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【アセトラ】リフォームか建て替えどちらが良いのかの基本的な判断要素について

最終更新日: 2024.01.11

賃貸経営は長期に渡るのが基本のため、いずれはリフォーム、建て替えなどをすることになります。しかし実際にその頃になると、そもそもメンテナンスをすべきなのかどうか(賃貸経営自体を続けるか否か)、リフォームと建て替えのどちらをすればいいのか、分からないことが多くなります。

不動産業者を頼るのも手ですが、まずは自身でも最低限の知識を持っておきましょう。

今回は、リフォームや建て替えの基本と、基本的な判断要素についてお伝えします。ぜひ最後までお読み頂き、皆さんの参考にして頂けますと幸いです。


■この記事のポイント

・賃貸経営を長く続けていると、いずれリフォームか建て替えかの選択を迫られる

・どちらを行うのかは、基本的に「入居付けが難しくなった原因次第」

・原因には、専門家やリーディングカンパニーにしか分からない要素も含まれている

 

 

1.   リフォームと建て替えの基本について

賃貸経営は長期に渡るため、どうしても経年劣化を起こします。
放置すると賃貸経営に悪影響を及ぼすので、どうしてもその箇所には修繕が必要です。しかし、修繕とは基本的に「(価値を)元に戻す行為」であり、それ以上の価値は生み出しません。

そして、賃貸経営を長く続けていると、技術革新や機能向上のため、元に戻すだけでは物足りなくなることがあります。そのような際に必要になるのがリフォームや建て替えです。

価値や機能を向上させる工事をするわけですから、当然、リフォームや建て替えは修繕よりも高額な費用がかかります。しかし、その分より高い入居付け効果を見込めるようになります。
 

また、リフォームや建て替えでは、より高品質・高耐久の資材にすることもできます。その結果、修繕を繰り返すよりもランニングコストを下げられ、賃貸経営上プラスになることもあります。
1度の工事費用を比べれば修繕のほうが割安なケースが多いですが、時間単価で考えると、耐用年数が伸びる分、プラスになるでしょう。今後も長く賃貸経営をするつもりであるなら、前向きに検討してみることをおすすめします。

修繕・リフォーム・建て替えは、費用や入居付け以外にも、設定家賃や減価償却費、相続税などの節税効果など、様々な要素に違った影響を及ぼしがちです。実際にどの工事をするか考える際には、様々な要素を複合的に考えて判断しましょう。

 

 

リフォームとは

リフォームとは、建物の基礎や構造はそのままに、「部分的に建物を良くする工事」をいいます。具体的には、古くなった外観や内観、設備などを最新のものにする工事です。
 

後述する建て替えと比べて、建物の基礎や構造を流用する分、工期も短いうえに費用が割安になります。また1室だけ、1階だけなど、部分的な工事が可能です。
建物の基礎や構造の耐久性が十分なら、まずはリフォームを検討してみると良いでしょう。

 

建て替えとは

建て替えとは、建物を取り壊し、基礎から建て直す工事をいいます。つまり一から建て直すわけですから、間取りや設備なども含めて、すべてを一から最新の状態にすることが可能です。
 

リフォームと比べると、やはり建て替えのほうが工期も長く、高額な費用が必要になります。その代わり、リフォーム以上の入居付け効果を見込むことが可能です。

リフォームでは足りない場合や建物の築年数が古くなってきたら、思い切って建て替えも検討してみると良いでしょう。

 

2.   リフォームと建て替えの基本的な判断要素について

賃貸経営において、もっとも重要な要素とは「入居付け」です。

常に一定の入居希望者が現れ、既存の入居者がなかなか退去せず、ほぼずっと満室...そのような状態を維持することが一つの理想になります。
その理想にもっとも近い状態なのが「新築の時」であり、時間が経つほど入居付けが難しくなります。
 

この「入居付けが難しくなった原因」こそが工事内容を決める大切な判断要素になり、最終的にリフォームで足りるのか、建て替えが必要なのかの分かれ目になります。(例外的に、相続対策の場合は優先的に建替えを考えたほうが、費用対効果が大きくなりやすいですが、まずは通常時の賃貸経営の場合で考えてください)

 

この原因分析は、皆さんが思う以上に簡単ではありません。
なぜなら大抵の場合、その原因は一つではないからです。複数の原因が複合的に絡まって、最終的に入居付けが困難に陥っています。まずは一つ一つの原因を知っておくことが大切です。

以下、入居付けが難しくなりやすい代表的な原因についてお伝えします。

 

近隣同種物件との競合

これが一番、分かりやすい原因だと思います。今の日本はどこへ行っても賃貸物件が溢れており、競争が厳しい時代です。
新築物件も建ちますから、入居者からすると選び放題になっています。その状態で選んでもらうことは、けして簡単ではありません。

しかも今はインターネットの浸透によって、入居者はそれらを自宅にいながら細部に至るまで比較検討できます。
間取りや広さは元より、何らかの設備の有無や外観なども確認しながら、家賃も含めて存分に検討する時代です。近隣に、より優れた物件があると見なされれば、当然にそちらを優先されてしまいます。
 

