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ワンルーム不動産投資のメリットとリスクは?失敗しないポイント

公開日: 2022.10.28

最終更新日: 2023.03.17

公開日:2022年8月26日

資産運用や節税対策の一環として、注目されているのが不動産投資です。そのなかでも、ワンルーム不動産投資は、少額から始めることができ、フルローンを組みやすいなどの理由からサラリーマンや投資家に人気のある手法です。

一方で、インターネットなどの記事で不動産投資やマンション投資と検索すると、マンション経営の収支がマイナスとなり、ローン返済ができなくなったオーナーや利益が全く出ないオーナーの失敗例が成功事例よりも目立っていることから、よいイメージをもたない人も少なからずいるのではないしょうか。不動産投資で重要な失敗しないポイントを紹介します。



目次

1. ワンルーム不動産投資とは

1-1.マンションの1室だけを購入して賃貸することで家賃収入を得る投資
1-2.ワンルーム不動産投資が注目される理由

1-3.ワンルーム不動産投資の始め方

2. ワンルーム不動産投資のメリット

2-1.長期的な家賃収入を期待できる
2-2.団体信用保険に加入できる

2-3.節税につながる

3. ワンルーム不動産投資のデメリットとリスク

3-1.家賃がゼロになる可能性がある
3-2.税金や維持費が必要

4. ワンルーム不動産投資で失敗しないためのポイント

4-1.立地と設備を細かく調べる
4-2.中古マンションを中心に選ぶ

4-3.信頼できる業者に頼る

5. ワンルーム不動産投資のポイントまとめ

1.ワンルーム不動産投資とは


まずは数ある不動産投資のなかで、基礎知識をつけるためにワンルーム不動産投資とはなにか説明していきます。不動産投資のなかでも、ワンルーム不動産投資は注目されています。注目されている理由とワンルーム不動産投資の仕組みや始め方をもふまえて説明していきます。

1-1.マンションの1室だけを購入して賃貸することで家賃収入を得る投資


ワンルーム不動産投資とは、マンションの一棟ではなく、複数ある部屋の1つを購入し、それを賃貸することで家賃収入を得る不動産の投資方法です。
毎月の家賃収入以外の、契約時や更新時に入居者が支払う礼金や更新料がある場合も収入の一部となります。複数ある部屋の1つではなく、複数のマンションから部屋を少しずつ購入して運用している例もあります。


1-2.ワンルーム不動産投資が注目される理由


ワンルーム不動産投資はほかの不動産投資と比較すると比較的、初期費用が少ないことや生命保険の代わりとして持つ人、所得税や相続税の圧縮など節税目的で始める人も多いことから注目が高まっています。

アパート一棟の賃貸経営となると、億単位の金額で売買されるケースが多く、年収や個人属性が高く、自己資金が豊富にある人でなければ、金融機関から融資を受けるのが難しくなります。

一方でワンルーム不動産投資は、物件のエリアや築年数などにもよりますが、一般的に年収500万円以上を基準に融資が受けやすく、アパート一棟経営に比べると初期費用を抑えやすくなります。また、区分所有なので区分所有部分と室内設備を管理するだけでいいのもメリットであり、サラリーマンの方でも始めやすいとされてます。(共益費や修繕積立金など金銭的な負担はあります。)物件を丸ごと購入しなくても不動産投資が始められるというのは、ひとつのメリットといえるでしょう。


1-3.ワンルーム不動産投資の始め方


ワンルーム不動産投資を検討しているが、何から始めていいのかわからない方はぜひ参考にしてください。

    • ライフプランニングを行い、将来の目標達成に向けた課題を明確にする
      「節税や相続税対策」、「不労所得の獲得」、「将来のための資産形成」、「家族に資産を残したい」、「保険代わりにしたい」などワンルーム不動産投資を始めるには、ライフプランニングを行い、将来の目標達成に向けた課題を明確にすることが重要です。
    • 投資金額や達成したい目標を決めたら、購入する物件を探す
      目的が決まれば次は物件購入のための情報収集です。物件は不動産会社を通して探すことが多いため、投資用の物件を取り扱っている不動産会社に問い合わせをして物件を探しましょう。その際、投資金額の希望や自分で決めた将来の目標も正確に伝えることをおすすめします。
    • 購入する物件が決まった後は、不動産投資ローンの審査を受ける
      金融機関でローンを組む際には、必ず審査があります。投資用不動産の金利は2%前後が相場のため、賃貸経営の収支とローンの返済額のバランスを確認し、頭金をいれるのもいいでしょう。審査に必要な書類や手続きは仲介する不動産会社が協力してくれます。ただし、現金で購入費用を全額まかなう場合は不動産投資ローンを組む必要がないため、審査は不要です。
    • ローンの審査に通り、物件を購入したら管理会社を選ぶ
      管理会社選びは重要なポイントです。管理会社は賃料の回収や敷地内の清掃や建物の賃貸管理を担当するパートナーとなります。資産であるワンルーム不動産を預けて相談しながら賃貸経営をすることになるため、「この管理会社なら資産を任せてもいい」と思える管理会社を選びましょう。


