも)その状況が続けばサブリース契約の内容変更を求めてくるのは自然ですし、拒めば事業者の倒産によって、やはりサブリース契約が続かなくなることもあります。

管理力の乏しい事業者との契約は最終的に両者共倒れになりかねないので、設計・施工力や仲介力などと同じく、管理力についても先々を考え、事業者を選ぶよう努めましょう。

まとめ

サブリースの形態で事業を行う方が増えており、それに伴い増加するトラブルを防止するための法律ができました。

建物賃貸事業を行う上で、サブリース自体はオーナーにとって良い仕組みであり、契約内容がしっかりと履行されれば、とても安心できる契約形態の一つといえます。

しかしそのためには、サブリース(建物賃貸事業)を適正に運営できる会社をパートナーとして選択することがとても重要です。先々を見据えて考えることを基本にしつつ、質の高い優良な事業者を選びましょう。

執筆者プロフィール
【山本FPオフィス 代表 山本昌義】

商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て、2008年8月8日に開業。
現在は日本初の「婚活FP」として、恋愛・婚活・結婚・離婚×お金をメインテーマに活動中。婚活中の方や新婚夫婦、または独身を貫きたい方など、比較的若い方向けのご相談や執筆、講演を行っています。趣味は漫画(約6,000冊所有)。物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】

・CFP®(婚活FP)

監修者プロフィール
【株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘】

マイアドバイザー®。Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、

主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFP®として活動している。

NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。


【保有資格】

・CFP・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)

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