自分の物件は、周辺の物件と比べて何が劣っているのでしょうか?何らかの設備がないのなら、それを足すことが必要です。
外観が古ぼけているなら、再塗装が必要になります。この程度ならリフォームで事足りるでしょう。
しかし例えば、最近ではワンルームタイプでもバス・トイレ別の物件が主流になっているのに、自分の物件は3点ユニットバスなら、仕様が時代に合わなくなっておりリフォームも難しいため、建て替えが必要かもしれません。

 

物件の質やマーケット

最近では毎年のように大規模災害が起こっていますが、それに関連して「物件の耐震性」を気にする方が増えています。

また凶悪犯罪を聞く機会が増えたことから、「物件の防犯性」も同様です。
他にも採光などいくつかの要素がありますが、そのような物件自体に求められる質・要素が足りず、入居付けが難しくなっている可能性があります。

 

また、長い時間が経てば、それだけ周辺の街並みや地域性も、つまりマーケットも変化するものです。その結果、若い人や高齢者が増えた・減った、単身者が増えた・減った、高所得者が増えた・減った、などもよく起こります。
結果として、地域のニーズと物件のズレが起こることもありがちです。そうなれば当然、入居付けは難しくなります。

一定の設備の追加などで事足りるならリフォームで十分に対応可能でしょう。

しかしそうでないのなら、建て替えが必要な可能性が出てきます。

 

その他の要素

一般論として、入居者の最終的なニーズは「家賃」に集約されてきます。

家賃が同程度なら、より条件が整っているほうが好まれ、条件が同程度なら、より家賃が割安なほうが選ばれやすいわけです。むやみに家賃を下げると、それだけ経営効率が落ちてしまいますが、条件を良くした代わりに家賃が大きめに割高になるようでは、それはそれで客離れを起こします。

リフォームなどの投資をする以上、家賃向上を狙いたくなるものですが、入居率向上とのバランスを考えながら検討していきましょう。

リフォームで足りるのか、建て替えが必要なのかは、基本的にこれらの要素を総合しての判断が必要になります。

合わせて実際の判断の際には、膨大な経験やノウハウを積み重ねた「リーディングカンパニーにしか分からない要素」も重要です。
入居付けが難しくなった原因分析自体、不動産業者を頼ったほうが賢明ですから、判断の際にはまずは頼れる不動産業者を探すことに努めましょう。

最近では近隣同種物件との差別化を図る目的で、たとえば女性専用、高齢者専用、ペットオーナー向けなど、ソフト=サービス面を工夫し、従来とは少し質の違う賃貸物件も増えてきています。
入居付けが難しくなった原因分析が困難な際には、発想を変えて「より効果的・効率的な入居付け方法」も検討してみると良いでしょう。

3.   まとめ

賃貸経営を長く続けていると、いずれ修繕では足りず、リフォームや建て替えが必要になってきます。リフォームと建て替えのどちらが必要なのかは、基本的に「入居付けが難しくなった原因次第」です。
その原因は、分かりやすい近隣同種物件との競争などのほか、リーディングカンパニーにしか分からない要素も含まれています。
 

またリフォームなどは、集客力・収益力の向上が基本的な目的ですが、節税や相続対策などでも活用する機会があるものです。実際にリフォームなどを考える際には、専門家の知見も活用しながら、多角的な視点で検討することをおすすめします。
 

まずは頼れる不動産業者を味方に付けて、多角的に集客が難しくなった原因を分析し、その対策としてリフォームや建て替えを検討していきましょう。

下記に簡単に、大東建託グループが提供できるサービスについて記載いたします。


 

大東建託グループが提供できるサービス

 

【土地診断】

ご所有地の資産価値・賃貸需要・賃貸事業シミュレーションなど

 

【ライフプラン診断】

家計収支と預金残高の予測、相続税の納税資金予測など

 

【資産診断】

一次相続・二次相続の相続税額、対策をした時の相続税額など

 

【AI不動産投資シミュレーションレポート】

所有不動産の価値をAIが分析・診断し、アドバイスをするサービス

不動産ビッグデータ*と人工知能AIによる分析機能により、お客さまの所有不動産の運用状況や今後の投資余力を可視化など、賃貸改善・リフォーム・売却・購入時の検討材料としてご活用いただけます。





<執筆者プロフィール>

【山本FPオフィス 代表 山本昌義】

マイアドバイザー®
商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て、2008年8月8日に開業。
現在は日本初の「婚活FP」として、恋愛・婚活・結婚・離婚×お金をメインテーマに活動中。婚活中の方や新婚夫婦、または独身を貫きたい方など、比較的若い方向けのご相談や執筆、講演を行っています。趣味は漫画(約6,000冊所有)。


【保有資格】
・CFP®(婚活FP)


<監修者プロフィール>

株式会社優益FPオフィス 代表取締役 佐藤 益弘

マイアドバイザー®
Yahoo!Japanなど主要webサイトや5大新聞社への寄稿・取材・講演会を通じた情報提供や、主にライフプランに基づいた相談を顧客サイドに立った立場で実行サポートするライフプランFP®/マイアドバイザー®として活動している。
NHK「クローズアップ現代」「ゆうどきネットワーク」などTVへの出演も行い、産業能率大学兼任講師、日本FP協会評議員も務める。


【保有資格】
・CFP®・FP技能士(1級)・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
・住宅ローンアドバイザー(財団法人住宅金融普及協会)