2.ワンルーム不動産投資のメリット


ここからはワンルーム不動産投資のメリットを説明していきます。ワンルーム不動産投資は物件価格も安く利回りやキャッシュフローの読みやすいため、リスク対策をしっかりと講じることでリターンを得やすい傾向にあります。

3つの視点から、ワンルーム不動産投資にはどんなメリットがあるのかを確認しましょう。


2-1.長期的な家賃収入を期待できる


ワンルーム不動産投資は、毎月の家賃を主な収入源とする投資です。そのため、安定した入居を確保することで長期的な家賃収入を得ることが可能です。安定した入居を確保するためには、物件選びが重要なポイントとなります。入居需要が高い物件を所有することで、安定した入居を確保できれば月々の収入も得やすくなります。


また、長期的に安定して家賃収入を得られるということは、ローン完済後には、退職後にまとまった収入がない場合でも、年金以外の収入として活用できる可能性があるということです。


老後の生活を有意義に送るためには、年金だけでは不足するといわれている状況です。
年金+家賃収入でゆとりのある老後を送るために、ワンルーム不動産投資は将来の目標を叶える投資のひとつになるのではないでしょうか。


2-2.団体信用保険に加入できる


ワンルームマンションに投資する際、住宅ローン専用の保険「団体信用保険(団信)」に加入することで生命保険と同じようなメリットを得られることもメリットといえるでしょう。購入する際に自動的に加入していることが多く、契約者が死亡や大きな障害を負ってしまったときに残りのローンをすべて保険会社に支払ってもらうことが可能です。万が一のときに残債を家族が負うリスクをなくすだけでなく、部屋はそのまま活用できるので資産を残すことにもつながります。


2-3.節税につながる


ワンルーム不動産投資を行うことによって、部屋の購入を理由に所得税や住民税などを節税できます。

例えば、年収が大きく上がったとき、不動産投資用の部屋を1つ購入することで購入時の費用を減価償却や経費として計上できるため、本来払う予定だった所得税や住民税の額を抑えられることが可能になります。

また、仮にワンルームマンションの経営が帳簿上の赤字になったとしても、損益通算の適用で本業の給与所得から赤字部分を差し引くことで負担する税金を軽減することができます。ただし、購入者の所得税率が高くないと、節税効果がない場合もあり、恩恵は受けづらいことは覚えておきましょう。


3.ワンルーム不動産投資のデメリットとリスク


次に、ワンルーム不動産投資のデメリットとリスクを説明していきます。ワンルーム不動産投資には、空室のリリスクや物件を管理していくために必要なランニングコストなどがあることも想定しておく必要があります。



ワンルーム不動産投資のデメリットとリスクには、家賃がゼロになる可能性があること、税金や維持費が必要であることがあげられます。



3-1.家賃がゼロになる可能性がある


ワンルーム不動産投資は、一棟投資よりも空室時のリスクが高くなります。一棟投資の場合は、複数の部屋があるため、例えば10部屋あるアパートやマンションの場合、1部屋や2部屋空室であっても家賃収入はゼロにはなりません。ただし、ワンルームマンションの場合、入居がゼロかイチしかないため、ほかの部屋の家賃収入でリスクヘッジできず、家賃収入はゼロになってしまいます。

ワンルームという特性上、入居する人は単身者が多いため、ファミリー層のように長期間入居するケースが少なく、入れ替わりが多い点もデメリットです。空室を回避するために、家賃を保証する「サブリース契約」といった契約方法もありますので検討しておきましょう。

また、家賃収入がゼロにならないとしても、家賃が下がるリスクも考慮しておきましょう。例えば、他の部屋のオーナーが家賃を下げたときは、自身の部屋の家賃も家賃相場にあわせて下げざるを得ないケースもあることを覚えておきましょう。


3-2.税金や維持費が必要

ワンルーム不動産投資を始めるとき、購入時にかかる税金や設備の維持費である修繕積立金などの一部はオーナーが支払わなければなりません。また、不動産購入時には仲介手数料などの初期費用とは別に、登録免許税、印紙税がかかります。投資用マンションを購入後も税金がかかるため、計算方法も覚えておきましょう。

    • 不動産取得税=固定資産税評価額×標準税率4%
    • 固定資産税 =固定資産税評価額×標準税率1.4%
    • 都市計画税 =固定資産税評価額×制限税率0.3%

固定資産税評価額を確認するには、以下の2つの方法があります。

    • 毎年1月1日時点における不動産の所有者に対し、市町村から送付される「固定資産税課税明細書」を見て確認する方法
    • 市役所などで取得できる「固定資産税評価証明書」を見て確認する方法。

また、税金以外にも経年劣化や退去後の原状回復費用などの修繕費もオーナーが負担することがありますが、契約時の敷金や月々の管理費、維持費などで借主から一部徴収が可能なケースもあります。


4.ワンルーム不動産投資で失敗しないためのポイント


ワンルーム不動産投資に限らず、投資は何らかの目的があってするものですが、失敗しないためには押さえておくポイントがあります。ワンルーム不動産投資で失敗しやすい人には原因があり、判断材料が「利回りがいい」という理由や、「新築だから安心」という理由だけで投資物件を選ぶといった共通点があります。不動産投資は、物件の立地条件や設備などの物件選びや業者選定をしっかり行う必要があります。

4-1.立地と設備を細かく調べる

空室のリスクを低減させるためには東京や都心エリアなどの「立地」と「設備」が優れていることが大切です。入居者のターゲット設定し、ニーズを調べて物件を選ぶことで、空室のリスクを軽減することができます。

例えば、立地は通勤通学に便利な場所、最寄り駅の路線、快速の停車駅などの地域の利便性を考慮し、設備はオートロック、浴室換気乾燥機、24時間ゴミ捨て可能、階数など生活の快適性を考慮するといったイメージです。


また、「管理人がいる場合は常駐なのか」、「清掃の頻度はどの程度なのか」など、一棟全体のメンテナンスや管理が十分でないと資産価値が低下するおそれがあるため、マンションの管理体制もチェックしておくとよいでしょう。


4-2.中古マンションを中心に選ぶ

ワンルーム不動産投資の初心者であれば、購入価格が安く新築マンションに比べて利回りが高い傾向にある中高マンションを中心に選ぶのもう一つの方法です。また、中古物件は築年数が浅くても実際に物件の状態や入居実績、管理体制を見極めたうえで購入できるため、他の部屋の入居率や収益性、維持費などを参考に収支シミュレーションも活用しましょう。(築年数によっては管理費や修繕積立金が上がる可能性もあります。)

4-3.信頼できる業者に頼る

ワンルーム不動産投資の物件探しには、正しい判断ができる業者が投資成功の近道となります。知識と経験が豊富なプロの業者であれば、自身の経験や近年の傾向から最適なアドバイスをもらえることもあるため、「ワンルーム不動産投資に詳しい人を担当者にしてください」と伝えておくこともひとつの方法でしょう。

また、タイミングによっては出回る前の優良物件の紹介を受けられることがあります。投資会社や不動産会社と良好な関係を築いておくことが大切です。


5.ワンルーム不動産投資のポイントまとめ


ワンルーム不動産投資のメリットとリスク、失敗しないポイントについて解説しました。不動産投資は税金対策や資産形成、将来設計をしていく中で有効な手段ですが、メリットがある半面リスクも事実としてあります。そのため、不動産投資に関する知識とリスクヘッジできる選択肢を持つことが成功の秘訣でもあります。

ワンルーム不動産投資のメリットである始めやすさから長期的な安定収入を得るために、メリットとリスクを把握し、自身のライフプランニングの目標達成に向けてご活用ください。

監修者プロフィール

伊野 文明(いの ふみあき)

宅地建物取引士・FP3級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】

・宅地建物取引士

・FP3級

・建築物環境衛生管理技術者

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